消滅の魔女と四英傑 〜天才少女、異世界へ降り立つ〜
迷宮結界
生徒会役員のジンクとジェニス二人は迷宮と化した学園を彷徨っていた。
「一体どうなってやがる。扉を抜ける度違う部屋に移動するなんて」
「まさか、こんな罠を張って来るなんてね。暴徒化した生徒達から逃げないとならないといけないなんて・・・」
ジンクとジェニスは暴徒化した生徒達から逃げていた。
「フフ、随分とモテモテね。あの子達、貴方達のファンかしら?」
「何処をどう見てそうなるのよ!!」
二人の前を走ってるスキンヘッドの化粧の濃いオカマの鳥人が楽しそうに話す。
彼はジンク達が暴徒化した生徒達に囲まれていた時に助けた特別生の三年、リカルド・アマレッティだった。
「いい、これは『迷宮結界』といって本来は古代の遺跡とか太古の重要施設にあるものなの。結界を構築してる式が書かれた札をどこかに設置して発動する大掛かりな魔法でね。本来は永久的に起動しておくために魔力を溜めておく装置が一緒にあるんだけど・・・」
リカルドがここまで詳しいのは、考古学を専攻しておりこの手の結界にはよく出くわしたからだ。
そして、鳥人の国は『結界魔法』が発展している。
そのためリカルドは『迷宮結界』の攻略法は知っていたが、それは古代の遺跡などでの話しである。
『迷宮結界』には一定の法則があるはずなのだが、この結界にはその法則が適用しないのだ。
空間が歪んでいても同じルートを通ってもルートが変わる事はない。
しかし、今回は同じルートを通っても同じルートに入らないのだ。
リカルドはその法則を熟知している分、この現象に理解出来なかった。
「随分と面白いことになってるじゃない」
クリスは暴徒化する一般生徒を電撃で無力化して行く。
「まさか、戻って早々に始まっているとは思いませんでした」
ライチェスは風魔法の風圧で一般生徒達を吹き飛ばしていた。
「確かにこれは頼りになるわね。アシュナが言うだけのことはあるわ」
クリスはどうせアシュナの過剰評価だと思っていたらしく、実際目にするとアシュナの言った通りだった。
それと同時にあの嵐しか呼べない龍人の株がどんどん下がって言った。
クリスの中でライチェスの株が上がれば上がるほど、ミュラーの株は下落するのだった。
「私もやりたーい」
アシュナもやりたがってるが、こんな乱戦してる状況ではむしろ邪魔になる可能性があるので控えてもらっている。
「仕方ないわね。私は少し休むわ」
クリスはまだまだ余裕があったが、アシュナが代わりたがっていたので譲った。
『さて、どうすればいいのかよね。そもそも、この状況が分からないわ』
クリスはそもそも何故このような状況になったか分かっておらず、校舎に入った瞬間に一般生徒達に襲われ今に至るという感じである。
『でも、この現象がどういうものかはだいたい理解出来たわ。空間を歪め学園を巨大な迷路にしてるというわけね。魔法を維持する何かがあって然るべきだけど、肝心の場所がね』
この状況の目的は兎も角、一番その起動式を隠しているかをクリスは考える。
「ちょっと待って」
クリスはライチェスとアシュナを止める。
追ってきた一般生徒は既に片付け終わっていた。
「どうしたんですか?」
クリスは手帳に簡易的な校舎の地図を書く。
「たぶん、私達はこの辺にいる」
クリスは校舎別館の三階廊下を指差す。
「そして、私達があの暴徒化した生徒に追われたのはここ、何度かループしてるけどここだけはやたらと生徒の数が多いのよ」
クリスが指をさしたのは、職員室の前廊下だった。
「逆にここまで来ると追手も少なくなってるということはこの近辺の何処かに奴らにとって重要な何かがあるからじゃないかしら」
「!!」
ライチェスは言われてみればと言う反応だった。
「散らばればいいものなのにあそこまであからさまだと見つけてくれと言ってるようなものね」
クリスも暴徒達が散らばっていたら探すのに今以上に時間をかけていただろう。
しかし、それでも見つけられないクリスではないのだ。
『おそらく、ここかここかここね』
クリスが指を指したのは職員室の入り口と職員室前にある男子と女子の秘密の花園の入り口だった。
「だから、まずはあの暴徒供を一掃してその三つを全て入ってみるわ」
クリスは一般生徒が多かった職員室前に移動する。
パターンはランダムだが、クリスはパターンを記憶し移動する部屋を迷う事なく進んで行く。
クリスはこの手の乱数調整は最も得意な分野である。
ランダムの中から欲しいものだけ選んでいるのである。
彼女にとって不規則な法則も行く部屋がランダムだと分かっていればないも同然だった。
その様子を見ていたとある男は面白くないと感じで見ている。
「な、何故だ!!何故この不規則な法則を物ともせず進める。ただの『迷宮結界』じゃない『多重迷宮結界』なんだぞ!!」
「愚かですね。彼女はかの守護者に選ばれた存在です。それに『多重迷宮結界』ですか、自らネタをバラすなんて相当ショックだったんですね。うぐっ!!」
男の影がエリックを締め上げる。
「うるせぇ。あの馬鹿供が、あれだけ固まるなと言っていたのによ!!だが、それに気付いても無駄だ!!あそこには、アレがあるしその向こうには、アイツが控えてる」
男はそれでも余裕のようだった。
「師匠、どうして何度も扉を開けたり閉めたりを何回も繰り返してから扉に入ってるんですか?」
「この仕掛けは、扉を開けた回数もしくは開けた経過時間によって出る部屋が変化するの。だから、行きたい場所へ行けるように調整してるのよ」
側から見たらただの迷惑な奴である。
「本当!!」
「ええ、本当よ。この扉は三回全開で開閉を繰り返ししてから五回半開きで開閉を繰り返した後、十五秒から一分経った間に入ると職員室前の廊下に出るわ」
クリスはアシュナにやらせるとアシュナは楽しそうに扉の開閉を繰り返す。
クリスの言う通りにやると職員室前の廊下に出る。
「本当だ!!」
アシュナは嬉しそうだが、目の前には生徒達が迫って来ている。
「まったく、人気者は辛いわ」
クリスはうんざりしたように呟くと周囲を閃光が包んだ。
クリスは電撃の魔法で生徒達の意識を奪うがまだ半数以上の生徒達が立ち上がる。
ここに来て気付いたが、ここの生徒達だけやたらタフなのだ。
ここから離れた時は電撃一発で意識を奪っていた。
「成る程、そういう事・・・ここの生徒達は攻撃が通り難くなってるのね」
おそらく、このエリアの範囲に自分達の攻撃を通り難くしてる何かがあるのだ。
「ライチェス、こっちから向こう結界で閉じれる?」
「それくらいなら」
ライチェスは言われるがままに結界を張るが、クリスが何を考えているか分からなかった。
「肉体の外側が駄目なら内側を責めることにするわ」
クリスがそういうと結界から向こう側にいる生徒達が苦しみだす。
クリスは身近にある気体を魔法で毒物に変えたのだ。
それはオゾンという気体だった。
しばらくすると、昏倒する生徒やまともに立ち上がれない生徒が現れた。
「やっぱり、肉体が駄目なら呼吸器を潰せば早いわね」
クリスは難無く生徒達を無力化し、パンがなければお菓子を食べればいいじゃないみたいな感じに言う。
「成る程これね」
クリスはこのフロアに仕掛けられた術式を見つけ出し破壊した。
クリス達は職員室、男子の秘密の花園と調べた。
「どうやら、ここに正解がありそうね」
そこは女子の秘密の花園だった。
「ここだけはあって欲しくなかったです」
クリス達は、ハズレを引いてはここに戻ってを繰り返していた。
そして残ったのがこの秘密の花園である。
つまり女子トイレである。
何故、最後かというとライチェスが渋ったからである。
こういうピュアな少年を汚してやりたいと思うクリスであったが、それはアシュナの仕事なのでやっていない。
しかし、アシュナもアシュナで子供はキスをするとコウノトリさんが運んで来てくれると本気で言っていたりとクリスは頭を抱えるしかなかった。
それを本気で信じてる幼子の純粋な心を弄ぶほど、クリスは歪んでいない。
しかし、女の子に限った話しである。
「覚悟を決めなさい。男は覚悟と責任を持ってやらなきゃならない時があるのよ!!」
クリスはあえて何をとは言わない。
「師匠がたまに何を言いたいのか分からない時がありますが、重要な事なのは分かります!!」
絶対分かってないだろとクリスは心の中で思いながら扉を開く。
そこは、教練場でだいぶ広い。
その中央に一人の鳥人が立っていた。
「一体どうなってやがる。扉を抜ける度違う部屋に移動するなんて」
「まさか、こんな罠を張って来るなんてね。暴徒化した生徒達から逃げないとならないといけないなんて・・・」
ジンクとジェニスは暴徒化した生徒達から逃げていた。
「フフ、随分とモテモテね。あの子達、貴方達のファンかしら?」
「何処をどう見てそうなるのよ!!」
二人の前を走ってるスキンヘッドの化粧の濃いオカマの鳥人が楽しそうに話す。
彼はジンク達が暴徒化した生徒達に囲まれていた時に助けた特別生の三年、リカルド・アマレッティだった。
「いい、これは『迷宮結界』といって本来は古代の遺跡とか太古の重要施設にあるものなの。結界を構築してる式が書かれた札をどこかに設置して発動する大掛かりな魔法でね。本来は永久的に起動しておくために魔力を溜めておく装置が一緒にあるんだけど・・・」
リカルドがここまで詳しいのは、考古学を専攻しておりこの手の結界にはよく出くわしたからだ。
そして、鳥人の国は『結界魔法』が発展している。
そのためリカルドは『迷宮結界』の攻略法は知っていたが、それは古代の遺跡などでの話しである。
『迷宮結界』には一定の法則があるはずなのだが、この結界にはその法則が適用しないのだ。
空間が歪んでいても同じルートを通ってもルートが変わる事はない。
しかし、今回は同じルートを通っても同じルートに入らないのだ。
リカルドはその法則を熟知している分、この現象に理解出来なかった。
「随分と面白いことになってるじゃない」
クリスは暴徒化する一般生徒を電撃で無力化して行く。
「まさか、戻って早々に始まっているとは思いませんでした」
ライチェスは風魔法の風圧で一般生徒達を吹き飛ばしていた。
「確かにこれは頼りになるわね。アシュナが言うだけのことはあるわ」
クリスはどうせアシュナの過剰評価だと思っていたらしく、実際目にするとアシュナの言った通りだった。
それと同時にあの嵐しか呼べない龍人の株がどんどん下がって言った。
クリスの中でライチェスの株が上がれば上がるほど、ミュラーの株は下落するのだった。
「私もやりたーい」
アシュナもやりたがってるが、こんな乱戦してる状況ではむしろ邪魔になる可能性があるので控えてもらっている。
「仕方ないわね。私は少し休むわ」
クリスはまだまだ余裕があったが、アシュナが代わりたがっていたので譲った。
『さて、どうすればいいのかよね。そもそも、この状況が分からないわ』
クリスはそもそも何故このような状況になったか分かっておらず、校舎に入った瞬間に一般生徒達に襲われ今に至るという感じである。
『でも、この現象がどういうものかはだいたい理解出来たわ。空間を歪め学園を巨大な迷路にしてるというわけね。魔法を維持する何かがあって然るべきだけど、肝心の場所がね』
この状況の目的は兎も角、一番その起動式を隠しているかをクリスは考える。
「ちょっと待って」
クリスはライチェスとアシュナを止める。
追ってきた一般生徒は既に片付け終わっていた。
「どうしたんですか?」
クリスは手帳に簡易的な校舎の地図を書く。
「たぶん、私達はこの辺にいる」
クリスは校舎別館の三階廊下を指差す。
「そして、私達があの暴徒化した生徒に追われたのはここ、何度かループしてるけどここだけはやたらと生徒の数が多いのよ」
クリスが指をさしたのは、職員室の前廊下だった。
「逆にここまで来ると追手も少なくなってるということはこの近辺の何処かに奴らにとって重要な何かがあるからじゃないかしら」
「!!」
ライチェスは言われてみればと言う反応だった。
「散らばればいいものなのにあそこまであからさまだと見つけてくれと言ってるようなものね」
クリスも暴徒達が散らばっていたら探すのに今以上に時間をかけていただろう。
しかし、それでも見つけられないクリスではないのだ。
『おそらく、ここかここかここね』
クリスが指を指したのは職員室の入り口と職員室前にある男子と女子の秘密の花園の入り口だった。
「だから、まずはあの暴徒供を一掃してその三つを全て入ってみるわ」
クリスは一般生徒が多かった職員室前に移動する。
パターンはランダムだが、クリスはパターンを記憶し移動する部屋を迷う事なく進んで行く。
クリスはこの手の乱数調整は最も得意な分野である。
ランダムの中から欲しいものだけ選んでいるのである。
彼女にとって不規則な法則も行く部屋がランダムだと分かっていればないも同然だった。
その様子を見ていたとある男は面白くないと感じで見ている。
「な、何故だ!!何故この不規則な法則を物ともせず進める。ただの『迷宮結界』じゃない『多重迷宮結界』なんだぞ!!」
「愚かですね。彼女はかの守護者に選ばれた存在です。それに『多重迷宮結界』ですか、自らネタをバラすなんて相当ショックだったんですね。うぐっ!!」
男の影がエリックを締め上げる。
「うるせぇ。あの馬鹿供が、あれだけ固まるなと言っていたのによ!!だが、それに気付いても無駄だ!!あそこには、アレがあるしその向こうには、アイツが控えてる」
男はそれでも余裕のようだった。
「師匠、どうして何度も扉を開けたり閉めたりを何回も繰り返してから扉に入ってるんですか?」
「この仕掛けは、扉を開けた回数もしくは開けた経過時間によって出る部屋が変化するの。だから、行きたい場所へ行けるように調整してるのよ」
側から見たらただの迷惑な奴である。
「本当!!」
「ええ、本当よ。この扉は三回全開で開閉を繰り返ししてから五回半開きで開閉を繰り返した後、十五秒から一分経った間に入ると職員室前の廊下に出るわ」
クリスはアシュナにやらせるとアシュナは楽しそうに扉の開閉を繰り返す。
クリスの言う通りにやると職員室前の廊下に出る。
「本当だ!!」
アシュナは嬉しそうだが、目の前には生徒達が迫って来ている。
「まったく、人気者は辛いわ」
クリスはうんざりしたように呟くと周囲を閃光が包んだ。
クリスは電撃の魔法で生徒達の意識を奪うがまだ半数以上の生徒達が立ち上がる。
ここに来て気付いたが、ここの生徒達だけやたらタフなのだ。
ここから離れた時は電撃一発で意識を奪っていた。
「成る程、そういう事・・・ここの生徒達は攻撃が通り難くなってるのね」
おそらく、このエリアの範囲に自分達の攻撃を通り難くしてる何かがあるのだ。
「ライチェス、こっちから向こう結界で閉じれる?」
「それくらいなら」
ライチェスは言われるがままに結界を張るが、クリスが何を考えているか分からなかった。
「肉体の外側が駄目なら内側を責めることにするわ」
クリスがそういうと結界から向こう側にいる生徒達が苦しみだす。
クリスは身近にある気体を魔法で毒物に変えたのだ。
それはオゾンという気体だった。
しばらくすると、昏倒する生徒やまともに立ち上がれない生徒が現れた。
「やっぱり、肉体が駄目なら呼吸器を潰せば早いわね」
クリスは難無く生徒達を無力化し、パンがなければお菓子を食べればいいじゃないみたいな感じに言う。
「成る程これね」
クリスはこのフロアに仕掛けられた術式を見つけ出し破壊した。
クリス達は職員室、男子の秘密の花園と調べた。
「どうやら、ここに正解がありそうね」
そこは女子の秘密の花園だった。
「ここだけはあって欲しくなかったです」
クリス達は、ハズレを引いてはここに戻ってを繰り返していた。
そして残ったのがこの秘密の花園である。
つまり女子トイレである。
何故、最後かというとライチェスが渋ったからである。
こういうピュアな少年を汚してやりたいと思うクリスであったが、それはアシュナの仕事なのでやっていない。
しかし、アシュナもアシュナで子供はキスをするとコウノトリさんが運んで来てくれると本気で言っていたりとクリスは頭を抱えるしかなかった。
それを本気で信じてる幼子の純粋な心を弄ぶほど、クリスは歪んでいない。
しかし、女の子に限った話しである。
「覚悟を決めなさい。男は覚悟と責任を持ってやらなきゃならない時があるのよ!!」
クリスはあえて何をとは言わない。
「師匠がたまに何を言いたいのか分からない時がありますが、重要な事なのは分かります!!」
絶対分かってないだろとクリスは心の中で思いながら扉を開く。
そこは、教練場でだいぶ広い。
その中央に一人の鳥人が立っていた。
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