牧之原智花は人を殺さない
22
智花は案内された客室で取り上げられていたスーツケースを返してもらった。
スーツケースの中からスマートフォンを取り出し、時間を見た。画面に表示されている時間は十一時三十分。
「それがその時間を確認できるものなのか」
智花がスマートフォンを見ていると、レギーナが上から覗き込んできた。
「スマートフォンは時間を確認するだけのものじゃないわ。情報を検索したり様々なことができたりすることができるの」
「なんだかよく分からなけど、あとどのくらいで変化するんだ」
「後三十分ってところね。ところで、あんたたちが取りあげた私と一緒にいた猫なんだけど、本当にまだ起きないの?」
「先ほど聞いてみたけど、まだ起きていないみたいだ。そんな不思議がることなのか」
「不思議もなにも、向こうにいた時間はすでに一度は確実に起きているわ。まだ寝ているというのが不思議なくらいよ……」
「そうか。とにかく――」レギーナは立ち上がり、「猫のことより自分自身のことを心配しておくんだな。私たちはまだお前を信じたわけじゃない」と言い残し部屋から出て行った。
「あと十分くらいか……」
智花はスマートフォンの画面を見て呟いた。
「念のためチェックしておくか」
スーツケースを開き、一つ一つ持ってきたものを確認する。
「着替えに、充電器にタブレット……。でもこの世界電気はないから充電できないんだよなぁ……」大きなため息をつき、スーツケースの中身のチェックを始めた。
「あ……」
智花は超高級猫缶が目に付いた。
毘沙門天……あんた一体どうしたっていうのよ……。
スーツケースの中からスマートフォンを取り出し、時間を見た。画面に表示されている時間は十一時三十分。
「それがその時間を確認できるものなのか」
智花がスマートフォンを見ていると、レギーナが上から覗き込んできた。
「スマートフォンは時間を確認するだけのものじゃないわ。情報を検索したり様々なことができたりすることができるの」
「なんだかよく分からなけど、あとどのくらいで変化するんだ」
「後三十分ってところね。ところで、あんたたちが取りあげた私と一緒にいた猫なんだけど、本当にまだ起きないの?」
「先ほど聞いてみたけど、まだ起きていないみたいだ。そんな不思議がることなのか」
「不思議もなにも、向こうにいた時間はすでに一度は確実に起きているわ。まだ寝ているというのが不思議なくらいよ……」
「そうか。とにかく――」レギーナは立ち上がり、「猫のことより自分自身のことを心配しておくんだな。私たちはまだお前を信じたわけじゃない」と言い残し部屋から出て行った。
「あと十分くらいか……」
智花はスマートフォンの画面を見て呟いた。
「念のためチェックしておくか」
スーツケースを開き、一つ一つ持ってきたものを確認する。
「着替えに、充電器にタブレット……。でもこの世界電気はないから充電できないんだよなぁ……」大きなため息をつき、スーツケースの中身のチェックを始めた。
「あ……」
智花は超高級猫缶が目に付いた。
毘沙門天……あんた一体どうしたっていうのよ……。
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