幸せの鮮血
8話 強くなりたい
遅くなりましんたん。
すいましぇん。
「…始め。」
先生のその合図により、皆いっせいにテスト問題を解き始めた。
今日は期末テスト。
シャンザと一緒にテスト勉強をしていたため、サチトは難なく問題を解いていく。 
(シャンザまじか…教えてくれたとこほとんど出てるぞ…。ありがてえ。)
心の中でシャンザを拝みながら次々に問題を解き終えた。
放課後、サチトとシャンザは一緒に帰宅していた。
「サチトくん!テストどうだった?」
「いや〜、まじで助かったよ。シャンザが教えてくれたところがほとんどだったから結構自信ある。」
「ほんとに?良かった〜。」
「ああ、本当にありがとう。」
「うん!」
「テストが終わったってことは星龍祭か。」
「…うん。」
その言葉を出した途端シャンザの表情が暗くなる。
「…シャンザ?」
「え?あ、なんもないの。ただ…私に優勝なんて…出来ないんだろうなぁ…。」
「シャンザ…。」
「ふふ…なーんて。夢のまた夢。変な事言ってごめんね?」
「…のか?」
「え?」
「シャンザは…優勝…したいのか?」
その途端シャンザは少し寂しそうに微笑む。
「贅沢…言うならね。そうしたら…おじい様も…お兄様も私の事…。」
涙をためながら少し悔しそうにぽつりと呟くシャンザ。
──サチト。今日はここまでよ。
──っ…!まだだ…姉貴!俺は…親父に早く認められて…一人前の…殺し屋に…!
──…少なくとも…私の魔法も相殺できないならパパに認めてもらうのは無理よ。
──っ…!
──何を…焦っているの?
──親父が…この家を出ていく前に…親父に認めてもらいたい。そうしなきゃ俺には…世界一の肩書きは大きすぎるんだよ…!
──…はぁ…私も疲れたからもう少しね?
──!…ありがとう!
「…サチトくん?」
「!…悪い…。」
柄にもない。なにを俺はこんなに熱くなっているんだろうか?
「…シャンザ…下克上…しないか?」
「…へ?」
「星龍祭でとんでもないことすればお前に対するじいさん達の認識も変わるかもしれないぞ?」
「な、何言って…」
「お前が…望むらな俺はお前を鍛えることだってできる。」
「サチトくん…あなた…一体何を…?」
「下克上だよ。どうせ星龍祭ではこの国の全てがひっくり返る。なあシャンザ…余興だよ。」
サチトはシャンザに手を差し出す。
「強く…ならないか?」
「今からでも…私…強くなれるの?」
「今だからこそだよ。シャンザならその素質がある。何せ王家の人間だ。」
「どうして…サチトくんが?君は一体…何者…なの?」
「俺はサチト・トーヤマ。シャンザ…君の友達だよ。」
「トー…ヤマ?ってあの…おとぎ話の?」
「隠し名だよ。シャンザ…俺と一緒に来い。」
「…よく…分からないけど…おじい様やお兄様に認めて貰えるなら…私…!」
俯いていたシャンザは思い切り顔を上げる。
「強く…なりたい…!!」
シャンザは振り絞るように叫んだ。
「私でも…強く…なれますか…!!」
「シャンザ…お前だからこそ…強くなれるんだ。」
「っ…!」
──今まで必要とされてこなかった人生。
「泣くなシャンザ…。今のお前に涙は似合わないよ…。俺にはお前が必要だ。」
──お前が必要。その言葉が私にとってどれだけ嬉しいものか。
「でもっ…!サチトくん…私の事…必要って…!」
「全てひっくり返る前の余興だよ。…お前は強い。」
「うっ…っ…あ…」
──この人は…強い。
シャンザは心の中でそう感じた。
「サチ…トくん…!私も…そんなわがまま…言って良いのかなぁ!」
「欲のないものは弱者だ。欲望のままに力を手に入れるから強者ができるんだろうーが。これは自論だが…欲に流されたものだけが強くなれる。そのわがままがあるから俺は強くなれた。シャンザ…やろう。俺とお前の2人で…この国の力をひっくり返すんだ。」
「…うん!やる!私を…強くしてください!!」
シャンザは涙でぐちゃぐちゃになりながらも思いのたけを叫ぶ。
「…これから忙しくなるぜ?相棒。」
「うん!!」
シャンザはサチトの手をしっかりととった。
「ふーん…やるじゃんあの転校生。サチト・トーヤマ…か。この星龍祭…面白くなりそーじゃん!」
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すいましぇん。
「…始め。」
先生のその合図により、皆いっせいにテスト問題を解き始めた。
今日は期末テスト。
シャンザと一緒にテスト勉強をしていたため、サチトは難なく問題を解いていく。 
(シャンザまじか…教えてくれたとこほとんど出てるぞ…。ありがてえ。)
心の中でシャンザを拝みながら次々に問題を解き終えた。
放課後、サチトとシャンザは一緒に帰宅していた。
「サチトくん!テストどうだった?」
「いや〜、まじで助かったよ。シャンザが教えてくれたところがほとんどだったから結構自信ある。」
「ほんとに?良かった〜。」
「ああ、本当にありがとう。」
「うん!」
「テストが終わったってことは星龍祭か。」
「…うん。」
その言葉を出した途端シャンザの表情が暗くなる。
「…シャンザ?」
「え?あ、なんもないの。ただ…私に優勝なんて…出来ないんだろうなぁ…。」
「シャンザ…。」
「ふふ…なーんて。夢のまた夢。変な事言ってごめんね?」
「…のか?」
「え?」
「シャンザは…優勝…したいのか?」
その途端シャンザは少し寂しそうに微笑む。
「贅沢…言うならね。そうしたら…おじい様も…お兄様も私の事…。」
涙をためながら少し悔しそうにぽつりと呟くシャンザ。
──サチト。今日はここまでよ。
──っ…!まだだ…姉貴!俺は…親父に早く認められて…一人前の…殺し屋に…!
──…少なくとも…私の魔法も相殺できないならパパに認めてもらうのは無理よ。
──っ…!
──何を…焦っているの?
──親父が…この家を出ていく前に…親父に認めてもらいたい。そうしなきゃ俺には…世界一の肩書きは大きすぎるんだよ…!
──…はぁ…私も疲れたからもう少しね?
──!…ありがとう!
「…サチトくん?」
「!…悪い…。」
柄にもない。なにを俺はこんなに熱くなっているんだろうか?
「…シャンザ…下克上…しないか?」
「…へ?」
「星龍祭でとんでもないことすればお前に対するじいさん達の認識も変わるかもしれないぞ?」
「な、何言って…」
「お前が…望むらな俺はお前を鍛えることだってできる。」
「サチトくん…あなた…一体何を…?」
「下克上だよ。どうせ星龍祭ではこの国の全てがひっくり返る。なあシャンザ…余興だよ。」
サチトはシャンザに手を差し出す。
「強く…ならないか?」
「今からでも…私…強くなれるの?」
「今だからこそだよ。シャンザならその素質がある。何せ王家の人間だ。」
「どうして…サチトくんが?君は一体…何者…なの?」
「俺はサチト・トーヤマ。シャンザ…君の友達だよ。」
「トー…ヤマ?ってあの…おとぎ話の?」
「隠し名だよ。シャンザ…俺と一緒に来い。」
「…よく…分からないけど…おじい様やお兄様に認めて貰えるなら…私…!」
俯いていたシャンザは思い切り顔を上げる。
「強く…なりたい…!!」
シャンザは振り絞るように叫んだ。
「私でも…強く…なれますか…!!」
「シャンザ…お前だからこそ…強くなれるんだ。」
「っ…!」
──今まで必要とされてこなかった人生。
「泣くなシャンザ…。今のお前に涙は似合わないよ…。俺にはお前が必要だ。」
──お前が必要。その言葉が私にとってどれだけ嬉しいものか。
「でもっ…!サチトくん…私の事…必要って…!」
「全てひっくり返る前の余興だよ。…お前は強い。」
「うっ…っ…あ…」
──この人は…強い。
シャンザは心の中でそう感じた。
「サチ…トくん…!私も…そんなわがまま…言って良いのかなぁ!」
「欲のないものは弱者だ。欲望のままに力を手に入れるから強者ができるんだろうーが。これは自論だが…欲に流されたものだけが強くなれる。そのわがままがあるから俺は強くなれた。シャンザ…やろう。俺とお前の2人で…この国の力をひっくり返すんだ。」
「…うん!やる!私を…強くしてください!!」
シャンザは涙でぐちゃぐちゃになりながらも思いのたけを叫ぶ。
「…これから忙しくなるぜ?相棒。」
「うん!!」
シャンザはサチトの手をしっかりととった。
「ふーん…やるじゃんあの転校生。サチト・トーヤマ…か。この星龍祭…面白くなりそーじゃん!」
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1
コメント
志水零士
授業参観とかないのかな。あったらカオスな展開に……くふふ
イルネス
え?おとぎ話って何ぞ?