幸せの鮮血
プロローグ 白王の暗殺者
──知らねえよ。
──知らねえな。
──裏世界の頭でも奴には関わろうとしねえ。
彼について聞こうとすると皆口を揃えてこう評する。
白虎と。冷酷無情、狙った獲物は必ず仕留める。音もなく忍び寄り両手に持った2本の牙で命を狩る。
「白虎の本名?誰も知らねえよそんなの。てか嬢ちゃん…なんでそんなに白虎について知りたがるんだ?」
「え?あ、えっと…今度学校のレポートで今この辺りで話題の白虎について調べようと思ってて…。」
「悪いことは言わねえ。白虎に目付けられたもんに命の保証はねえ。やめとけ。」
「そんなこと分かってます。でも…調べてみたいんです。」
「そうか…それだったらまた情報が入ったら教えてやるよ。」
「!、いいんですか?!」
「ああ…嬢ちゃん名前は?」
「シャンザって言います!なにか分かったらすぐに教えてくださいねっ?」
「あ、ああ…。もういいか?」
「あ、最後に一つ。…なんで白虎なんですか?虎は分かりますけど…。」
「虎だけじゃ響き悪いだろ?それに…」
「それに?」
「やつは白いんだよ。全身な。その癖闇に溶け込みやがる。それが不気味なんだよ…白虎っていう化け物はな…。」
「姉さん…とっとと起きろ。飯できたぞ。」
「ううん…あと少しぃ…。」
「今日は仕事だろ…。」
「そうだけどぉ…。」
「はぁ…。」
タイアリア帝国北部の村
そこに2人の姉弟が暮らしていた。
「うぅん…サチトぉ…。」
「たく…ラゴスにチクるぞ?」
その瞬間フランの耳がピクリと動く。
「サ、サチト!それだけは…!」
「だったら起きろ。」
「はいただいま!」
この少年はサチト。
エルフと魔人族の間に生まれた少年である。
そして目の前で駄々をこねるのはフラン。
サチトの姉である。
「う〜ん!サチトのご飯はやっぱり美味しいわね!」
「そりゃどーも。まあ母さんには劣るけどな。」
「そうね。このオコメが食べられるのもパパとママのおかげだものね。」
「ああ。」
「今度私もオコメで料理してみようかな。」
「絶対やめて。」
「なんでよ!」
「だってどうせ試食俺じゃん。もう走馬灯は見たくないから。」
「わ、私だって少しは上手く…」
「その言葉を聞くのは何回目だろうな。その度走馬灯見てんだよこっちは。…ま、叔母さん達よりはマシだけどな。」
「あ、あの人たちの料理はもう食べたくない…!」
「ははは…。それよか次の依頼。」
「大丈夫よ。ちゃんと考えてあるから。」
「どんなだ?」
「それはお楽しみよ〜。楽しみにしてるわよ?巷で話題の白虎さん?」
「やめろ…そんな厨二病ネーム好きじゃねえんだよ…。」
「でも有名よ〜?」
「ちっ…クソみてえな2つ名流しやがって…。どうせ姉さんだろ?」
「違うわよ〜。」
「誰だよ…たく…。」
サチトは毒づきながらコメをかき込む。
「そう言えばママから手紙きてたわよ。」
「ふーん。」
「あら?興味ないの?」
「どうせ年甲斐もなく新婚旅行忘れてたとか言って出てったクソ親父と天然おふくろのイチャコラ写真と惚気話だろ?聞き飽きたしいいわ。」
「そ、そう…。」
「じゃ、俺は先行ってるぞ。」
「ええ、いつもの場所ね。」
「あいよ。」
タイアリア帝国闇ギルド
ここは各地にある闇ギルドの総本部である。
そこをまとめあげるのが…
「よおサチ坊。今日も仕事か?」
「おはようラゴス。まあな。」
「ところでフランはどうした?受付が一人いなくて迷惑してるんだが?」
「ん。」
サチトが指を指す。
するとこっそりと入ってくるフランの姿が。
「フ〜ラ〜ン〜…!お前…何度目だ?」
「あ…ははは…。す、すぐに準備しまぁす!!」
「たく…。さ、今日の依頼だったな。今回は暗殺だ。」
「ターゲットは?」
「詳しくはフランから聞きな。」
「?」
フランの方を見るとニコニコしながらこちらを見ていた。
うぜえ。
「おいクソ姉貴。どういうことだよ?」
「んふふ〜…次の依頼はね〜…ジャン!」
フランは制服を取りだし答える。
「この服を着てこの紙に書いてある場所に行きなさい!」
「…はぁ?」
「何よ〜?その曖昧な返事は〜。」
「じゃなくてターゲットは?報酬は?場所は?依頼主は?」
「それはその場所で詳しく〜。」
「話にならん。こんな依頼受けるか。」
「えぇ〜?!なんでよぉ!!」
「こんな意味不明な依頼やる暇俺にはねえんだよ。せめて詳細を言えや。」
「だ〜か〜ら〜…お・た・の・し・み♡」
「…」
「そ、そんな汚物を見るような目で見ないでよ!」
「ラゴス〜帰るわ〜。」
「ちょっ!ちょちょちょ…待ってよぉ!」
「だから…詳細は?」
「うぅ…。」
「まあいいじゃねえか。」
「ラゴス…。」
「あいつ…この依頼は絶対にサチトにやらせるって言って今まで準備してきたんだぞ?」
「……わーったよ。やりゃあいいんだろ?やりゃあ。」
「サチト…。」
「で?場所は?」
「んふふ〜…それはね…
…タイアリア帝国国立学校だよ!」
…は?
こんな感じで始まります。
どうもけん玉マスターです。
リクエストの多かったフランとサチトの続編です。
長くなりそうだったので分けましたw
これからも読んでくださると嬉しいです!
フォローorコメントよろしくお願いします!
──知らねえな。
──裏世界の頭でも奴には関わろうとしねえ。
彼について聞こうとすると皆口を揃えてこう評する。
白虎と。冷酷無情、狙った獲物は必ず仕留める。音もなく忍び寄り両手に持った2本の牙で命を狩る。
「白虎の本名?誰も知らねえよそんなの。てか嬢ちゃん…なんでそんなに白虎について知りたがるんだ?」
「え?あ、えっと…今度学校のレポートで今この辺りで話題の白虎について調べようと思ってて…。」
「悪いことは言わねえ。白虎に目付けられたもんに命の保証はねえ。やめとけ。」
「そんなこと分かってます。でも…調べてみたいんです。」
「そうか…それだったらまた情報が入ったら教えてやるよ。」
「!、いいんですか?!」
「ああ…嬢ちゃん名前は?」
「シャンザって言います!なにか分かったらすぐに教えてくださいねっ?」
「あ、ああ…。もういいか?」
「あ、最後に一つ。…なんで白虎なんですか?虎は分かりますけど…。」
「虎だけじゃ響き悪いだろ?それに…」
「それに?」
「やつは白いんだよ。全身な。その癖闇に溶け込みやがる。それが不気味なんだよ…白虎っていう化け物はな…。」
「姉さん…とっとと起きろ。飯できたぞ。」
「ううん…あと少しぃ…。」
「今日は仕事だろ…。」
「そうだけどぉ…。」
「はぁ…。」
タイアリア帝国北部の村
そこに2人の姉弟が暮らしていた。
「うぅん…サチトぉ…。」
「たく…ラゴスにチクるぞ?」
その瞬間フランの耳がピクリと動く。
「サ、サチト!それだけは…!」
「だったら起きろ。」
「はいただいま!」
この少年はサチト。
エルフと魔人族の間に生まれた少年である。
そして目の前で駄々をこねるのはフラン。
サチトの姉である。
「う〜ん!サチトのご飯はやっぱり美味しいわね!」
「そりゃどーも。まあ母さんには劣るけどな。」
「そうね。このオコメが食べられるのもパパとママのおかげだものね。」
「ああ。」
「今度私もオコメで料理してみようかな。」
「絶対やめて。」
「なんでよ!」
「だってどうせ試食俺じゃん。もう走馬灯は見たくないから。」
「わ、私だって少しは上手く…」
「その言葉を聞くのは何回目だろうな。その度走馬灯見てんだよこっちは。…ま、叔母さん達よりはマシだけどな。」
「あ、あの人たちの料理はもう食べたくない…!」
「ははは…。それよか次の依頼。」
「大丈夫よ。ちゃんと考えてあるから。」
「どんなだ?」
「それはお楽しみよ〜。楽しみにしてるわよ?巷で話題の白虎さん?」
「やめろ…そんな厨二病ネーム好きじゃねえんだよ…。」
「でも有名よ〜?」
「ちっ…クソみてえな2つ名流しやがって…。どうせ姉さんだろ?」
「違うわよ〜。」
「誰だよ…たく…。」
サチトは毒づきながらコメをかき込む。
「そう言えばママから手紙きてたわよ。」
「ふーん。」
「あら?興味ないの?」
「どうせ年甲斐もなく新婚旅行忘れてたとか言って出てったクソ親父と天然おふくろのイチャコラ写真と惚気話だろ?聞き飽きたしいいわ。」
「そ、そう…。」
「じゃ、俺は先行ってるぞ。」
「ええ、いつもの場所ね。」
「あいよ。」
タイアリア帝国闇ギルド
ここは各地にある闇ギルドの総本部である。
そこをまとめあげるのが…
「よおサチ坊。今日も仕事か?」
「おはようラゴス。まあな。」
「ところでフランはどうした?受付が一人いなくて迷惑してるんだが?」
「ん。」
サチトが指を指す。
するとこっそりと入ってくるフランの姿が。
「フ〜ラ〜ン〜…!お前…何度目だ?」
「あ…ははは…。す、すぐに準備しまぁす!!」
「たく…。さ、今日の依頼だったな。今回は暗殺だ。」
「ターゲットは?」
「詳しくはフランから聞きな。」
「?」
フランの方を見るとニコニコしながらこちらを見ていた。
うぜえ。
「おいクソ姉貴。どういうことだよ?」
「んふふ〜…次の依頼はね〜…ジャン!」
フランは制服を取りだし答える。
「この服を着てこの紙に書いてある場所に行きなさい!」
「…はぁ?」
「何よ〜?その曖昧な返事は〜。」
「じゃなくてターゲットは?報酬は?場所は?依頼主は?」
「それはその場所で詳しく〜。」
「話にならん。こんな依頼受けるか。」
「えぇ〜?!なんでよぉ!!」
「こんな意味不明な依頼やる暇俺にはねえんだよ。せめて詳細を言えや。」
「だ〜か〜ら〜…お・た・の・し・み♡」
「…」
「そ、そんな汚物を見るような目で見ないでよ!」
「ラゴス〜帰るわ〜。」
「ちょっ!ちょちょちょ…待ってよぉ!」
「だから…詳細は?」
「うぅ…。」
「まあいいじゃねえか。」
「ラゴス…。」
「あいつ…この依頼は絶対にサチトにやらせるって言って今まで準備してきたんだぞ?」
「……わーったよ。やりゃあいいんだろ?やりゃあ。」
「サチト…。」
「で?場所は?」
「んふふ〜…それはね…
…タイアリア帝国国立学校だよ!」
…は?
こんな感じで始まります。
どうもけん玉マスターです。
リクエストの多かったフランとサチトの続編です。
長くなりそうだったので分けましたw
これからも読んでくださると嬉しいです!
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コメント
にせまんじゅう
スピンオフ作品ダァーー
HARO
連載、頑張って下さい
投稿したら絶対読みます
かつあん
やっぱりフランはミーシェ(とサラさん)に似て、サチトはユウに似てますね〜
タマホーム
この連載も頑張ってください!!