異世界転移に間に合わなかったので、転生して最強になろうと思う!
加入したが、情報が多かった!
「そうそう、改めて、自己紹介をしましょう。罪の宴会場の、『傲慢』タシュー・ショニカです」
「…………今、何と?」
「改めて、自己紹介をしましょう。罪の宴会場の、『傲慢』タシュー・ショニカです」
同じセリフをいやな顔もせず、繰り返してくれるのはやはり、タシューさんの優しさだろう。
「……今、何と……」
そして、同じセリフを理解できず、繰り返してしまうのはやはり、俺の脳内が処理落ちしているからだろう。
『傲慢』……確かにそう聞こえた。冒険者の二つ名だろう。俺の浅い知識によると、七つの大罪の一つであるその二つなを持つ者は、今のところ必ず……。
そう考えた俺の表情を見てか、おもむろに手を前に出す。
「『傲慢の刃』……これが僕が持つ武器。単体じゃ危ないけどね」
手のひらに出現したのは、包丁の刃の部分。持ち手は存在しておらず、握ろうものなら怪我をするだろう。
「理解出来た気がしてきました」
「気がしてるだけで、実際には理解が追い付いてないって顔だね」
「もしかしてリズさんも……?」
俺がそちらを向くと、リズさんは同じように手を前に出し、手のひらを広げる。
そこに出てきたのは、先程の水晶玉だった。
「私はね、『嫉妬』。これが『嫉妬の水晶』どんな能力かと言うと――」
「占いが出来る?」
「ふふっ、まぁそんなところかしら。――この水晶は相手の事が分かっちゃう能力よ。嫉妬故に……ね」
何となく分かった。そして、一つ判った。
「もしかしなくても、『虚飾』のノーチスを使って俺を見つけた『上』って、タシューさん達ですよね?」
「その通り。あと、訂正すると、仲間内に上下はありませんよ。彼がそう呼んでいるだけで。それが彼の性に合っているのでしょうから、特に注意はしていませんが……君が『強欲』の役を持つ人である事を知ったのは本当に最近ですが、驚きました」
「驚きたいのはこっちもなんですけど……」
この組織、罪の宴会場に集まるのはきっと、少し難が在れど、楽しい人達なのだと……。
俺も、ここに居れば目的もなく淡々と過ごした日々からの脱却が出来るのだろうと……。
俺は微笑を浮かべながら、会話を進めるタシューさんに相槌を打ったり、質問したりし、昼を過ごした。
結局、太陽が大きく傾き、あと一刻もすれば茜色に空が染まりそうな時間まで話し込んでしまっていた様だ。
「気を付けて下さいね。レト君なら大丈夫だとは思いますが、学園内外を問わず、何かあれば頼って下さい。あ、事件とかじゃなくても、勉強を教えて欲しいとか、新しい魔法理論を考えたりとか……まあ、いつでも来て下さい。流石に学園生活に介入するつもりはないので、それだけは留意して」
「了解です。過保護は止めて欲しいと言うつもりでしたけど弁えていて安心しました」
俺は館の扉の前で手を振るタシューさんに軽く手を上げて返事をしつつ、踵をかえした。
「…………今、何と?」
「改めて、自己紹介をしましょう。罪の宴会場の、『傲慢』タシュー・ショニカです」
同じセリフをいやな顔もせず、繰り返してくれるのはやはり、タシューさんの優しさだろう。
「……今、何と……」
そして、同じセリフを理解できず、繰り返してしまうのはやはり、俺の脳内が処理落ちしているからだろう。
『傲慢』……確かにそう聞こえた。冒険者の二つ名だろう。俺の浅い知識によると、七つの大罪の一つであるその二つなを持つ者は、今のところ必ず……。
そう考えた俺の表情を見てか、おもむろに手を前に出す。
「『傲慢の刃』……これが僕が持つ武器。単体じゃ危ないけどね」
手のひらに出現したのは、包丁の刃の部分。持ち手は存在しておらず、握ろうものなら怪我をするだろう。
「理解出来た気がしてきました」
「気がしてるだけで、実際には理解が追い付いてないって顔だね」
「もしかしてリズさんも……?」
俺がそちらを向くと、リズさんは同じように手を前に出し、手のひらを広げる。
そこに出てきたのは、先程の水晶玉だった。
「私はね、『嫉妬』。これが『嫉妬の水晶』どんな能力かと言うと――」
「占いが出来る?」
「ふふっ、まぁそんなところかしら。――この水晶は相手の事が分かっちゃう能力よ。嫉妬故に……ね」
何となく分かった。そして、一つ判った。
「もしかしなくても、『虚飾』のノーチスを使って俺を見つけた『上』って、タシューさん達ですよね?」
「その通り。あと、訂正すると、仲間内に上下はありませんよ。彼がそう呼んでいるだけで。それが彼の性に合っているのでしょうから、特に注意はしていませんが……君が『強欲』の役を持つ人である事を知ったのは本当に最近ですが、驚きました」
「驚きたいのはこっちもなんですけど……」
この組織、罪の宴会場に集まるのはきっと、少し難が在れど、楽しい人達なのだと……。
俺も、ここに居れば目的もなく淡々と過ごした日々からの脱却が出来るのだろうと……。
俺は微笑を浮かべながら、会話を進めるタシューさんに相槌を打ったり、質問したりし、昼を過ごした。
結局、太陽が大きく傾き、あと一刻もすれば茜色に空が染まりそうな時間まで話し込んでしまっていた様だ。
「気を付けて下さいね。レト君なら大丈夫だとは思いますが、学園内外を問わず、何かあれば頼って下さい。あ、事件とかじゃなくても、勉強を教えて欲しいとか、新しい魔法理論を考えたりとか……まあ、いつでも来て下さい。流石に学園生活に介入するつもりはないので、それだけは留意して」
「了解です。過保護は止めて欲しいと言うつもりでしたけど弁えていて安心しました」
俺は館の扉の前で手を振るタシューさんに軽く手を上げて返事をしつつ、踵をかえした。
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