異世界転移に間に合わなかったので、転生して最強になろうと思う!

八百森 舞人

親友と元同級生が会ったが、予定が増えた!

 「なっ!?」

 これは凜の反応だ。
 今、俺はトリン君と元同級生である凜の案内と紹介を兼ねて教室へ来ていた。
 途中、キューテとロイルに会って、教室にアリス以外は揃っていると聞いて、また皆がバラける前に教室へ来た訳だが、今日も今日とて混沌としていた。

 和樹は読書、姉妹は和樹をツンツン。ドラヴィスとレミルが喧嘩。それに乗じて俺も誰かさんに『ファイアー・ボール』(バスケットボールサイズ威力無し)を放った。顔に当たりそうだったが、読書中の誰かさんをツンツンしていた少女(姉)に相殺される。
 
 正に混沌だった。俺も助長しているのはご愛嬌。

 そして、混沌としていた中、凜の視線が止まった先には和樹の姿。和樹は凜の声と視線を感じ、こちらを向く。凜とトリン君、俺を見比べて納得したのか軽く手を挙げてこちらに挨拶してからまた読書に戻る……。

 「一緒に来たのに見ないと思ったら……」

 凜が呟く。一緒に来たと言うのはどういう意味だろうか? クラス転移で異世界に一緒に来たというよりは学園に一緒に来たって事か……。
 つまりはどこかから来た、召喚された拠点があるはずだ。王城がテンプレだが、俺が行った時は見なかった……いや、王城は広いし、俺が歩いたのも応接室から玉座までだし、可能性は十分あるだろう。今度お茶会へ行った時にちょっと探検するか。

 「自分、ここで生きれる自信がありませんよ」

 トリン君は少し方針状態で口にする。こちらはドラヴィスとレミルの喧嘩? 決闘? に目を奪われている。

 「いや、そんな事は無いと思うぞ。ふたりはあれでも周りに気を使っていると思うからな」

 俺はそう言いつつ、飛んできた『エア・カッター』を同じ威力で相殺する。

 「言ってる事とやってる事が真逆でもう寧ろ笑えて来ますね……しかもこの近距離で反応出来るとか……ははは」

 「笑いが乾いてるぞ……はぁ。ここらで切り上げて隣の教室へ進もう」

 俺はツッコミつつ、二人を連れて隣へ行く。教室を開けると、「ぅんん……」と、目を瞑って唸るアリス。
 傍には精霊魔法で命を与えられたぬいぐるみのくまさんが、さながら新体操の様なアクロバティックな動きを見せている。察するに応援しているのだろう。
 俺は教室の扉を開けた音に反応して、こちらを向いたアリスに軽く手を挙げ、挨拶する。

 「よっアリス、早速やってんな。紹介しよう、こっちがトリン君でこっちが凜。今度から俺の助手兼弟子にする予定だからよろしく」

 「よ、よろしく……お願いしましゅ」

 アリスは二人にペコリとお辞儀をする。流石に人見知りだ……ぎこちない。

 「んで、こっちがアリス。見ての通り精霊魔法が使える希少な才能を持ってる」 

 「よろしくお願いします」

 「よろしくね、アリスちゃん」

 トリン君、凜も同じく挨拶する。
 そうそう、二人の容姿については触れていなかった筈だが、二人とも黒髪でトリン君は短めでぼさっとしていて、凜はポニテ。
 この世界、黒髪は少ないが、いない事は無いのだ。俺も暗色だし、父さんも俺より黒に近い髪色だったと思う。が、それに対し、トリン君は混じり気がない純粋な黒でちょっと惹かれる……。
 いや、別に今の俺の髪色が気に入らない訳では無いのだが、地球の頃に比べ、大幅に美形へと進化したであろう俺の髪が黒かったらちょっと優越感に浸れるかなーと思う訳である。実際、姿に共通点らしき物が無いので、あまり自分だと認識出来ない時も稀にあったので、実感が湧かないのだろう。

 あ、訂正。身長は結構同じ位まで成長した。低いんじゃない、周りが高いだけ。俺は平均。
 そう、アリスは少なくとも俺より十センチは低いと思われるし、ロイルにもギリギリ勝てる筈だ……本当、誰に言い聞かせてんだか。空しいからやめよう。

 「基本的にはここで調合とかをしてもらったり、教えたりする。日にちや時間は指定しないから暇な時にでも来てくれ。今は机と椅子しか無いが、明日には俺が設備を整えておくから、俺がいなくても好きにつかってくれ。後は……そうだな、特に何って訳じゃ無いが、危険な時とか、毒ガスが発生した時は取り合えず隣の教室に誰かいるから呼べ。誰もいなければ、職員室に先生がいる筈だから言えばなんとかしてくれるだろ」

 俺はその後、注意事項を一通り説明して、解散した。

 何かする事……魔法の研究とポーション作りは置いておき……買い物行くか。

 一応この学園にも休日はある。地球と同じく一週に二日だ。丁度明日が休日なので一度学園から出て、この学園の周りを囲う学園都市を散策する事を予定に入れよう。
 
 休日と言うと、仕事をする大人は会社や仕事の休みを、学校へ通う学生は学校や授業の休みを意味するだろう。
 俺で言えば勿論、後者の学生なんだが、学年五クラスの内、Sクラスは授業が無い。あ、俺学年がそうであっても二年三年の先輩クラスがそうとは限らないか……ま、まぁそれはさておき、授業が無い。

 つまりはほぼ毎日がフリーダムな休日と実質変わらないのだ。かといって流石に学園を出るには気が引けるし、なるべく平日はクラス棟に居たいのも無いことは無い。

 という事で、明日は休日。今日は早めに寝ることにしよう。

 












 微睡みの中でも目を瞑る俺に声が掛かる。

 ――時に主よ。

 ビックリした……お前か……で、なんだ? 

 ――いや、特に主が聞いても変わりは無い話だが、一つだけ。

 言ってみ?

 ――先日、主が主の両親について訊いてきた時の解についてだが、私は占い師に会いに行け、と主に応えた筈だ。

 そうだったな。そういや、此処なら何でも答えられる的な事を言ってたけど、その時は曖昧な感じだったな……何で?

 ――私も学習するという事さ。いや、進化や更新と言った感じだろうか?

 権限の上昇についても訊きたいけど、先に話の続きを聞こう。

 ――そうだな。少し話が逸れた。その占い師……正確にはその占い師が居る店なのだが……。

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