異世界転移に間に合わなかったので、転生して最強になろうと思う!

八百森 舞人

検討するのは、助手なのかどうか!

    薄暗い空間。


 あまりはっきりしない意識。


 が、俺は何度か訪れたこの空間を認識する。ここにはあいつがいる。


 ――どうもあいつだ。


 なんだ? イライラしてるのか?


 ――はぁ……こういうのは……なんて言うんだ? 解らないな。


 一つ基本的、と言うか今更な事を訊いていいか?


 ――それが私に否応を訊ねる意図ならば応と応え。私が何かというのならば話を続ける事としよう。


 なら話を続ければ良いと思うぞ? お前の話とか。


 ――疑問系で問われても、と言いたいのだが、主のニュアンス次第だからな。時間は有限、知識は無限。そうだな……私は私。それ以外ではないが。解を探すのが私だ。


 やっぱり、『強欲の書』の自我みたいな存在か?


 ――ああ、そうだな。しかし悲しきかな。今、主に問われて初めて解るとは。難儀だな。


 問われて解るのは良いことだと思うがな。


 ――主も条件さえ一致すれば解ると思うがな。


 テストなんか満点だろうな。


 ――楽観的だな。ま、私を使えばカンニングだから勉学を怠る事無かれだ。


 冗談だ。今の俺の状況は解るか?


 ――ふむ。解るか解らないかと訊かれると解ると応えるのが正しいのだが……主は今横たわっている状態だな。地面に横たわっている様だが、せめて寝るときは床の上が好ましいと思うが……。


 気絶したんだよ。ん? ここにいる時の時間はどうなる?


 ――時間の流れだな。主は今まで非覚醒状態にあるに此処へ訪れているが、その時の時間の流れの法則性は、まだ定まっていない様だな。


 今までとか、まだとか、これから決まる様な言い方だな。


 ――結果が定まっていない時は総合的に判断している。が、これから決まるというのを少し捻るのなら、これから成長……進化する事はある。それは――。


 権限の上昇。か?


 ――その通りだ。流石主様だな。私は必要性無いな皆無だな。


 拗ねた?


 ――ふむ、時間が来てしまった様だな。全く、時間が無いとは不便な事だ。


 あ、逃げた……てか、その時間内ではQ&Aに特化はしているが便利この上無いお前が言うことか?


 ――いやいや上には上がある物さ……。



 俺は次第に放心状態になり、少ししてから意識をはっきりさせ、目を開ける。

 上には空が、周りには大勢の女子が。


 空は雲が少し見えるが、晴天と言っていいだろう……はぁ。

 周りの女子はヒソヒソしていたが、俺が目を開けると全員が一歩下がる。尚、俺との距離は腕を伸ばせば脚を掴めそうな程だ。


 お察しの通り、下手に行動すると倒れられかねないので、口どころか目線も動かせない。

 いや、目線に関しては女子の制服であるスカートを覗くなどの濡れ衣を掛けられかねない為だ。いや、それだと目を開けたこの状態は既にアウトなのだろう。見える見えないに関わらず、視界に女子が入って居り、見上げる構図なのだから。


 俺は打開策として、右手を天にかざし、魔法を放つ。


 「『エア・ボール』『バースト』」


 それは特大エア・ボールの暴発。すぐに腕を引っ込めたので、俺は風圧で地面に押し付けられるに留まったが、立っていた女子共はそれを横方向に受けるので、まともに立っていられず、数歩後ずさった後、全員が同じように転ぶ。――転ぶと言ってもお笑い番組の様な足をV字に広げるような転び方ではない――。


 すかさず、俺は起き上がり、周囲の状況を把握する。

 周りには以下省略共、その後ろにクラスの皆。更に後ろが男子達。


 以下略共は別に顔が悪いとかではないが、群れている所がちょっと……うん。

 カブトムシとかクワガタとか単体だとカッコいいのだが、群れで見たその時に想像するのは確実にGと呼ばれる生理的に受け付けないそれの群れである。つまりそれと同じである……。


 ……自分で感じといてあれだが、流石に言い過ぎた。嘘です冗談です。

 まあ、何事も適量がいいのだ。せめて数人ならと思う今日この頃、六十人に囲まれます……誰か助けて。


 俺はそのままササッとその場を離れる。


 「おい、お前ら。何故助けてくれなかったんだよ!」


 俺は起き上がりつつある以下略共を指差しながら言う。


 「面白そうだから」


 と、和樹。


 『阻まれて近付けなかった』


 と、他の皆。


 「よし、和樹……どうなりたい?」


 「そこで俺に委ねるのか……」


 なんかもう面倒になった。


 「はぁ……改めて。Aクラス……勿論お前ら男子もだが、全員の内、土魔法が使える奴は地面の整備。他は……他、は何しようか? 誰か案は?」


 『レ――!』


 「お前らには訊いてない」


 全く。油断の隙もない。俺は土木作業をしてもらっている間にSクラス内の会議を開いた。


 「うーんとりあえず戻ってもらったら?」


 と、ロイルが言う。確かにする事が無ければここにいても退屈だろう。俺としても推したい。


 「そうだな……基本的には戻ってもらうとして、決定事項なんだが俺らSクラスはAと傘下的な感じで同盟を組む。それに当たって個人で部下的な人材をスカウトしたいと俺は思っている。例を出すなら俺はポーション作りの助手だな。他にも普通に学べる事もあると思うし……」


 と、俺が提案する。一応ここまでが作戦である。つまりここからは皆の判断が過半数なので俺に寄せることが出来ない為、どうなるか分からんのである。

 因みに最良はこのまま通る事。


 「成る程……つまり僕らに足りない物を補うと言うことか。僕は賛成だね。試合の相手とか、実践を重ねたい」


 「なら僕は回復魔法を鍛えたいからそれに賛成するよ。他の人の感覚とか結構あてになることも多いし」


 と、ドラヴィスとロイルが言う。そう、全体的に基礎が出来てない人が若干名いる訳で。それこそ最高の原石なのだろうが、だからこそ荒削りするような真似はしない方がいい。ちゃんと基礎からやって不味いことは無いのだから。


 「私は正直どちらでもいいですの。別に人手を必要としている訳じゃ無いんですの」


 「あたしはいいと思うぞ! 研鑽するにも大勢の方が楽しいだろう」


 レミルは特に意見無しって感じだな。あと、キューテは……。


 「キューテは研鑽より勉強だな」


 「な……」


 当然だろう。走ってばかりの近接戦では防御力が乏しいから、俺がやった通りカウンターを掛けられれば終了なのだ。


 「ぁ、あの、私もそれなら精霊魔法の使い方みたいな感じで教えて欲しいです」


 アリスは賛成っと。実際に精霊魔法を使える人物がいるかはさておき、本で読んだりして使い方や性質が分かっていれば戦法位は考えられるだろう。


 後は和樹、ハイデ姉妹の三人だが……。


 『どっちでもいい』


 だよな……我、関せずだからな。本さえ読めればそれでいいんだよな。


 「じゃ、賛成五人で決定な……あ、土木作業班も終わったみたいだし解散だな」


 後で俺の部屋か未使用の教室の何処かを調合室に改造しよう。どうせ一人二人じゃなくて数人は来るだろうし。


 助手兼モルモ――実験台……でもなくて、協力者の為の準備も整えよう。……ん、気のせいかな? 俺ってタシューさんに毒されてる?


 そして翌日。俺は何故か助手を募集にAクラス棟へ行ったその場でオーディションを始める事となった。

 あれ? 助手ってアイドルだっけ?


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