異世界転移に間に合わなかったので、転生して最強になろうと思う!

八百森 舞人

再会したクラスメイト達は、相変わらず変わっていた! 前編

「何二人も侍らしてるんだよ和樹ぃ!?」


 俺こと修、もといレト・アルトレアはクラスメイトの福田和樹へファイアー・ボールを撃ち込み――ほぼダメージゼロ――暴食の鎧を小手だけ出現させ、魔法を食ったのを見て、怒鳴る。


 「先に撃ってから言うなよ!」


 正論だけども。それよりも目の前の光景に違和感しかない。記憶と百八十度違うんだが!?


 「どこで何がどうなったらあの無口無表情達が笑顔でお前にくっついてるんだよ!?」


 少なくとも、意識がない人二人をおぶって、一キロ弱を歩き、階段を上りきった後、危うく教室のドアで頭を吹き飛ばされかけ、やっと安心して再会できると思って振り返ればリアルが充実してそうな空間だったのだ。本人が自覚してなさそうなのが更に要因となったのだが、そんな俺を責めることは誰も出来ないだろう。

 というか、一言でも責められたら泣きながら気絶しそうな勢いで精神が削られている今日この頃。


 「え……私には心当たりがないけど?」


 と、多分妹。


 「あ……私には心当たりしかないです……」


 と、多分姉。


 「ごめん。色々と分かんないから報告会でも開こう」


 「おい! どうしたんだ!? しっかりしろっ! ロット! テリス!」


 と、後ろから声が聞こえる。あ、そういや二人のこと忘れてた……。ロイルが肩を掴まれ、ぐわんぐわんと揺さぶられている。


 「あの、二人とも睡眠薬で寝てるだけなので、できたらそっとしておいてあげて下さい」


 「む、そうか」


 と、先生が肩を放す。と、その勢いで倒れたロイルが鈍い音を響かせ、頭で椅子を倒す。


 「そ、そっちの事も後で聞こう……」


 お、珍しい。和樹が動揺してる。

 そして更に、教室の入り口に三人の影。


 「な、何があったのだ?」


 「つ、疲れた……」


 「し、死にそうです……の」


 キューテ、ドラヴィス、レミルだ。

 キューテはアリス・ロイルが入り口で倒れているのを見て戦慄し、ドラヴィスは疲労により膝に手を当て、ぜぇぜぇと呼吸し、レミルは今にも倒れそうだ。


 「報告会しよう。俺は説明を切実に求める」


 ほとんど聞いてもらえなかったが、和樹だけは首を縦に振ってくれた。













 しばらく混沌としていた教室内だったが、やがて落ち着き、報告会と称して雑談を行う為、机を円形に並べ、それぞれのトリオで席に着いた。何故か進行役に抜擢された俺は参加しない人を除き、全員が揃っているのを見て、口を開く。因みに参加しない人達は無事に気絶し、意識がないレミルとそれを治療するロイルの二人だけだ。


 「んで、アリスとロイルも起きたし、ロイルが治療しているから直にレミルも起きるとして、今回の事件? 授業? ……あれ? そういや今回はどういう意図が有って……あれ? 先生がいない……いつの間に。ま、まぁ今回の事に関しての報告会を開きます。まず最初に、俺らのチームが一番先に飛ばされた訳で、その後の流れを把握してないから、この教室内に最後まで残ったチームに流れを聞きたい」


 先ずは順を追っていこうと、切り出す。それに答えたのはキューテだった。これでもかと手を挙げている。


 「はいはい! えーと、レト君達が窓から放り出された後、和樹君達が同じように窓から放り出されたのだが、何故かあたし達だけ、別の教室に案内……というか連れて行かれ、そこに設置してあった魔方陣で転移させられたのだな」


 「ほう、お前らだけ魔方陣か……クレームの一つでも入れるか」


 と、和樹が呟く。その時は手伝おうと心に決める。死にかけたからな……実際に。


 「ま、それは置いておいて……どうするか……じゃ、まずそれぞれが、“何処で”“何を”していたか。発表してこう……俺達は森でサバイバルしていた」


 「俺らは街で……俺らって何してたか?」


 俺の次に和樹が発表するが、どうにも曖昧らしく、マインに聞く。


 「私達を救ってた?」


 「それだ。救出活動をしていた」


 お、おう。なんか軽く言ってるが何があったんだ?

 次はキューテだが、ほとんど俺、和樹、キューテが発言しているのでいつの間にか実質チームリーダーとなっている。


 「次はあたしだな! あたし達は実家で農業をしていた!」


 んん? なんかキューテチームだけ平和じゃないか?


 「じゃ、じゃあどのチームから報告していくかだけど……」


 「勿論キューテチームに決まっているだろ」


 「だ、だよな……」


 ちょっとすごくめっちゃ色々聞きたい。


 「ん、あたしからか? よし、話し始めるぞ!」


 「ああ、頼む」


 和樹返すと、キューテは自分の里帰りについて話し始めた。


 「あたしらはさっきも言ったが魔方陣で転移したのだ。その先があたしの故郷だったのだな。あたしの家はそこそこ広い地域一帯を治める家でな。と言っても、人口は少ないから偉い訳じゃないぞ? まぁ家の領地は農業で栄えているのだが、なにぶん人手が足りなくてな。せっかく帰ったのだから手伝った次第だ。キューテは例外として、男とはいえ、剣ではなく魔法使いのドラヴィスはもとより、レミルが死にかけていたのも納得……なのか?


 和樹の方を見ると、和樹も微妙な顔をしていた。


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