異世界転移に間に合わなかったので、転生して最強になろうと思う!

八百森 舞人

閑話 退屈な日々には、刺激が必要なのだろうか。

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 姓:福田 名:和樹 年齢 14


 HP 3200/3200 MP 130/130


 体力 650
 筋力 700
 魔力 60
 敏捷 470
 技能 500
 物理耐性 900
 魔法耐性 350


 固有スキル 無し


 称号 逆らう者


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 これが今現在の俺ステータスとなっている。


 クラス転移してから一ヶ月程訓練をして、驚くほど上昇している。


 転移した次の日――訓練初日には訓練せず、ステータスカードの基礎値から判断された役割を与えられ、役割ごとの先生に訓練内容を説明してもらった。先生達は宮廷に仕えている騎士団からではなく、冒険者ギルドから派遣されてきた人達が殆どなのだが、俺のグループは騎士団副団長のロダオールさんが受け持つが、全体での監督と並行しているため、俺達は自主練習ならぬ自主訓練が多い。


 俺の役割は重装備の盾役だ。盾役といっても、盾からハルバードに切り替えたりするのだが。
 今では訓練も慣れたものだが、筋トレから始まり、フルプレートでハルバードを振り回すのは流石にきつい。




 「おーい、和樹ぃー」


 午前の訓練が終わり、水を飲んでいると、相棒の壮児が手を振りながら走って来る。どうしたのだろうか?


 「どうした? 進展か?」


 「はぁはぁ、いや、一つ聞いたことが」


  
 進展とは、この国を調べている事についてなのだが、今は訓練に集中しようと一時的に手を出していないが、まだ見たことがない部屋だってある。


 「何かあったのか?」


 「ふぅ……ああ。俺の担当の先生にを教えてもらった」


 俺達は広いと言えども、王宮というところで謂わば軟禁状態にある。限られた知識しか与えられず、言われた事を繰り返すだけ。……という理由から、俺達はわざわざ計画立ててまで調べようとしているのだ。
 そんな中で少しでも情報を集めてもらうために冒険者である先生に積極的に話しかけてもらっている。他力本願で情けないが……。


 「どういった事だ? そこまで慌てるようなことなのか?」


 「良い事と、悪い事。どっちから聞きたい?」


 良いことだけではなかったことに少しがっかりするが、情報が無いより断然ましだ。


 「良いことから聞こう」


 「オッケ。冒険者間では暗黙のルールみたいな感じで、ステータスを人に見せるのはタブーなんだとさ。弱味を握られるからとか」


 そこまで良い事……ではないよな? 


 「悪い事は?」


 「明日。ステータスチェックが入る」


 な……。じゃあ俺の称号も見られるのか!? 逆らう者……されそうだよなぁ。


 「だがしかーし! 俺は対策を獲得している!」


 「おい、急に大声出すなよ……で、なんなんだ? 対策って」


 壮児は辺りを気にしながら改まる。


 「俺達が貰ったステータスカードはステータスを反映しているよな?」


 「ああ。そう聞いているけど」


 確か渡される時に説明された筈。


 「あれって実は直接じゃないらしいんだ。ええっとつまりはだな……俺達のステータスを直接カードに表示してるんじゃなくて、ステータスを表示する魔法を表示してるんだよ」


 「何が言いたいんだ?」


 「まぁまぁ、落ち着け。ここからが本題だ」


 片手でなだめる仕草をこちらに向けてくる。


 「和樹……魔法使ったことあるか?」


 「え? 魔法って言われると困るけど、魔力を使う防具なら着たことはある」


 「それなら十分。『ステータス』」


 何と無く分かる気はするけど……すまん壮児。どや顔してお前の手元を指してるけど。多分、他人には見えないんじゃないのかな? それ。


 魔法道具を使うときは魔力をざわつかせる感じで……。


 「『ステータス』」


 目の前に青っぽい半透明の板が出てくる。
 そこに書かれてあったのは紛れもなく、俺のステータスだ。


 「おっ! 出た。ここからどうすればいいんだ?」


 「んー、触って適当に……?」


 何故俺に問い返す! なんとかなったから良いけども。


 よく、“教えるのは理論派と感覚派に別れる”って言うけど、感覚しか無いのな……お前は。逆に半分感心するよ。


 「んじゃ、俺そろそろ帰るわ。またあとでなー」


 「ん、じゃ」


 走るでも歩くでもなく微妙な速度で帰っていく、壮児を見送りつつ、ステータスを弄れなかったらどうなっていたか、考える。


 どうだろうか? ステータスはAランク相当の実力を持つロダオールさんに近づいてはいたと聞いている。実力では全く追いつけていないが……。
 そんな俺が称号逆らう者をもっていると分かったら、即死刑か追放だったな。


 逆らう者……この称号は最近付いた物だ。初めの称号に上書きされるように出てきた。


 初めの称号が付いたのは初日、パーティーが終わって自分の部屋に戻った時だ。“間違える者”……それが初めの称号だ。
 ここまで来れば察する人もいるだろう。


 俺の称号、逆らう者は“組織に”逆らう者ではなく、“道に”逆らう者という意味らしい。


 壮児にこの事を話した時、何故か明日の方向を向いてプルプルしていた――。






























 次の日、本当にステータスの発表会があった。




 「では! 先程集計したステータスから総合して、順位を発表する。これは自分だけではなく、他人と比較し、より一層精進してもらう為の物であり、決して他人を卑下する為の物ではなく――」


 と、ロダオールさんが広場で演説したあと、下の方から順位を発表していった。
 中々自分の名前が出なくてホッとしたが、今では逆に出なくて怖い。


 「では、残り五人だ。この五人には、然るべき時に主戦力となっている事を願う。五位、田島彰一たじま しょういち……四位、坂田壮児……三位、長井凜ながい りん……二位、福田和樹……一位、守島龍正! ……おめでとう。君達には期待しているよ」


 俺は二位か……壮児も無事、上位五人に入ってるみたいだし上々だな。一つ問題があるとすれば……。


 「流石は龍正君! やっぱりあなたが一番だと思っていたわ」


 「龍正君大好きー」


 「わぁーすごいね! 流石は龍正君……てか、何でオタクが入ってるの? マジウケるんだけど」


 女子勢だ。特にカースト上位の奴ら。


 「別に良いだろ」


 「は? マジムカつく。こんなのより私たちの方が龍正君に守られるのに相応しい……みんなもそう思ってるよね?」


 代表格の吉木が後ろを向いて取り巻きに訊ねる――名前は覚えてない。が、当然の如く全員が肯定する。イラッと来たが堪える。


 「言って置くが、ステータスは実戦がない今、努力で上昇する。どうゆう事か分かるか? 俺の方がお前より努力しているということだ。言って置くが俺はお前みたいに守島に追い付くとか、そんな目標は無い。お前は目標があるにも関わらず、努力しなかった。つまり、お前はそもそも追い付こうとしていなかった。それなのにお前は自分の方が相応しいだの俺は場違いだの……あえて一言だけ言わせてもらう。『ウザい』」


 「は? キモ――」


 「ちょっと! 何を揉めているのですか!」


 さっきまで他の先生と話していたが、吉木が大声を出しかけたので気づいたようだ。


 「言った筈です。揉めないでください。では解散しますので、各々自分の部屋に戻るか担当の先生の指示に従って行動して下さい。私のグループは残って下さい」


 この指示は異世界共通らしい。


 俺はまだ残っているが、殆どのグループは一言だけ喋って解散した。


 「おめでとう。流石は和樹くんだよ。これからも期待しているよ」


 「はい。よろしくお願いします」


















 スキル 威圧言語


 後日ステータスを見ると、一つスキルが追加されていた。


 

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