異世界転移に間に合わなかったので、転生して最強になろうと思う!

八百森 舞人

転生したけど、なんとなく気まずかった!

 目を覚ます。


 まだ、窓からは月の光が射している。




 「……」


 視線を感じる。


 「……...」


 ので、振り返ってみる。


 「……」


 「……」


 そこには、暗闇から、伸びてくる手。その先のあるのは、白い顔。


 グロッキーな物への耐性はあるが、ホラーには、どうやら耐性は無いようだ...。今、証明されました。ハイ。


 白い顔は影で、目元が見えないが、口元は、月光を浴びて、青白く反射している。


 次の瞬間、ニヤリと口が開く。
 あ……。


 「ああああああああぁぁぁぁあああぎゃあああああああああああああああ」


 「――――――――――――」


 べ、別に? 怖がってなんてないし? ただ、顔がおもったより、近かったからで、俺が本気で驚いたとか、そんなんじゃ.....。あれ? 何でだろう? 涙が止まらない。


 「うえええええぇぇぇん」


 「――――――」


……夜泣きは続く。










――――朝。


 いつの間にか、寝てしまったようだ。目が覚めると、部屋には、誰もいない。


 辺りを見渡す。恐らく、俺の部屋だろう。ちっちゃいおもちゃ、ぬいぐるみ、壁には、ユニコーンの絵、そして、俺の周りには、木で作られた檻。ここまで来れば分かる。俺の部屋だ。


 今、俺は転生した直後のはずだが、そんな感じじゃない。恐らく、前の世界の記憶を取り戻し、記憶できるまで、成長していたのだろう。


 さっきの、恐怖体験が、意思、記憶を取り戻した、二度目の人生最初の出来事か……なんか、嫌だな、うん。
 今、目覚めたことにしよう……。


 目が覚めると、見知らぬ場所にいた。そして、俺は、赤ちゃんになっていた。転生したのだ!!...って事に...まぁ、冗談だけど。


 目が覚めるまで、一、二年位かな? 口の中を触ると、硬い。乳歯が、生えているのが分かる。


 さっきは、自分の声であまり、聞き取れなかったが、俺をあやしていたのだろう。
 となると、母親か……。顔はよく見えなかったけど、美人だといいな。


 そういえば、さっきから、この部屋には誰もいないな。よし、ステータスを見よう。


 「『ステー……


 ガチャリ、とドアが開いた。


 あ……」


 そこから入ってきた女の人は、白い肌、整った顔。そして何より特徴的な、とがった耳をしていた。エルフだ。


 「あ……なーに? 言ってご覧。レト」


 「あ……あぎゃあ!」


 なんとか切り抜けたようだ! おそらく、俺の母親だろう。……母さんは、特に不思議がった様子はなく、華奢な腕で俺を持ち上げる。ドアを出て、どこかに向かう。
 レトって俺の事だろうか? 抱かれながら、廊下を進む。体が小さいせいで、さっきから違和感があるが、この廊下、母さんと、比べても広い、と思う。十一時を指している掛け時計も迫力があった。


 少し経ってから、一つの部屋に入る。そこには、木で出来た大きな長机と、部屋の隅に、箱が沢山あった。机の上には、美味しそうな食べ物が、沢山あった。ローストチキン等は分かるが、あの紫色のパイナップルみたいなやつはなんだろう? 他にも沢山あって、目移りしてしまいそうだ。
 俺が座らされたのは、端のお誕生日席だった。


 そうか! なるほど。俺の誕生会か! ってことは、あの箱は……ぐふふふふ。


 開けられたままっだったドアから、ぞろぞろと人が入ってきた。それぞれ、席に座ったら、俺の正面にいる偉丈夫が、言葉を発する。


 「ああ、我が友達よ、今日は集まってくれて感謝する。こいつが息子のレトだ、今日で生まれてから、二年になる。俺とは違い賢いし、妻のレティアのように可愛い」


 「おいおい、のろけ話を聞きに来たんじゃねーぞ!」


 と、誰かが冷やかす。


 「ごほん! ええ、まぁ、これ以上は必要ないな、皆存分に食って、楽しんで、レトの可愛さに骨を抜かれろ! 乾杯!」


 食って、楽しむのはいいけど、最後のはなんなんだよ! 骨抜くって、どういう意味だよ! あ、くしゃみが……。


 「クシュン」


 「「「「「かわいい!!」」」」」


 「ブフッ!」


 いやぁ、照れるんで、こっち見ないで欲しいんだけども。っとおいそこのお姉さん! 鼻血を出すな! はぁ、何でだよ、くしゃみしただけだろうが……悪い気はしないが、何でみんな熱い視線を向けて来るんだよ。


 「「「「「はぁ~」」」」」
 「グハッ! あ、赤ちゃんに蔑まれた……」


 そうだよ! くしゃみしただけで、鼻血は、反省……あれ? 何で嬉しそうなんだよ……周りのみんなが引いてるぞ。


 
 しばらく、食べながら(俺の分は別に用意されていて、温かいスープと柔らかいパンだった)雑談しているのを聞いていると、いつの間にか、プレゼントを開けようって話になっていた。
 いよいよですか。フフフフフ楽しみだなぁ、異世界の物。


 一つ目、おもちゃ。
 振ったら、がらがら音を出すやつ。


 二つ目、おもちゃ。
 振ったら、熱くない火が出て来た。魔法の道具みたいなやつ。


 三つ目、剣……のおもちゃ。
 触ったら曲がる、スポンジみたいなやつ


 四つ目、ぬいぐるみ。
 羊型の魔物の毛で作られているらしい。さわり心地を確かめようと抱きついたら、送り主が、鼻血を出して倒れた。ちなみに形は、熊人間。なんか嫌。


 以上がプレゼントだ。正直、感想が出しづらい。二つ目は、結構嬉しい。魔法の道具。それだけで素晴らしい気がする。


 「あら? もうこんな時間! あなた、そろそろお開きにしませんか?」


 母さんが手を叩いて、そう言う。


 「そうか、じゃあ今日は、ここまでにしよう。少し先まで送るよ。レティア、手土産を持ってきてくれるかな?」


 「ええ、分かったわ。レトは、ここで待っててね」


 と、みんなが部屋から出ていく。


 さて、何をしよう? 母さん達からのプレゼントは別にあるって聞いてたし……ん? あんなとこに本なんてあったかな? 


 プレゼントの箱のあった場所に一冊の本があった。見たことのない表紙だ。手に取ろうと触れた瞬間、手の中に吸い込まれるように消えていった。慌てるが、どうにもならない。そして俺は、本の下敷きになっていた紙切れを見つけた。そこにはこう書かれていた。






修くん、もとい、レト君。


  転生おめでとう。


       君を想っている老人より。








と。






 

「異世界転移に間に合わなかったので、転生して最強になろうと思う!」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く