コネクト  創造する世界

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創造する世界 玩具箱3

小野部おのべねぇ」


このイベントの目的は3つ


①コネクト利権への食い込み


②無駄に上がってしまったスカイアースの降下


③完全燃焼する


個人では③>②>①なんだが、後のことを考えると②>①>③になる。


まぁつまり、自分の名前を消しつつ利権に食い込めるようになるのがベストで、それを裏から手を回しながらやっている最中だ。まぁ最も


トントンとノックの音がする。


少し格好を整え、合図をする。


「入れ」


1人の女性が入ってくる。


彼女の名前も知らないし覚える気もないが、流石にギリギリまでいって【善意の不正に巻き込まれてやりなおし】は心が折れそうなので救済もかねて提案で呼んだ。


「なんで呼ばれたかわかるか」


その言葉に彼女は土下座し。


「もう少しだけ待ってください」


どうやら彼女は【現状についてはわかっているみたいだ】


ではかねてから気になっている事もついでに聞くことにした。


「そんなになるなら何故こんなことをした?」


「それは……」


なんだそんなに言いづらいことなのか。


「理由は?」


「で……出来心で」


出来心ってお前。


「あれだけの、警告とスタッフの宣言もってあぁ」


こいつの履歴確認したら。イベントが始まるまでこっちに来てないみたいだ。


「怖くて逃げ出した口か」


コクコクと頷く。


「はぁ~。まぁやったことだし諦めな」


「そんな、なんでも……なんでもしますから。頼むから家族には」


いやそれは無理だろ。【マスコミにリークされたし】


「俺もできればそうしたかったんだけど、誰かがマスコミにリークしたからな……まぁそれでも」


彼女の前に紙の束を落ちる。


「これは?」


「昔あった漁船と一緒だ。契約するなら【周りへの被害はなくしてやる】」


まぁ、流石にね。適当に見てたら見つけちゃったからね。


恐る恐る、彼女は紙を読む。


「期限が10年と書いてありますが」


「学校やめて、島流しかな」


専門の場所でやらないとしょっ引かれるからね。


「内容に治験と書いてありますが」


「VR用の被検体だからね」


若い被検体はいないんだよね。年食ってるのは対応できないし。若いと後遺症残りそうだしね。


「命の危険性があると言うのは?」


「VRには危険がつきものだよね」


今も死人がでていたり植物人間になった人たちがいるからね


「ちなみに断ったらどうなりますか」


「とりあえず、受けないよりも酷くはなるかな。どの道学校に行けなくなる」


暫くの沈黙の後。彼女はペンをとり契約書に書く。その紙には涙が落ちるが紙には水は染みない。


「書けました」


「本日中に君の家に行くから。まぁ良い決断したと思うよ」


彼女は顔をうつむけたままだ。しょうがない言うつもりがなかったが。


「今日、○○で公開会見を行う」


「えっ」


「公開会見を行うから見とけ、きっと終わった後には……」






「契約しといてよかったと思うから」








……某ネット空間にて。


さてそろそろ時間か。


ここでやることはヘイトを稼ぐことと、小野部の罪状を適当にでっち上げることだ。まぁ利権に食い込むことをしているのは知ってるけどな。


画面が移る。あちら側ではこちらが画面に見えているだろう。


画面を見るに数十名位集まっている。


まずは不正入場者を確認する。やはり何名かいる。


「○○にお住まいの、××。それと○○……」


と不正入場者の名前をあげる。


「不正侵入として、内容証明送るから待っているように。警備員連れて行け」


黒服に捕まれ、呆然となった人間が出て行く。


「さて、邪魔者も消えたところだしはじめようか」


さてまずはジャブとして。


「ところで、ここにイベントの救済の会とか言う団体は来ているかな。来てるなら手を上げろ。それと今回の騒動の発端になった○○新聞、××新聞、△△出版もてを上げろ。喋るなよ」


そうして、手が上がる。そいつらを確認した後。


「カメラ、そいつらをズームしろ。犯罪者擁護集団だ、【おまけに偽善者で運営を怒らせた集団だ】カメラフラッシュたけ、うちの一面だ」


カメラで相手側にフラッシュがたかれる。


「ちょっと、待ってください」


たまらず手を上げた人員が慌てふためく。


「なんだ、犯罪擁護団体」


「あなたは何をやってるんですか、謝罪会見は?」


謝罪? 馬鹿言うなよ。


「誰が謝罪会見なんてすると言った。これは【お前らが騒ぎ立てるから】規制を強くする報告会だ」


その言葉に、周囲全体がざわめく。


「さわぐな、その他大勢」


雑談はピタッと止まる自分の声がどんな形で聞こえているかこちらからはわからない。


「そもそもだ、【あいつらは万引き集団だぞ】おまけに【返済できないから死んだだと】」


ボリュームを上げ、大音量で怒声を上げる。


「ふざけるのも大概にしろ、いったいどれくらい価値を下げるんだ」


キーンと音が響く。画面には耳を押さえる人が多い。


「おまけに救済の会だと? 舐めるのも大概にしろ」


その視線はあの団体集団に向かう。


数分の沈黙の後。


「……というわけで、擁護軍団と馬鹿な記者が騒ぎ立てたので規制を強化することが確定した。団体および記者は公式HPで公開および我が社の広告雑誌で取り上げるので、気になる人は見とくように。あぁ後手を上げた奴らも公開しとくから」


「待ってください、そんな事聞いてないですよ」


聞いてないって。なんだ。


「入る前契約書に書いてあったはずだ。ちゃんと見ないお前が悪い」


「ちゃんとって」


何か言いたいことがあるらしいが。無視だ無視。


「そもそもだ。【お前達がちゃんと寄付してたんならこんなことにはならなかったんだ】どうして擁護したのに救済しない。この人殺し集団め」


「我々は……『お前自身は振り込んでないだろ』」


ここで追加のデータを出す。


「ここに、お前らの団体の金額がある。HPの記載金は数千万あるのにたいし実際にこちらにだした金額は数百万。また救済した人物と同じ名字の人員が団体に居るんだが、それに関しては?」


こちらからのフラッシュがたかれる。


周囲がざわめく。


「名前もいっとこうか、○○にお住まいの『やめろ』」


大声でわめくが、これが公開だと忘れていないか?


「わかった、これもHPに公開しとこう」


「あぁぁぁぁ」


こちらに近づき設備を壊す団体。これでこちらの動きやすい形となった。


「あぁ、数十分の休憩とする。直この間に情報を上げとくのでよく確認しとくように、犯罪者には巻き込まれないように周辺の住所も公開するので。これを見てない人物にも周知をしとくように」


これで、数十分の休憩となり。その間に、でっち上げ情報を作る。


速報の中に、小野部議員の利権リークの情報を混ぜる。この議員自体には何も裏もないが【議員には娘が居る】後は、あらかじめ持っていたスキャンダルの情報と織り交ぜながら作成すれば、でっち上げ記事の完成だ。


「さてもう時間か……」


再び、画面が出てくる。


見た感じ何名か減ったみたいだ。


「時間になったので始めるぞ……で……だ」


手を上げた奴の何人かは帰っている。


「ちょうど良い。帰った奴らで話し合いするか」


画面を出し、報告を開始する。【画像は用意してある】から問題ない。


「さて今回の会見だが先も述べたとおりこいつらが、騒ぎ出したことによってさらなる規制をせざるを得なくなってしまった」


画面を切り替える。騒動の発端となっている奴らの金額とアカウントのHNと顔写真だ。


ついでに無音で無視している動画も複数個映しておく。


「規制とはすなわち【返済の規制だ】端的に言えばイベントのシステムを少し変更する」


画面を切り替え、2つの○を用意する。


「今現在、イベントはすべてポイントとして貯めている。1ポイント1円換算で交換されており、今まではこれで返済も行えていた……しかしだ」


画面を切り替える。ここからグレーゾーンの話だ。たくさんの箱に金塊を分散させる映像だ。


「金持ちや腕がない人物は、ポイントを手に入れる方法として自分の利を削ってポイントに換金する方法をやっている奴もいる……また」


画面を切り替え、うまく乗り切った例を見せる。


「彼女のように、高ハンデを回数で周回させ。借金を返しきった例もある」


画像では、適当なゲーム(ポーカー、じゃんけん、バカラetc)を高速で行っていく映像が流れる。


「彼女が行った行為は単純だ。ただ高レートで運のゲームを回しただけ。【借金返済の解答その1だな】」


フラッシュが焚かれる。


「解答とはなんですか」


「文字通り【返済方法の解答だが?】まさか【返済方法を用意してないと思っていたのか】」


フラッシュが更に強くなる。


「まさか……そこからか」


思惑通りに事が進む。実際は【解答があるだけで、答えられるようには作ってないが】まぁそれはそれ。借金した奴らが悪い。


「あー、今回の騒動は【ブランド価値の低下だ】フラッシュは止めろパシャパシャうるさい」


フラッシュがようやく止まる。


「価値の低下の原因は【偽物の流通】コピー用品だ。だから我々は【コピー品を消すために】レンタル品として期限後【強制購入とした】警告文も入れてな」


色々と画像を切り替えるふりをして次のスライドへ進む。そこには警告文を無視し使う奴らが現れる。


「それで、これが原文と警告の映像だ。またこれ以外にもスタッフによる警告も行っている」


暫くその映像が流れる。どの映像も最初は驚くが、無視し使い始め最後には、めんどくさそうに警告を消す映像が人を変えて流れていく。


「我々のいや、洋服のブランドってのはな。【志向があるんだよ】金剛のダイヤモンドブランドなら高級層……【それを着ていることがステータス】となるように、数を減らし、デザインを懲り手作業で行う。そこはVRでも同じだ」


軽めの映像から酷い映像に切り替わる。


「今ならまだ間に合いますよ」


「はぁ、うぜーし。てかさ、うちお客なんだけど。これ買った奴だし」


「ですから、ちゃんと購入した人には警告が出てきません」


「はぁ、ちゃんと買ったし。てかさ買わなかったら今着られるわけないじゃん。着れてるってことはちゃんと買えたってことだよね」


そういった音声付きの映像が次々と流れる。その映像を撮る人物も居るが次第にとる人物も居なくなっていく。


1通り見た後。


「こんなのがだいたい8割だ、こいつらによってブランド価値って上がると思うか? 丁度生放送だし、アンケートとて出しておこう。あぁちなみに最後に移ったのが例の団体と同じ名字で返済できた奴だ」


フラッシュが焚かれる……そう思ったが焚かれることはなかった。


「さて話を戻そう。まぁこれを見てわかるように【我々にとって奴らは商品価値を下げる害でしかない】しかし、何もしないと今日のように【何故か我々を非難する奴らが出てくる】」


あたりを見渡せば、殆どが目をそらす。


「だから我々も【2割の為の救済策を幾つか混ぜて企画を立てている】そして【今日のように非難があった場合はその策を消すことにした】」


ざわざわと声がする。


「また、死と言う逃げの防止のため。返済の仕様も変更させて貰う。これも【殺したと非難があったからだ】恨むなら最初に手を上げた4人を恨むんだな」


「仕様と変更というのは?」


「期間に返済率が一定の割合を超えてない場合。【そいつらの秘密を公開する】後【先に差し押さえもさせて貰う】これは単なる嫌がらせだ」


「秘密とは」


「秘密は秘密だ。住所、氏名、経歴。後は……【ばれてない犯罪歴とかな】」


パシャパシャと写真が撮られる。画像を切り替え、モザイク気味の写真を出す。


「例えばだ、この画像のようにいじめの主犯で不登校児を作ったり」


次々に画像が切り替わる。


「この画像のように、売春行為を行ったり、行わせたり。酷いのは……」


最後にパトカーが家に集まる画像をだし。


「自殺に追い込んだものもあるな。あぁちなみにこれは2年前○○中学で起きた奴だな」


「どうしてそれを持っているんですか?」


「【前任の会社が持っていた】他にも色々とあったから、これを気に情報を公開しようと思う」


まぁ殆どの情報は、裏から盗ってきた奴だけどな。


画面を切り替え、企業及び人物名を出す。


「さて、これらが今回の会見前に批判していた連中なんだが。今画像に出てるのには【幾つかのスキャンダルを確保している】こいつらを……」


名前と名簿をくっつける。


「紐付ける。まぁようは【回収不能となったら紐付けた奴のスキャンダルも公開する】」


無論、公開しない奴らも居るし、持ってない奴も居る。


これでしたいのは、たった1つ。


「政治家の名前があるのですか?」


「あぁ、小野部議員に関しては幾つかあるが。とりあえずこれだな」


予め用意しておいた奴をだす。


「単純な話、【我々が参入を断られる部門に彼ら議員がちょっかいを出している】これに関しての公式の署名もある」


昔、あったできない奴の発言を署名かして貰った奴を出す。


「法務の人物曰く、【これをされると潰さなくてはいけないらしい】ようはそこに関しての競争というのはなからさせて貰えないらしい」


さて、これを言い切ったということは何らかのアクションがあるはずだ。


「ゆえに……、ゆえにだ。我々も競争をさせて貰えるようこのイベントに細工をすることにした。つまり今言ったこれだ」


無理矢理、壇上に上がって貰い関わって貰う。これが利権に食い込む方法だ。


「つまり、今回のイベントが利権関係が主目標と?」


「目標の内の1つにはある」


フラッシュが焚かれる。


「さて話を戻そう。今回の規制から【返済は勝者限定のポイントしかできないようにする】つま勝たないと意味がなくなるわけだな」


これによって、できることはかなり絞られる。そして殆どの奴が回収不能になる。


「その代わり他のポイントの利率を上げよう。あぁ代わるのは宝箱のポイントだけだ。ポイントの交換内容については放送後公開となる」


さてこれで言わなきゃいけないことは言ったかな。


「では質疑応答に入ろう。何か質問は?」


すっと、手が上がる。あぁ狂人か。


「寄付に関してだが。これはどのような仕様なんだ?」


「ポイントが規定値に達せれば、内容証明取り消しとなる」


「なら催促はできないんじゃないか? 請求はないのだろう。それとも……」


狂人は笑い。注目が集まる。


「【金は別枠なのか?】」


「これに関しては【仕様と言うしかないですね】厳密に言えば。クーリングオフが終わった製品みたいなものですかね」


「返却不可品か……。それならクレジット等の決済は?」


「あくまで【ポイント購入なんで無理です】」


「へぇ、なら【踏み倒しはできるんだ】」


……あぁ、そういうこと。


「踏み倒すのか? 【住所と氏名も把握してるぞ】」


「それこそ、昔から幾つもの踏み倒し裁判があったはずだ」


「統一したゲームでそれをするのか」


「してるんだろ、現にやってるよな」


ざわざわと声がする。あるのもは会話をメモし、あるものは録音をし聞き入っている。


「まだまだ緩いからな、電脳は。今回だって氷山一角だろ。それで踏み倒されたらどうすんの?」


「確かにそうだな、踏み倒されたらどうしようもない。……ところで【今回の問題って踏み倒しか】」


「いいや、ブランド品の価値の低下、業務妨害かな多分」


「そうだ。今回の争点は業務妨害だ。我々は【盗みまたは不製品を用いた事を非難する】ところで、万引きや著作権法違反に対して踏み倒せた裁判というのは幾つあるのかね?」


「……ないな」


「なら大丈夫だ。今回は不正利用。【確率の物でもないし、レンタル期間後の購入待ちだ】どちらも逃げられないように縛っている」


「踏み倒しても捕まるようにはなってるのね。じゃあ別の質問……いやどうせ質問する奴なんていないから最後の質問か」


まぁこれで開き……か。


「それで、最後の質問なんだけど。【借金の権利で譲渡できるの?】」


それは予めあの時に言った質問であった。


娯楽として動かす条件。娯楽に飽きてきた金持ちを動かす条件。


「えぇ、そうですね」


互いが笑っている。あの時言った事が真実化の確認を込めて。


【本当に関わって良いかの確認をとるために】


「特例として【全額寄付した人に関しては契約書で譲渡することができます】」



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