コネクト 創造する世界
仮想と現実 3日目 熱戦 5
彼女は強くはない。
攻撃はそれほど強くないし、このゲームに関しても初心者だ。1対1で対峙しても、戦闘面では脅威とは感じない。
では何に対して脅威に感じているのか。それは彼女の悪逆な戦い方にある。
そもそも、発想の点で、ムービーシーンのような会話シーンの作成を行い不意打ちを行うと言う考え自体普通は思いつかない。それは少なくとも1プレイヤーの発想ではない。
おまけに躊躇が無い。精神崩壊になろうが植物人間になろうが知ったことではないといった感じだ。トラウマのせいかと思ってみたがどうやらそれとは関係なしに行ってところをみると。素で行ってるみたいだ。頭おかしいんじゃないかこいつ。
まぁ実際状況は悪化の一方だ。彼女の能力、【与える】とか言ってるあれは【強制付与】だそれもシステム干渉のレベルの
現在メインの変更は済ましていたから問題ないが、メインである召還をやられている。おまけに自分の体は泥とくっついた共存体の状態だ。何がいやかって【何が入ってるかわからない】ものとくっついているんだ。
位置と会話は盗まれていること前提で、ひょっとしたらモーションの改変や、データの改竄も考えられるが。
「一番はこれからはじまる強制付与の耐性弱体化か」
こっちが対策しようが裏で通されて・・・ってパターンが多いか。
「まぁ、まずは入って見るか」
適当に入って見る。どうせ【何処に入っても最初は同じだ】
「遅かったわね」
渦の先には彼女が待っている。今回は本質のほうか。勿論
「勿論本体じゃないわ」
だろうな。それでここにいるってことは。
「なに、随分と遊んでくれたみたいで、おかげで意趣返しの準備もできたわ」
「意趣返し? 何かしたか?」
「ほら、これよ返すわ」
白い子供のようなものが体に付着する。
「おい、これって」
「前言われた通りのことを返すわ。一時間つきっぱだと即死です。まぁ安心してください」
笑顔で、あの時の自分のように、【絶対にできないだろう】で鼻で笑いながら彼女は言う。
「【私を倒せば消・え・ま・すので】」
いらっときて、顔面に一発ぶち込んでしまう。
ぐしゃっと泥が弾けとび。
「あらあらいいの? 私しか【情報源】がいないのにそんなことして」
泥をくっつけ修復しながら彼女は言う。
「教える気はあるのかよ」
「? 馬鹿じゃないの?頭大丈夫?なん」
もう一発顔面にぶち込む
「クスクス」
彼女の笑い声が響く。それは彼女が見えている泥だけでなく、この空間全体から響いてくる。
「いいのこんな時間をかけて?まだまだ先は長いわよ。あらそういえば」
辺りを見渡し小馬鹿にしたように、
「あなたはどうやってここからでるの?入り口はもう無いけど。あぁ」
掌に先程入ったのと同じように渦をだし。
「私なら作れるんだった、ご」
3発目を顔面に打ち抜く。
「クスクス」
「そうか、そんなに怒らせたいかお前は?」
「何を言ってるの?これは【戦いよ】起ころうが泣こうがわめこうが、最後に立っていた方が勝ち。相手の挑発も立派な戦術だわ」
あぁ、そうかい。
「それで、何がお望みだ」
「そうね、この渦とあなたの同化交換しない?」
「はっ、嫌だね」
「そう、じゃあ時間まで彷徨っててね。あぁ、私は次の場所に行くから、じゃあ頑張ってね」
彼女は渦の中に入る。後には何も残らず、あたり一面良くわからん世界と、たまに癪にさわるクスクスと声がする。
曲が変わる。
「はっ、いったん落ち着けってか」
曲が再度変わる。
「ふざけるな」
「ムム、オーダー裏で解析」
泥が出てきて、形を鎧の姿に変えていく。銃は鎧にしまわれ、両手が空く。
「あぁ、いい度胸だ」
鎧が輝く。
「ここまで馬鹿にされるのも久しぶりだ」
輝きが全身から拳のほうに行く。
「いいぜ、時間なんてどうとでもなるが時間通りにいってやるぜ、だから・・・」
拳に輝きが集中し、再度輝きが増す。そうして
「土下座の準備をしながら、待っていろ三幸ーーーー」
一撃を空間に叩き込む。空間がわれ別の空間が現れる。
その中に入り、再度彼女と相対する。
「邪魔だ」
殴る。
彼女ごと殴り飛ばし、空間が割れ別の場所が見える。そうしてまた彼女に対峙する。
「邪魔だ」
殴る。
「邪魔だ」
殴る。
「邪魔だーーー」
ただ殴り、空間から空間へと移動していく。そうして、
「芸がないね」
辺り一面花畑の場所に移動した。彼女は花畑の中、テーブルにティーカップを置き、こちらを見つめる。
「芸が無い? はっ、シンプルでわかりやすっていって貰いたいな」
同じように顔面に一撃入れる。
花びらが舞い散る。しかしそれだけだ、空間も彼女も無傷だ。
「そんなんじゃ、何回やっても無駄だよ」
「勝手に決めつけてるんじゃあねぇ」
殴る、殴る。ありったけをこめて殴る。しかし状況は変わらず、花弁は舞うだけだ。
「はぁ…はぁ」
「やれやれ、ざまぁないね」
殴られても、顔色1つ変えず、今はもう興味ないと視界をずらしティーを飲む。
「ここはね、坊や」
「停戦エリアとか時限式休憩所とかそんなこというんだろ」
「あら、わかってるじゃない。なら暫く待ちな、ここでの攻撃は無意味だよ。まぁ待ってる間に死神に食われそうだけどね」
「だから、勝手に決め付けるんじゃねぇ」
机を殴る。しかし何も変化は無い。
「最初の冷静さは何処へやら、あなたここに招待してから弱くなってない?」
「ハァ・・弱い?はぁ・・俺が」
ポットからカップへ何かを注ぎ。
「そう、今の貴方には最初に持っていた冷静がないわ。いったい何が貴方をそうさせたの?」
それをお前がいうのか。
「熱だよ」
「熱? ならもう持ってるわ、それともこういう熱は熱とみなさないのかしら」
「馬鹿が、足りないんだよ」
「足りない? 貴方に何がわかるの?」
わかるわけねぇだろ、んな人の感情なんさ。
「お前のことなんざわかるわけねぇだろ。足りないのは自分の熱だ」
あぁ、足りないな。中途半端に上げて下げて、上げてを繰り返してしまってるこの状態じゃ足りない。
「あんたは十分やってるよ」
「言葉を返すぜ、お前に俺の何がわかる」
「少なくとも、熱意が空回ってることぐらいわかるさ」
熱意が空回ってる? これは面白い冗談だ。
「ハハハ、それ本気で言ってるのか」
「何がおかしい?」
「本気で、何も考えず、ただガムシャラに殴っているだけだと。本当にそう考えているのかい
?んなわけないだろ」
ポップアップが届く。内容は一言、[解析は終わりました]
「ほら、何も間違いは無かった。無駄はなかった」
机を叩く。
「なら、何が変わって言うんだい?なに・・・」
彼女の前には、傷がついた机が見える。
「舐めるなよ。経験も実力も、【腹黒さ】もこちらの方が上だ、お前如きの策略如きで出し抜かされるような」
「ちっ」
彼女は逃げる。こちらは先程同様に殴る。
「その程度のたまなわけねぇだろうが」
空間が割れる、パリンパリンと何層も、何層も割れる。
「解析ってのは、【縮こまってこそこそするだけじゃねぇ】そいつに触れたり、殴ったり、攻撃を受けたり、それでも解析ってのはできるんだ。1つ賢くなったな、えぇルーキー」
壁の向こうには彼女が見える。間違いない本体だ。
「ここまで随分と遠回りを選択させたじゃないか。それで、手段はできたのかい?」
空間から彼女と同じ世界に立つ。結局はここに来たときとおな……いや少し違うか。
「そうさね、時間稼ぎももう無理みたいだし。そろそろ動かして貰うよ」
「ほう、勝てると」
「【今の私】は無理さ、あんたみたいな規格外と戦う実力なんて持ち合わせていない」
「なら『話は最後まで聞けと習わなかったかい?』」
彼女の前に立ちふさがるように、形をなした泥が出てくる。
「確かに、【今の私】は無理さ」
「なら、未来にでも飛ぶかい」
「なに、私が無理なら、【私以外の力】を借りるまでさ」
自分の体から少量の泥が抜き取られる。
「はっ、やはり情報収集か。それで、その人形で遣り合おうっての」
「私も居るわよ」
泥の中からもう1人の彼女が現れる。
「はっ、何人増えようが変わらない」
「そう変わらないね。私では【あなたに勝てない】」
「なら『でもわたしでも』」
ビチョと足に何かが当たる。下を向けば泥がここまで来ている。
「【足止め】ぐらいはできるんだよ。忘れてはいないだろう【時間制限】のことを」
右肩には、あの死神が乗っかっている。
「つまり、ここにきて勝ちは諦めたと」
「違うね、勝ちにきたんだ。私が立って、貴方が倒れる。それが今回の決着」
「あぁ、そうかい。じゃあはじめようか」
泥で全身をコーティングする。
「なぁにシンプルだ。時間以内に殴れるか、殴れないかただそれだけだ。・・・じゃあ」
床を叩き、宙に浮く。
「戦闘の始まりだ」
攻撃はそれほど強くないし、このゲームに関しても初心者だ。1対1で対峙しても、戦闘面では脅威とは感じない。
では何に対して脅威に感じているのか。それは彼女の悪逆な戦い方にある。
そもそも、発想の点で、ムービーシーンのような会話シーンの作成を行い不意打ちを行うと言う考え自体普通は思いつかない。それは少なくとも1プレイヤーの発想ではない。
おまけに躊躇が無い。精神崩壊になろうが植物人間になろうが知ったことではないといった感じだ。トラウマのせいかと思ってみたがどうやらそれとは関係なしに行ってところをみると。素で行ってるみたいだ。頭おかしいんじゃないかこいつ。
まぁ実際状況は悪化の一方だ。彼女の能力、【与える】とか言ってるあれは【強制付与】だそれもシステム干渉のレベルの
現在メインの変更は済ましていたから問題ないが、メインである召還をやられている。おまけに自分の体は泥とくっついた共存体の状態だ。何がいやかって【何が入ってるかわからない】ものとくっついているんだ。
位置と会話は盗まれていること前提で、ひょっとしたらモーションの改変や、データの改竄も考えられるが。
「一番はこれからはじまる強制付与の耐性弱体化か」
こっちが対策しようが裏で通されて・・・ってパターンが多いか。
「まぁ、まずは入って見るか」
適当に入って見る。どうせ【何処に入っても最初は同じだ】
「遅かったわね」
渦の先には彼女が待っている。今回は本質のほうか。勿論
「勿論本体じゃないわ」
だろうな。それでここにいるってことは。
「なに、随分と遊んでくれたみたいで、おかげで意趣返しの準備もできたわ」
「意趣返し? 何かしたか?」
「ほら、これよ返すわ」
白い子供のようなものが体に付着する。
「おい、これって」
「前言われた通りのことを返すわ。一時間つきっぱだと即死です。まぁ安心してください」
笑顔で、あの時の自分のように、【絶対にできないだろう】で鼻で笑いながら彼女は言う。
「【私を倒せば消・え・ま・すので】」
いらっときて、顔面に一発ぶち込んでしまう。
ぐしゃっと泥が弾けとび。
「あらあらいいの? 私しか【情報源】がいないのにそんなことして」
泥をくっつけ修復しながら彼女は言う。
「教える気はあるのかよ」
「? 馬鹿じゃないの?頭大丈夫?なん」
もう一発顔面にぶち込む
「クスクス」
彼女の笑い声が響く。それは彼女が見えている泥だけでなく、この空間全体から響いてくる。
「いいのこんな時間をかけて?まだまだ先は長いわよ。あらそういえば」
辺りを見渡し小馬鹿にしたように、
「あなたはどうやってここからでるの?入り口はもう無いけど。あぁ」
掌に先程入ったのと同じように渦をだし。
「私なら作れるんだった、ご」
3発目を顔面に打ち抜く。
「クスクス」
「そうか、そんなに怒らせたいかお前は?」
「何を言ってるの?これは【戦いよ】起ころうが泣こうがわめこうが、最後に立っていた方が勝ち。相手の挑発も立派な戦術だわ」
あぁ、そうかい。
「それで、何がお望みだ」
「そうね、この渦とあなたの同化交換しない?」
「はっ、嫌だね」
「そう、じゃあ時間まで彷徨っててね。あぁ、私は次の場所に行くから、じゃあ頑張ってね」
彼女は渦の中に入る。後には何も残らず、あたり一面良くわからん世界と、たまに癪にさわるクスクスと声がする。
曲が変わる。
「はっ、いったん落ち着けってか」
曲が再度変わる。
「ふざけるな」
「ムム、オーダー裏で解析」
泥が出てきて、形を鎧の姿に変えていく。銃は鎧にしまわれ、両手が空く。
「あぁ、いい度胸だ」
鎧が輝く。
「ここまで馬鹿にされるのも久しぶりだ」
輝きが全身から拳のほうに行く。
「いいぜ、時間なんてどうとでもなるが時間通りにいってやるぜ、だから・・・」
拳に輝きが集中し、再度輝きが増す。そうして
「土下座の準備をしながら、待っていろ三幸ーーーー」
一撃を空間に叩き込む。空間がわれ別の空間が現れる。
その中に入り、再度彼女と相対する。
「邪魔だ」
殴る。
彼女ごと殴り飛ばし、空間が割れ別の場所が見える。そうしてまた彼女に対峙する。
「邪魔だ」
殴る。
「邪魔だ」
殴る。
「邪魔だーーー」
ただ殴り、空間から空間へと移動していく。そうして、
「芸がないね」
辺り一面花畑の場所に移動した。彼女は花畑の中、テーブルにティーカップを置き、こちらを見つめる。
「芸が無い? はっ、シンプルでわかりやすっていって貰いたいな」
同じように顔面に一撃入れる。
花びらが舞い散る。しかしそれだけだ、空間も彼女も無傷だ。
「そんなんじゃ、何回やっても無駄だよ」
「勝手に決めつけてるんじゃあねぇ」
殴る、殴る。ありったけをこめて殴る。しかし状況は変わらず、花弁は舞うだけだ。
「はぁ…はぁ」
「やれやれ、ざまぁないね」
殴られても、顔色1つ変えず、今はもう興味ないと視界をずらしティーを飲む。
「ここはね、坊や」
「停戦エリアとか時限式休憩所とかそんなこというんだろ」
「あら、わかってるじゃない。なら暫く待ちな、ここでの攻撃は無意味だよ。まぁ待ってる間に死神に食われそうだけどね」
「だから、勝手に決め付けるんじゃねぇ」
机を殴る。しかし何も変化は無い。
「最初の冷静さは何処へやら、あなたここに招待してから弱くなってない?」
「ハァ・・弱い?はぁ・・俺が」
ポットからカップへ何かを注ぎ。
「そう、今の貴方には最初に持っていた冷静がないわ。いったい何が貴方をそうさせたの?」
それをお前がいうのか。
「熱だよ」
「熱? ならもう持ってるわ、それともこういう熱は熱とみなさないのかしら」
「馬鹿が、足りないんだよ」
「足りない? 貴方に何がわかるの?」
わかるわけねぇだろ、んな人の感情なんさ。
「お前のことなんざわかるわけねぇだろ。足りないのは自分の熱だ」
あぁ、足りないな。中途半端に上げて下げて、上げてを繰り返してしまってるこの状態じゃ足りない。
「あんたは十分やってるよ」
「言葉を返すぜ、お前に俺の何がわかる」
「少なくとも、熱意が空回ってることぐらいわかるさ」
熱意が空回ってる? これは面白い冗談だ。
「ハハハ、それ本気で言ってるのか」
「何がおかしい?」
「本気で、何も考えず、ただガムシャラに殴っているだけだと。本当にそう考えているのかい
?んなわけないだろ」
ポップアップが届く。内容は一言、[解析は終わりました]
「ほら、何も間違いは無かった。無駄はなかった」
机を叩く。
「なら、何が変わって言うんだい?なに・・・」
彼女の前には、傷がついた机が見える。
「舐めるなよ。経験も実力も、【腹黒さ】もこちらの方が上だ、お前如きの策略如きで出し抜かされるような」
「ちっ」
彼女は逃げる。こちらは先程同様に殴る。
「その程度のたまなわけねぇだろうが」
空間が割れる、パリンパリンと何層も、何層も割れる。
「解析ってのは、【縮こまってこそこそするだけじゃねぇ】そいつに触れたり、殴ったり、攻撃を受けたり、それでも解析ってのはできるんだ。1つ賢くなったな、えぇルーキー」
壁の向こうには彼女が見える。間違いない本体だ。
「ここまで随分と遠回りを選択させたじゃないか。それで、手段はできたのかい?」
空間から彼女と同じ世界に立つ。結局はここに来たときとおな……いや少し違うか。
「そうさね、時間稼ぎももう無理みたいだし。そろそろ動かして貰うよ」
「ほう、勝てると」
「【今の私】は無理さ、あんたみたいな規格外と戦う実力なんて持ち合わせていない」
「なら『話は最後まで聞けと習わなかったかい?』」
彼女の前に立ちふさがるように、形をなした泥が出てくる。
「確かに、【今の私】は無理さ」
「なら、未来にでも飛ぶかい」
「なに、私が無理なら、【私以外の力】を借りるまでさ」
自分の体から少量の泥が抜き取られる。
「はっ、やはり情報収集か。それで、その人形で遣り合おうっての」
「私も居るわよ」
泥の中からもう1人の彼女が現れる。
「はっ、何人増えようが変わらない」
「そう変わらないね。私では【あなたに勝てない】」
「なら『でもわたしでも』」
ビチョと足に何かが当たる。下を向けば泥がここまで来ている。
「【足止め】ぐらいはできるんだよ。忘れてはいないだろう【時間制限】のことを」
右肩には、あの死神が乗っかっている。
「つまり、ここにきて勝ちは諦めたと」
「違うね、勝ちにきたんだ。私が立って、貴方が倒れる。それが今回の決着」
「あぁ、そうかい。じゃあはじめようか」
泥で全身をコーティングする。
「なぁにシンプルだ。時間以内に殴れるか、殴れないかただそれだけだ。・・・じゃあ」
床を叩き、宙に浮く。
「戦闘の始まりだ」
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