コネクト 創造する世界
仮想と現実 2日目 夢島
体が軽い。まるで器が無いようだ。目を開けてみれば、下は青い光を放ち、上は満天の夜空に見える。
「あぁ、起きたかい」
声をかけてきたほうを向く
何度か出会った……ような気がする。しかし思い出せない。
「あぁ、もう少し待っててくれ。復元が難しいんだ」
復元? なんのことだ、彼に問いかけようとするが思った言葉がでない。いったい彼は誰だろうか?いやそもそも
自分は誰だったのか?わからない、わからない。
「あぁ、だからまだ復元できてないんだって」
復元?復元とはなんだ、ここは何処だ、自分はいったい。
「あぁ、しつこい」
考えが止まる。ふと眠くなる。
「・・全く辞めろ・・」
彼の発言を最後まで聞く前に自分は眠りについてしまった。
体が軽い。確か緊急遮断が……
「あぁ、今度はちゃんと終わってる。言われた通り復元はした。馴染ませ方はそっちに任せる」
目の前には脳科学の権威、VR空間への第一人者ダーン・ベイルがいる。確か……
情報を思い出していく、確か、そうあれは親にVRセットを買ってもらって、最初のゲームで遊んでいた頃。【バグAI】にあってデータごと破壊されて……
「あぁ、それであってる。ついでにその時のお願いはデータのバックアップだったけか。そのせいでお前は【ここの記憶は消えない】まぁ封印はしてるけどね」
お願い、そうお願いだ。確か条件は、不正等の想定外の要因により、AI持ちが破壊された場合。運が良いとここに流れ着くことができる。またよくわからないが得点として【他の知識】を貰えるらしい。自分は自分の知識の保存をお願いしたんだっけ。
「いまだに自分の知識っていった奴は君しかいなくてね。おかげで今もばれずに観察できてるよ」
確かここは、データの墓場。夢島だったっけ。
「ん? あぁすっかり忘れていた」
博士が何か操作したかと思うと、途端に意識が薄れていく、確かつい最近同様な感覚に陥った事……
三回か……
自分の器を作成し体を動かせるようにする。
体を作ったら、まずは意識して動かす、その後意識せずに体を動かしていき馴染ませていく。
「成功したようだね」
「あぁ、まぁ……成功だな」
自己を確立した状態で復帰できた。まぁ、あいかわらず頭が気持ち悪い状態になってるから、これを削除していく。
「○○日と××日は消していい、後……」
必要のない情報を消していく。あれから1年もたってないが必要のない情報が多すぎる。その情報を精査ししらみつぶしに消していく。
やっている事と言えば、【脳のデータを丸ごと保存し】それをアウトプットしてるだけだ。感情とかそんなものは何処にあるかわからないので完全に保存だ。だから【ここに来るまでの】半年分の感覚が全部わかっている状態だ。
はっきりいって気持ち悪い。だから本来は忘れている部分は消去していく。覚えている事なんて、重要な事だけでいい。今回の場合、金剛絡みの記憶があればだいたい何とかなる。
「ふふ」
作業中に博士は笑う。
「何か起こしな所がありましたか」
「いや、その辺の映画よりも面白い人生してるなって思って」
感覚もあるということは、その情報に触れれば記憶の追体験が可能である。恐らく金剛関係の記憶でも触れたんだろう。追体験も完璧な追体験だ。一方通行で、自分の考えが頭に流れ込むので最悪自我も消える可能性もあるが、博士なら大丈夫なんだろう。自分はあまりやりたいものではないが。
「それにしても、破壊しても問題ないと思ってるからと言って、特攻が多すぎないかい」
あぁ、あの時の情報か。確かにあの時は振り切れた気がする。
「割り切って居るので。そもそも振り切れてなければ再構築なんてしませんよ、あっ○○は完全に消さずにぼやかす感じで」
「確かに器の観点は面白い考えだとは思うけど、僕はそこまで振り切れないな」
「人口AIの貴方がそれを言いますか?」
「僕はいいんだよ、あくまで実験で使ってるだけであって、管理して使用してるだけだもん。君は使用ではなく活用してるでしょ」
博士が言っているのは、【自己の認識】についてある。簡単な話、【記憶が受け継がれた自分は自分であるのか】とういう認識に対して。【そうだ】と返答しただけだ。
よく話題に当たるのは、記憶が考え方が同じ人間は自分なのか。という問いかけだ。ここで自分はだいたい雷に打たれて死んだりしており。ドッピルゲンガーのようなものではないとすることが多い。まぁそうでないと自分が生きているのに、別の自分が存在していると言うおかしな話になるので今回もその考えに則っり話していく。
これに対して自分の反応は【器の移動】と定義した。早い話はたまに見るタイムリープと同様のものだとだ考えればよい。
簡単に言ってしまえば、たまに見る昔の自分に戻って記憶を引き継ぐタイムリープは納得できるのならば、それと同様に同じように、自分同様の器に記憶を上書きしたこれを納得できないのは自分ではおかしな
話である。【誰が過去にある器が先程まで入っていた器と同じと確認できようか】
所詮、人なんて曖昧に判断しないと狂ってしまう生き物なのだから。これに関しても曖昧に判断しておけばよい。重要なのは、曖昧さの中でどれを重視するかだ。
簡単に言えば、自我を確定する上で。何処を重要視したかだ。トラウマでも何でも良い。その記憶が……その感覚が思い出せることで、自分の行動方針が決まってくる。自分の場合は、浪人時代の影響が多く受けており、その他に重大事件の巻き込まれと、どうでもいい日常を適当に薄く煮詰めておけばだいたい元と一緒の感じになる。というか一回それやってんだから、今更なんだである。
「後は、××を薄めて、終了です」
「はい、お疲れ様。もうこっちにきてから1日たつから、そろそろ戻った方がいいよ」
「もうそんなたちますか。あぁ今回のお願いは、多分、もうちょっとしたら戸曽田緑朗って奴が来ますので、そいつをよろしくお願いします」
「あぁ、あの子ね。個人的にはあっちの老人の方が早そうだけど」
ログアウトの処理をいったん止めて、博士に話を聞く。
「何かあったの?」
「まぁ、少しはね」
ここは夢島、さっきまでの自分のような【壊れたデータ】の廃棄場所なのだが。たまに壊れてないデータも破棄されてくる。まぁつまり
「どうやら、レギオンっていってたかな。彼らは無理やりでも君達を潰したいらしい。色々裏でやっているみたい」
秘匿通信とかの情報を破棄する際にここを通過するので、博士には筒抜けになる。まぁ本来ここは【存在しない場所】であり、【人間は入れない場所】だから問題ないといえば問題ないのだが。
「博士そのデータ貰っていっていい?」
「あぁ、別にいいよどうせ使わないし」
あぁ、それとあれもか。
「後、バックアップからデータを引き出すよ」
体が重い。というかだるい。丸一日以上VRにいたせいか、体が動かしずらい。腕には、植物人間になっていた為か緊急用に点滴が投入されており、服装も変えられ、オムツっぽいものを履かされているような気がする。
腕を顔に乗せ、下着も替えられたのかと。若干沈んでいると。周囲に人が集まってくる。
「気分はどうだ」
菊池隊員が質問をしてくる。
「起きたらオムツ履いてた気持ちがお前に……そっちは日常茶飯事か」
「刺激あった方がいいと言われバ『悪かった。だから語らなくていい』」
腕を伸ばし、チューブが外れそうになる。
「あぁ、起きたから。これ外してくれよ、微妙に痛いし痺れるし」
「はいはい」
さも当然のようにチューブを外していく。
「動くなよ。針が変な所に刺さるからな」
「わかったから、とっとと抜いてくれ」
片腕を上げ。片手で見ないように手で顔を塞ぎながら。抜かれるのを待つ。
「そういえば他の人は」
「その覆ってる手を話、周りを見てみろ。唖然としてるから」
言われた通りに周囲を見ていれば、ほぼ全ての人物が呆けてる。
「何、呆けてるんだ彼らは」
「さぁ、何でだろうね」
クスクスと笑いながら、体についてたチューブは取り外された。
「あぁ、起きたかい」
声をかけてきたほうを向く
何度か出会った……ような気がする。しかし思い出せない。
「あぁ、もう少し待っててくれ。復元が難しいんだ」
復元? なんのことだ、彼に問いかけようとするが思った言葉がでない。いったい彼は誰だろうか?いやそもそも
自分は誰だったのか?わからない、わからない。
「あぁ、だからまだ復元できてないんだって」
復元?復元とはなんだ、ここは何処だ、自分はいったい。
「あぁ、しつこい」
考えが止まる。ふと眠くなる。
「・・全く辞めろ・・」
彼の発言を最後まで聞く前に自分は眠りについてしまった。
体が軽い。確か緊急遮断が……
「あぁ、今度はちゃんと終わってる。言われた通り復元はした。馴染ませ方はそっちに任せる」
目の前には脳科学の権威、VR空間への第一人者ダーン・ベイルがいる。確か……
情報を思い出していく、確か、そうあれは親にVRセットを買ってもらって、最初のゲームで遊んでいた頃。【バグAI】にあってデータごと破壊されて……
「あぁ、それであってる。ついでにその時のお願いはデータのバックアップだったけか。そのせいでお前は【ここの記憶は消えない】まぁ封印はしてるけどね」
お願い、そうお願いだ。確か条件は、不正等の想定外の要因により、AI持ちが破壊された場合。運が良いとここに流れ着くことができる。またよくわからないが得点として【他の知識】を貰えるらしい。自分は自分の知識の保存をお願いしたんだっけ。
「いまだに自分の知識っていった奴は君しかいなくてね。おかげで今もばれずに観察できてるよ」
確かここは、データの墓場。夢島だったっけ。
「ん? あぁすっかり忘れていた」
博士が何か操作したかと思うと、途端に意識が薄れていく、確かつい最近同様な感覚に陥った事……
三回か……
自分の器を作成し体を動かせるようにする。
体を作ったら、まずは意識して動かす、その後意識せずに体を動かしていき馴染ませていく。
「成功したようだね」
「あぁ、まぁ……成功だな」
自己を確立した状態で復帰できた。まぁ、あいかわらず頭が気持ち悪い状態になってるから、これを削除していく。
「○○日と××日は消していい、後……」
必要のない情報を消していく。あれから1年もたってないが必要のない情報が多すぎる。その情報を精査ししらみつぶしに消していく。
やっている事と言えば、【脳のデータを丸ごと保存し】それをアウトプットしてるだけだ。感情とかそんなものは何処にあるかわからないので完全に保存だ。だから【ここに来るまでの】半年分の感覚が全部わかっている状態だ。
はっきりいって気持ち悪い。だから本来は忘れている部分は消去していく。覚えている事なんて、重要な事だけでいい。今回の場合、金剛絡みの記憶があればだいたい何とかなる。
「ふふ」
作業中に博士は笑う。
「何か起こしな所がありましたか」
「いや、その辺の映画よりも面白い人生してるなって思って」
感覚もあるということは、その情報に触れれば記憶の追体験が可能である。恐らく金剛関係の記憶でも触れたんだろう。追体験も完璧な追体験だ。一方通行で、自分の考えが頭に流れ込むので最悪自我も消える可能性もあるが、博士なら大丈夫なんだろう。自分はあまりやりたいものではないが。
「それにしても、破壊しても問題ないと思ってるからと言って、特攻が多すぎないかい」
あぁ、あの時の情報か。確かにあの時は振り切れた気がする。
「割り切って居るので。そもそも振り切れてなければ再構築なんてしませんよ、あっ○○は完全に消さずにぼやかす感じで」
「確かに器の観点は面白い考えだとは思うけど、僕はそこまで振り切れないな」
「人口AIの貴方がそれを言いますか?」
「僕はいいんだよ、あくまで実験で使ってるだけであって、管理して使用してるだけだもん。君は使用ではなく活用してるでしょ」
博士が言っているのは、【自己の認識】についてある。簡単な話、【記憶が受け継がれた自分は自分であるのか】とういう認識に対して。【そうだ】と返答しただけだ。
よく話題に当たるのは、記憶が考え方が同じ人間は自分なのか。という問いかけだ。ここで自分はだいたい雷に打たれて死んだりしており。ドッピルゲンガーのようなものではないとすることが多い。まぁそうでないと自分が生きているのに、別の自分が存在していると言うおかしな話になるので今回もその考えに則っり話していく。
これに対して自分の反応は【器の移動】と定義した。早い話はたまに見るタイムリープと同様のものだとだ考えればよい。
簡単に言ってしまえば、たまに見る昔の自分に戻って記憶を引き継ぐタイムリープは納得できるのならば、それと同様に同じように、自分同様の器に記憶を上書きしたこれを納得できないのは自分ではおかしな
話である。【誰が過去にある器が先程まで入っていた器と同じと確認できようか】
所詮、人なんて曖昧に判断しないと狂ってしまう生き物なのだから。これに関しても曖昧に判断しておけばよい。重要なのは、曖昧さの中でどれを重視するかだ。
簡単に言えば、自我を確定する上で。何処を重要視したかだ。トラウマでも何でも良い。その記憶が……その感覚が思い出せることで、自分の行動方針が決まってくる。自分の場合は、浪人時代の影響が多く受けており、その他に重大事件の巻き込まれと、どうでもいい日常を適当に薄く煮詰めておけばだいたい元と一緒の感じになる。というか一回それやってんだから、今更なんだである。
「後は、××を薄めて、終了です」
「はい、お疲れ様。もうこっちにきてから1日たつから、そろそろ戻った方がいいよ」
「もうそんなたちますか。あぁ今回のお願いは、多分、もうちょっとしたら戸曽田緑朗って奴が来ますので、そいつをよろしくお願いします」
「あぁ、あの子ね。個人的にはあっちの老人の方が早そうだけど」
ログアウトの処理をいったん止めて、博士に話を聞く。
「何かあったの?」
「まぁ、少しはね」
ここは夢島、さっきまでの自分のような【壊れたデータ】の廃棄場所なのだが。たまに壊れてないデータも破棄されてくる。まぁつまり
「どうやら、レギオンっていってたかな。彼らは無理やりでも君達を潰したいらしい。色々裏でやっているみたい」
秘匿通信とかの情報を破棄する際にここを通過するので、博士には筒抜けになる。まぁ本来ここは【存在しない場所】であり、【人間は入れない場所】だから問題ないといえば問題ないのだが。
「博士そのデータ貰っていっていい?」
「あぁ、別にいいよどうせ使わないし」
あぁ、それとあれもか。
「後、バックアップからデータを引き出すよ」
体が重い。というかだるい。丸一日以上VRにいたせいか、体が動かしずらい。腕には、植物人間になっていた為か緊急用に点滴が投入されており、服装も変えられ、オムツっぽいものを履かされているような気がする。
腕を顔に乗せ、下着も替えられたのかと。若干沈んでいると。周囲に人が集まってくる。
「気分はどうだ」
菊池隊員が質問をしてくる。
「起きたらオムツ履いてた気持ちがお前に……そっちは日常茶飯事か」
「刺激あった方がいいと言われバ『悪かった。だから語らなくていい』」
腕を伸ばし、チューブが外れそうになる。
「あぁ、起きたから。これ外してくれよ、微妙に痛いし痺れるし」
「はいはい」
さも当然のようにチューブを外していく。
「動くなよ。針が変な所に刺さるからな」
「わかったから、とっとと抜いてくれ」
片腕を上げ。片手で見ないように手で顔を塞ぎながら。抜かれるのを待つ。
「そういえば他の人は」
「その覆ってる手を話、周りを見てみろ。唖然としてるから」
言われた通りに周囲を見ていれば、ほぼ全ての人物が呆けてる。
「何、呆けてるんだ彼らは」
「さぁ、何でだろうね」
クスクスと笑いながら、体についてたチューブは取り外された。
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