コネクト  創造する世界

AAA

仮想と現実 2日目 VRゲーム

準備は全て終わった。


体は生存力のある生物の集団にし、自分は俗に言う幽体離脱状態で戦闘に挑む。重要なデータは全て外部に置き無駄なデータを器に構築する。


「こういうことやってると、あれを思い出すな」


何度思い出してもおかしな話だ。偉い人の苦渋に満ちた顔。【最悪と最高が入り混じった日】【日本が変わった日】


お約束のように学会から追放された脳科学の天才が、電子空間にいく術を完成させ。各国の核兵器を掌握し、自分を認めなかった国に対して宣戦布告する。


そして、電子空間に行く方法を各国に配り、期限内に自分を倒せなかったら核を発射させるという。


映画ならここで各国が協力し、一致団結で倒すのが、それはあくまで映画の話で現実は国ごとに攻略する。その結果アメリカの民間企業ナノ社が【日本人のニート】にゲームと偽ってやらせ攻略させてしまった。そしてそこから天才が日本を知り、気に入り、結果【日本に技術提供】することになった。


これより【日本は他国より電脳戦に優れている一方】【他国から集中して狙われる事になった】またこの情報は公にできないので、軍人や養成施設の人間、一部の企業しか知らない。


結果日本はネットワークを封鎖しながら、情報規制を行い。他国から常に狙われ続けているが。形上は平和と言う形となっている。


ニートが世界を救った事実から、ゲームやアニメ等は推奨はしないが批判は無くなり。規制も薄れ、開発企業はやりたい放題できるようになった。


やりたい放題できるようになった事で、電脳空間技術はエロから人体構築を発展させ、ゲームでシステムを完成させた。簡単に言えば。電脳空間は人物をゲームのキャラクターのように表すことができるようになった。


この結果、データはアイテムとなりセキュリティはダンジョンやモンスターとなる。日本のネットワークはやろうと思えば一つのゲームのように遊べるようになり、知っている人物なら、好き勝手にハッキングやクラッキングが行えるようになった。


まぁ公になってないので知っている一部の起業のみがこれを使い他企業から情報を抜いている。しかしばれたら倒産レベルではすまないため、使うのは一部の中の一部。バレテモ握りつぶせるぐらいの企業。財閥系の企業や政府ぐらいだ、最もそれでも他派閥からリークされればそれでしまいな為、使うことは殆どない。


まぁ結局、そんな話よりも。いかにも権力持ってそうな体育会系の人間が、日頃から屑と罵っていた駄目人間を称えるという、自分の行動の全否定をした行為を苦虫を噛み潰した顔で行うインパクトの方が印象に残ってしまった。「く・・・、優秀な英雄が」と屑を言い直して称えてるシーンは特に印象に残っている。


器には、先に戦闘AIをプロットしておく、何が起きるかわからないので回避ルーチンのみで、攻撃はしないように設定、同時に記録も取り。監視役にランダムで転送。まぁ器は虫の集合体なので攻撃の手段が殆どないんだけどな。あくまで生存優先でこちらから攻撃した場合は拘束、実刑の形もありえるし。


「さて、向かいますか」


器を動かし、後ろから引っ張られる形で動く。形上は魔力供給での分離なので、体の一部が近くにいないと供給ができないなり消えてしまう。


ある程度の距離を保ちつつ、門に一緒に入る。


空間移動をするとよく感覚の調整で、三半規管が狂い気持ち悪くなるとかあるが、今回は感覚ではなく時間感覚のズレが問題になった。


先程のゆったりした流れを戻すかのように、早送り、いやコマ送りで状況が進む。


何か話していたと思ったら、銃口を突きつけ追い詰められ、器が壊された。元から破壊されたときように設定した虫(生存力が高い茶色の奴)が大量に湧き出て、床を食べ、データを増やし、増やしたデータで増殖しながら地面を這いずり回っている。


隊員の方は、いきなり出てきた虫に少し取り乱し。その結果一部の虫を逃してしまい探しに行った二人。増殖している虫に対処する隊長。自分のことを知っている二人は後に何が起きるのかを知っているので無駄に動かない。


そうして元の体感時間に戻るまで、状況を眺めている。必死に銃を撃つ隊長に諦めて戻ってきた二人も加わり、少しは速くなったが増殖の対処に間に合わず、徐々に床に埋め尽くされる虫の量が増えていく。知ってる二人は距離を置き様子を見ている。


業を煮やしたのか、隊長は武器を変形させ、仕様を変えていく。戻ってきた二人もだ。


「不正者を周囲に発見……、モード【ナイトメア】発動します」


規格を無理やり変えたのか、不正者扱いされる。しかしその結果は一目瞭然で【周辺に見えている虫】は跡形もなく消えていった。


供給ができるように近くにいる虫の場所に移動する。足がないため、蹴飛ばすということができず。海で流されているように移動していく。


感覚は戻ったが、恐らくもう一回虫を派遣するか最悪そのまま撤退するのでもう少しこのままで状況を見守ることにした。


……、移動しようとする隊員を、静観してた隊員が制止する。口論をし、結局留まることにしたらしい。


潮時かな。


透明にしていた虫を集めさせ、体を構築していく。あくまで色や音がついているのは囮であり本命は、色も音もなくゆっくりと増殖を繰り返し、今は十人分程度の容量はあるのかな。そうしてばれずに構築した器に体を入れ……


待機組に発砲される。


器に感覚を移したことにより、音が、臭いが体の感覚が戻ってくる。同時に撃たれて部分の感覚がなくなる。


デコイ用の透明の玉を周辺に浮かべ。宙に浮き、会話を行う。


「ぃ…なぃ…」


長い時間いたからか、うまく言葉がでない。


「何だ何処にいる」


隊長は発砲を命令し、一網打尽したあの範囲武器が一斉に発砲されるが。デコイにより銃弾は見当違いの方向に飛んでいく。


「ええい、ちゃんと的を絞らんか」


「デコイによる誘導を確認、照準あいません」


「セミオートからマニュアルにし、標準を合わせろ」


「無理です。マニュアルでの発砲でも誘導を確認。現在使用している武器では誘導してしまいます」


マニュアルに変えて撃っても。誘導し、特定の地点で破裂する。破裂したデータからまたデコイが発生し破裂の勢いで散らばる。撃ったら撃った分だけデコイが増え状況は悪化していく。


「ええぃ、武器の出力をあげろ、一掃するぞ」


「隊長、それは違反行為にあたります。そも今回は【監視対象の異常の確認のはずです】攻撃するのは間違ってるのかと」


「現状で、規格変更、保護対象への攻撃、民間企業への脅迫。監視対象が報告を行っていたら私達以外は全員首ですね」


規格をさらに上げることに対し静観組はそれを制止する。


「貴様、逆らうのか」


「逆らうも何も、隊長の行為は越権行為です。首は免れません」


「貴様らがまともに働けばうまくいったんだ、むしろ貴様らが妨害したと報告し首にしてやる」


隊長の脅しにも、侮蔑した顔で


「お好きにどうぞ、私達は止めましたからね」


「ふん、生還組だがなんだが知らんが、ここはお遊戯の場所じゃないんだ。貴様らのような【遊び人】如きが俺を止められるとは思うなよ」


「だから、何時までたってもその地位から上がらないんですよ貴方は」


「なっ、貴様」


胸倉を掴みに隊長が動いていく。隙だらけなので、足を狙い体勢を崩し銃を回収しに行く。


「がっ」


不意打ちによる痛みに思わず銃を離してしまう。


「しまっ」


気づいたときには遅く。銃はもう自分の所に渡っている。


取り返そうと隊員の二人は銃を撃つがまともに前に飛ばない。


「ぁー、あー。テステス。あぁ~あぁ~。よし声が出せるな」


声よし。体の感覚は……


とりあえず、隊長に顔一個分外した場所に威嚇射撃を行う。


「ひっ」


攻撃が顔を掠め、隊長の顔が引きつる。


「体の感覚よし」


「おい、貴様何したかわかっているのか」


「【貴方が人体に影響が無いと思っている武器で貴方を撃っただけですが】なにか」


「ふざけるな、その武器はデータを破壊するんだぞ。電脳世界でのデータの破壊は『隊長そこまでです』」


余りにも酷い為、静観組は情けをかけ制止させるが、隊長は聞こうともしない。


「何がそこまでだ遊び人が。いいかその武器は【現実の自分も殺すんだぞ】貴様がやったのは殺人未遂だ、貴様のような屑が使っていい武器じゃないんだ」


どうしてこうも、下の奴らは自分の犯罪を躊躇なく話せるのか。そこがわからない。


先程の言動を保護対象である。コネクト、金剛グループ。そして防衛省の担当大臣に転送する。時期にここに大量の人員が入ることが確定し。恐らくイベントも中止か厳戒態勢での続行に変わるだろう。


「はは、今更自分の行いがわかったか。しかしわかったところでもう遅いぞ、貴様は私に向けて発砲したんだ。当然公務執行妨害やその他もろもろの余罪がつき。結果……」


おめでたい頭の隊長が自信満々で罪状を発表してくが。それよりもやばいことやってるからなお前。100億かかってる人員に対し、死ぬとわかっている武器を用いて発砲させてデータを破壊し、、情報隠蔽といわれてもしかたがない範囲武器を使い痕跡を消し。その後、今回の事象を忠実に話そうとしている隊員の口封じも加わるからな。おまけに対象民間人だからな。


まぁ暫くは、見守るか。


銃を投げ捨て。また器から体を離し。時がたつ事を待つことにした。


そうして、体感時間の変化の実験もかけて、コマ送りにして待っていたが。期待通りにコマ送りにしたすぐ後に一個小隊の人員が先程まで自信満々だった隊長を囲んでいた。

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