コネクト  創造する世界

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仮想と現実 リスタート

「久々の体だぁ」


「ん~」


何日かの現実を確認し、背筋を伸ばしたり、ストレッチを行う。二人。いったい何日拘束されていたのか。


「とりあえず、飯食いながら考えるか」


今は病室を出て、村の広場に来ている。若干だが活気が戻っているような気がした。


「でも、ここって飯やあるのか。病院食は勘弁だぞ」


そう、花丸はなまるは言う。


「確か、外れの方に洋食屋があったはず」


返しは、嵩西たけにしが答えた。


「まぁ、俺は何処でもいいや。まともだったら」


そういい、後ろからついていく。


どうやら、かなりのなかになったようだ。数週間も戦場で一緒になればそうなるか。


「いやぁ、あそこはきつかったよな」


「うん、あの攻撃で倒れなかった時はどうしようかと思ったよ」


こっちは、難しさとかそこらへんを一切合切無視して進んだからな。クリアしても達成感すらわからなかった。まぁ、主催の顔を見て、スカッとはしたが。


「着いたよ、…………一応はやってるみたい」


ドアを開け、入っていく。洋食屋といっているが雰囲気は喫茶店に近かった。


「いらっしゃい。お勧めはカレーだよ」


洋食屋のカレーだから、多分ハヤシカレーのことだろう。とりあえずメニューを見てみる。


ナポリタン、ハンバーグ、オムライス、ビーフシチューに……納豆スパ?卵かけご飯?


「おっちゃん、ハンバーグ定食と、オムライス」


「カレー大盛り」


「納豆スパと、卵かけご飯で」


「了解、カレー大にハンバーグにオムライスに納豆と卵な」


それだと、黄身入れた納豆に聞こえるがまぁよしとしよう。


「あぁ、定食のライス大盛りで」


「ハンバーグのライス大ね、卵は大盛りにしなくていいのかい」


「じゃあ納豆大盛りで」


「あいよ」


一連のやりとりが終わり、水をのみ。本題に入る。


「さて……明日からなんだが。どうする?」


個人的には不完全燃焼だから最低どっちかに残ってもらって、三周目を始めたいんだが。


「まぁ、俺はいいよ、ここまできたら最後まで居座ってやるよ」


「僕も……、まぁ少しなら付き合っていいかな」


「よし」


何とか、飽きずに4日間過ごせそうだ。


「さて、それじゃあ……、どれくらい酷いのか教えてもらっていいか?」


「うーん、多分歌姫イベ並の何度はあると思うよ」


「俺から言わせてもらうと、最終日に半分離反する程度にはきつい難易度だと思う」


腹がすいてるのか、久しぶりの現実に嬉しがっているのか花丸の水の飲む量が尋常じゃなかった。


「そんなに飲むと、くるまでに満たされるよ」


「というか、はやく満たされたいんだよ」


よく観察してみれば、手には若干の震えが見える。


「一応はVR状では色々やった。飯も食った気がしたし、腹も満たされると思った。しかしな、それを認めることが出来なかった」


震えるてで水を飲み干し、再度水をくむ。


「8日目位からか、【体が馴染んできたと感じたのは】VRの器に体が慣れ始めていた。だから途中からは【感覚を制限しVRだと意識するようにした】そうしてまた感覚が慣れていきそうな所で」


「俺が助けたと」


「あぁ、正直ここに残るのは【カウンセリング】を受けるのも理由に入ってる。恐らく軽度のトラウマも持つかも」


そういい、水を半分のみ、また水を注ぐ。そうしなければ不安で仕方がないんだろう。


「正直、今俺に必要なのは【現実だとわかるなにかだ】細かい操作やフィルターされていない感覚。水だってそうだ。VRなら、再現できない、いやしていないだけかもしれないが、それでもここが現実だとわからせてくれる」


淡々と語っていく。


「なら、ハンバーグよりも、シチューの方がよかったんじゃないの?煮込みの方が再現できてないし」


「それはそれ、これはこれだ。そんな不安を理由に食事を変化させたくない。というか、肉が食いたい。久しぶりの飯なんだから食いたいもの食いたいだろ。考えるのはその後だ」


まぁ、その気持ちはわかる。特に腹が減ってるときなんかは好物だけで、お腹を満たしたいと思う。まぁ大抵飽きるが……


「まぁ、気持ちはわかるよ。僕もカレーとかシチュー以外は選択しに入ってなかったし」


「俺は洋食屋に納豆スパと、卵かけご飯という珍しいのがあったからそれにしたな」


「「それはない」」


二人がハモり、笑いながら飯がくるまで会話が続けられる。会話が途切れることはなかった。片方が話さなければもう片方が話す……思った以上に二人ともきているようだ。


「遊ばなくてよかったか」


ふとそう思ってしまう。あのまま負けて三人で一緒に一緒にいたら、どうなるのだろう。対策がとられ、時間がかかってしまったら彼らは酷くなっていただろうか?


「さぁ、それはどうかわからないね」


「結局はその結果がトラウマだしな」


トラウマ…か。そこらへんはどうしようもないからな。


自分は壊れるギリギリまでやられて、何回かトラウマ与えられて、それを克服してこの場に居る。


メニューが運ばれてくる。卵かけご飯は……


「卵は?」


「おぅ、卵かけご飯が卵欠けご飯としてだしてしまったぜ」


何か洋食というよりも大衆食堂に居そうな店主だな。あぁ、そう言えば殆どなんかの職員なんだっけな。これもなんかの効果があるのか。


次々に料理が来る。


「んじゃ、食べるか」


「「「いただきます」」」


食事自体は、静かに行われた。自分の料理に夢中だった。


存外納豆と合うな。でもどちらかというと納豆よりもカツオダシがうまいような気がする。他の二人は……、一口一口を味わって食ってる。もっとがっつり食うものだと思ったが……。


食えないのか、食べるという事より。現実だと確認する方が重要か。


「末期だぞお前ら、VR辞めるレベルの」


「おいおい、味わって食ってるだけでその物言いかよ」


「ジョークにしても笑えないよ」


「店主」


「はい」


店主に【同じハンバーグとカレーを注文する】


「頼んだぞ」


「了解しました」


まぁ創造通りだと思うが……


「ちょっと食べるの待ってろ、いや食べてもいいぞ。一口は残しとけよ」


「いや、まってるよ。面白そうだしね」


「俺は食べるぞ、待てないからな」


そうして、対象的な行動を行った二人だが。同じ料理を食べたときの反応は違った。


「味を薄めたね」


「違いがさっぱりわからん」


……嵩西の障害か。


「二人とも席をたて。おっちゃんタオル用意してくれる。目隠しできる奴」


「あいよ」


そうして、【料理の間違いを探す方法】で頭を回転させ。もう一度食わせれば。


「なんだぁ、味がむちゃくちゃ変わったぞ」


花丸が反応を示した。嵩西は変わらずだ。後は二人ともタオルを外して。


店主にもう一度をカレーを頼む。今度は【限界まで濃くしてもらう】


待ち時間に花丸が残りのハンバーグを食い。


「……?」


全く同じ味に疑問視している。


「花丸はわかったと思ったが、【同じ料理をだした】花丸お前は、【緊張のしすぎで味すらわかっていない】【嵩西は恐らく、味覚障害が入ってる】無理やり濃くしただろVRでの食事を」


ふたりは呆然とする。やがてカレーが運ばれてきて。


「食って見ろ。【今度は味があるぞ】」


そうして通常の何倍も濃いカレーを前にし、むしゃむしゃとがっつく。


「わかるか【この時点でこれだ】嵩西は通院は必須だ三ヶ月かかるかもしれないが、暫くそうするしかない。無理やり味覚を壊したその代償だな。花丸は極度の緊張状態の持続だ。多分ストーカーにあってる女性とかそれといっしょだな。ここならいいが【都会に戻ってみろ、生活できなくなるぞ】」


さらに言うならば、例え現実にいても。VRと錯覚するかもしれない。最初で気づかなければきつい。


「このイベントでVRだと何時気づいた」


「2日目だ」


「4日目…」


「とすれば【VRの環境が現実だと思った日があったんだな】」


「……」


【寝なければなんとかなったが】1日たってるとなると。


「ともすれば、つきまとうな【現実への疑問視が】端的に言えば。【現実に居ようが仮想に居ようがトラウマは発生する】一日現実と認識したんだ。現実を仮想と間違えてもおかしくはないだろ」


「そんなの、現実との違いがわかれば、問題ないでしょ」


「確認したのか、それを?」


「えっ」


「それを確認したのか?モーションを封じられて、現実にすごしていた君らが。それを確認できたと……。無理だな、【一度起きてしまった以上、もう疑惑は拭えない】寝て起きたらVR居るかもしれない封印されているだけかもしれない。起こってしまった以上、もうその疑惑は拭えない」


できることは、【だからなんだと開き直ること】浪人時代に無理やりやらされた事だ。


「じゃあ、どうすればいい」


「何、答えは簡単で【起こっても対処できるようにしとけば良い】そこが仮想でも【対応できれば】怖くもなんともないだろ」


このトラウマの根幹は監禁と拷問だ。原因は【力不足による行為の強制】ならば、対策は【力をつけて殴り返せれば良い】


力を力で返したら、野蛮だ。同じところに落ちたと言われるが、結局の話そんなこと言えるのはTVで殺人事件を見て可哀想と思ってる連中だ。被害者でもなければ加害者でもない。いじめを行い不登校児を作ったいじめの主犯も大人になれば若い頃はと武勇伝として話す。


不登校児が自宅に引きこもり社会不適合者になっても、それは被害者のせいであると認識される。悲劇のヒロインを演じられるのは子供と女のみで、男がそれをやろうとすれば、意気地なし、根性がないと人格を否定される。


ようは力が強いほうが強いのだ、弱いものを守る等自己顕示欲や保護欲でしかない。そもそもいじめなど【弱者がいなければ発生しないんだから】弱者だから集団で強者を苛め、強者だから弱者を苛めるのだ。弱者は強者を苛めることはできないし、選択することもできない。強者に従い、集団に参加しなければならない。


ならば弱者はどうすればいいか。答えなんて【強くなるしかない】強い人間に庇護して貰える世渡り上手での良い。自分よりの強者に合わないように情報に強くても良い。勿論戦えるように体を強くしても良い。道具をうまく使えるなら、それはそれで強さだ。ようは強者に対抗できる何かを持っていればよい。一瞬でも脅威に感じれば、一瞬でも立場が変われば大概は何とかなるものだ。


「できるのか……」


「【できるようにするのがここ仮想世界だ】できるようになるまでするのがここだ。何のためのゲームだ。できないならできるようになるまでやればいいだけだろ」


というか、こんなゲームでのトラウマなんて、そうやって対策してくしかないんだよ。自分はそうやって対策していったから他の方法なんて知らんし。


「やればできるか……確かにそういやそうか、できるまでやり直せばいいか。というかずっとそうやってたか」


「そうだぞ、現実でもゲームのこと考えるなんて重度のゲーマーだからな、現実に話題持ってこないほうがいいぞ碌なことにならないからな」


「さすが、ゲームで会社を潰した人は現実味があっていいね」


「そうだぞ、あれまじで金剛居なかったらコネクトに投げなきゃいけなかったからわりとやばかったんだぞ」


まじで、兆とかよくわからない金が来るんだぞ。狙われるわ、拘束されるわ。最悪の予想しかでんわ。


「ははは、そうか大変で済むのか」


「済むようにしてるんだよ。まぁ最近は別の名前襲名されたりしたが」


「名乗らないの?」


「今度PC名に使う予定はある。まぁ予定だな。現実で名乗るきは一切ない」


「インパクトあっていいとおもうけど」


「100億かかってることを忘れるなよ、個人情報ばれるからなそれで」


「「あーあ」」


二人揃って納得かよ。


「おまえらなぁ」


「はは、まぁ良くわかったよ、あっおっちゃん。ケチャップ限界まで濃くした濃厚オムライス追加、カレーはもう下げちゃっていいよ食えないし」


「なら俺は、から揚げと、シチュー追加で。あっ全部小皿でお願いします」


「オムライスは」


「ハンバーグ増やした奴が悪い」


「へいへい、じゃあ会計は俺持ちで、どうせこのことでコネクト強請るから、あぁ、クリア報酬は三等分するからな。吹っかけるから使い道は考えとけよ。お勧めは高い生活用品の購入。もしくは金で買える資格とかいいぞ、コーヒーコーディネーターやツアーコンダクターとかは面白そうだぞ」


自分は炊飯器でも買うかな。後は貯金か。


「これが例のあれか」


「スカイアース特需だね、関わるだけで勝手に得をする。福の神よりも信頼できるし何より勝手に金が増えるところが利点だね」


「なんだそりゃ」


「コネクト掲示板では有名だよ。個人が勝手にばら撒くから、信頼性あるし。調べたら一億当たるチャンスもあるし。まぁ変な目で見られてるね」


めんどくさい奴らだな、ゲームなのだから関わるならゲーム目的にしてくれよ。まぁ色々やってるから問題ないが。それにしても


「調子が戻ってきたじゃないか」


「誰かさんが陳腐化してくれたからね」


「まぁ、決まればただやるだけだからな。だが」


机を叩き宣言をする。


「【最速】ではなく【最強】を目指す」


「なら僕は、【慎重】ではなく【蛮勇】でいこうかな。それくらいしないと届きそうにないし」


各々は追加できた飯を食べながら、宣言を行う。


強さを、勇気を、策謀を、コンボを


各々が宣言していく。


「準備ができたようですね」


「案外はやかったな」


声なるほうへ顔を向ければ。画面つきのロボットがこちらを向いている。


「確かヤーヌスだっけ」


「そうだよ小小」


「次のゲームの話し合いにきたよ」


次のゲーム、一応考えはまとまってるけど。


「どんなのさ」


「まず、あの最初のゲームは【君達には中止だよ】」


「意味ないからな」


まぁ、あれはAIはやりようがないからな。


「だから、ゲームを変える。君たち三人は【贄になった】僕達と勝負してもらうよ」


「本気だすからな」


……、そうくるか。


「それは3対3で?」


「マンツーマンだよ」


「ガチバトルだ」


トラウマ克服にはちょうどいいな。


「勝てるように調整するのか」


「???、勝てるように調整するのはそっちでしょ」


「情報は渡したんだから、勝手に対策立てろよな」


メタ情報あるから。その情報を元に対策しろと。……


「じっと見ても何にも変わらないぞ」


「一応僕達は【遊ばないと約束するよ】」


……、最善か。


「まぁ、わかった。後なんかある?」


「裏ボスが爆笑してたから。多分次いったら本気出すよ」


「まだ、引っ張るよ」


……、あぁ。


「居たな、最後の一人。いやそもそも最後はAIだったのか?」


「そうだよ」


「最後の一人か、一応リーダーだね。僕やサートゥルヌス、聖神は一応従えてる形にはなるね」


うん?聞いたことない名前ばかりだな。


「ソロマスター教のズルワーンとか、よくあるクロノスとかは?」


「別の所ででるんじゃない」


「俺たちはサートゥルヌスしか知らないぜ」


一応、対策なのか?よくわからないが。


「それじゃあ、伝えたからな」


「なるべくはやめにお願いね」


そういいロボットは出て行った。


「明日でいいよね、まだ二日目だし」


「「異議なし」」


というわけで、明日頑張ろう。今日は一応休んどくか……


























……


「さてどうするの?殴り込みには絶対くるけど」


「あっちも一筋縄にはいかないぞ」


二つ顔の男は一応警告しとく。


「といわれても、僕らは農業神だからね。そういうのは戦闘用の神様に言ってもらわないと」


「そうそう。まぁ神様だから神様らしくはするけどね」


二人とも落ち着いてるなぁ。


「まぁ、なんとかなるよ。それよりあれまだやるの?疲れてきたんだけど」


「あぁ、あの役大変そうだよね。無駄に敵意だされるし」


「わかる、いやぁ」


と愚痴が始まる。


「これでいいのか」


「これでいいのさ」


まぁ、一応仮にも神様だし、一応これでいいのかな。


「まぁ、僕達は本気でいこうか」


「とりあえず初日から潰しにいかないとな」




















……


「行くのかい」


こういう時に出てくるのはあのベテランの看護婦だ。


「まぁ、命の危険ないですしね」


「俺たちはトラウマ潰さなきゃいけないし」


「やられっぱなしは癪ですしね」


そういい、各々は各々の病室に向かう。


「じゃあ、5日後」


「遅れるなよ、あれの相手は大変だからな」


そういい二人とは離れる。




……


一日ぶりに病室に目をやる。


「本当はホラーだったんだろうな」


ふと二日前の最初の出来事を思い出す。実際1日しか遊んでなかったはずだが、随分やりこんだ気がするな。


目の前にあるポッドの中に入る。どうやら上下移動できたらしくかなりの大きさの物がでてくる。


「あいつらが、個々に居たのはラッキーだったな」


もし別の場所なら対処できなかった……、いや


「ひょっとしてあいつらは……」


人口AIだった?……だとしたら。


「はは、笑えるな。【仮想から現実】に行くことだと思っていたが、【現実から仮想】の実験だったとは」


それなら人が少ないのも納得できるし病院のいやに合成なのも真実味がでる。まぁ憶測に過ぎないが……今はとりあえず。


「行くか」


ポッドの中に入り。器の移動を開始する。










……


「・・・・・・・■■■■■■■」


あたりは暗いまま、一向に器に変わったとも思えない。感覚はなく先は見えない。数日前に味わったあれを思い出す。もしかしたらもう【仕掛けたのかもしれない】


VRで、できる操作を行う。


モーション操作……反応せず、スキル発動……発動せず、ステータスバー……発動せず、


今回は全て反応せずか。いやもしかしたら反応してるがこっちが反応できていないのかもしれない。ステータスバーを発動し、暫く待ってみる。


1、2、数字を数えていく。バーがでることを信じて。


100、101、出る気配はない、まだ希望的観測は捨てられない。


1000、1001、感覚が狂えばまだ可能性はある。


10000、10001、まだ三時間ぐらいだ可能性は捨てきれない。


79562、79563 ……





















「まだ、数えてるね」


「よくできるな」


暗い空間の中、感覚を奪われ。幻術というなの、時の牢獄に囚われた人物を観測しながら。二つの顔は人物を見つめてる。


「気づいたとき、彼はどうするのかな」


「わからないな、ただ」


「ただ」


「きっと何か対策されてるんだろうな」








99999、100000と駄目だなこりゃ。感覚もないしあの時と一緒か。しかしこれが初期に発動するということは。防衛のアレが発動してるはずだ。ならばやることは一つ。


起動してること信じ、事前策を発動するだけだ。










「終わったね」


「何がはじまる」


しかし、こちら側は何も発動せず。


「何も発動しないね」


「……」


あれ、あっちは現実に居るかな。視界を幻術から現実へと戻し。現実での彼を見てみる。


「きたか、どうする倒すか」


戻ってからの相方の一言はそれだった。


彼のほうを見れば何かをやってるのがわかる。


「あれは多分召還だ、どうする倒すか」


「いや、あれは倒せないよ、良く見てみると【完全武装】してる」


あれは、あの時使った同化のやつだ。


「つまり使ったら、糧になる」


「余計強くなるなるから、今は諦めた方がいいね」


それに興味があるしね。彼がどう対策したのかは














……


感覚はなく。いまだ先もわからない。しかしやるべき事はわかってる。ならばできること行うだけだ。


恐らく終わっているであろう、召還の準備を期待し。詠唱を始めていく。


















「鎧が剥げた」


「攻撃開始だ」


前も飛ばした黒い塊を飛ばしていく。


「求めるは七つ、全ての時を得る七曜」


「回避しないな」


「何か策があるのかな」


塊は届くことはなく、詠唱してる彼の前で弾かれる。


「結界か」


「なら地面から」


紋様を彼の下に出し。直下からの攻撃を狙う。


「走るぞ、詠唱だけでは多分無理だ」


「僕もそう思う」


彼に向かって走り出す


「欲するは、時、時、時、時、時、時、時を刻むものを欲す」


地面からの攻撃は……ギリギリでキャンセルされた。


「念の為、もう一発」


「了解」


もう一度直下に置く。


「与えるは、血、肉、足りない部分は求めよう」


二回目はやはりキャンセルされる。


「近づくしかないか」


「何か結界張ってあるみたいだけどな」


途中から一向に先に進めない、さっきまでのあれはこれの準備か。


「欲するは、過去、現在、未来、全ての軸を欲す」


駄目だ先に進めない。


「一撃にかけるぞ」


「準備はするよ」


「与えるは、魚、鎧、持てる全てを与えよう」


準備はできた。


「放て」


「始まりの扉」


そうして全ては始まりに戻った。戻るはずだ


「………ぁ…ぅ」


門が閉じ、黒い塊を再度ぶつける。


「きたれ時空の彼方より、我の叫びを聞こえしものよ。我ここに召還す」


「【時の刻み】を」


彼の体が光り始める。


「召還が成功した?」


「何やったんだあいつ」


そうして召還が終わってしまった。召還されたものは……懐中時計か。


「さてどうにかなったみたいだな」


ストレッチを行い彼は自分の体を確認している。


「先程は何をしたんだ」


「参考までに教えて欲しいね」


彼はストレッチを続けながら。


「企業秘密だ。……さて」


ストレッチを終わらせ、こちらと相対する。


服装は変わり。二丁拳銃を構えている。あれが効果なのか?


「長くなったが、リスタートと行こうか」



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