コネクト 創造する世界
仮想と現実 一日目 贄
結構な僻地だな。
第一印象は、如何にもな田舎だ。ホラーゲームに良くありそうな田舎か。
町全体は大きくないが、普通の田舎と違い若い者が多い。まぁこれは【ゲームの参加者が居るから】だとは思うが。町で一番大きいのは病院だ。そう病院、これがホラーゲームと思わせている原因だ。
でかすぎる。町の人口の殆どがカバーできる大きさだ。プレイヤーを収容するから仕方ないかも知れないがならば【何故ここで行う必要がある】都心部の病院等を借りればいいじゃないか。
確かに五日間という日程のわりに、参加費用は5万とそれなりに安い。自分のような上位のプレイヤーは3万とさらに安くなる。いうなれば安い場所にしたからこそ捻出されたかもしれないが。
「うさんくさすぎるな」
なにより、【自分以外のプレイヤーがわからないってのも】猜疑心がでてくる理由である。
「で、病院が集合場所ね」
見るからに怪しい病院に向かい歩いていく。
「ひっ」
何故か、見ただけで逃げ出す人物が居た。これもゲームの一環なのだろうか。
「ちょっといいか」
帽子を被った青年に声をかけられる。
「なんですか」
「今何日目だ」
何日目……。
「私は初日、日付は十五です」
「そうか、ここは『’&$&s』」
なにかが聞こえたと思ったら、相手は走り出していた。ポケットの中に何かが入れられた気がしたか。
「もぅ、鴨志田さんったら行きなり逃げ出しちゃって」
彼は鴨志田というのか。多分あってるかどうかは不明だが。
「あら、あなたは……また通院者かしら。お名前は」
「大空大地です」
「大空、大空と」
端末を動かし、確認を開始する。
「うーん、その名前はないわね」
「では、小小は」
「小小」
また同じように端末を確認していき、あったのか笑みを浮かべる。
「あったわ、中国人の方でしたか。えーと你好」
恐る恐る、中国語を使い出す。看護師に普通に話しかける。
「你好。あぁ、日本暦が長いので大丈夫です」
そういうとほっと安堵し、
「いやぁ、最近はよくわからない子が入院してきて困ってるのよ、中にはなんて読むかわからない記号が混じってるのもあるし」
あぁ、†とか☆とかか。確かに意味不明だよな現実に見れば。
「ちなみに全員日本語話せたんですか」
「えぇ、理解することはできたみたいだけど、中には顔を真っ赤にして喋らない子もいたわね」
おかしな子と笑う、看護婦の前に少しそのプレイヤーを同情したが。そもそもプレイヤー名で入院等はできるものなのか。
「保険証とかはどうしたのですか」
「あぁ、何でも慈善活動の一環やらなにやらで、コネクタ社とかに払ってもらってるから必要ないらしいわ、あなたもそれできたんでしょ」
「はは、そうです」
どうやら、何かの活動はやってるのは知っているが、何をやっているかは知らされてないらしい。
「えっと、とりあえずキャンペーンの参加はどうすればいいんですか」
「ん、あぁちょっとまってね。何か人によっては教える名前かえなくちゃいけないらしいから。貴方は……」
また端末を動かし、看護師は名前を答える。
「貴方の場合はcarryみたいだわ、シー、エー、アール、アール、ワイでキャリーらしいわ。」
「ちなみにそれって、他の人にも」
「えぇ、カリーとか、キャシーとか名乗った気がするわ」
ーか頭文字Cか、何かあるんだろうな。
「それでは向かいますよ、小小さん」
「はい、キャリーさん」
そういい病院につれていかれる。
病院はまともに見えた。ただ思った以上に人が少ない。
「はい、それじゃあまず先に健康診断しますね。まずはこれに記入と署名をお願いします」
渡されたのは、いつもの責任は持ちませんの署名。後は普通の健康診断のようにみえる。
「確認しました。では採血を……」
そういい、基礎的な診断を行い。……そして、普通は診断しないものに遭遇した。
「さて次はMRIだ、一応脳に負担にかかるから一応ね」
何もせずにMRIに入りそして。
「それじゃあ、良い度を」
そうきこえたような気がした。
……
MRIの検査が入ってから、数分がたとうとしている。検査にはこんなに時間がかかるものなのか。
「はいもういいよ」
そういい体が戻される。
診察台に座り。医者が話しかけてくる。
「さてこれで検診も終了だ。それではここでのルールを説明していく」
ん、雰囲気が変わった?
ひょっとして……、VR特有の操作を行う。スキル発動不可、操作できない。モーション発動不可、操作できない。ステータスバー……、ステータスバーは確認できた。つまり……。
「大丈夫かね、MRIで何か起きたのかね」
「いえ大丈夫です、言葉先生」
もうここはVRの世界に移行したみたいだ。
「さてそれではここでのことについて説明するね」
そうして、チュートリアルの先生から内容を説明される。どうやら、VR上で感覚を鈍らせ15日分の日数にしているらしい。
「注意すべきことは【必ず病院で寝ること】君の病室はここだ」
そういって222号室と書かれた病室に小小と名前が追加された。
「さて、私が案内するのはここまでだ、何かあるかね」
「他の病室のことはわかりますか……例えば【鴨志田】さんとか」
ピクッと体を動かし。
「そこらへんはプライバシーだから言えんよ、ただ」
背を向き歩きながら医者はいう。
「広場にある掲示板に行けばなにかわかるんじゃないか」
「ありがとうございます」
そうして自分の部屋に戻り、確認を行っていく。
まず制限だが、【現状何も機能してない】、一応名前表記を視界に追加することができるが、多分のちに面倒になる。
機能してない。そう機能してないだけだ。スキル等は召還してないから入っていないだけで、実際はできるかもしれない。今のところ使えそうなのに使えないのは、モーションと通信だ。
とりあえずこの機能を調べて見る。何かあるはずだ、使えない何かが。
「『PASS 』」
念入りに操作を行い、長押しでパスワードコマンドが出ることがわかった。
「今考え付くのは……」
自分の名前……駄目、PC名……駄目、看護師の名前……駄目、英単語じゃなくカナ表記で記入……。成功。モーションは復旧できた。
「通信の方は英語表記か……、よし」
これで通信も開いた。……ならば次は。
PC、鴨志田に通信を行う。
「何が必要なんですか」
送る文字はこれくらいでいい。誰かわかられるとそれは面倒だ。【通信ができることを伝えられれば】相手から何かのリアクションがあるだろう。
さて次は…、ナースステーションか。
ロックにもなってる、彼女は恐らく重要人物だと思われる。
「すみません、キャリーさんいませんか」
「キャリーさんですか、今日は非番です」
会えないか……どうするかな。
「では私の診断というか、入院ついて教えてくださりませんか?両親からは医者に行けとしか言われてないので」
「お名前は」
「小小です」
「小小様ですね少々お待ちください」
カルテを探し、こちらの方に持ってきた。
「お待たせしました。小小さんは……。確か『相田さん』」
どうやらストップがかかったらしい。どうやらベテランの看護婦のような人が、彼女と話し合っている。とぼとぼと帰ってくる彼女に名前を確認し、個人チャットの準備をしておく。
「お待たせしました。大変申し訳ございませんが……」
「話せないと」
紙とペンを用意して。
「これでも駄目ですかと書いてみる」
勿論先程の看護婦もこっちにくるがその時に、チャットの方もあげておく。
「ひゃい」
と彼女が悲鳴をあげるが。
「しー」
とする動作を行い紙に書いてもらうように誘導する。勿論チャットでは紙ではなくこっちに情報お願いと書いて。
「オッホン」
先程の看護師が、こちらによってきて紙を回収し。
「相田さんはあちらの方に」
「ですが」
「いいわね」
ベテランの看護師の凄みにひゃいとまた声をあげ、戻っていく。
「申し訳ございませんが、お引取りください」
「何か原因か聞いても」
「申し訳ございませんが、言えません」
「では、診断結果については聞いてもいいですよね。医者は問題ないといっておりましたが」
「申し訳ございませんが」
こうして、問答を繰り返し、十分程度粘った後。ナースステーションを後にする。
「さて情報の方は」
相田と呼ばれる彼女から。自分の情報はある程度入手することができた。さていったいどんなことが書いてあるのか。
「あぁ、なるほど」
そこの診断結果には、症状とかは書いてなく。ただ【贄】とそう記載されていた。
つまり今回は、
「この村からなんとか生き残る。それがクリア条件か」
このゲームは召還した何かと一緒に、【規定日生き残る】事がゲームのクリア条件である。
召還した何かは日を追うごとに力が開放されていく。またPCや試練に打ち勝った場合も強化される。
PCは、神に選ばれた血統であり。神は世界を滅ぼすか滅ぼさないかをこの血統が試練、規定日まで生きたかどうかで決めている。
当然PCは選ばれた血統であるので、贄にも優秀である。PVPを行えば勝ったほうが召還を強くしたり、相手の召還を奪えたりする。
「ループもので生還が条件だから……」
頭を働かせる。クリアの条件を考える。間違ったりしたらループするのか、バッドエンドってのは召還されて終わったってことか。
「贄は十分いる…か」
相田というNPCはここにきてからまだ間もないそうだ。つまり情報収集の狙い目でもある。相田さんにはこのことは内緒との書き込みを行っておいたので暫くは大丈夫だろう。
「とりあえず、広場に行くか」
そこでPCの状態がわかるだろう。後は町の探索もしないとな、なんにしても
「これからどうなるか……、楽しみだな」
第一印象は、如何にもな田舎だ。ホラーゲームに良くありそうな田舎か。
町全体は大きくないが、普通の田舎と違い若い者が多い。まぁこれは【ゲームの参加者が居るから】だとは思うが。町で一番大きいのは病院だ。そう病院、これがホラーゲームと思わせている原因だ。
でかすぎる。町の人口の殆どがカバーできる大きさだ。プレイヤーを収容するから仕方ないかも知れないがならば【何故ここで行う必要がある】都心部の病院等を借りればいいじゃないか。
確かに五日間という日程のわりに、参加費用は5万とそれなりに安い。自分のような上位のプレイヤーは3万とさらに安くなる。いうなれば安い場所にしたからこそ捻出されたかもしれないが。
「うさんくさすぎるな」
なにより、【自分以外のプレイヤーがわからないってのも】猜疑心がでてくる理由である。
「で、病院が集合場所ね」
見るからに怪しい病院に向かい歩いていく。
「ひっ」
何故か、見ただけで逃げ出す人物が居た。これもゲームの一環なのだろうか。
「ちょっといいか」
帽子を被った青年に声をかけられる。
「なんですか」
「今何日目だ」
何日目……。
「私は初日、日付は十五です」
「そうか、ここは『’&$&s』」
なにかが聞こえたと思ったら、相手は走り出していた。ポケットの中に何かが入れられた気がしたか。
「もぅ、鴨志田さんったら行きなり逃げ出しちゃって」
彼は鴨志田というのか。多分あってるかどうかは不明だが。
「あら、あなたは……また通院者かしら。お名前は」
「大空大地です」
「大空、大空と」
端末を動かし、確認を開始する。
「うーん、その名前はないわね」
「では、小小は」
「小小」
また同じように端末を確認していき、あったのか笑みを浮かべる。
「あったわ、中国人の方でしたか。えーと你好」
恐る恐る、中国語を使い出す。看護師に普通に話しかける。
「你好。あぁ、日本暦が長いので大丈夫です」
そういうとほっと安堵し、
「いやぁ、最近はよくわからない子が入院してきて困ってるのよ、中にはなんて読むかわからない記号が混じってるのもあるし」
あぁ、†とか☆とかか。確かに意味不明だよな現実に見れば。
「ちなみに全員日本語話せたんですか」
「えぇ、理解することはできたみたいだけど、中には顔を真っ赤にして喋らない子もいたわね」
おかしな子と笑う、看護婦の前に少しそのプレイヤーを同情したが。そもそもプレイヤー名で入院等はできるものなのか。
「保険証とかはどうしたのですか」
「あぁ、何でも慈善活動の一環やらなにやらで、コネクタ社とかに払ってもらってるから必要ないらしいわ、あなたもそれできたんでしょ」
「はは、そうです」
どうやら、何かの活動はやってるのは知っているが、何をやっているかは知らされてないらしい。
「えっと、とりあえずキャンペーンの参加はどうすればいいんですか」
「ん、あぁちょっとまってね。何か人によっては教える名前かえなくちゃいけないらしいから。貴方は……」
また端末を動かし、看護師は名前を答える。
「貴方の場合はcarryみたいだわ、シー、エー、アール、アール、ワイでキャリーらしいわ。」
「ちなみにそれって、他の人にも」
「えぇ、カリーとか、キャシーとか名乗った気がするわ」
ーか頭文字Cか、何かあるんだろうな。
「それでは向かいますよ、小小さん」
「はい、キャリーさん」
そういい病院につれていかれる。
病院はまともに見えた。ただ思った以上に人が少ない。
「はい、それじゃあまず先に健康診断しますね。まずはこれに記入と署名をお願いします」
渡されたのは、いつもの責任は持ちませんの署名。後は普通の健康診断のようにみえる。
「確認しました。では採血を……」
そういい、基礎的な診断を行い。……そして、普通は診断しないものに遭遇した。
「さて次はMRIだ、一応脳に負担にかかるから一応ね」
何もせずにMRIに入りそして。
「それじゃあ、良い度を」
そうきこえたような気がした。
……
MRIの検査が入ってから、数分がたとうとしている。検査にはこんなに時間がかかるものなのか。
「はいもういいよ」
そういい体が戻される。
診察台に座り。医者が話しかけてくる。
「さてこれで検診も終了だ。それではここでのルールを説明していく」
ん、雰囲気が変わった?
ひょっとして……、VR特有の操作を行う。スキル発動不可、操作できない。モーション発動不可、操作できない。ステータスバー……、ステータスバーは確認できた。つまり……。
「大丈夫かね、MRIで何か起きたのかね」
「いえ大丈夫です、言葉先生」
もうここはVRの世界に移行したみたいだ。
「さてそれではここでのことについて説明するね」
そうして、チュートリアルの先生から内容を説明される。どうやら、VR上で感覚を鈍らせ15日分の日数にしているらしい。
「注意すべきことは【必ず病院で寝ること】君の病室はここだ」
そういって222号室と書かれた病室に小小と名前が追加された。
「さて、私が案内するのはここまでだ、何かあるかね」
「他の病室のことはわかりますか……例えば【鴨志田】さんとか」
ピクッと体を動かし。
「そこらへんはプライバシーだから言えんよ、ただ」
背を向き歩きながら医者はいう。
「広場にある掲示板に行けばなにかわかるんじゃないか」
「ありがとうございます」
そうして自分の部屋に戻り、確認を行っていく。
まず制限だが、【現状何も機能してない】、一応名前表記を視界に追加することができるが、多分のちに面倒になる。
機能してない。そう機能してないだけだ。スキル等は召還してないから入っていないだけで、実際はできるかもしれない。今のところ使えそうなのに使えないのは、モーションと通信だ。
とりあえずこの機能を調べて見る。何かあるはずだ、使えない何かが。
「『PASS 』」
念入りに操作を行い、長押しでパスワードコマンドが出ることがわかった。
「今考え付くのは……」
自分の名前……駄目、PC名……駄目、看護師の名前……駄目、英単語じゃなくカナ表記で記入……。成功。モーションは復旧できた。
「通信の方は英語表記か……、よし」
これで通信も開いた。……ならば次は。
PC、鴨志田に通信を行う。
「何が必要なんですか」
送る文字はこれくらいでいい。誰かわかられるとそれは面倒だ。【通信ができることを伝えられれば】相手から何かのリアクションがあるだろう。
さて次は…、ナースステーションか。
ロックにもなってる、彼女は恐らく重要人物だと思われる。
「すみません、キャリーさんいませんか」
「キャリーさんですか、今日は非番です」
会えないか……どうするかな。
「では私の診断というか、入院ついて教えてくださりませんか?両親からは医者に行けとしか言われてないので」
「お名前は」
「小小です」
「小小様ですね少々お待ちください」
カルテを探し、こちらの方に持ってきた。
「お待たせしました。小小さんは……。確か『相田さん』」
どうやらストップがかかったらしい。どうやらベテランの看護婦のような人が、彼女と話し合っている。とぼとぼと帰ってくる彼女に名前を確認し、個人チャットの準備をしておく。
「お待たせしました。大変申し訳ございませんが……」
「話せないと」
紙とペンを用意して。
「これでも駄目ですかと書いてみる」
勿論先程の看護婦もこっちにくるがその時に、チャットの方もあげておく。
「ひゃい」
と彼女が悲鳴をあげるが。
「しー」
とする動作を行い紙に書いてもらうように誘導する。勿論チャットでは紙ではなくこっちに情報お願いと書いて。
「オッホン」
先程の看護師が、こちらによってきて紙を回収し。
「相田さんはあちらの方に」
「ですが」
「いいわね」
ベテランの看護師の凄みにひゃいとまた声をあげ、戻っていく。
「申し訳ございませんが、お引取りください」
「何か原因か聞いても」
「申し訳ございませんが、言えません」
「では、診断結果については聞いてもいいですよね。医者は問題ないといっておりましたが」
「申し訳ございませんが」
こうして、問答を繰り返し、十分程度粘った後。ナースステーションを後にする。
「さて情報の方は」
相田と呼ばれる彼女から。自分の情報はある程度入手することができた。さていったいどんなことが書いてあるのか。
「あぁ、なるほど」
そこの診断結果には、症状とかは書いてなく。ただ【贄】とそう記載されていた。
つまり今回は、
「この村からなんとか生き残る。それがクリア条件か」
このゲームは召還した何かと一緒に、【規定日生き残る】事がゲームのクリア条件である。
召還した何かは日を追うごとに力が開放されていく。またPCや試練に打ち勝った場合も強化される。
PCは、神に選ばれた血統であり。神は世界を滅ぼすか滅ぼさないかをこの血統が試練、規定日まで生きたかどうかで決めている。
当然PCは選ばれた血統であるので、贄にも優秀である。PVPを行えば勝ったほうが召還を強くしたり、相手の召還を奪えたりする。
「ループもので生還が条件だから……」
頭を働かせる。クリアの条件を考える。間違ったりしたらループするのか、バッドエンドってのは召還されて終わったってことか。
「贄は十分いる…か」
相田というNPCはここにきてからまだ間もないそうだ。つまり情報収集の狙い目でもある。相田さんにはこのことは内緒との書き込みを行っておいたので暫くは大丈夫だろう。
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