コネクト 創造する世界
データの残骸
意識が混濁する、攻撃すれば攻撃するほど。動けば動くほど。自分とは別の感情がでてくる。
「痛い」「痛い」「痛い」「痛い」「痛い」「助けて」「助けて」
「痛い」「痛い」「助けて」「助けて」痛い」「痛い」「痛い「痛い」「痛い」「痛い」「痛い」「痛い」「助けて」「助けて」
痛い」「痛い」「痛い」「痛い」「助けて」「痛い「痛い」「助けて」「痛い」「痛い」「痛い」「痛い」
「ウルセェ、黙って俺の養分になってろ」
糞、どうしてこうなってる。奴はチートで強者なんだ。俺と違ってチートを使わなければ強者になれないんだ。
そう自分に言い聞かせ。標的も見つからないまま攻撃を繰り返す。徐々に悲鳴が大きくなっていく。
「ウルセェ、【戦いが終われば自由になるんだ。それまで我慢してろ】」
糞、糞、糞。チーターどもめ。肉壁を一瞬で無能にしやがって。 
体を回転させ。周囲を凪ぎ払う。今はもう草も見えず。凸凹した地面しか見えない。しかし、対象はいまだ残っており。戦いは終わらない。
「糞、糞、糞。さっさと死にやがれ」
そうして、また行動が戻り、意味もない攻撃が始まっていく。
……
「助けんのか、あやつらは」
「自業自得だ、そこの記者と一緒だ。むしろ賠償金を払ってもらう立場だな」
「今ならまだ助かるはずなんですよ」
つい、口に出していってしまった。
「その言葉はアフリカや、その他貧しい国に寄付をしているなら考えてやろう。【自分がしてないことを他人求めてるんじゃねぇ】」
その言葉には重みがある。
狙われている側だ、今回も【強制で召集がかかった】
弱者だ。相手は【手段を選んでない】
その状況の中で、のうのうと画面を見ているだけの自分が【かわいそう】と思っただけで、何故彼を批難できるのだろうか。
自分が分をわきまえていないことはわかる。しかし、それでも反論してしまう。だってまだ、可能性があると思うから。
「今ここで起きてる問題と、遠くで起きてる問題を比べるのはおかしいんじゃないか」
「じゃあ、言い方をかえる、馬鹿が調子にのって挑んできたから。【今後そんな輩がでないように徹底的に叩き潰している】これで満足か」
「いいや、不満だね。それなら一人でいいはずだ。わざわざ周りを巻き込むことはないだろ」
「馬鹿かお前」
冷酷にあいつはいい放つ。
「あれは、【あいつに協賛したものだ】よくいうだろ、見ないふりをしたやつも同罪だって。今はこんな馬鹿なゲームに付き合った奴全員同罪だ。よって、【集団リンチ】してきたやつを【返り討ち】してるだけだ。むしろ止めるなら。【お前がそこにいって止めてこい】」
「それは許可せん。なんでわざわざ、くだらない戦闘に交わらなきゃいけんのか。それよりもこっちの会議に参加しろ」
視界を映せば各々が各々の対策を始めてる。
「ここは悪手だな、今回は視界がよい草原だったんだろう、なら暗殺せずに情報だけ抜き取ればよかった」
「それは……無理だ、そこの部分に費やす余裕が無い」
「そこは、システムよ。スターアースとか言うシステムには、ステージをテレポートで移動するため【最初の数秒は無敵時間が存在する】STGとかを探せばそこら変は色々出てくるだろう」
「STGか、反射神経物は分が悪いね」
「案外嫌なものも悪いものではないぞ。わしも年でこういうのは無理だと思ったが……」
そういい、別ゲームの談義を始める。
「やはり、ここはこうすべきべしたかね」
「いや、そうするとここ時点で破綻する。情報を集めるという観点なら、これがベストだと」
「おーい、こっちで新事実発覚、何か影から出てるぞ」
こっちはこっちで、情報の精査に追われてる。なにしろ相手の視点情報は貰えないから、自分達が足掻いて情報を収集するしかない。
「あぁ、その情報は知らんのか。まぁ初見殺しだしな」
「では、おじ様は知っているのね」
彼女は場所を転々とし情報を収集。彼女独自で把握に動いている。
「それについては『教えていいぞ』」
芋虫のような相手との戦いを見ながら、あいつはそう答える。VRでの作業なので制限はかからない。
「ただし、情報は【システム設定方式でな】」
「システム設定方式?」
「簡単に言えば、情報は【そのユーザーしか持つことができない】後【今回は情報も制限させてもらう】それくらいは納得してくれ。これ以上は出さない。ロックも【あんまり付け足すなよ】」
付け足すなって。情報与えるのは確定なのか。
「そんなに情報与えていいんですか」
「所詮、初見殺しだ。こんなもの【後数十は用意できる】現段階でも作り続けてるからな。対策したところで無駄だ。ならよりコストを増やす対策は渡して、対策してもらうのがベストだ。余計なものが増えれば、それだけ無駄なものも増えるしな」
「できるものなら、やって見ろですか」
「なに簡単だぞ。【純粋に火力で潰せばよい】対策などごり押しで大体なんとかなる」
その解答にあいつは苦笑する。
「勝てるんですかそれ」
「初見殺しも含め3割、突破されるからな」
「ふん、奇策は王道でたいていなんとかなるもんじゃ」
「そこまで積み上げたものがあればな……。少なくともここに居る連中ができるがしないからな。あれだ基礎が違う」
基礎が違うって。
「どれくらい差があるっていうんですか」
「俺が150として、ロックも150。最初戦った奴は15。今回戦った奴は20で、お前らが100~250位か」
「250って誰ですか」
軽く冷ややか目で見られる。
「お前だ、今回の全力で殴りに言ったのは、お前がいるからだ。絡めてが使えないから封殺の形をとったが」
「僕がですが……?」
「自覚しろ、【現実で寝たきりレベルってのはそういうレベルだ】とりあえず、【現実に生きてる奴】は対応できない。策を用意し、罠に嵌める。なんらかの対策をしないと対応することすらできない、それがお前だ」
そんなはずは……、思考をまわせばわかる。考えて見れば、精神的な攻撃以外の攻撃は全て絡めてだった。
「あれ、ここ最近は……一度もまともに戦ってない?」
「当然だ、もう普通の敵は相手にならないだろうな、いたとしても数十人がかりのレイドボスか……まぁそれも無理な話だがな」
「どういう意味だ」
「そのままの意味だ。形はどうあれ。【残骸から復旧されたんだ】簡単に言えば【お前は電子の人間】になっている可能性が高い」
電子の人間?…何を言ってるんだ。
「まぁ、しばらくすればわかる。さてこっちもそろそろ終わりか。よく見ろ。【お前の可能性の一つだ】」
画面に映る映像を見る。
「なに……これ」
「まぁ、こうなるよな。それでこれからはどうなるんだ」
画面に映し出されたものは、もはや形をなしてなかった。人の形を無造作にくっつけた何か。それが正しい表現だった。
「あれが、データの結合の失敗例だな」
「結合の……失敗?」
「こういった合体や、武装融合ってのはな。NPC……つまり、データのみの奴を結合するから、PC自身のデータ容量が増え、その増えた容量をさらにステータスやスキルに振り強くしている。合体ってのは増えた容量をすぐにスキルやステータスに割り振っているものだ。」
まぁ、言い分は納得できるものがある。
「じゃあ、PC同士の合体は」
「まぁ、3~5位ならなんとかなるだろう。それ以降は波長とか合えばいけるんじゃないか。もしくは【奴隷とかの主従関係になれば耐えればいけるかもしれんが】まぁそれでも10位が限界だろう。それ以外は……」
奴隷って……。
「それ以外は、どうなるんです」
「破裂する。簡単に言えば【ウィルス扱いで駆除さればらされる】まぁ残骸だな。あれもそれの一つだ。全て結合しようとして許容量を超えたから駆除されて、残ったのは数千人分の残骸だな」
「それならば、最初の合体の時点で起きてるはずでしょう」
というかそうでないとおかしいはずだ。
「【部品】……、扱いは装備品とかそういう扱いだったんだよ。それなら俺がやってるゲームみたいなロボットみたいな感じで扱うから問題はない」
「数千人はただの道具だったと」
「道具に失礼だな。あんなの、本来の用途とは違う使い方をされている。まぁ【ジャンク品】が妥当な判断だな」
ジャンク品……、ジャンク品扱いだと。
「あなたは人間『それを俺に言うのはお門違いだ』」
「だったら『憎むのはこれを行ったあいつではないのか』」
「何故、俺に向かう」
それは……
「あなたには救える力があったからだ」
「救ったところで【もっと早く助けなかった】【人殺し】と言われるだけだ。ひょっとしたら慰謝料も請求されるだろうな。周囲からは無能と叩かれ。一部の奴らから殺意を抱かれ、非合法な方法で殺されかけるんだぞ。なんでわざわざそんなリスク背負わなければならん」
「そんな事『最初から番組を見てたんだろ。なら裏での動きを知ってるはずだよな』」
裏の動き……、あの動きか。
「あれが、行動の基本だ。少女に話しかけるだけで警察に追放される時代だ。財布を届けたらスリとして逮捕される時代だ。その癖助けないと糾弾される。擁護されるのは見た目がいい奴、報道する奴が売れて欲しい奴、権力を持ってる奴。そういう奴らだ。【憎まれる理由がある俺なら間違いなく糾弾されるだろうな】」
そんなこと……。
「あれ、そういえばお前、【殺される寸前だったよな】そうだよなクラウンクラウン」
「あぁ、確かに政府に引き取られる寸前だったぞ。というか【今は執行猶予だしな】」
「執行猶予! どういうことですかそれ」
聞いてないぞ、そんな話。
「なにって、お主がハッキングやクラッキングを起こしたって事で警察に捕まる寸前だっただけだが。何か理由つけないと回収できないからな。恐らく回収したら、数年間意識不明の重体だったから政府で検査が必要とか言って実験をすると考えられるな」
言葉もでてこない。思考が追いついていかない。
「なに唖然としてる。それくらい当然だぞ。そういう場所なんだよ仮想世界はな。法は温く、薬等も入手しやすい。匿名ゆえに民度が低くなり。また依存性も高く、表は綺麗に見えても中は汚いものだ」
当然の事のように、周囲は何も反応を示さない。いや、幾つかの人たちは反応している。あの数十人だ。しかし反応はといえば。
「まぁ、そんなところだよな」
「さすがに、えぐいのは無しにして欲しいよね」
「何故君達は平気なんだ?」
ニコッと笑いながら返事が返ってくる。
「「何故って【現実の方がえぐいから】」」
「現実の方が……えぐい?」
「わしらがちゃんと信頼できる人材を考えた結果。たいていは【現実逃避の学生になる】つまりいじめられっこ生徒だな。何処も陰湿なものよ。だから救っただけ感謝され動いてくれる。まぁ最も今は違うが」
つまりいじめから助けてるって事なのかな。
「いじめから助けたと」
「まぁ、手助けしたみたいなものだ」
「基本は私が、探し出して。周囲をクランメンバーで潰して、仲間勧誘って感じね。費用も使っても200万程度だし、それなりにお勧めよ。数百万で裏切らないメンバー雇えるし。お金持ちなら十分ね。回収もお兄ちゃんが狂ったように回収してくれるし」
「雇うって」
「あら、職無しでごく潰しになるぐらいなら、少しでも金を貰える方に動くと思わない?」
何をいってるんだ。
「ここにいるメンバーも殆どは、現実世界のいじめを受けていた不登校学生が多いわ。知ってる?、不登校児の大半はそのまま仕事もしないニートになるのよ。他にはおじい様の道楽仲間とか、交友関係広めたい人とかかな。まぁ初期クランメンバー以外はそんなものよね」
「まって、理解が追いつかない」
「今の現実で、まともな収入があってこのゲームを遊びつくせるものおじ様のような金持ちになるわ」
「まぁ、そこにも【時間制限】は生まれるが」
時間制限……。
「長時間プレイで現実に影響がでる」
「そのレベルに遊ばないと【この世界で食べていけないわ】まぁ例外は存在するけど」
彼女はちらりと視線をずらす。
「あいつは特別ですか」
「むしろ、企業やゲームを潰す人間が普通だったら困る。まぁなんにしても我々が楽しめればそれでいい。あぁ言い忘れていたね」
腕を広げ金剛氏は言う。
「ようこそ、緑朗君。仮想世界に【コネクト】へ、君の活躍を」
こうして、僕は金剛氏のグループの一員として、コネクトの世界に入っていった。
結局あの一件は全て、あるクラン【レギオン】が全て仕組んだものであり。誠社の買収騒動等も全てその【大量昏睡事件】によって日の目は見なかった。
コネクト上での情報も。
レギオン許さないだの、レギオンメンバーを監視するスレだのが溢れかえっており。プレイヤーの3%もいたと言われる。レギオンは一瞬にして【コネクトの敵】として扱われていた。一方、僕が所属しているインベーダーの方は。レギオンを止めたプレイヤーとして喝采をあげられている。そもそもの発端は彼らが起こしたイベントであるはずだが誰もそこには触れてはいない。
これから僕はどうなるのか。
ログアウトができない状況で、諦めかけていた現実だったが。結果として戻ってくることができた。
諦めなくて良かったのか、それとも彼らが言うとおり【何かを持っていったのか】……それはまだわからない。ただわかるのは
「クク、今度はここで仕込みを行ってもらおう」
「終わったら、また自由時間なんですね」
「現実に戻って親子で話しててもいいのだぞ、友人もいたのだろう」
「今更会う気はないですね」
会ったところで体が動かない僕を見て憐れむ。いや金剛氏のとこにいるから集られる可能性すらある。
「まぁ、待っておれいずれはセッティングしてやろう、金剛空との戦闘をな」
空とはあいつの金剛襲名でついた名だ。何かが欠けている。実体のないとかを示す言葉らしい。
「仮想現実でさえ、あやつを示す言葉がないから。実体のない者でいいだろう」
との判断らしい。
「ん、なんじゃすぐに戦っても勝ち目はないぞ、今は『体を慣らして、策を使われても倒せる実力を手に入れろ……ですよね』」
そう、今何をしても勝てるとは思えない。だから【勝てると思えるまで鍛え上げるしかない】システムをスキルをステータスを。全てを学んで鍛え上げるしかない。最も【死ぬつもりはないけど】
「わかってるなら良い」
「えぇ、それじゃあいってきます」
今はまだ勝てないが、追いついてみせる。だから待っていろ。
「スカイアース」
……
「痛い」「痛い」「痛い」「痛い」「痛い」「助けて」「助けて」
「痛い」「痛い」「助けて」「助けて」痛い」「痛い」「痛い「痛い」「痛い」「痛い」「痛い」「痛い」「助けて」「助けて」
痛い」「痛い」「痛い」「痛い」「助けて」「痛い「痛い」「助けて」「痛い」「痛い」「痛い」「痛い」
「ウルセェ、黙って俺の養分になってろ」
糞、どうしてこうなってる。奴はチートで強者なんだ。俺と違ってチートを使わなければ強者になれないんだ。
そう自分に言い聞かせ。標的も見つからないまま攻撃を繰り返す。徐々に悲鳴が大きくなっていく。
「ウルセェ、【戦いが終われば自由になるんだ。それまで我慢してろ】」
糞、糞、糞。チーターどもめ。肉壁を一瞬で無能にしやがって。 
体を回転させ。周囲を凪ぎ払う。今はもう草も見えず。凸凹した地面しか見えない。しかし、対象はいまだ残っており。戦いは終わらない。
「糞、糞、糞。さっさと死にやがれ」
そうして、また行動が戻り、意味もない攻撃が始まっていく。
……
「助けんのか、あやつらは」
「自業自得だ、そこの記者と一緒だ。むしろ賠償金を払ってもらう立場だな」
「今ならまだ助かるはずなんですよ」
つい、口に出していってしまった。
「その言葉はアフリカや、その他貧しい国に寄付をしているなら考えてやろう。【自分がしてないことを他人求めてるんじゃねぇ】」
その言葉には重みがある。
狙われている側だ、今回も【強制で召集がかかった】
弱者だ。相手は【手段を選んでない】
その状況の中で、のうのうと画面を見ているだけの自分が【かわいそう】と思っただけで、何故彼を批難できるのだろうか。
自分が分をわきまえていないことはわかる。しかし、それでも反論してしまう。だってまだ、可能性があると思うから。
「今ここで起きてる問題と、遠くで起きてる問題を比べるのはおかしいんじゃないか」
「じゃあ、言い方をかえる、馬鹿が調子にのって挑んできたから。【今後そんな輩がでないように徹底的に叩き潰している】これで満足か」
「いいや、不満だね。それなら一人でいいはずだ。わざわざ周りを巻き込むことはないだろ」
「馬鹿かお前」
冷酷にあいつはいい放つ。
「あれは、【あいつに協賛したものだ】よくいうだろ、見ないふりをしたやつも同罪だって。今はこんな馬鹿なゲームに付き合った奴全員同罪だ。よって、【集団リンチ】してきたやつを【返り討ち】してるだけだ。むしろ止めるなら。【お前がそこにいって止めてこい】」
「それは許可せん。なんでわざわざ、くだらない戦闘に交わらなきゃいけんのか。それよりもこっちの会議に参加しろ」
視界を映せば各々が各々の対策を始めてる。
「ここは悪手だな、今回は視界がよい草原だったんだろう、なら暗殺せずに情報だけ抜き取ればよかった」
「それは……無理だ、そこの部分に費やす余裕が無い」
「そこは、システムよ。スターアースとか言うシステムには、ステージをテレポートで移動するため【最初の数秒は無敵時間が存在する】STGとかを探せばそこら変は色々出てくるだろう」
「STGか、反射神経物は分が悪いね」
「案外嫌なものも悪いものではないぞ。わしも年でこういうのは無理だと思ったが……」
そういい、別ゲームの談義を始める。
「やはり、ここはこうすべきべしたかね」
「いや、そうするとここ時点で破綻する。情報を集めるという観点なら、これがベストだと」
「おーい、こっちで新事実発覚、何か影から出てるぞ」
こっちはこっちで、情報の精査に追われてる。なにしろ相手の視点情報は貰えないから、自分達が足掻いて情報を収集するしかない。
「あぁ、その情報は知らんのか。まぁ初見殺しだしな」
「では、おじ様は知っているのね」
彼女は場所を転々とし情報を収集。彼女独自で把握に動いている。
「それについては『教えていいぞ』」
芋虫のような相手との戦いを見ながら、あいつはそう答える。VRでの作業なので制限はかからない。
「ただし、情報は【システム設定方式でな】」
「システム設定方式?」
「簡単に言えば、情報は【そのユーザーしか持つことができない】後【今回は情報も制限させてもらう】それくらいは納得してくれ。これ以上は出さない。ロックも【あんまり付け足すなよ】」
付け足すなって。情報与えるのは確定なのか。
「そんなに情報与えていいんですか」
「所詮、初見殺しだ。こんなもの【後数十は用意できる】現段階でも作り続けてるからな。対策したところで無駄だ。ならよりコストを増やす対策は渡して、対策してもらうのがベストだ。余計なものが増えれば、それだけ無駄なものも増えるしな」
「できるものなら、やって見ろですか」
「なに簡単だぞ。【純粋に火力で潰せばよい】対策などごり押しで大体なんとかなる」
その解答にあいつは苦笑する。
「勝てるんですかそれ」
「初見殺しも含め3割、突破されるからな」
「ふん、奇策は王道でたいていなんとかなるもんじゃ」
「そこまで積み上げたものがあればな……。少なくともここに居る連中ができるがしないからな。あれだ基礎が違う」
基礎が違うって。
「どれくらい差があるっていうんですか」
「俺が150として、ロックも150。最初戦った奴は15。今回戦った奴は20で、お前らが100~250位か」
「250って誰ですか」
軽く冷ややか目で見られる。
「お前だ、今回の全力で殴りに言ったのは、お前がいるからだ。絡めてが使えないから封殺の形をとったが」
「僕がですが……?」
「自覚しろ、【現実で寝たきりレベルってのはそういうレベルだ】とりあえず、【現実に生きてる奴】は対応できない。策を用意し、罠に嵌める。なんらかの対策をしないと対応することすらできない、それがお前だ」
そんなはずは……、思考をまわせばわかる。考えて見れば、精神的な攻撃以外の攻撃は全て絡めてだった。
「あれ、ここ最近は……一度もまともに戦ってない?」
「当然だ、もう普通の敵は相手にならないだろうな、いたとしても数十人がかりのレイドボスか……まぁそれも無理な話だがな」
「どういう意味だ」
「そのままの意味だ。形はどうあれ。【残骸から復旧されたんだ】簡単に言えば【お前は電子の人間】になっている可能性が高い」
電子の人間?…何を言ってるんだ。
「まぁ、しばらくすればわかる。さてこっちもそろそろ終わりか。よく見ろ。【お前の可能性の一つだ】」
画面に映る映像を見る。
「なに……これ」
「まぁ、こうなるよな。それでこれからはどうなるんだ」
画面に映し出されたものは、もはや形をなしてなかった。人の形を無造作にくっつけた何か。それが正しい表現だった。
「あれが、データの結合の失敗例だな」
「結合の……失敗?」
「こういった合体や、武装融合ってのはな。NPC……つまり、データのみの奴を結合するから、PC自身のデータ容量が増え、その増えた容量をさらにステータスやスキルに振り強くしている。合体ってのは増えた容量をすぐにスキルやステータスに割り振っているものだ。」
まぁ、言い分は納得できるものがある。
「じゃあ、PC同士の合体は」
「まぁ、3~5位ならなんとかなるだろう。それ以降は波長とか合えばいけるんじゃないか。もしくは【奴隷とかの主従関係になれば耐えればいけるかもしれんが】まぁそれでも10位が限界だろう。それ以外は……」
奴隷って……。
「それ以外は、どうなるんです」
「破裂する。簡単に言えば【ウィルス扱いで駆除さればらされる】まぁ残骸だな。あれもそれの一つだ。全て結合しようとして許容量を超えたから駆除されて、残ったのは数千人分の残骸だな」
「それならば、最初の合体の時点で起きてるはずでしょう」
というかそうでないとおかしいはずだ。
「【部品】……、扱いは装備品とかそういう扱いだったんだよ。それなら俺がやってるゲームみたいなロボットみたいな感じで扱うから問題はない」
「数千人はただの道具だったと」
「道具に失礼だな。あんなの、本来の用途とは違う使い方をされている。まぁ【ジャンク品】が妥当な判断だな」
ジャンク品……、ジャンク品扱いだと。
「あなたは人間『それを俺に言うのはお門違いだ』」
「だったら『憎むのはこれを行ったあいつではないのか』」
「何故、俺に向かう」
それは……
「あなたには救える力があったからだ」
「救ったところで【もっと早く助けなかった】【人殺し】と言われるだけだ。ひょっとしたら慰謝料も請求されるだろうな。周囲からは無能と叩かれ。一部の奴らから殺意を抱かれ、非合法な方法で殺されかけるんだぞ。なんでわざわざそんなリスク背負わなければならん」
「そんな事『最初から番組を見てたんだろ。なら裏での動きを知ってるはずだよな』」
裏の動き……、あの動きか。
「あれが、行動の基本だ。少女に話しかけるだけで警察に追放される時代だ。財布を届けたらスリとして逮捕される時代だ。その癖助けないと糾弾される。擁護されるのは見た目がいい奴、報道する奴が売れて欲しい奴、権力を持ってる奴。そういう奴らだ。【憎まれる理由がある俺なら間違いなく糾弾されるだろうな】」
そんなこと……。
「あれ、そういえばお前、【殺される寸前だったよな】そうだよなクラウンクラウン」
「あぁ、確かに政府に引き取られる寸前だったぞ。というか【今は執行猶予だしな】」
「執行猶予! どういうことですかそれ」
聞いてないぞ、そんな話。
「なにって、お主がハッキングやクラッキングを起こしたって事で警察に捕まる寸前だっただけだが。何か理由つけないと回収できないからな。恐らく回収したら、数年間意識不明の重体だったから政府で検査が必要とか言って実験をすると考えられるな」
言葉もでてこない。思考が追いついていかない。
「なに唖然としてる。それくらい当然だぞ。そういう場所なんだよ仮想世界はな。法は温く、薬等も入手しやすい。匿名ゆえに民度が低くなり。また依存性も高く、表は綺麗に見えても中は汚いものだ」
当然の事のように、周囲は何も反応を示さない。いや、幾つかの人たちは反応している。あの数十人だ。しかし反応はといえば。
「まぁ、そんなところだよな」
「さすがに、えぐいのは無しにして欲しいよね」
「何故君達は平気なんだ?」
ニコッと笑いながら返事が返ってくる。
「「何故って【現実の方がえぐいから】」」
「現実の方が……えぐい?」
「わしらがちゃんと信頼できる人材を考えた結果。たいていは【現実逃避の学生になる】つまりいじめられっこ生徒だな。何処も陰湿なものよ。だから救っただけ感謝され動いてくれる。まぁ最も今は違うが」
つまりいじめから助けてるって事なのかな。
「いじめから助けたと」
「まぁ、手助けしたみたいなものだ」
「基本は私が、探し出して。周囲をクランメンバーで潰して、仲間勧誘って感じね。費用も使っても200万程度だし、それなりにお勧めよ。数百万で裏切らないメンバー雇えるし。お金持ちなら十分ね。回収もお兄ちゃんが狂ったように回収してくれるし」
「雇うって」
「あら、職無しでごく潰しになるぐらいなら、少しでも金を貰える方に動くと思わない?」
何をいってるんだ。
「ここにいるメンバーも殆どは、現実世界のいじめを受けていた不登校学生が多いわ。知ってる?、不登校児の大半はそのまま仕事もしないニートになるのよ。他にはおじい様の道楽仲間とか、交友関係広めたい人とかかな。まぁ初期クランメンバー以外はそんなものよね」
「まって、理解が追いつかない」
「今の現実で、まともな収入があってこのゲームを遊びつくせるものおじ様のような金持ちになるわ」
「まぁ、そこにも【時間制限】は生まれるが」
時間制限……。
「長時間プレイで現実に影響がでる」
「そのレベルに遊ばないと【この世界で食べていけないわ】まぁ例外は存在するけど」
彼女はちらりと視線をずらす。
「あいつは特別ですか」
「むしろ、企業やゲームを潰す人間が普通だったら困る。まぁなんにしても我々が楽しめればそれでいい。あぁ言い忘れていたね」
腕を広げ金剛氏は言う。
「ようこそ、緑朗君。仮想世界に【コネクト】へ、君の活躍を」
こうして、僕は金剛氏のグループの一員として、コネクトの世界に入っていった。
結局あの一件は全て、あるクラン【レギオン】が全て仕組んだものであり。誠社の買収騒動等も全てその【大量昏睡事件】によって日の目は見なかった。
コネクト上での情報も。
レギオン許さないだの、レギオンメンバーを監視するスレだのが溢れかえっており。プレイヤーの3%もいたと言われる。レギオンは一瞬にして【コネクトの敵】として扱われていた。一方、僕が所属しているインベーダーの方は。レギオンを止めたプレイヤーとして喝采をあげられている。そもそもの発端は彼らが起こしたイベントであるはずだが誰もそこには触れてはいない。
これから僕はどうなるのか。
ログアウトができない状況で、諦めかけていた現実だったが。結果として戻ってくることができた。
諦めなくて良かったのか、それとも彼らが言うとおり【何かを持っていったのか】……それはまだわからない。ただわかるのは
「クク、今度はここで仕込みを行ってもらおう」
「終わったら、また自由時間なんですね」
「現実に戻って親子で話しててもいいのだぞ、友人もいたのだろう」
「今更会う気はないですね」
会ったところで体が動かない僕を見て憐れむ。いや金剛氏のとこにいるから集られる可能性すらある。
「まぁ、待っておれいずれはセッティングしてやろう、金剛空との戦闘をな」
空とはあいつの金剛襲名でついた名だ。何かが欠けている。実体のないとかを示す言葉らしい。
「仮想現実でさえ、あやつを示す言葉がないから。実体のない者でいいだろう」
との判断らしい。
「ん、なんじゃすぐに戦っても勝ち目はないぞ、今は『体を慣らして、策を使われても倒せる実力を手に入れろ……ですよね』」
そう、今何をしても勝てるとは思えない。だから【勝てると思えるまで鍛え上げるしかない】システムをスキルをステータスを。全てを学んで鍛え上げるしかない。最も【死ぬつもりはないけど】
「わかってるなら良い」
「えぇ、それじゃあいってきます」
今はまだ勝てないが、追いついてみせる。だから待っていろ。
「スカイアース」
……
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