コネクト 創造する世界
データの残骸 ???1
「おえっっぷ」
気持ち悪い。何回もこんな感じの状態に陥った事もあったが、今回はその中でも上位に入るものだった。
「…丈夫…か…た」
何か聞こえたような気がしたが、下を見て気持ち悪さにそれどころではなかった。
浅い呼吸を続ける。深く呼吸するほうが楽になるのは知っているが。少しでも楽になりたいと思うと浅い呼吸になってしまう。
……そうして数分がたった頃だろう。ようやく吐き気や少し収まって余裕ができたので周りを見渡す。
「はっ、はっ」
辺りは薄暗い場所であった。前を見ても良くわからない。そういえば誰かに話しかけられた気がしたような。
仰向けになる。ごつごつして若干痛いがまぁ体勢を変えるものではない。
上を見たところで何か変わるわけでもないが、天井が見えるのでどうやら屋内であることは間違いなさそうだ。
「あー、そろそろ大丈夫かい」
視界に白髪の男性がみえる。
「まぁ、なんとか……、話しかけるなら、あと数分は待ってください」
「ふむ、了解した」
そう言うと、老人は視界から消えた。……ん。
「ちょっと、そこの爺さん」
体勢を起こし、爺さんの方を向く。
「ん、なんじゃ」
「俺、戸曽田緑朗って言うんだけど爺さんは」
それは淡い期待の者だった。もしかしたら、もしかしたらと期待する。
「うん、本名は伝えたくないからロックとでも読んでくれ」
「そうか、ロックかそうか」
涙が出てきた。体勢を戻し、天井を向いて、ただ泣いた。
自分以外にもプレイヤーがいる。もうあれからどのぐらいの月日がたったかわからなかったが、何百日も待ち望んだ光景がここにはあった。
・・・・・・・・
「……」
言葉が出なかった。自分があの空間に閉じこまれていた間に環境が変わりすぎていた。そしてそれは自分の状況を知ったロックも同じだった。
「あぁ、それで……、いやあいつは今使い物にならん。……最悪はあっちに頼め。……あぁ、それと至急……そうだ、あぁ、あぁ。それで頼む」
どうやら自分の状況は思ったよりもやばい状態らしく。話をしてから数十分間。今もまだ話が続いている。
「あぁ、……あぁ。今はもうこれくらいか。あぁ、あぁ。……それに関しては諦めろ。あぁ、あぁ。この際じゃはっきり言うぞ【わしはあいつと違って、お主らに恩は無い】お主らの最悪等、躊躇無く選択できる事は忘れるな。あぁ、あぁ、それではまた」
どうやら、終わったらしい。
「どうなりました」
「まず、深呼吸しろ。そうとう重い話になるぞ」
言われた通り、深呼吸を行う。
「そのまま深呼吸しながら、話を聞いてくれ。まず、お主の状況を話すことは【止められた】余計な事態になりそうだとか、そんな理由でな。しかし【わしには関係ない】あいつらが起こした騒動じゃ。知ったことではない。」
淡々とそう言い放った。その言葉には、相手への侮蔑も少しは入っていたと思う。
「だから、お主には選択肢をやろう。わしは【聞ける範囲は全て聞いた】お主が聞きたい事は恐らく全て聞くことができる。ただ【真実はそうとう重いぞ】聞かないほうがいいレベルだ。医者や親族全てが可哀想と思うレベルの最低の事象だな。だからわしとしては言いたくもないのだが。どうやらそれも無理そうな状態だしな」
「どういうことです」
「時間が多分ないので、話したいところだが。【お主の精神が持つとは思わない】というわけで、少し走りながら会話するぞ。思考をまわしすぎるとやばいからな」
「あっ、はい」
言われた通り、一緒に走ることにする。
「時間がないから、早めのペースアップで思考をまわさないようにするぞ着いて来い」
そういって、早いペースで走らされる。
「はっ、はっ」
何分走ったか、全力とはいかないものの、走り続けるペースはかなり早く。深い呼吸ができなくなる程度は追い込まれていた。その様子をみて頃合と判断したのか、少しペースを遅くし話しかけてくる。
「言葉は理解できるか。できるなら首を振れ」
首を振り理解できることを示す。
「よし、話すぞ。【まず、お前の家族は両親は離婚。お主の治療費をどうするかで揉め、父親が一人で背負うことになった】母親は再婚し、幸せかは知らん。姉は全くわからん。何処かの宗教団体に入った事はわかったらしいがその後消息は不明じゃ。弟の方は従弟などの他の親族の元にいっておるがそこは一番まともらしい。まぁいずれも【お主の延命治療の影響じゃ】」
足が止まる。しかし、ロックの足は止まらない。
「はぁ、はぁ」
まってくれや、どういうことだといいたいが。言葉にできない。相手はどんどん離れていく。
「はっ、はっ」
走る、追いつくように早いペースで走る。
「続けるぞ、原因はお前も一端があるが、主にお主の家族の選択がミスったことにある。続きを聞きたいなら首を振れ。理解できていないのに話をしたところで意味がないからな」
首を左右に振り、話を促す。
「では話すぞ、お主の事故は【マスコミの標的になった】その結果、【お主の家族は示談を選ばずに、裁判を選んだ】マスコミはこぞって、VRを標的にしたよ。しかし結果は惨敗。当然じゃ【この状況で責任を負わないと再三規約文書に書き、何度も提示したのに挑んだんじゃ】勝てる要素は初めからなかったんじゃ。勿論負けた後はマスコミは保障はせん。結果として示談では貰えた治療費すら貰えず、裁判の費用と払っただけだった。いや周囲に訴えるとしてマスコミの金を払っていたとさえ言われてる」
また足が止まる。なんだよ……それ。なんでそんなことになってるんだよ。
また走り出し、追いつく。
「続けるぞ、この話に全ては納得できなかったが、少なくとも両親は納得していた。いや納得するしかなかった。父親は責任を負い、一人で息子の全てを背負うことにした。母親はあまりのショックに息子の存在自体を忘れることにした。まぁ一種のPTSDじゃな。またこの時に、宗教団体につけこまれそこで姉が入信してしまった。その後、手厚く看病してくれた男性に母親が惚れ、子供は邪魔だと弟は理解し、従弟の元に向かった。これが真相だ」
先ほどよりもペースが遅くなる。色んな事を考えつくが、浅い呼吸を繰り返す。この状況では碌に考えることはできない。
「さて、これが今のお主の状況だ。【これは元からお主に話すことになってる】つまりここまでの情報は話す前提じゃ。何がいいたいか……わかるか」
碌にまわらない頭で考えて見れば。行き着いた答えは一つだ。つまりさっきのはまだジャブだった。ここからが本番ということだ。
「さて、ここでお主に質問じゃ。聞くかその内容を、もう一度言うぞ。わしは【お主の精神が持つとは思わない】」
ロックの目を見る。頭も回らず。自分の状況を考えることはできないが、それでも、それでもだ
「き…か…はっ、せ…、」
「わかった、いうぞ。簡単言おう。【お主を現実世界に戻す方法は現段階で無理だ】また【戻ろうとするのならお主を消すように運営は動く】これは確定事項じゃ。会社自らが公言したんじゃ。そして今、【お主の体は確保するように動いている】動いているのは【政府じゃ】勿論、【お主を殺す方で動いている】」
息が詰まる。酸欠のせいで息苦しい状態が続く。
「今のお主の状態は、かなり危うい状態だ。お主の扱いは植物状態であるが【今ここにお主がその原因かはわからん】というか証明できん。またお主の解析をしようにも【何をしたら壊れるかはわからん】一応影響の無い範囲で見てみれば。わしからはお主の状態が壊れて見れる。文字化け状態じゃな。つまり【お主のデータは何処かは壊れているが、何処が壊れているかはわからん】その結果、お主は【バグに近い状態である】そして何が不味いかといえば。【サイバーテロ法により、破損状態データは破棄する取り決めがある】ウィルス扱いになるからな。つまり、今お主の状態が周りにばれ通報された場合。法律により会社がお主を消さなければならない。また会社の都合なら【そんなのはなかったことにしといた方が良い】これは、お主の家族が示談しなかったからじゃ。復帰した場合また訴えられるかもしれんしな。そのため、【公式からすればデータを削除する方向で動くじゃろう】まぁ他にも社会復帰や、リハビリの問題も色々出てくると思うが、現段階では些細な問題じゃろう」
……、もう何も考えたくなかった。足が止まり。きた時と同じように倒れこみ呼吸を整える。しかしいくらたっても呼吸が戻ることはなく。時間だけが過ぎていった。
・・・・・・・・・
「さて、この状態だが運が良い子とに幾らかの問題を解決できる方法はいくつかある」
顔を上げ、老人の方を向く。
「まぁ、危機感を持っているなら着いて来い。少なくともわしは絶望のみを撒き散らして思考誘導する奴らではない。ちゃんと対策ももっとるわい」
そういって、老人は歩き出す。自分は着いて行くしかなかった。
気持ち悪い。何回もこんな感じの状態に陥った事もあったが、今回はその中でも上位に入るものだった。
「…丈夫…か…た」
何か聞こえたような気がしたが、下を見て気持ち悪さにそれどころではなかった。
浅い呼吸を続ける。深く呼吸するほうが楽になるのは知っているが。少しでも楽になりたいと思うと浅い呼吸になってしまう。
……そうして数分がたった頃だろう。ようやく吐き気や少し収まって余裕ができたので周りを見渡す。
「はっ、はっ」
辺りは薄暗い場所であった。前を見ても良くわからない。そういえば誰かに話しかけられた気がしたような。
仰向けになる。ごつごつして若干痛いがまぁ体勢を変えるものではない。
上を見たところで何か変わるわけでもないが、天井が見えるのでどうやら屋内であることは間違いなさそうだ。
「あー、そろそろ大丈夫かい」
視界に白髪の男性がみえる。
「まぁ、なんとか……、話しかけるなら、あと数分は待ってください」
「ふむ、了解した」
そう言うと、老人は視界から消えた。……ん。
「ちょっと、そこの爺さん」
体勢を起こし、爺さんの方を向く。
「ん、なんじゃ」
「俺、戸曽田緑朗って言うんだけど爺さんは」
それは淡い期待の者だった。もしかしたら、もしかしたらと期待する。
「うん、本名は伝えたくないからロックとでも読んでくれ」
「そうか、ロックかそうか」
涙が出てきた。体勢を戻し、天井を向いて、ただ泣いた。
自分以外にもプレイヤーがいる。もうあれからどのぐらいの月日がたったかわからなかったが、何百日も待ち望んだ光景がここにはあった。
・・・・・・・・
「……」
言葉が出なかった。自分があの空間に閉じこまれていた間に環境が変わりすぎていた。そしてそれは自分の状況を知ったロックも同じだった。
「あぁ、それで……、いやあいつは今使い物にならん。……最悪はあっちに頼め。……あぁ、それと至急……そうだ、あぁ、あぁ。それで頼む」
どうやら自分の状況は思ったよりもやばい状態らしく。話をしてから数十分間。今もまだ話が続いている。
「あぁ、……あぁ。今はもうこれくらいか。あぁ、あぁ。……それに関しては諦めろ。あぁ、あぁ。この際じゃはっきり言うぞ【わしはあいつと違って、お主らに恩は無い】お主らの最悪等、躊躇無く選択できる事は忘れるな。あぁ、あぁ、それではまた」
どうやら、終わったらしい。
「どうなりました」
「まず、深呼吸しろ。そうとう重い話になるぞ」
言われた通り、深呼吸を行う。
「そのまま深呼吸しながら、話を聞いてくれ。まず、お主の状況を話すことは【止められた】余計な事態になりそうだとか、そんな理由でな。しかし【わしには関係ない】あいつらが起こした騒動じゃ。知ったことではない。」
淡々とそう言い放った。その言葉には、相手への侮蔑も少しは入っていたと思う。
「だから、お主には選択肢をやろう。わしは【聞ける範囲は全て聞いた】お主が聞きたい事は恐らく全て聞くことができる。ただ【真実はそうとう重いぞ】聞かないほうがいいレベルだ。医者や親族全てが可哀想と思うレベルの最低の事象だな。だからわしとしては言いたくもないのだが。どうやらそれも無理そうな状態だしな」
「どういうことです」
「時間が多分ないので、話したいところだが。【お主の精神が持つとは思わない】というわけで、少し走りながら会話するぞ。思考をまわしすぎるとやばいからな」
「あっ、はい」
言われた通り、一緒に走ることにする。
「時間がないから、早めのペースアップで思考をまわさないようにするぞ着いて来い」
そういって、早いペースで走らされる。
「はっ、はっ」
何分走ったか、全力とはいかないものの、走り続けるペースはかなり早く。深い呼吸ができなくなる程度は追い込まれていた。その様子をみて頃合と判断したのか、少しペースを遅くし話しかけてくる。
「言葉は理解できるか。できるなら首を振れ」
首を振り理解できることを示す。
「よし、話すぞ。【まず、お前の家族は両親は離婚。お主の治療費をどうするかで揉め、父親が一人で背負うことになった】母親は再婚し、幸せかは知らん。姉は全くわからん。何処かの宗教団体に入った事はわかったらしいがその後消息は不明じゃ。弟の方は従弟などの他の親族の元にいっておるがそこは一番まともらしい。まぁいずれも【お主の延命治療の影響じゃ】」
足が止まる。しかし、ロックの足は止まらない。
「はぁ、はぁ」
まってくれや、どういうことだといいたいが。言葉にできない。相手はどんどん離れていく。
「はっ、はっ」
走る、追いつくように早いペースで走る。
「続けるぞ、原因はお前も一端があるが、主にお主の家族の選択がミスったことにある。続きを聞きたいなら首を振れ。理解できていないのに話をしたところで意味がないからな」
首を左右に振り、話を促す。
「では話すぞ、お主の事故は【マスコミの標的になった】その結果、【お主の家族は示談を選ばずに、裁判を選んだ】マスコミはこぞって、VRを標的にしたよ。しかし結果は惨敗。当然じゃ【この状況で責任を負わないと再三規約文書に書き、何度も提示したのに挑んだんじゃ】勝てる要素は初めからなかったんじゃ。勿論負けた後はマスコミは保障はせん。結果として示談では貰えた治療費すら貰えず、裁判の費用と払っただけだった。いや周囲に訴えるとしてマスコミの金を払っていたとさえ言われてる」
また足が止まる。なんだよ……それ。なんでそんなことになってるんだよ。
また走り出し、追いつく。
「続けるぞ、この話に全ては納得できなかったが、少なくとも両親は納得していた。いや納得するしかなかった。父親は責任を負い、一人で息子の全てを背負うことにした。母親はあまりのショックに息子の存在自体を忘れることにした。まぁ一種のPTSDじゃな。またこの時に、宗教団体につけこまれそこで姉が入信してしまった。その後、手厚く看病してくれた男性に母親が惚れ、子供は邪魔だと弟は理解し、従弟の元に向かった。これが真相だ」
先ほどよりもペースが遅くなる。色んな事を考えつくが、浅い呼吸を繰り返す。この状況では碌に考えることはできない。
「さて、これが今のお主の状況だ。【これは元からお主に話すことになってる】つまりここまでの情報は話す前提じゃ。何がいいたいか……わかるか」
碌にまわらない頭で考えて見れば。行き着いた答えは一つだ。つまりさっきのはまだジャブだった。ここからが本番ということだ。
「さて、ここでお主に質問じゃ。聞くかその内容を、もう一度言うぞ。わしは【お主の精神が持つとは思わない】」
ロックの目を見る。頭も回らず。自分の状況を考えることはできないが、それでも、それでもだ
「き…か…はっ、せ…、」
「わかった、いうぞ。簡単言おう。【お主を現実世界に戻す方法は現段階で無理だ】また【戻ろうとするのならお主を消すように運営は動く】これは確定事項じゃ。会社自らが公言したんじゃ。そして今、【お主の体は確保するように動いている】動いているのは【政府じゃ】勿論、【お主を殺す方で動いている】」
息が詰まる。酸欠のせいで息苦しい状態が続く。
「今のお主の状態は、かなり危うい状態だ。お主の扱いは植物状態であるが【今ここにお主がその原因かはわからん】というか証明できん。またお主の解析をしようにも【何をしたら壊れるかはわからん】一応影響の無い範囲で見てみれば。わしからはお主の状態が壊れて見れる。文字化け状態じゃな。つまり【お主のデータは何処かは壊れているが、何処が壊れているかはわからん】その結果、お主は【バグに近い状態である】そして何が不味いかといえば。【サイバーテロ法により、破損状態データは破棄する取り決めがある】ウィルス扱いになるからな。つまり、今お主の状態が周りにばれ通報された場合。法律により会社がお主を消さなければならない。また会社の都合なら【そんなのはなかったことにしといた方が良い】これは、お主の家族が示談しなかったからじゃ。復帰した場合また訴えられるかもしれんしな。そのため、【公式からすればデータを削除する方向で動くじゃろう】まぁ他にも社会復帰や、リハビリの問題も色々出てくると思うが、現段階では些細な問題じゃろう」
……、もう何も考えたくなかった。足が止まり。きた時と同じように倒れこみ呼吸を整える。しかしいくらたっても呼吸が戻ることはなく。時間だけが過ぎていった。
・・・・・・・・・
「さて、この状態だが運が良い子とに幾らかの問題を解決できる方法はいくつかある」
顔を上げ、老人の方を向く。
「まぁ、危機感を持っているなら着いて来い。少なくともわしは絶望のみを撒き散らして思考誘導する奴らではない。ちゃんと対策ももっとるわい」
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