コネクト  創造する世界

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因果と収束

特攻から数時間後、スカイアースの実験室にて。


「集まって頂きありがとうございます」


「別に構わないよ。それよりも一ついいかな」


精神科の日比谷教授が話しかけてくる。


集めたのは、専門関係の精神や脳科学の医学科、健康科学科、人口知能科の准教授以上に集まってもらってる。他にはいつものメンバーのロック、地角博士、開発者関係からは榊氏と長谷川さん。他にも名前は覚えてないが総勢で20名程度は集まって貰ってる。


「なんでしょうか」


「君は【意図的に異性を避けてないか】それについて聞きたくてね」


「それに関しては【意図的に避けてます】理由は、被害を与えないため。去年のトラウマがまだ残ってるため。あぁ去年は【学園島で生き残りました】トラウマ関係はこれでわかりますかね」


周囲がざわめく、学園島というのはどうやら自分が考えているよりもやばい出来事のようだ。


「君は生還者なのかい」


「えぇ、そうですか」


「そうか、……うんそうか。なるほど。それでこんな構造に……」


「よろしいでしょうか」


「……、」


あぁ、金剛と一緒パターンか。一度考え出すと止まらないタイプだ。


「さて一人脱落者がでましたが、待たせるのも悪いので先に進みましょう」


ざわつきが収まり、視線が集中する。


「今回の集まっていただいたのは。【周囲が動き始めた為です】えぇ、もう少し時間がかかると思っていましたが。【動いたことがわかった為】こちらも動かざるをえなくなりました」


「動きとはなんですか」


「私達が大きく関わるのは、金剛羅漢氏率いる【侵略者】と、そこから現れる対抗の【レギオン】他はわかりませんが少なくとも最低この二つは【明確な敵です】」


「それが、我々とどう関わるんですか」


「そうですね、簡単に言うならば【遊べるものが少なくなります】」


内容を小分けにして説明していく。


「簡単に言えば、侵略者とレギオンで【ゲーム間を超えた潰しあいが始まるのですが】これに強制で関わります。簡単に言えば侵略者に半強制で組み込まれたゲームに私達は参加することですが」


なりますが、そうなりますが……だ。


「そこに間違いなくレギオンが関わってきて、共闘か対立かの二択です。勿論これがレギオンにも関わってきます」


「そもそも、レギオンとはなんなんだい」


「レギオンとは、大規模なユーザーコミュニティですよ。えぇ【そこでプレイしているユーザーの1.5%】が所属している以外は普通です。えぇ、一万規模のコミュニティで、独自の国作ってはいましたが多分今はもっと酷いでしょう。【侵略者の対抗として複数のゲームを管理しているぐらい】は想定したほうがいいです」


まぁ、これもあの時に【全面戦争しかけて負けたから】が大きな理由だと思うが。たまに状況を確認すると、【徹底的な管理体制に移ってるみたいだがな】年を重ねるごとにどんどん徹底になってきている。


「うん……、あぁ、あれのことか。あれも関わってるのかい」


どうやら考えがまとまったらしく。教授も話しに参加してくる。


「日比谷教授。あれとはなんですか」


「それなりに有名な話だよ。【幻想崩壊事件】とかそんな感じの名前じゃなかったっけ」


「幻想崩壊事件ってあれですか、【ユーザーがVRゲームまるごと壊したって言ういわくつきの】」


「うん、どうやらそれに関わってたみたいだね、しかもかなり深いところで」


マスコミの方はえらく騒いだからなぁ。こぞって弱みに漬け込みネチネチと、今もたまに言ってるしな。おおやけにならない程度に。


「まぁ、予想つくと思いますが。【権限を貰ったユーザーが私で、潰したのが侵略者です】そして潰された中に」


「レギオンが混ざっていたと」


「正確には違います。【レギオンを徹底して潰すことが本来の目的です】まぁ、思想の違いですね。【自由に振舞うがその責任は負う】侵略者に対し、【規則を守る範囲でしか行動はしないが規則の範囲内なら何でもする】レギオン。まぁあの頃は、爺さんもヒャッハーしてたからな」


というか、これがなかったら今もヒャッハーしてるんだよなぁ多分。


「過程は……、聞かないほうがいいね。それで、君と侵略者の仲がいい理由がわかったけど。それでどのくらいやばい事になると想定してるんだい」


「それは僕から話させてもらうよ」


追加で一人現れる。


「さて、追加で紹介します。【VR探偵】の佐井さんです」


「佐井だ、VR専門の探偵をやってる。バレナイ程度には色々やってる」


「今回はというより。【開始から佐井さん含むVR探偵は色々と調べて貰ってます】まぁ情報は選択されて私に入ってきますけどね」


「その分君独自の情報はこっちに入らないんだからお互い様だと思うけどね」


「こっちのがリスキーなのやってるんでマイナスじゃないんですかね」


「まぁそれは力量の差ということで、これ以上は社長に交渉してくれ」


……金剛氏社長に交渉するぐらいならこのままでいいか。


「さて、話はそれましたが【レギオンはどのぐらいにいきました】」


「あぁ、そのことなんだけど【何時まで放置しとくのあれ】とりあえず、何人かはもうぶち込んでるけど」


どうやら、結構危ない橋渡る程度にはいってるらしい。


「まだまだですが、……ですが処理は続けといてください。それと情報の方は」


「社長と林さんと後は」


「警察、弁護士、政治家、コネクトの広報、ついでに自衛隊と医学学会、システム学会にも伝達しといてください、勿論」


「金剛氏と縁のある人物限定ね……。全くこれで給料安ければ辞めるんだけど」


「右肩上がりですしね、探偵業」


まぁ、普通にやっても食べられる程度の仕事ができるんだし当然としては当然か。


「あぁ、また話が脱線するね。まぁ簡単に言えば。【レギオンは運営と組んでいる】ついでに【ゆすりや弱洗脳、その他の非合法関係も手を出してる】そのため、レギオンはかなり分かれている。正直なんで分離しないか不思議なぐらいだ」


「やりたくても、できないんですよ。それぐらいあれはインパクトが大きかった。【たとえ意味がなくても人がいないと不安になるほどに】」


まぁそりゃあ、一桁で一万以上潰せばそうはなるかな。


「あの時、金剛氏が燃え尽きたように、レギオンも影響がでたってことだね」


まぁ、【規則だけじゃ守れない】のか【才能の差を感じたのか】まぁあいつらは【どのくらいの権限を与えたか知らない】ので実際は【ユーザーの範囲内に止まってることは知らないだろうしな】


「まぁ、彼らから見れば。【運営を騙して力を得た不正者】ですからね。【あっちがやるならこっちだって】という考えで、不正に手を染めてる人物がかなり増えたな。それで何割が黒いんですか」


「白が1、グレー3、後は全部黒だ。うん昔よりも減ったがそれでも【数千人が不正や違法行為を行っている】」


「黒が6?黒だとわかる人員が6割?」


「えぇ、確実です」


ちょっと待て、それだと……


「その人数じゃと、【運営が黙認してると】」


ロックが話しに乗っかってくる。


「黙認どころじゃないですね、【それを融通することで、射幸心を煽ってる状態だ】」


あぁ、てことは……


「運営が不正装備を融通して渡しているって形か。いや他にも何かありそうだが。とりあえず【運営と癒着しているゲームがあると】その数は」


「2だ」


「なんだ、2つか」


それなら、まだ対策が……、うん


「佐井さん、どうしましたが」


「いや、大変言いにくいんだが」


「まさか2割なのか」


ロックがそういいだす。


「それはないだろロック。どれだけゲームがあると思っているんだ」


「いえ、ロックさんの言うとおりです。レギオンはRPG系のマイナーどころのゲーム。20~30は手は回ってる」


「資金源は?」


たしかそこまで金が入る成金は居なかったような気がしたが。


「リーダーと副リーダーがそれなりの権力者らしいよ」


「あぁ。あのリーダーか確かに昔も城とか持ってたな」


「まぁ、なにをどうしたらそうなるかわかりませんが、とりあえず、情報を整理して対策をしましょう」


「それで、今回の議題はなんなんだ」


「今回はこれから関わりにある重要な部分です」


まぁ、これだけ人が居るなら、多分大丈夫だろう。


「これから、私達は【人工知能】にたいする研究を行っていきます」


「ほぅ」


辺りはざわめく。


「これは、もう避けられない問題です。【彼らが洗脳を行う以上、我々もそれに対策する何かは必須です】」


「それなら洗脳対策をした方がいいんじゃないか」


ある者がそう言う。


「それでは駄目なんです。それでは【我々は対応が出来ない】」


「……いったい、何を想定してるんじゃお主は」


想定は、常に最悪の想定だからな、今回ならば。


「常に最悪の想定ですよ。今回ならば【洗脳からの、薬物投与。そこから行動を縛られて、ぐちゃぐちゃにした後に家族とかそこら辺も巻き込まれて壊されて終わりかな】」


「ふむ、まぁ……あり得なくはないな。その結末も」


「なら、対策しとくべきだろ。ついでに人工AIとかアンドロイドとかもついでに作ろうぜ」


「わしはからくりの方が好きなんじゃだがの」


「からくりとアンドロイドの違いはなんだよ」


「なんじゃお前さん。そんなのもわからんのかいいか、からくりというのはなぁ」


からくりとアンドロイドの違いを話始める。周囲は他にしゃべっておらず。ただ、ロックの演説だけか響き渡る。


「これで、いいんですかね」 


「なにがだね」


状況を理解し、早急の対策が必要だと考えている。院生が教授に話しかける。


「話の内容がかなりの規模の話に聞こえましたが、なんで話が脱線してカラクリの話になってるんでしょうか」


「話は脱線してないし、あれはあれぐらいの方がいいと思うよ僕は」


「いや、でもカラクリ『あれも一つの対策だよ』」


諭すように話しかける。


「だって君、本当に危ないと思ってないでしょ。落ち着いてるもん」
 

「えっ、確かに落ち着いていますが」


「いいかい、これを聞いたってことは少なくとも【ゲームに入る際には不安を覚えるはずだ】脅かすことなら誰でもできる。例えば、【運営と共謀してログインしたところを拉致ったり】方法ならいくらでもあるからね。しかし、彼は驚異を伝えたまま、その対策をすることで問題はないとしてる。また雑談を入れることで驚異じゃないように伝えようともしてる。よく聞いてみるといい。彼の話を」


「じゃあ、こういうのはどうだ。【気絶ないし洗脳状態に陥った場合、自意識は幽霊のようになる】」


「だめじゃな、【恐らく魔力を消費する】やはり、媒体は別の器にすべきじゃ」


「それは【規約にひっかかるだろう】テイマーになって、乗り移りはどうだ」


「ふんそれだと、情報が結合されて潰される可能があるじゃろ……」


であるから、これだったら。……途切れずにアイディアがでてくる。


「すごいだろ、もう三十や五十はでてるよ。恐らく何個かは使えるものもでてるだろうね」


「なんなんでしょうね彼らは」


「何、ただのプレイヤーだよ。僕達とは違ってね…… さてここまで対策しているなか当人達はどんな状況なのかねぇ」


会見を無視しながら僕らの対策は続いた。



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