コネクト  創造する世界

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正式版開始 初日終了

頭が重い。起きて最初に感じたのはよく分からない顔の重さであった。目を開けても真っ暗で何も見えない。


「あぁ、そうか」


ヘッドギアをつけっぱなしで寝てたのか。そういえば疲れてたし、そのまま一眠りしてたんだっけ。時計を確認する……、現在時刻は22時40分。どうやら結構長い時間眠りについてたらしい。そのせいか、腹が減っている。


「適当に何か食べに行くか」


数日前までは、自炊で乗りきろうとも考えていたが、疲れてるし金も手にはいるので。外食にすることにした。


「確か近くに居酒屋があったな、まぁチェーン店の店でもいいが」 


こんな時間帯だ、やってる店はほとんどないだろう。


「宇宙工学や航空工学って敷地が必要だから僻地になるんだよなぁ」


少し愚痴をこぼしながら道路沿いを自転車で移動していく。辺りはブーゥンと車が法廷速度を越えて走ってる音位しか音はなく、内ポケットに入れてあるウォークマンで片耳だけイアホンをかけ、移動していく。今回聞いているのは昔のラジオだ。最近はやれ著作権やの、侵害なのでまともに音を流す曲も減ってきた。そのため、面白そうなネットラジオをとってきてそれを垂れ流して聞いてる方が有意義であった。


「全くどこもそうだが、利権がかかるとろくなことにならないな」


近くにラーメン屋が、見えるが明かりが消えている。もう営業が終了したんだろう。次に見えてきたのは焼鳥屋だったが、五月蝿そう、いやうるさい。ここまで笑い声が響いている。そうやってあれはやだ、これはやだとごね続けた結果。道路沿いにあるチェーン店のレストランが見つかった。さすがに疲れたのでここにすることにした。


「いっらしゃいませ、何名様ですか」


「一名、禁煙で」


ウェイトレスに連れられ席につく前には、学生と思われる四人組が興奮さめられない、状態で話してる。


「だから……」


「それはやばいっしょ。……」


メニューを開きながら四人組の話に聞き耳をたてる。話してる内容は今日の出来事についてだ。


「でもよぉ、ありきたりなのは、もうあげられてるしよぉ」


「だから、突発的なのでいいんだよ。別に【ゲームじゃなくてシステムを考えるだけで金が貰えるんだ】後は開発者に投げればいいのさ」


うーん、腹も減ってるしドリアとパスタにサラダセットでいいか。ボタンを押し注文する。


「~~」


「~~」


後ろの席の議論は白熱してるようだ。


「お待たせしました。ご注文承ります」


「このドリアと、こっちのパスタサラダセットで」


「~~ドリアと、~~パスタ、サラダセットでよろしいですね」


「いいです」


「ありがとうございます。ドリンクバーにコップを置いてありますのでそちらをお使いください」


さて注文も終えたところで、ドリンクバーに行く。


「おっ、野菜ジュースがあるのか」


余り入らないコップに野菜ジュースを注ぎ。席に戻る。


「じゃあ、こんなのはどうよ相手をモンスターに変えるシステムってのは。不正行為は必中にしてさ」


「馬鹿、それやっちまうと何処かであった巻き込まれまでくらっちまうんじゃねぇか」


「なら、不正行為者のみに効くようなシステムにしてよぉ」


「だから、どうやってその不正行為を見分けるんだよ。あー思いつかん。スカイアースはどうやってあんなシステムを考えてついたんだ」


鬱映画と呼ばれるものを見てれば、だいたい発想できるようになると思うよ。口に出して言わないが。


野菜ジュースを、飲み終わり別の飲み物をとってくる。どうもこの系列のチェーン店はこっぷが小さい。もう少し大きくならないのかな。


「~~、じゃあこれはどうよ。スキル破壊システム。戦闘中にスキルを破壊したらそのスキルは使えなくなる。これならチートも潰せるだろ」


「相手がこっちのスキルを全部破壊して終わりだな」


いや、そのシステムは案外いい線いってると思うぞ。


「駄目かぁ……。じゃあこれはどうよ~~」


あらら、流れたか。かなりいい感じだと思ったんだけどな。後でTRPGで、無理矢理システム作って組み込めるか提案するか。


「お待たせしました」


ウェイトレスが料理を持ってくる。腹が減ってるのか普段よりも旨そうに見えた。


「では、いただきます」




腹も膨れ、帰宅し寝る前に果たしてどれくらいの連絡がきてるかとウェアラブルデバイス端末を確認した所今もなお、電話が鳴り響いていた。着信は……109件か、五、六時間寝たから三分に一回くらいかかってきている計算だな。電話をとり話の内容を確認する。


「もしもし、大空ですけど」


「やっと、繋がった。大空君大丈夫かい」


「はぁ、今まで寝ていましたが。何かありました」


「寝てたって、緊急記者会見は聞いてないの」


何か焦ってるな先輩。なんかやばいことあったっけ?


「記者会見って、なにかありました」


「いいかい、冷静に聞くんだよ。【君の個人情報に一億の賞金】がかかってる」


「はぁ、それだけですか」


なんというか……、ズレを感じるな。


「それだけって、一億だよ一億」


「でもばれたら自分に千億入るんですよね、そういう契約結んだはずなので」


えーと確か、コネクト社から大金を手に入れたから【個人情報の保護を個別に行ったんだよな】ばれたら、コネクトの支払った額の十倍で。


「えーと、確かにそうだね」


「ならばれても問題ないですよね。むしろばれた方が金銭的においしいですよね」


ばれたら、千億もの大金が手に入るんだ。それはそれで人生観変わるし、十分ありな選択肢なんだよな。


「しかし、いきなり不意打ちとかでやられちゃったら……、大空君。周りに敵を作ってるし」


「まぁ、それについてもある程度は対応できます。大事なのは、【バレナイ方法よりも、バレタ事を気づく方法です】最悪ばれても逃げればいいんですから」


というか、ばれたとしても現実世界である以上ある程度はどうとでもなるんだけどな。警察とか車とか金積んでそっち系の力を一時的に借りるとか。金剛氏や林さんに頼み込むのも有効手だし。


「……そんなものなのかね」


「そんなもんです。むしろ先輩の方がやばいですよ」


「はは、僕の何がやばいんだい」


「【報酬をうちのサークルで分散させましたから】数日後に数百万入ってきますから説明よろしくお願いします」


「えっ」


「まぁ詳しいことは次回サークルに行ったときにでも話しますんで」


「ちょ、大……」


電話を切る。……さて入学式まで後五日間。それまでになんとか準備をしないとな。まぁ何はともあれ……


「寝るか」


そうして、ようやく長い一日が終わった。



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