コネクト  創造する世界

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正式版に向けて それぞれの悪意

【VRは夢である】


その考えは変わってない。現実だと馬鹿げているし。かといって理想というには制限が多い。だから【現実と理想の中間の夢になった】勿論、これは【昔の教育方針も影響されてるし、自分がそう考えないと壊れてしまうと思ったのも原因だ】なんせ、【結果として何人かは死んでいるんだから】そんな現実を【まともに受け止めたら壊れてしまう】壊れてしまうが故に、現実と距離をとったし。【行動に迷いはなかった】しかし最近はその方針は使えなくなってしまった。【大人になったこともそうだが、VRが現実に近づいたのが大きな原因だろう】果たして、【夢から覚めたとき、自分は過去を受けとめられるだろうか】


明日が正式版開始なのに、それが不安で眠れなかった。果たして自分の行いが本当にいいのか……。それがわからなくて


「おぉ、最終調整かボーイ。最後まで諦めないその姿勢はベリーグッドでアール」


堂々巡りの思考を止めてくれたのは、【一つの答えだった】


天馬博士、現角地博士。【数十万の死者】をだしたシステムを開発し、【現在それを復活】させようとしてる人物だ。


罪悪感はないのか、【わかったんだろう、大勢死ぬこと】は、だがそれを聞かない、聞く意味がない。【博士の真意】を知っていれば。【リソースを減らした】だけだと答えられるのが目に見えてるからだ。しかし、それでも……


「なぁ、博士。質問なんだが」


「なんでアールか、我輩が答えられるなら答えてあげるでアール」


「なんで博士は【普通に生活できるんだ】あんだけの事件を起こして」


「ふーむ、なるほどそういえば【ボーイから見ればそうなるのか】我輩は」


そうだよ、博士から見れば【リソース】だとしても、俺にとっては【同種族同じ人間】なんだよ。


「なるほど、それの質問の答えはこう返そう。【車を作った人間が、その車で起きた人身事故を見て罪悪感が生まれるか?】これが最も近い答えだな。これはダイナマイトとかと一緒だな。【意図しない方法】で使われたからって何故我輩が弾圧されなければならん。弾圧されるのは【間違った利用方法をしたやつ】であろう」


理屈はわかる、理屈はわかる……が。


「その解答では納得できない。作った責任はあるんじゃないのか」


「つくづく損な性格してるよな、お主、いや【この国の国民】か 」


「そんな、性格?」


「【過程見ずに結果だけ】みるその性格よ。誰しもが、【それを行う理由があったはず】我輩なら【人との可能性を増やすためにユーザーアシストを作った】当然【その結果誰かが死ぬだろうとは思った】」


「……」


だが、とか余計な口答えはできない。まだ話は終わってないんだ。


「そもそも、ボーイは根本が間違ってる。【我輩がシステムを作ったから死んだのではなく】【死んだときにたまたま我輩のシステムを使っていた】ただそれだけだ」


「それはおかしい、【死んだ原因】を作ったのは博士のシステムじゃないか」


「だからいってるであろう【お主は過程を見てない】」


「過程って……、なんだよ」


「そもそも、ボーイは【ロスト事件の真相を知っているのかね】」


「ロスト事件の……真相?」


「そもそもおかしいとは思わなかったのか、【あれだけ大量殺人と騒いでいた連中がたかだか主要人物一人死罪にしただけで騒がなくなったのは】普通なら会社ごと追い込まれるはずだ」


いわれてみれば確かに、何故【最初しか騒がなかったんだ】裁判内容も触れず、【主要者の死罪のみの報告だった】まてよそもそも【何で判決内容しか知らないんだ】普通事件に内容についても少しは記憶に残ってるはずだ。


「まぁ、それについて知りたいのなら。【コネクトに深く身を投じる】でアール。そうすればいずれわかるでアール。さて、ボーイへの回答はここまでにして、そろそろ本題へ入ろう。まずは【特別報酬】でアール」


掌に光を出し、自分に当ててくる。なんかどこかで見たような光景だな。


「システムのバージョンアップを確認……、通常処理……割り込み処理発生……【固有アシスト】発見、生態認証実施……【大空大地】を確認、特殊モードに移行……モード【マスク・ナイトメア】を【マスク・デイメア】に変更……割り込み処理発生」


「む、何故そこで割り込まれるのでアール」


「モード【マスク・デイメア】を変更……、モード【ファントム・ヒーロー】に変更、変更完了」


「ノォォォゥ、我輩の自信作のデイメアはどうなったのでアール」


アシストを確認する……、なるほど【馬鹿が考えそうなことだ】


「安心してください【デイメア】は生きてます。最も【ナイトメア】も残ってますが」


「およ、そいつはよかったでアール、…んいやいや、【ナイトメア】は残っているのはおかしいでアール。アシスト機能は【一人一つ】が絶対でアール。そんな大前提が……なるほど【馬鹿社長】か」


「ご名答、おまけに【不正対策機能】とかよくわからないのがついてますよ」


名前からして【良い感じがしないな】


「ちょっと待つでアール。……ホウホウ、こいつは……」


「いったい何がわかったんですが」


「簡単に説明すると【ファントム・ヒーローはコネクトに存在しない人物】でアール。……ヒーロー中は【一切の情報が秘匿になる】のでアール。つまり、【不正を行ってもこのモードならばれないのでアール】……馬鹿であるか。こんなの与えたら、【全ての騒動がこいつの責任】になるでアール」


「まぁ、匿名のヒーローってかっこいいよねとかそんな感じで作ったんでしょうね……」


しかも使い勝手が良さそうだからたちが悪い。こんなものは使わないに限るが……、絶対【これが必要な状況になるんだよな】明日とか。しかも【使ったら宗教家に狙われること待ったなし】仮想の世界に存在しない人物とか【明らかに神扱いされるじゃねぇか】


「はぁ」


「まぁ、その……、なんだ……すまん」


「いいですよ、博士のせいではないですし」


原因は馬鹿だし……


「しかし、原因はあれでアールし。しかたがない【積極的に関わるつもりはなかったが】明日の祭りに我輩も参加するでアール」


「それは……、どうも」


対策しまくったからなぁ、【博士も最低限で動くようにしたし】全力稼動してもらってもなぁ


「はぁ、全く。しかたがないからもう少し手伝ってやるでアール」


「なにを」


「お主の罪悪感って奴の対処方でアール、そもそもお主が罪悪感を抱くこと自体なんか変でアール。それなら何故【イベントであんなに本気に敵を潰した】やりようなら他にもたくさんあったでアール。例えば【外に追い出して笑いものにしたり】【ホラーものにして驚かせたり】……しかしお主は【戦闘での戦意喪失】を選んだ。それは何故でアール」


「それは『はい、時間切れー』」


「お主のそれはな【VR依存の弊害、言わば精神病の一種である】」


「何?」


「きっかけは六年前、そう【お主が仮面を被ったあの日よ】あの日の影響でお主は【平等や不正を異常なまで敵視している】いや違うか【お主は自分自身に降りかかる火の粉悪意に怯えてる】だから【過剰なまでの対策をし徹底的に叩く】しないと【あの日に戻ってしまう】と深層心理で認識していると思われるのでアール」


精神病、いやそんなわけないあの日の事『認めなくなくとも現実は現実でアール』


「たとえ、どんなに繕ってもお主の根幹は変わらない【今のままではな】だがこれを変える方法が幾つかあるのでアール。一つは認識を変えること。我輩のように【リソース】まではいかなくとも、【ロボットとか動物】のように思えば【罪悪感はなくなるのでアール】。というか同種族じゃないから殺してもオッケーな考えを持ってる時点で【罪悪感なんて考えるのが馬鹿らしくなるのでアール】これに関しては、認識をいじくればすぐに可能でアール。その場合は【理解したときの衝撃ははかりしれないけどな】次は【殺しを肯定すること】でアール。戦争中、よく兵隊は【国の為】と言って殺しを肯定して【理由をつけ問題ないと認識するのでアール】まぁ【理由が必要なので、瞬間的な判断は鈍くなるがな】突然の裏切りに注意するのでアール、三つ目の方法は【薬とかで意識を飛ばして、アシスト機能などに任せる方法でアール】この方法は完全にアシストに任せるので【迷いは一切なくなるのでアール】まぁ【変更は聞かないけど】そして最後は」


「俺見たいに【そもそも現実だと思わないで対処する方法だろ】これも【理解したら衝撃が馬鹿にならないけどな】」


「いや違うよ、それ最初の奴と一緒ジャン」


えっ、違うの。


「えっ、じゃあ最後はなんなの」


「ノリノリで言ってたのに途中で割り込みが入ってテンションがた落ちでアール」


「そこを何とか」


手を合わせ祈るように博士を拝む。


「ふぅ、最後は【責任の転換でアール】ようは【ロスト事件】のお主の発言みたいなことでアール。【誰かに唆された】【やれといわれた】【こうなるとは思わなかった】全ては【責任の擦り付けでアール】デメリットは言わなくともわかるよな。【これだけはするなよ】せめて自分が行ったことには自分で責任対処するのでアール」


「責任の擦りつけね…、確かにそれはないわ」


責任を相手に擦り付けるって事は、【自分も擦り付けられる可能性】があって、かつ【自分以外の力が必要ってことだろ】そんな状況つくらねぇよ。


「さて、選択肢を与えたが。結局お主はどれを選ぶのでアールか」


「んなもん、この選択肢なら【殺人を肯定する】一択じゃないか」


「ほう、他の選択肢はありえないと」


ありえるか、他の二つはなぁ。


「【自分の責任の否定なんてできるかよ】あぁ、そうさ【明確な殺意があり攻撃した】【何故対等な条件で勝負しないかとな】ろくに力もないくせに【自分ができないからと言って】迫害しやがって。努力しないうちに【諦め】努力して手に入れたものに【嫉妬し】群れを作って潰しに掛かる。そんな【実力自分】を否定する【平等主義】なんて糞食らえだ。そう……そうだ。その【理不尽くだらないプライド】が気に食わないから、徹底的に叩き潰すんだ。【ルールの範囲内公式の力のみ】で不正をしても【この程度】なのかと」


【自分だけ安全な位置】にいるのが気に食わない。実力がないくせに【自分ができない】からといって、【不正扱いする奴ら】が気に食わない。【ろくに努力もせず諦める奴らが気に入らない】【同条件にならないのが気に食わない】。【現実じゃないからと何をやっても許されると思ってる連中が気に食わない】。あぁそうだ、だからこそ【馬鹿な奴らの目を覚まさせたくなる】現実を見せたくなる。【責任を負わせたくなる】


「どうやら、問いがでたようでアールな」


「あぁ、わかったよ。博士の言うとおり【気の持ちようだった】もう【迷いはしない】【俺は俺の責任を持つ】」


あぁ、そうだな【なにて馬鹿らしいことで悩んだだろうな】俺は


「いいのでアールか、それは【自らの殺人を認める】のと同義でアールよ?」


「構わない。金剛の言い方をすれば【有象無象がどうなろうとしったことじゃない】VRの中だからと言って【やりたい放題】するんなら、こっちもやりたい放題させて貰う。相手が精神障害起こす、死んだ?【それがいやなら自制しろ】【お前らが行動を起こさなければ俺も行動せん】」


「先ほどと認識が変わって驚いてるのでアール、【責任】はどうしたのでアールか?」


「対等な条件での戦いだ、死んだとしたら打ち所が悪かったんだろ。もしくは【今までの行いが悪かったんじゃねーの】、それが嫌なら公式文章もってきてやる【全ては自己責任】だバカたれ」


あぁ、つまりそういうことだ。【責任を考えずに行動する馬鹿共】と【欲望のままに行動する屑共】に最初のゲームで絡まれた時点で【俺の考えは固定された】つまりはそういうことだ。それを考えれば【今までの出来事は間違ったとは思わないし】罪悪感に苛まれる理由もない。そもそもやった事と言えば【不正行為といった馬鹿共に不正行為の冤罪かけて】【不正行為をした屑共にトラウマを与えただけだ】どちらも殺してないし。なにより【全て自分で体験してから行った行為だ】調整して弱らせてる以上、【そいつらが軟弱者だった】ただそれだけの話だ。だとするならばVRの定義が変わるな。今まではあらゆる可能性を持った【夢だった】しかし現実は【何も考えてない集団の集まり】だった、まぁ最近のだとそうではなかったんだけどな、ロックとかはそうだし。まぁ最初の頃の【夢】は【幻想】なわけだったから。


「VRは夢幻の世界か。はは変わってないな」


「何の話でアールか? 」


「はは、こちらの話だ。さて博士、【今回はこちら側でいいんだよね】」


「ウム、なんか色々言いたいことはできたでアールがとりあえず流すでアール。それで回答でアールが【今回はこちら側】につくのでアール」


「それでは、明日の作戦会議といきましょうか」


理解したなら、全力を出そう。明日、奴らに【責任の重さ】を教えてやる。


そうして時間が過ぎていく。それぞれがそれぞれの悪意思いをのせて。



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