コネクト  創造する世界

AAA

最初の三日間 対策

VRゲームと昔行っていたビデオゲームとの違いを一言で言うならば【感覚の違い】なんだろう。VRは脳と接続してるだけあって、【五感で感じることができる】現実のような視界から、周囲の音、硝煙の臭い、鉄分を含んだ血の味。そして【ボロボロになった体の痛み 】まで全て体感することができる。特に触覚や嗅覚、味覚 はビデオゲームでは体感できなかったことだ。まぁあっち側の人間は【意図的に感覚をなくしている】が、まぁ交わらない人間だし【それによって起きる不具合】はわからないんだろう。さてなんでこのようなことを考えているかというと。


【目の前の化け物】との戦いの現実逃避をしたかったからである。全く【テストプレイ】とは言え、弱体化したセキュリティと戦うなんてするもんじゃないな。まぁ【テストプレイで不正なしで勝たないとモンスターとして登録できない設定】だからしかたがない。弱体化はできるからなんとかできるように調整はするけど。


目の前にいるのは、形状し難い物体。嫌な音を撒き散らし、嫌悪がする臭いが吐き、そして直視はできない形をしている。自分が耐えられるのは、【耐えられるよう設定】したからであって。【通常時なら動くことすらできないだろう】


【深遠なる者 ディープワン】ホラーTRPGの1つのキャラクターだ。【プレイヤーはこいつが召喚されないよう】に、動かなきゃいけない。


ディープワンについてすこし説明しとくと、まずでかい、こいつが出た瞬間大抵は街が破壊されこいつが出てくる。【大きいからこっちの攻撃は一定の火力がないと無効化する】これは【公式ルールである】また【公式に体力の設定はなく。ダメージを認識すると怒る】とだけ書かれている。また【このゲームには正気度(SAN値)が設定されている】おり【こいつからは出会い頭に大幅に減らされる。】だけでなく。【毎ターン正気度を削ってくる】対策は【別のゲームから正気度耐性の物を持ってくること】これしかない。つまり【公式では絶対勝てないことになってる】こいつをセキュリティのひとつとして置く。【もしこのゲームで不正が発覚した瞬間。ディープワンと一緒に閉じ込める】


これが、このゲームにおける不正対策である。【不正者したものは、強制転移による強制戦闘が待っている】勿論【各々がディープワンのようなキャラクターを作成している】それは、【無限体力から永遠に痛み分けをするモンスター】や【今までやって来たことをなかったことにするモンスター】等、様々なモンスターが今もなお作成されている。勿論【TRPG製モンスターだ、大概はTRPGのメタ知識を持ってないと。戦うことすら許されない】当然【規制などはない。よって運が悪ければ精神崩壊、脳死は覚悟してもらう】


また、基本的に【戦闘中は逃げられない設定になってる】退出なんて許させない。また【干渉も制限をかける】一度はまったら逃げられない。故のテストプレイ、【無理矢理いれられた際の対策】を死にながら考えている。


当然【テストプレイも感覚は全て生きている】、テストで弱体化しているとは言え。【手足は震え、一発でもまともに食らえば動けなくなり】簡単に殺される。【死にすぎるのも脳に影響がでるので】【事前に薬を飲み】また規定時間で開発者と連絡をとり、【調整を行っていく】弱体化はしない。弱くなることなんかに意味はないから。


結局【74回ほど】死んで、ある程度ものになった。干渉の都合【30分】は出られないようにしたので、それに耐えられる程度には制限をかけた。まぁもっとも【何回か死に覚えしないと無理なようには作成したが】


このゲームの戦闘にはターン制を導入している。【1ターン十秒の動作】これが、デフォルトの設定である。また【行動は基本一ターン、一行動である】さらに【命中・回避にはダイス判定もユーザーの意図に関わらず振られている】つまり、【必中も確定回避もない】100回攻撃すれば一回は6割の確立であたるのだ。当然ディープワンは一回の行動で【最低でも数十の攻撃を行う】動かない胴体で、数十、数百の触手で攻撃してくる。勿論【まともに当たれば即死だ】。さて何十もする攻撃が十秒で終わるのか……答えは否である。つまり実際は


【常に触手からは攻撃され続けている】


つまりディープワンの戦闘は【いつ死ぬかわからない攻撃を回避し続けないといけない】ちなみにディープワンに勝つ方法は唯一つ。【ディープワンが飽きて帰るまで待つ】ただそれだけだ。十秒毎に振るダイスでクリティカルが出ることを待つそれしかない。【直その戦闘で不正行為が行われた場合その選択肢は消える】そしてその事(選択肢が消えた)は【わからない】つまり【不正を使った時点で終わらない戦闘になる】


「そっちはうまくいったかの」


テストプレイ終わりにロックが話しかけてくる。


「こっちはなんとかな、そっちはおわったのか」


「こっちも同じようなもんじゃ、それじゃあ交換してやってみるかの」


「別にいいけど、薬飲んで行えよ。少なくとも数回は死ぬ前提なんだから」


ロックの場合、大丈夫かと思うがさすがにあれはなぁ。


「狂人用ゲームか……やっぱやめとこう。命がいくつあっても足りなさそうじゃ」


「まぁそうしたほうがいいよ、どうせ明日大量に実験体が来るんだから」


「本当に来るのかのう、【このゲームにハッカーなんて】」


「来る、間違いなく。【金剛がここに来るんだ。必然的に金剛持ちのハッカーや金剛狙いのハッカー】がここに来る」


「きたとしても、わざわざ不正行為を働くか?」


「ロック、ハッカーってのはな大抵は【自己顕示欲のでかい奴らなんだよ】自分の腕が見せられる環境があるなら動くさ、【不正は強制転移だからな】働いた瞬間にアウトだ」


「制作できる場所をクリエータールームに固定してるのも、不正対策じゃしのう」


「まぁ詳しいことは明日になればわかるでしょ。じゃあ俺は二体目作るから」


「わしも調整に戻るかのぅ。無駄に勝たれても困るし」


こうして、二日目がすぎていった。そうして悪意が牙をむく三日目が始まる。それぞれの思惑を胸に秘めて









コメント

コメントを書く

「SF」の人気作品

書籍化作品