コネクト  創造する世界

AAA

最初の三日間 呼び出し

うん、もう朝か。


いつも通り二度寝を決め込み、目覚ましがなり起きる。


「ん、もう時間か」


朝起きて寝て、もう一度起きる。仮眠をとり勉強し、また寝るを繰り返していたからなのか、浪人時代からの日課になっていた。


「メールは……っと」


開発者から数件と……、それとコネクト社からの【新規ゲーム】の開発についての話し合いが10時からか、場所は一番近いコネクト本社か。時間があるので、開発者達のシステム概要を見て、取捨選択をする。


自分がゲームを開発なんて出来るとは思ってない。というか誰もが素人ユーザーが使ったゲーム等に殆ど期待などしない。だからあくまで自分ができるのは【面白い構想】を言うだけ。後は自分の言ったとおりになってるかの確認のみだ。だから【構想】だけは妥協はしない。そこの部分だけは矛盾すら許さない。まぁ、【元から練ってた構想】だから、もう殆ど完成してるんだけどなこれ。


「さて、システム内容は……と」


モーションやら武装やらスキルやらの話になるがそこらは自分にはわからない。だから自分にわかる経験地やレベルアップの部分にだけは妥協せず、良い部分は貰い、駄目な部分は無くす。【開発者の自信作だろうが関係ない】そこの部分だけはこだわる。その結果、【TRPGとは思えないほど少ない経験点】となった。


「さて、時間か……」


コネクトに向かう。たしか新都心だっけか、本社。


腕のブレスレッドから画面をだし地図を確認しながら本社へと向かう。




「本日アポイントをとった、大空大地です」


「お待ちしておりました、こちらです」


きれいなお姉さんが案内する。


「こちらです」


いかにもな豪華の装飾がされた扉を開ける。




なかには沙原さん、コネクトの社長、厳ついおっさん、若い男性、頭の良さそうなメガネ、そして……


「やぁ、君かスカイアースは」


満面の笑みでこちらを見る。


「てことは、あんたはクラウンクラウンか」


思ってた通りの人間だったか。笑顔の中でも、目の奥底は濁ってる。


「いかにも、わしがクラウンクラウンこと【金剛羅観】じゃ、いやぁ会いたかったぞ」


「俺は会いたくなかったけどな」


あんたに関わるとろくなことがねぇんだよ……、その分助かったこともあったが。


「さてそれじゃあ、そろそろ始めましょうか」


「なんじゃ、つまらんのう。まぁいいか、わしも長く待っといたからな」


「というわけで、そろそろ話してもいいかい」


そう社長に質問する。


「君は変わらないね、あの時と」


何かを思い出すように、社長は質問をする。


「なんのことですか、とりあえず話を話しましょう」


「ちょっとまつね」


厳ついおっさんが遮る。


「えーと、あなたは」


「オカルト新聞の社長をやってる東藤とうどうね」


「あぁ、ご丁寧にどうも。では話を進めて…… 」


「ノンノン、それはちょっと待つね」


金の細工が大量にあるその腕で話をするのを遮る。


「まだ何かあるんですか」


「私は今回記者でここにきてるね、だから私は二人を取材する権利がある」


「では、部屋を変えて別のところでやりましょうか。」


立ち上がり別の場所を催促する。


「ホワッツ、どうしてそうなる」


「いや、今から話すのって極秘事項ですよ。情報漏洩する人がいたんじゃ話せないでしょ」 


まぁ、今回はやばげな話をしないし、【重要情報さえ言わなければ】問題はないが……


「……」


「……」


厳ついおっさんと金剛氏に目をやる。おっさんは「な~ぜ~」やら何やらいってる。金剛はただ期待する目でこっちを見てる。状況から考えるに……


「記者を呼んだのは、爺さんか」


「なんの…話かのぅ。わしはただ独占取材に応じただけよ 」


何が応じただけだ、だったら家でやれ、家で。 


「……、貸し5だ」


「いいじゃろう、借りといてやるわい」


金剛氏はこれでよし。


「……」


「記者は金剛形式だ、【質問は一回まで】、くだらない質問は【退室】してもらう」


「それは、ユーだけですか」


「そっちの爺さんについては管轄外だ」


「なら、私はそれでいいでーす」


「私もそれでいいです」


記者もこれで問題ない。後は。


「コネクトについては、今回の事に関する誓約書と、正式サービス開始時の【優遇措置】及び、他の開発者の【自ゲーム開発時の制限】を求めます」


「随分と重いね」


「勝手に記者と別の開発者を呼んどいて、その発言はないでしょ。」


記者達は一番罪は軽い。呼ばれてきただけだ。爺さんも余り罪はない、企画してそれが通っただけだ。しかしコネクトは【こうなることがわかってて承認した】、つまりこいつらにはふっかけるくらいでちょうどいい。


「まぁ、それもそうか。それで何を書けばいいかな」


「そうですね、あなた方は【一回粗相をしている】からね、誓約を守らなかった場合は【あのときと同じ】にしましょう。それが嫌なら別の部屋を用意するなりどうぞ」


「……、無茶なことを言う」


「無茶なこと、……なんで【約束を破ること前提なんですか】、それにそれが嫌なら何度も言うように【場所を変えればいい】、まぁその場合【貴方と記者は必要ないので】いなくなりますが」


狙いはわかってる。隣に【明確な悪】がいるんだ。こちらに【ヒーロー】にでもなってもらいたいんだろう。


「時間がかかるようなので、私は退室させて貰いますよ、【貴方と違って時間がないので】あぁ、打ち合わせの方は【他の社員とやって】帰りますので。別に気にしなくていいです」


椅子から立ち、人から背を向け、扉に向かって歩き出す。一歩、まだ反応がこない、二歩反応なし。三歩、四歩と歩いていき。扉の前までついたとき。やっと社長は言葉をだした。


「出す、それで契約書をだす」


「その言葉嘘ではないですね。」


「あぁ、嘘偽りない」


「では、私が帰る頃にでも完成させといてください」


「はぁ」


「では、またいつか会いましょう」


扉を閉め、別の場所に行く。林さん何階にいたっけなぁ。


「待て、何処に行くんだ」


扉から社長が、でてきて何かを言ってる。


「だから、打ち合わせですよ。開発ゲームに関しての」


「それはここで『私は言いましたよ、時間がかかるようなので退室させて頂きますと』」


「それは、私から『まさか契約書にそこまでの価値があると思ってるのですか』」


勘違いも甚だしい。


「いいですか、βでの発言いこう。【私は貴方に全く期待してません】、だから貴方との契約など【別に無くてもいいのです】」


というか優遇対象になったら、それはそれでまた荒れるし。あの部屋に入った瞬間から【無理難題をふっかけて帰ろう】としていた。まぁここまでは【爺さん】も想定済みだろう。だから、あの場にから離れて問題が起きるまでは待っておいたほうが良い。もし【残ってて】欲しいならば爺さんが動く。


「というか、優遇措置を許可していいと思ってるんですか、馬鹿ですか貴方は」


「コネクトは開発『あなたは開発者じゃない』」


「このゲームの制作者の代表、経営者の立場だ。【金が動く遊戯で代表が贔屓してんじゃねぇ】癒着と思われてもしかたがない…ですよ、代表」


「……あぁ、そうだね。確かにそうだ」


「それでは私はこれで」


そうして、自分は法律を任せているところにいき。信頼できる人に会い、話を始める。


「久しぶりだね、大地君」


「お久しぶりです、林さん。少し太りましたか」


「これは幸せ太りだよ、君の家族を持てばわかるさ」


林さんは昔お世話になった人だ。最近も少しお世話部なった。古語とか、現代社会とか。


「さてそれで、こちらが抑えときたい用件ですが……」


このゲームの肝の部分を話す。


「なるほど、【TRPGをそのままゲームの世界で利用するか】、確かにその手法は行ってないね。」


「ですから、【ゲームの中でTRPGを遊ぶ】ことと【各ゲームによる難易度補正方法】の二つだけは最低限確保してください」


「わかってる、僕としては【リアルタイムのターン行動及びそれに関する成功率の手法】も入れる予定だ。これも恐らく独自システムだからね」


さすが林さん、抑える所がわかっている。


「えぇですから」


「極秘裏に最速ね。わかってるすぐに書き上げて持ち込もう。一応金剛さんのも関わっておく」


「あの人とは関わって欲しくないんですかねぇ」


あの爺さんは、本気でやばい。仮想アバターであった時すらそう感じ取れるやばさだ。


「さてこっちは大方終わったけど、あっちはどうなったかな」


「多分そろそろ呼び出しがきますよ。その間に、セキュリティ関係について話なんですが……」


「それはまた、……エグイね」


「まぁ、そりゃあ犯罪者に対してのあれですし」


「それでも、うーん。宿題になるかなぁこれは」


そうこうしているうちにドタバタと音が聞こえる


「来たかな」


「恐らくそうですね」


バタとドアを開け、沙原さんが息を切らして入ってくる。


「大…空さん、至…急打ち…合わせ質まで…お願いしま…す」


さて、悪鬼の部屋にでも戻りますか。



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