[悲報]異世界行かされて、ひどい目にあったと思ったら心の友が物語の主人公過ぎて泣いた~まっ俺の方が強いけどね!!~

ハイパーニート

3.たどり着いたその先には、、、

「けん、、!!!、けんし、、、、、!!ねぇ!!!、、、、、、

   堅、、君!!!忘れ、、、わ、、、、?」

目の前にはもう思い出すことが叶わない、誰かがたっている。
何かを必死に伝えようとしているのはわかるが、何を言っているのか聞き取ることができない。

そいつの顔はもやがかかったようにぼやけていて、認識することができず、目が合っているのかすら定かではない。
しかしなぜだろう、無性に心がしめつけられる。
理由すらも憶えていない。
この人が誰なのか、この感情は一体何なのか。俺には全く理解できない。

ああ、でも、そうか。
一つだけわかったことがある。
俺はまた夢を見ているのだろう。
これはきっと俺の中にあった、遠い昔に失った感情のかけら。
でも、もうそんなのに浸り続けていい年ではない。
俺は、意を決して口を開く。

「ありがとう。でも、もう行かなくちゃ。」

そいつは少し悲しそうに笑っている気がした。



あたりのひんやりとした肌寒さが俺の意識の覚醒を促す。
俺は覚醒していく意識とともに、体中に残る鈍い痛みを感じる。
それを無視してゆっくりと目を開けると、まず石造りの天井が目に入ってきた。

「はぁ、、体じゅう、痛てぇー、、、」

俺は軽くため息をつき、体を起こす。
あたりを見回すと、そこにはまず石造りの壁が四方にひろがっていた。
どうやら俺は小さな小部屋の中に入れられているらしい。
近くには質素な机といす、ベットが置いてあり、机の上にはろうそくが置いてある。
ろうそくは部屋全体を照らしており、ここの部屋の刑務所っぽい、薄汚さを増長させている。

俺はベットがあるのにもかかわらず、床のど真ん中寝かされていたらしく、体中に鈍い筋肉痛のような痛みが広がっていた。
まったく、何のためのベットなのだろうか。
まあしかし本題はそこではない。
自分の身に何が起こったのか、先生が何をしたのか、クラスのやつらはどうなっているのか、把握しなくてはいけない。

「とりあえず、外に出るか、、、??」

ん?

そういえば扉はどこにあるのだろう?
今まで半分寝ぼけていて気付かなかったが、この部屋には扉がない、、、。

あれ?もしかして詰んだ?

、、、いやそんなはずはない、もし入るすべがないなら。このろうそくはどうやってついたというのだろうか。

とりあえず、叫ぶか!

古来より叫ぶ行為はとても大事な行為だ。
誰かに助けてもらいたいとき、何かに困っているとき、叫べばたいがいのことは解決する。
おれは肺に息をため、めいっぱい声を出す。


「だぁあああああれかぁあああああーーーたすぅぅけぇぇてぇぇぇ!!!」

自分の声が壁にむなしく反射するだけだった。

「うーーん、、、」

返事がないな、、、じゃあもう一回

「だぁぁあああああれぇえrrr《やかましいわっ!!》かっぁぁぁぁぁぁ!」

よおやく俺の思いが通ったようだ。

《なぜその狭い部屋でそんな大きな声を出す必要があるのだ!!!!》

どこからともなく謎の声が降り注いでくる。
しかしあたりを見回すも、その声の主らしき者は存在しなかった。
しかしそこにいるのであろう声の主に話しかける。
ここはとりあえず明るくふるまって、敵意がないことを示すのが得策だ。

「こんにちは!どこにいるかわかりませんがここから出してもらえませんか?」

《すまぬがそれはできぬ、しかるべき時にそこの部屋から出そう。》

しかるべき時っていつのことだよ、、、。
まあ外に出れないというならしょうがない、自分の力じゃどうにもできそうにない、とりあえず冷静に情報収集と行こうか。

「じゃあ、質問いいですか?」

《質問、とな?汝に教える必要などないが、、、、まぁ時間つぶしにはなるか、、、
まぁよい。
小僧、ワシにこたえられることならなんでも答えてやろう。》

やけに優しいなこいつ、、、それだったらここからついでに出してくれてもいいのに、、、。


「あの、、ここってどこですか?」

《ここはお前らのところで言う異世界、というものだ》

い、いっ、異世界だってぇぇえぇ!!!!
っ、ということはもしかして、、、

「魔法とか、スキルとか、レベルとか、そういうのありますか?」

《もちろんじゃ、主らが考えている通りの異世界というやつじゃ》

きたぁぁぁぁ!!!!異世界転移!!!!
高校生なら誰しも一度は異世界に行って世界を救って、ハーレム作ってと妄想するものである。
そんな異世界に来れるだなんて!!!なんてことだ、、、、!!
ってことはもしかしてチートとかもらえちゃったりして、、。

「あの、ステータスとか見れます?」

《そりゃあ、この世界だからの、見れんと大変じゃわい。》

「あの、どうすれば、、?」

《簡単じゃ、お主がそう望めば、勝手に出てくる。》

「ほぉ、、、、、」

どれどれ、俺のステータスは、、、

石原 堅信

HP  80
MP40
SP40
ATK 35
DEF25
AGL15
LUK25

<スキル>
????Lv.0

なんかパッとしないな、、、、、、
まあ確かに凡人だけどさ、ここまで凡人だとさすがにくるものがあるといいますかなんといいますか、、、。
まあいいや
でもまだ希望はある!
この????、きっとレアスキルに違いない!!!
こいつがきっとチート級のものに違いない、うん絶対そうだ、、、。
うん、、、、
、、、、、

いやレベル0ってやる気あんのか、、、?

あーあ凡人はどこまで行っても凡人だということか、、、。悲しいな
まぁ他のやつもきっと似たようなものなのだろう。
そう考えよう。

《もう自分のステータスを見て気が済んだかの?お主10分ぐらいずっと見ているようじゃが、、、。》

どうやら俺はかなりの時間ステータスを見ていたようだ。

「はい、十分わかりました。(自分が凡人であることが)」

《じゃあ、一つわしの話をしていいかの?》

その声は少し愁いを帯びていて、悲しそうだった。

「はぁ、まあいいですけど、、。」

《お主の世界には昔話といったものがあるじゃろ?》

なんだ急に?どういう風の吹き回しだ?

「はあ、、ありますけど。」

《この世界にも古くから言い伝えられていることがあっての、、、
昔、世界が終焉に迫るたびに、異界から勇者が舞い降り、世界を救う。
こんな伝承がある。
そして
異界の勇者はだれしも強力な力を持ち、この世界に降り注ぐ災難を打ち砕くとされている。》

へぇーそうなんだぁ、、、世界救うんだ、、、ってか俺だけなんだこんなの、、、、。
ココロコワレソ

《この災難というのはな、いつも強力なモンスター、いわゆる魔王のことを示してきた。
しかしわしは気づいたのだ。今回の召喚で、新たな魔王が生まれた形跡もなければ、魔王が今この世界にいるわけでもない。》

「へぇ、ならよかったじゃないですか」

《そうじゃな、おぬしのような小僧は本当に何も起こらないと思っとるんじゃろうな、、、。
だが現実はこうなる、、、
いままで人間とのルールを守ってきた我々は勇者が来たという理由だけで魔界を攻め、我々は無残に人間の赴くままに殺され続け、、全員奴らの経験値にされてしまうじゃろう。》

「ひどく、恐ろしい話ですね、それをなぜ私に?」

《実はこの話にはまだ続きがある、、、。
モンスターは異界の勇者を倒すと大いなる力を与えられ、そのものによっては魔王に進化するらしい。》

嫌な予感がする、、。

「ああ、それはよかったですね、、。」

《だからわしは考えた、異界に勇者が落ちたらその一人をさらって殺してしまおうと、、、。
いかに勇者といえど最初はただの子供。一人ぐらい殺すのはたやすい。》

ガンっ、ガン、ガン、ガン

突然四方の壁と天井が砕け飛び、視界が明け、今まで隠された小部屋の外の全貌が見える。
どうやらここはどこかの洞窟の中らしい。うすぐらいじめっとした雰囲気が漂っている。
あたりは妙な薄暗さと静けさが相待った空間が広がっていた。
そして目の前にはいままでしゃべっていたのであろうモンスターがたたずんでいた。
そいつは俺の背丈の二分の一しかない少年の姿をしている。されど異形の翼をはやした人型のモンスター、、、見る者を圧倒させるオーラをまとっている。
そのモンスターは甘い言葉で人と契約を交わし、最後にはその魂を食べてしまうとされている。

     そう、私たちで言うところの  ”悪魔”  が立っていたのだ。


























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