ゲーマーでモブキャラ扱いの俺が何故かヒーローになった話。

怪盗80

第17話:イケメンで残念な友人。

「なぁ、なんでお前そんな事してんだ?」

「知るか、それはお前のせいだろう」

煉と勇人はいつも通りの教室ではなくドームの中にいた。
そして目の前には両手剣と片手剣を持っている生徒がいた。

「「なんでお前とペアを組まなきゃならねぇんだよ!!」」



授業終了間際に担任がそういえばと思い出したのか軽く説明をし始めた。

「えー、この前君達には各々のデバイスを探してもらいましたが来週にそのデバイスを使って模擬戦でもしようと思います。ルールは二人チーム戦、勝利条件は相手を気絶させるかギブアップさせる事です。」

「あのー、その模擬戦?をして何かメリットとかあるんですか?」

真面目そうな一人の生徒が質問をした。
その質問に担任は淡々と答えた。

「良い結果を出せれば、学園から出る生活費などが増えます。その逆もありますが…」

授業終了のチャイムが鳴り終わり寮に戻る準備をしている間教室の殆どの生徒は騒ぎに騒いでいたが…。
こっちはしんどそうな顔でぐったりしていた。
頭を抱える煉とにやけている勇人を遠目で見ていた歩きながらクラスメイトが近づいてきた。

「ねぇ、煉君はペアとか決まったの?決まってないなら…」

「てめぇ!この裏切り者ガァ!!!」

有無を言わせない理不尽な暴力で俺の顔を殴る勇人。
その暴力には俺もなんとなく分かった。
確かにお前が可愛い女の子に話しかけられていたらぶん殴りたくなる。
それが俺たちの共通意識だ。

「いや、待て…まだ分からないだろ、もしかしたら『あっ、ごめーん、ペア決まってた♪』とか言う可能性があるだろ?」

「いや、その…もし良ければ…一緒にペアを…」

「なら、俺が一緒のペアになってやろう!なぁ?煉?」

「あ、あぁ…」

「そっか…なら私は他の人とペアを組んでくるよ♪」

女の子はよそよそと立ち去った。
ごめんな?こんな勇人のせいでペアが組めなくて…。
ぐでーとしながら勇人に聞かなくてはいけないことを聞く。

「なぁ、お前のデバイスは?」

「あー、無い」

「は?」

いま、こいつ何言った?無いって言ったよな?
恐る恐るその事実を確認する為にもう一度聞くが…。
今こいつ何言った?

「無い、お前の事笑っていたら忘れてた」

「は?」

口が開いたまま閉まらなかった。
なんでこいつは本当に残念なのだろう。

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