東方 没義道録 紅魔郷編

クレイ G

悪魔の子フラン

 美鈴は壊れた中国刀を捨てる。
「下がりなさい美鈴!」レミリアが叫ぶ。
美鈴はレミリアの言葉にすぐ反応し後退する。
フランの後ろでレミリアはグングニルを構えていた。
グングニルに膨大な魔力が注がれる。
グングニルが赤紫色に輝きさらに細長くなっていく。
「『スピア・ザ・グングニル』!!」
レミリアは槍投げの様にグングニルを投げ飛ばした。
グングニルは一直線にフランに向かっていく。
フランは防ごうとレーヴァテインを振ろうとするが間に合わない。
レーヴァテインはフランの右肩をかすった。
「外したか」
フランは肩に傷を負ったせいで力が抜けレーヴァテインを落とす。
「今だ」魔理沙と霊夢はフランに近づく。
魔理沙は八卦炉をフランに向ける。
八卦炉が回転し中心部に魔力が集中する。
「いくぜ!『マスタースパーク』」八卦炉から虹色のレーザがフランに向かって放たれる。
「うあああ!!」フランの右肩の傷が治る。
フランは魔理沙を見る。
一瞬フランの瞳が赤く光る。
「下がりなさい!!魔法使い!!」レミリアが怒鳴る。
刹那、魔理沙の手首が跡形もなく吹き飛んだ。
手首から血が溢れ出る。
一同はその光景を見て驚愕した。
「そんな、」
魔理沙は箒から転落し落下していく。
「魔理沙!!」霊夢は魔理沙をおう。
霊夢空中で魔理沙を掴み抱える。
そして地面にゆっくりと着地する。
「魔理沙しっかりして」
「あああ。私の、私の手がぁ」魔理沙はじたばたする。
霊夢と魔理沙の服が血に染まっていく。
「魔理沙だ、大丈夫よ」霊夢は魔理沙の手首を圧迫し止血する。
「ああああああああ!!」鋭い痛みが魔理沙を襲う。
「どうしよう。血が止まらない」
「霊夢、死にたくない」魔理沙は泣きながら霊夢にしがみつく。
その時遠くから猛スピードで何かが近づいてくる。
「あれは?!」
それは霊夢と魔理沙がいる場所に着地した。
「貴方は」
「安心しろ、お前たちを助けてやる」男の声で答えた。
男は高身長で黒いローブを羽織っており顔にはペストマスクの様な仮面を被っている。
「助けるってどうやって?」
「そいつを使う」男は魔理沙の持っていた【Necronomicon】を取り出した。
「これを使うってどういう事?」
「説明は後だ。その子を助けたいのならそれを渡してくれ」
「分かったわ」霊夢は【Necronomicon】を渡す。
すると男は本をパラパラとめくり始めた。
そしてとあるページで止めて何かを呟いた。
霊夢が聞いたことの無い発音、言葉。
霊夢はそれが呪文であると直感した。
男が唱え始めると魔理沙の手首がみるみると再生し始める。
「嘘、こんなの初めて見た」
「これで大丈夫だ。でもこの子は気を失っているけど」
「ありがと。貴方は誰なの?」
「そのうち分かる。」
「それよりあれを何とかしないと」
レミリア達はフランと交戦している。

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