東方 没義道録 紅魔郷編

クレイ G

少年の願い

 リクが館の門を開けようとすると、
「そこしでなにをしている?」
声を掛けれた。
驚き声のする方を向く。
そこには高身長の女が立っていた。
女の容姿は、華人服とチャイナドレスを足して2で割ったような淡い緑色を主体とした衣装。
服には龍の様なもが描かれている。
頭には丸い帽子を被っている。
帽子の前頭部には星型の金属に龍と書いてある。
髪は赤く腰まで伸ばしたストレートヘアーで、側頭部を編み上げてリボンを付けて垂らしている。 
瞳の色は青がかった灰色。  
「もう一度聞くそこで何をしている?」女の圧がすごい。
今にも襲いかかってきそうな口調で聞かれる。
「いや、人を探しているんです。ここに女の子2人来ませんでしたか?」答える。
「知らないな。ここには誰も来ていない。さっさと帰れ」冷たく言われる。
「いや、でもさっき、」僕が言いかける。
「黙れ」僕の言葉を遮り女は片腕を上げ手のひらを僕の胸の前に突き出す。
刹那僕は吹き飛ばされる。 
冷たい。
恐らく湖に落ちたんだろう。
何が起こったのか全く分からなかった。
体が動かない。
このままだと溺れる。
「次はお前か?」女がルーミアに目をやる。
ルーミアは僕と同じように飛ばされた。
近くで何が落ちる音がした。
恐らくルーミアだろう。
このままだと2人とも死んでしまう。
クソ!
動け!
なんで体が動かない!
動け!
心で強く思う。
動け!動け!動け!動け!動け!動け!動け!動け!動け!動け!
[それが君の願い?]
なんだ?!
[今、私に願ったよね?]
誰だ?
[も〜私だって。忘れるなんて酷いよ〜]
知らない。
知らない。
僕は何も知らない。
[リク。もしかして記憶がないの?それなら仕方ないね。じゃ、特別にもう一度だけ願いを叶えてあげる。]
願いを叶える。
ふと気がつくと【夢】の中にいた。
目の前には女がいた。
瞳の色は淡いピンク色。
ピンクの髪で白黒で統一されたカジノのディーラーのような服装をしている。
そして、手のひらの中にはあの【箱】がある。
[マキちゃんは優しいからもう一度だけ願いを叶える]マキちゃんと名乗る女は、ニコニコしながら言っている。
何が何だか理解ができない。
ついさっきまで水の中にいたんだ。
なのに、
[願い、叶えたいでしょ?]
[死にたくないでしょ?]
死にたくない。
そうだ。
僕は霊夢と魔理沙を助けなきゃ。
[誰を助けたい?]
霊夢と魔理沙、いや、【人】を助けるだけの【力】が欲しい。
[人を助ける力が欲しいんだね。わかった。君の願い叶えてあげる]マキちゃんは手に持っていた【箱】を差し出す。
僕はそれを取ろうとする。
【箱】に触れた途端世界が崩れた。
パズルのピースが1枚1枚剥がれていく様に崩壊していく。

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