桁間違いで異世界最強に!選んだ職業はまさかの冒険者⁉

景樹 ねこ丸

第2話 異世界へようこそ!

 原点の異世界、ミロワールドゼロ。通称ゼロ。
 大陸オリエンテ。ミロク地方。
 都市ヴィンセント。

 その中でも、大地主のような金持ちの家があった。
 
 “クーエンバッハ家”

 数々の天才を輩出し、教育に力を入れている。
 文武だけでなく、人間性なども、細かく指導される。
 いわば、完璧なる貴族だ。

 クーエンバッハ家に、今日は新たな生命が息吹いた。
 名前は、ソーイ・テラス・クーエンバッハ。
 まぁ“ソーイ”って呼ぶのが呼びやすいかな。

 クーエンバッハ家は、その日も赤子の世話をしていた。
 スクスクと成長していき、将来有望なたくましい子供だった。
 迷惑もかけなければ、泣きもしない。
 泣かなすぎて心配になるほどだった。



 
 時は過ぎて、今のクーエンバッハ家には、5歳の誕生日になるソーイがいた。

 「ハッ!」

 そこで、ソーイには諏訪壮一郎の時の意識が戻った。
 
 「ここが、...異世界...?」

 そこはいかにも、お坊っちゃまの部屋!といわんばかりの空間が広がっていた。
 クイーンサイズのベッドに、高級そうなカーペット。
 ダイヤのような輝きを放つシャンデリアに鏡台、豪華なテーブルや椅子。
 ヨーロッパ風の壁紙や、装飾された扉など、典型的な金持ちの部屋だ。

 「クーエンバッハ家か。」

 神様の言う通り、脳には記憶がしっかりとあった。
 この世の常識も、しっかりとインプットしている。

 「俺は、ソーイなのか。」

 まだ実感もいてはいなかったが、自分はソーイだ、ということは体に染み付いていた。
 新鮮さがありながらも、懐かしさも感じる。
 言葉では表せない、もどかしい感情だ。

 (とりあえず、ステータス見てみるか。)

 
 名前 ソーイ・テラス・クーエンバッハ
 性別 男
 年齢 5
 Lv  1/?(上限値不明)
 
 攻撃 98000 +7000
 防御 89000 +8000
 速度 93000 +6000
 体力 95000 +6000
 魔力 99000 +7000
 脳力 86000 +8000
 筋力 85000 +7000
 回復 90000 +7000

 視覚 A  A
 聴覚 S  S
 嗅覚  A+
 味覚  S+
 触覚  S

 魔法属性

 炎 水 自然 光 闇 無 氷
 
 《特殊能力》(隠匿)

 《スキル》

 ステータス鑑賞
 光羅こうら爆滅撃 創刺そうせきノ乱 超絶癒恵ヒール 全ステータス向上魔法 進化速超向上魔法

 《潜在能力》  

 限界突破 雄漸兜狼ゆうぜんとろう 超感覚 第六感解放 帝眼解放 覚醒

 《神付与能力ゴッドエンチャントスキル

 始叡全王神ゼロゼウスの加護
 造形神・ミケルの加護
 魔法神・エリクシールの加護
 攻撃神・スサノオの加護
 守護神・アヌビスの加護
 慈愛神・イザナミの加護
 慈悲神・メルリアの加護
 速隼そくと神・イザナギの加護
 時空神・クロノスの加護
 癒恵いけい神・アテナの加護
 
 《封解会得魔法》

 魔界使操魔法 聖栄大志聖法 龍化人ドラゴンブレイカー 

 《特別向上魔法》

 超越攻撃術 超越防御術 超越速度術 超越体力術 超越魔力術 超越脳力術 超越筋力術 超越回復術
 
 《崇帝すうていの義得》

 崇帝の義得 E


 「なんだこれ?」

 一見、とんでもなく高く見えるのだが...。
 多分、この世界ではまぁまぁすごい程度なのかな。

 (ソーイ!)
 
 頭から神様の声が聞こえた。

 (はい!こんにちは)
 (今はそれどころじゃない!良いか?良く聞け。俺はお前のステータスを、人より少し強くした。だが、最後に桁を二つ足してしまった。0を。)
 (え?)
 (だから!本当は3桁にしようとしたのだが、間違えて5桁にしてしまったんだ。すまない!今は時間がない、後で詳しいことは話す。)

 そう言うと、もう神様の声は聞こえなかった。
 どういうことだ?

 神様は俺を少し強くするために、3桁にしようとした。
 なのに、それに0を間違えて二つプラスしてしまった。

 ...

 とんでもなく強くなってしまったのか?
 まさかな、ははは。
 だって全ステータス向上魔法もある。そしたら強すぎちゃうじゃないか。

 (ヤバいヤバい!)

 加護もあれば、特別向上魔法とか言う、良くわからないのだってある。
 つまりそれだけで、とんでもなく強い。
 なのに、その上にステータス値が二桁プラスされたのだ。
 絶対に5歳のレベル1のステータスではない。
 というか、どれだけ極めようとしても、これだけ強くはならないだろう。

 しかも進化速超向上魔法だってある。
 レベルの上限値は不明だ。
 もう自分が怖くなってきた。

 「ソーイ!おはよう。」

 部屋のドアから母親が入ってきた。
 名前は、メリアル・テラス・クーエンバッハ。
 明るい性格に、美しい顔立ち。
 少し短気だが、優しい母親だ。

 「おはようございます。母上。」
 「今日は何の日だか覚えてる?」
 「ええ、分かっています。」

 メリアルはにっこりして、

 「ハッピーバースデイ!ソーイ!」
 「ありがとうございます!」
 「これからもずっと私の子供でいてね♪」
 「ええ、喜んで。」

 こうは言っても、平常心を保つのが精一杯だった。
 自分がとんでもない化け物だと知った今、落ち着いてなどは居られなかった。

 「じゃあ、朝ごはんだから、待ってるね。」
 「はい、すぐに行きます。」
 「あと今日は、アレの日だからね。」

 そうだった!教会に行って、自分のステータスを貰うという日だった。
 まぁ、この化け物的なステータスも、親族にはバレても別に良い。
 他人にバレて、世間にとって言い様に使われるのはごめんだ。

 「はい、楽しみです。」

 本心ではなかったが、そう言うしかなかった。
 だが、もうその部屋にメリアルは居なかった。

 ソーイは急いで支度をして、朝ごはんを食べて、外出の準備をした。
 教会に行くのに、正装をしないといけないらしい。
 まぁ、普通に考えればそうだな。

 ソーイはワクワクしていた。
 まぁドキドキもしていたが。(ステータスの件で)
 異世界の外の世界は、どんな世界なんだろう?
 ソーイは玄関の扉を押して、外に一歩踏み出した。


 
 
 
 
 
 
 
 
 

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