第136話　決勝戦　6

　ケンイチ達の戦いが終っていた頃、

「良くそれでSランク冒険者になれたね」

「は～は～」

　ブルームの女性剣士と対峙していたヒョウカ。ただ、戦闘開始から苦戦を強いられている。

「君、他のメンバーに比べると弱すぎないかな？　どうして君がソウルメイトのいるのかな？」

「私だって自分が弱い事くらい分かってる」

「そうなんだ。じゃなんでまだここに居るの？　一回戦のときも君足手まといになってなかったかな？」

　女性の言葉に対して何も言い返せないヒョウカ。唇を噛みしめて悔しく思っている。

「もう、終らそうかな？　飽きちゃったし」

　剣を構えてヒョウカへと向ってくる。先程まで手を抜いていたのかと思うくらい速度が上がっていた。

　それに対してヒョウカは、攻撃を槍で受け止める。だが、

「ライトブレード」

　受け止めた瞬間に、雷の刃が飛んでくる。ギリギリの所までその攻撃に気づけなかったヒョウカは攻撃を受けてしまった。

「あら、外しちゃったかしら？」

　笑いながら言ってくる。

「魔法、使っても良いのよ。　あ、でもここまで使ってないところを見ると使えないのかしら？」

　徹底的にバカにしてくる女性。

「私は、魔法だって苦手。四人の中でも一番弱い。だけど努力だけはしてきた。皆に遅れを取らないようにするために。ここまで戦いを引き延ばしたんだから」

「面白いことを言いますね」

　小声で放ったヒョウカの言葉を聞いていた女性。

「ケンイチ君、お姉ちゃん、ミカ見ていて私の戦いを」

　すでにケンイチ達の戦闘が終っていることに気づいていたヒョウカ。

「あら、あちらはすでに戦闘は終っていたのですね。皆さん負けたのですか、不甲斐ないですね」

　軽く辺りを見渡しながらそんな事を言っている。

「でも、私が全員を倒せば問題無いわよね」

「そんな事させない」

　女性が辺りを見渡しヒョウカから一瞬意識がそれた瞬間を見逃さず、接近していた。

「!!」

「終わりです」

　槍で叩きつけて倒した。

　そして、ブルームの四人目がやられたことによりケンイチ達ソウルメイト優勝が決まったんである。





「それではただいまより表彰式を執り行います」

　舞台の上へと登った俺達ソウルメイトとブルームの二パーティー。そこへと王様も俺達の後に続き舞台へと登ってきた。

「まず今回の優勝したパーティーソウルメイトのメンバーは前に」

　俺達は今立っている場所から一歩前に出る。そこで優勝のトロフィーが王様より渡された。

　そして、王様の閉会宣言によりSランクトーナメント戦は終了したのだった。