最強剣士異世界で無双する

夢見叶

第67話 王城潜入

ケンイチ達がセシルと遭遇していた頃。

「お兄ちゃん大丈夫かな?」

 セシルが城から出て行くのを見ていたミカ達。

「心配、だけど私達にも任務がある。それに二人は強い」

「そうだね。私達は二人を信じるしかないよね」

「うん」

 お兄ちゃんの事は心配だけど、今は信じるしかない。それよりも、魔族が城から出たことで入り口が開いている。

「ヒョウカ、あそこから中に入ろ」

「分った」

 私達は城の中に侵入した。その後すぐに入り口の扉は閉められてしまった。

「危なかった」

「そうだね。もう少し遅かったらなんかに入れなかったよ」

 私はホットしている。今回の侵入作戦はお兄ちゃんと別々で少し心細かった。それにもしお兄ちゃんに何かったら私どうしたらいいのか分らない。それでもお兄ちゃんに任された事だから頑張るしかないと思いながらここまで来た。

「ミカ、大丈夫?」

「何が」

「少し顔色が悪いよ」

「何でも無いよ。少し疲れちゃったかな?」

 正直、心の中はお兄ちゃんの事でもう一杯一杯。それにさっきの魔族の事で余計に不安。その全てが顔に出てたみたい。

「少し休む?」

「うんうん、大丈夫だよ。それよりも先を急ご」

「分った」

 それから、下に降りるための階段を探し始めた。





 あれから少し横になって休むことが出来たおかげで少しだけ体力を回復させることが出来た。

「起上がって大丈夫なの?」

「ああ、体力も回復できたよ」

「でも、本当に少ししか休んでないわよ。寝てもよかったのに」

 確かに寝れればもう少し回復も出来たかもしれないがそうしてしまうと、今張っている王都の結界やヒョウか達の結界が解けてしまうためそれはできない。

「気持ちだけ受け取っておくよ。それよりも先を急ご。もうミカ達城の中に侵入してるみたいだし」

「ええ!! そうなの。でも予定では私達が見張りを倒して入り口を開けた後に侵入って段取りだったわよね」

「当初の予定ではそうだったけど、もしかすると、セシルが城から出たことで一時的に入り口が開いたんじゃないかな。それで中に侵入出来たんじゃないかな」

「それしか考えられないわよね。なら私達も早く城の中に入らないといけないわね」

「ああ、行くとするか」

 それからすぐに城に向かって行動を再開した。

 セシルとの予定外の戦闘で時間をロスしてしまったが、最後に戦う数が三体から二体に減ったことはよかったと思うべきなのかもしれない。それに予定よりも城に着くのが遅くはなってしまったが、ミカ達がすでに城内部に侵入出来ているなら大丈夫だ。そう考えていた。

 それから少しして城の入り口に到着した。

「どうする? 門番が二人もいるぜ」

「決まってるでしょ」

「だよな。援護よろしく」

「了解!!」

 シェリーは敬礼のようなポーズを取って返事返した。それを見てこの状況の中で少し可愛いと思ってしまった。

「どうしたの。顔赤いよ」

「何でも無いよ」

 それだけ言って、見張りをしている魔族に正面から攻撃を仕掛けていった。

「なんだお前達は!!」

「ただの冒険者だよ」

 そのセリフと同時に切りかかる。二体の内遺体の魔族はシェリーの魔法によってすでに倒されていた。

「お前何をした」

「さあな」

 さすがだと思いながら、もう一体の魔族を一刀両断で倒した。

「余裕だったな」

 実際は余裕ではなかった。王都に結界を張ったことで自身の魔力の四分の一を使っていた。それに王都に入ってからの戦闘ではシェリーをかばっての戦闘、それに先程の魔族との戦闘での体力の消費でかなり疲れていた。体力を少し回復は出来たがもしかしたら幹部との戦闘は後一回が限界かもしれないと思っていた。

「そうね。早く入ろうよ」

 入り口の扉を開けて中へと入っていく。城の中は少し薄暗かった。

「少し前が見にくいわね」

「そうだな。でも見えないほどじゃないから大丈夫だろ。それに時間が経てば目も慣れてくるさ」

「そうね」

 城の中は少し狭くここでの戦闘は少しやりにくいと思った。

 気配察知で城の中を確認するとあちらこちらに魔族の気配があるが、一番強い気配二つは奥の部屋から動いていない。一安心。

 俺達は、先へ進むため城の中の探索を開始した。探索中は何故か魔族に遭うことは無かった。

「ケンイチ少しおかしくない?」

「俺も少し違和感を感じてる」

 気配察知では確かに魔族の気配を感じる。なのに何故魔族と遭遇しないのだろうか? かなり不思議である。

「でも戦闘がないおかげで楽に進むことが出来てよかったじゃない」

「そうだけど、なんか後が怖いんだよね」

 本当に怖い。もしこれが相手の作戦だとしたらかなりやっかいなことになりかねない。

「今は考えない方がいいと思うよ」

「そうだな。そのときにどうにかするしかないか」

「そうだよ」

 話しながら進んでいると、階段がある少し広めの場所に出たのだった。

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