最強剣士異世界で無双する

夢見叶

第41話 学院祭 2日目  3

 「君が僕の相手を1人でするのかい?」


 レオ先輩が俺に話しかけてきた。


 「そうですけど何か。」


 「いや別にいいんだよ。ただ、君1人じゃすぐに終わっちゃうよ。」


 「そうですか。ご忠告どうもありがとうございます。」


 一礼だけして、


 「それでは、先輩の胸を借りさせていただくつもりで行かせていただきます。」


 その言葉通り、こちらから攻めていった。


 右からの切りかかりにレオ先輩は左手で持っている剣で防ぎながらもう片方の手で持っていた剣で攻撃をしてくる。すぐさま後ろに下がりその攻撃をかわす。


 「いい攻撃ですね。なかなか筋がいいですよ。」


 「それはどうもセ・ン・パ・イ。」


 すぐさまもう一度攻撃を仕掛けた。今度はかわしながら、右側に回り込まれた。右手の剣で突きを放ってくる。それを何とかかわして、切りかかっていく。それを難無くかわされて、今度は左側から切りかかってくる。それをこちらもかわす。お互いに攻撃が当たらないまま均衡状態が続いてった。


 「準備運動も終わりましたし、そろそろ本気で行きますね。」


 「今までは本気ではなかったわけですか?」


 「ええ、そうですよ。まさかあなたは、すでに本気を出されていましたか。」


 「そんなまさか。こちらも準備運動のつもりでしたよ。」


 さすがに少し驚いていた。ここまでの先輩の攻撃、村での剣術大会の決勝で戦ったロイゼさんよりもかなり鋭かったのにまだ本気を出していなかった為である。


 今度は、先輩から切りかかってきた。先ほどより鋭さとスピードが数段階上がっていた。それをかわす右へとかわすと、左側からもう片方の剣で切りかかってくる。それを、後ろに下がることで何とかかわした。


 だが、俺が後ろに下がると同時に先輩が前に出て間合いを詰めてくる。すぐさま。攻撃を仕掛けていく。だが、それを軽々とかわされてすぐに攻撃が襲ってくる。何とかそれをかわすが、


 「では、もう一段階ギアを上げていきましょうか。」


 まじかと思った。今ですらギリギリなのにこれ以上スピードを上げると今の状態ではかわしきれない。それに、2本の剣と1本の剣では手数が違う。


 「まだ上があるんですか?」


 「あるよ。だってまだ3割位しか本気出してないからね。」


 かなり余裕そうであった。


 「それじゃ、こちらも少し本気を出させていただきますよ。」


 「面白いことを言いますね。そんなはったりは通用しませんよ。」


 「はったりかどうか、これからお見せしますよ。」


 強化と、魔力察知を使い攻撃を仕掛けていく。俺の攻撃を見ると、先輩の顔からは先ほどまであった余裕の表情は消えていた。レオ先輩は2本の剣で攻撃を受け止めた。


 「はったりではなかったみたいだな。」


 「だからそういったじゃないですか。」


 「ならこちらももう少し本気を出す事にしよう。ファイヤーボール。」


 剣を交えている俺に向かって魔法を放ってくる。それをかわして1度距離を取った。魔力察知を使っていたために魔法の発動にすぐ気づくことが出来た。ここまで先輩は最初に放った魔法以外使っていなかった。それを使ってきたと言うことは、かなり追い込まれていると言うことだ。


 それから、連続で火や水属性の魔法を放ってくる。それを剣で切り消滅させながら近づいていく。


 「凄いな。魔法を切り裂く所なんて初めて見るぞ。」


 「お褒めにあずかり光栄ですが、そんな余裕でいいんですか?」


 すでに先輩の近く迫っていた。そこから、さらにスピードを上げて、攻撃を仕掛けていく。だが先輩は俺の攻撃をかわそうとも防ごうともせずにいた。それを見て、あきらめたのではないかと思った瞬間、目の前から先輩の姿が消えた。いったい何が起こったのか分からなかったが、見失ったままではまずいと思い、すぐに気配察知を使い探した。すると、すぐ後ろから先輩が攻撃を仕掛けてきていた。気づくと同時に今いる場所から動いて攻撃をかわした。


 「先輩、いったい何をしたんですか?」


 「さて何のことだか。」


 これが先輩の本気かと思った。一瞬魔力を感じた気がするが一瞬の事過ぎて確信がつかめなかった。


 その為、もう一度さっきと同じように攻撃を仕掛けていく。今度は、先輩の魔力の流れに集中している。すると、一瞬ではあるが先輩の魔力が足に動くと感じた。その瞬間、また先輩の姿が目の前から消えた。今度は、気配察知を最初から使っていたため姿を見失うことはなく、すぐさま、先輩を見つけることが出来た。それに今ので、先輩の技のからくりもなんとなく分かった。


 「こちらも反撃と行かせていただきましょうか。」


 「どうやってかな?」


 「こうやってですよ。」


 さっきのを防御でしか使ってこならと思い、攻撃を仕掛けていった。俺が近づくと同時に先程と同じように目の前から先輩の姿が消える。だが、気配察知ですぐに先輩の場所も分かっていため、そこに向かって攻撃を仕掛けていく。今度は、俺の攻撃を剣で防いできた。


 「どうしたんですか先輩。先程のようにかわさないんですか?」


 「ちっ。」


 先輩は舌打ちしなが俺との距離を取ってきた。


 「今のを見抜いたのは褒めてやる。さすがに噂通りだったわけだ。」


 「どんな噂ですか?」


 「そんことどうでもいいんだろ。それじゃ、俺のとっておきを見せてやる。簡単にやられるなよ。」


 また先輩の姿が消えたかと思うと、次の瞬間目の前に現れた。すぐに後ろに下がり距離を取るがまた、一瞬で近寄ってくる。それと同時に攻撃が仕掛けてきた。それを剣で防ぐが、勢いがプラスされた攻撃は先程まで違いパワーがかなり上げっていて吹き飛ばされた。すぐに体勢を立て直す。だが、すぐさま攻撃を仕掛けてくる。今は防げているが、攻撃を受けるのも時間の問題となっていた。


 俺は、さすがにあれを使うしかないかと思っていた。






 一方その頃、シェリーとミカは、マルシャ先輩とハデル先輩と戦っていた。初めのうちはシェリーとミカは先輩達の魔法を相殺しなが戦う魔法戦になっていた。


 「さすがにそろそろ私の魔力が限界なんだけど、ミカの方はどう?」


 「私はまだ余裕あるけどこのまじゃ決着がつかないよね。」


 「そうね。一応私に1つ策があるんだけどどう?」


 「どんな、策?」


 「それはね。」


 ミカに小声で自分の策を伝えた。


 「分かったわ。それで私は何をすればいい?」


 「ミカは、今まで通り先輩達2人の魔法の相殺をしながら注意を引いておいて。」


 「了解!!」


 2人の反撃が始まるのだった。







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