聖獣物語 〜いざ頂点へ〜

WalaW

2話 これは…異世界?

 ………、………、………。

 ………。…あ…頭が…痛い……。

 …頭が割れるように痛い…。

 目も…痛い。というか体中痛い。

 少しずつ冴えていく頭の中でゆっくりと記憶のピースがはまっていく。そうだ…昼休みに起きた地震と光で気を失って……。
 
 …じゃあ今僕はどこにいるんだ?少なくとも背中の感覚から教室ではないことがわかる。う〜ん。目を開けないことには始まらない。今までにない精神力でゆっくりと目を開ける。辛い。痛い。さっきの光は相当強烈だったようだ。
 やっとのことで目を開けると、そこにはどう考えても教室ではない光景が広がっていた。

 ………青空?そして…草原?

 …どうやら僕は草原のようなところで寝ているみたいだ…。やっと動いてきた四肢の無事を確認して起き上がる。




 ………どこだここ……。


 目の前には何kmも続く草丈の高い草原。その先にはそびえ立つ山。周りはどこまでも続く海。

 …いや、確認しても夢を見ているとしか思えない光景。ありえない…。学校は?ほかの奴らは?ここは日本なのか?…もしかしてこれが異世界というやつか?僕は死んだのか?……駆は?………華は?

 溢れ出る疑問はきりがない。………全部夢だと思いたい。僕はもともと、どんな状況でも勇気を出して乗り越えよう!という性格ではない。もし、これが現実ならば…僕は受け止められるのだろうか…。

 はあ…とため息をつき、ここで悩んでいても仕方がないな…。とりあえず歩き回ってみよう、と思い立ち上がったその時。



 ……いや!見間違いではない。ここにまで来てようやく落ち着きを取り戻したかもしれない。少し離れたところに転がっているのは…あいつだ!
 

 

 そう。草に隠れるように倒れていたのは、放課後買い物行こうとか誘ってきた、クラスで一番見慣れた顔のやつ。駆だった。

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