甘え上手な彼女4 冬編
第27話
*
「ふぁ~あ……眠いな……」
大石は職員室で欠伸をしながら、パソコンの画面を見ていた。
昨晩はテストを作りで遅くなり、あまり寝ていない大石、自然と出る欠伸もこれで三回目だ。
「眠そうですね」
「昨日徹夜でテストを仕上げてまして……まぁ、今日はもう授業が無いから良いですけど……」
「私のところは今から採点と言う地獄の始まりですよ……」
隣の江崎(えざき)先生の話しを聞きながら、大石はため息を漏らす。
自分も明日にはその地獄を味わう事になる。
100名以上の生徒のテストを採点するのは、結構時間と労力が掛かる。
「それよりも大石先生はさっきから何を調べているんですか?」
「え? あ、あぁ……な、なんでもありませんよ」
大石はそう言いながら、パソコンを閉じた。
実は大石は、クリスマスのデートコースを考えている真っ最中だった。
先日、松島先生に言われ保永先生をクリスマスに食事に誘ったのは良かったが、どこにつれて行けば良いのか大石は悩んでいた。
「うーむ……イタリアンか? それとも……フランス料理なんて知らないし……」
パソコンで、美味しくてお洒落な店を調べる大石だったが、なかなか良さそうな店が見つからない。
「居酒屋ってわけにも行かないしなぁ……」
女性とのちゃんとした食事なんて久しぶりな大石は、女性とどうやってデートをするのかをすっかり忘れていた。
「はぁ……まぁ時間はまだあるか……」
大石はそう考え、席を立ち外の空気を吸いに行った。
「はぁ~どうしたもんか……」
「あ! 大石先生!」
「ん? あぁ、保永先生……」
クリスマスの事を考えながら大石が歩いていると、目の前に保永先生が現れた。
「何してるんですか?」
満面の笑みで尋ねてくる保永先生に、大石は若干身を引きながら答える。
「いえ、職員室に籠もりっきりだったので、ちょっと外に……先生は?」
「保険医は生徒が居ないと暇なので、ちょっと資料をまとめようかと思って」
「そうでしたか……それじゃあ邪魔すると行けないので自分はこれで……」
そう言ってその場を去ろうとした大石だったが、その瞬間保永先生に肩を掴まれてしまった。
「良かったら保険室でお茶でもどうですか?」
「いえ……私は……」
「遠慮なさらずにどうぞどうぞ!!」
「だ、だから私は!!」
有無を言わさず、保永先生はその細い腕で大石の肩を掴んで保険室まで引っ張っていった。
*
学校の図書室、テスト期間中この場所はいつも以上に混雑する。
静かでパソコンもあり、勉強をするには持ってこいの環境なので、テスト勉強には持ってこいだった。
そんな図書室で赤西と朋香は勉強をしていた。
「………」
「………」
向かい合わせで机に座り、黙々と勉強をする二人。
「ん……なぁ西城」
「何?」
「ここがわからねーんだけど」
「あぁ、そこは……」
分からないところは朋香に聞き、珍しくテスト勉強を真面目にやっている赤西。
テスト期間中は部活も休みなのでほとんど毎日朋香と居る赤西。
最近周囲から殺意の込もった視線を向けられるのも慣れてきていた。
「なぁ……」
「何? もう飽きたの?」
「ちげーよ……そろそろ飯食いに行かないか?」
「あぁ、もうお昼なのね……そうね、ファミレスでも行く? 勉強も出来るし」
「そうだな、じゃあ移動するか」
赤西はそう言って立ち上がり、勉強道具を仕舞い始める。
左腕がまだ使えない事もあり、少しモタモタしてしまう赤西。
そんな赤西を心配し、朋香も赤西の片付けを手伝う。
「悪いな、なんか毎回」
「良いわよ、アンタは怪我人でしょ? 遠慮なんかしないでよ」
「いやでも……お前最近毎日……」
「良いの! 良いからほら、早く行くわよ」
「お、おう……」
彼女である朋香にはあまり頼りたくないと赤西は思っていた。
どうせなら頼られたい。
そうは思っていても、片腕が使えない状態では頼りがいが無い。
「ふぁ~あ……眠いな……」
大石は職員室で欠伸をしながら、パソコンの画面を見ていた。
昨晩はテストを作りで遅くなり、あまり寝ていない大石、自然と出る欠伸もこれで三回目だ。
「眠そうですね」
「昨日徹夜でテストを仕上げてまして……まぁ、今日はもう授業が無いから良いですけど……」
「私のところは今から採点と言う地獄の始まりですよ……」
隣の江崎(えざき)先生の話しを聞きながら、大石はため息を漏らす。
自分も明日にはその地獄を味わう事になる。
100名以上の生徒のテストを採点するのは、結構時間と労力が掛かる。
「それよりも大石先生はさっきから何を調べているんですか?」
「え? あ、あぁ……な、なんでもありませんよ」
大石はそう言いながら、パソコンを閉じた。
実は大石は、クリスマスのデートコースを考えている真っ最中だった。
先日、松島先生に言われ保永先生をクリスマスに食事に誘ったのは良かったが、どこにつれて行けば良いのか大石は悩んでいた。
「うーむ……イタリアンか? それとも……フランス料理なんて知らないし……」
パソコンで、美味しくてお洒落な店を調べる大石だったが、なかなか良さそうな店が見つからない。
「居酒屋ってわけにも行かないしなぁ……」
女性とのちゃんとした食事なんて久しぶりな大石は、女性とどうやってデートをするのかをすっかり忘れていた。
「はぁ……まぁ時間はまだあるか……」
大石はそう考え、席を立ち外の空気を吸いに行った。
「はぁ~どうしたもんか……」
「あ! 大石先生!」
「ん? あぁ、保永先生……」
クリスマスの事を考えながら大石が歩いていると、目の前に保永先生が現れた。
「何してるんですか?」
満面の笑みで尋ねてくる保永先生に、大石は若干身を引きながら答える。
「いえ、職員室に籠もりっきりだったので、ちょっと外に……先生は?」
「保険医は生徒が居ないと暇なので、ちょっと資料をまとめようかと思って」
「そうでしたか……それじゃあ邪魔すると行けないので自分はこれで……」
そう言ってその場を去ろうとした大石だったが、その瞬間保永先生に肩を掴まれてしまった。
「良かったら保険室でお茶でもどうですか?」
「いえ……私は……」
「遠慮なさらずにどうぞどうぞ!!」
「だ、だから私は!!」
有無を言わさず、保永先生はその細い腕で大石の肩を掴んで保険室まで引っ張っていった。
*
学校の図書室、テスト期間中この場所はいつも以上に混雑する。
静かでパソコンもあり、勉強をするには持ってこいの環境なので、テスト勉強には持ってこいだった。
そんな図書室で赤西と朋香は勉強をしていた。
「………」
「………」
向かい合わせで机に座り、黙々と勉強をする二人。
「ん……なぁ西城」
「何?」
「ここがわからねーんだけど」
「あぁ、そこは……」
分からないところは朋香に聞き、珍しくテスト勉強を真面目にやっている赤西。
テスト期間中は部活も休みなのでほとんど毎日朋香と居る赤西。
最近周囲から殺意の込もった視線を向けられるのも慣れてきていた。
「なぁ……」
「何? もう飽きたの?」
「ちげーよ……そろそろ飯食いに行かないか?」
「あぁ、もうお昼なのね……そうね、ファミレスでも行く? 勉強も出来るし」
「そうだな、じゃあ移動するか」
赤西はそう言って立ち上がり、勉強道具を仕舞い始める。
左腕がまだ使えない事もあり、少しモタモタしてしまう赤西。
そんな赤西を心配し、朋香も赤西の片付けを手伝う。
「悪いな、なんか毎回」
「良いわよ、アンタは怪我人でしょ? 遠慮なんかしないでよ」
「いやでも……お前最近毎日……」
「良いの! 良いからほら、早く行くわよ」
「お、おう……」
彼女である朋香にはあまり頼りたくないと赤西は思っていた。
どうせなら頼られたい。
そうは思っていても、片腕が使えない状態では頼りがいが無い。
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