別話アレクの生まれた日

オギャー！オギャー！

大きな王城の静かで暗い廊下に生まれたての赤ん坊の声が鳴り響く

この国アースガルドの国王ガイル・ディア・スコールは自分の子供が生まれるのを今か今かと待っていた

そして━━━━━━━

バタンッ、っと扉があき顔に汗をうかべながらメイドが出てきた

「国王様！お生まれになりました！元気な男の子に御座います！」

「何？！生まれたか！アイナールは無事か！？」

「はい！ですが、王女様は大変疲れており、今は寝ております」

「そうか、無事で良かった。赤ん坊を見たいんだがいいか？」

「かしこまりました」

そういうとメイドはガイルを部屋に入れ布にくるまれた赤ん坊を抱っこしてきた。

「おおっ！可愛な～、」

「…失礼ながらあまり大きい声で喋ると王女様とこの子が起きてしまわれます」

部屋の隅で待機していたメイドが注意をする

「あっ、すまぬ」

「それより国王様、お仕事はよろしいので？
」

「あっ、もう少しこの子といたいが、しょうがない、ライナ！この子を頼めるか？」

ガイルは、自分の腕の中にいたすやすや眠る赤ん坊を名残惜しそうに渡す

「お任せを」

「うむ、それでは仕事に戻ろう」

━━━数時間後

ガイルは今日の分の仕事を終わらせ寝る準備をしていた。いつもなら王女様…アイナールと寝るところだが今日は出産で、疲れているため一人で寝ることになる

「もう寝るか」

ガイルはそういって布団に入り夢を見たそして不思議な声が聞こえてきた
～～

…イル

ガイル！聞こえるか？今日赤ん坊が生まれたであろう？

(誰だ？)

重要なのはそこではない。本題に入るぞ今日生まれた赤ん坊だがやがてとても強くなるだろう、だから気をつけて育てる事だ分かったな？

(……よくわからんが大切にかつ、気をつけて育てればいいんだな？)

そういう事だ

(分かった、約束しよう)

うむ、それではな、ガイル

ガイルの夢はここで途切れた

別話アレクの生まれた日終