魂狩りのダンジョンマスター ~慈悲も容赦も持ち合わせておりません!~

カルディ

第46話 セカンドリユニオン


「グルゥゥゥ‥‥‥」 

 用意したスペースに召喚されて、鳴き声を発しているグリフォンを前に、僕は固唾を飲む。
 知っていたとはいえここまで強力な魔物を召喚するのは初めてなので、従えられると分かっていても少しばかり緊張してしまった。

 移動手段を手に入れたところでさっさと王都に向かいたいところではあるが、今後のために一つ手間をかけたいと思う。

 僕は管理室からカワキリムシを呼んで来ると、グリフォンの鞍を作るように指示を出した。
 一応鞍が無くても乗れることは乗れるだろうが、鞍があるのとないとでは乗りやすさが段違いだろう。
 それに、グリフォンの速度次第では身体強化を使わないと振り落とされかねない。

 指示を出すと、カワキリムシは戦々恐々としながらもグリフォンに近づき、採寸を始めた。
 グリフォンが鳴き声を発する度に、カワキリムシが反応して採寸を一時的に中断してしまうというトラブルもあったが、グリフォンに鳴き声禁止の指示を出して、なんとか採寸を終わらせることが出来た。
 後は出来上がるのを待つだけだ。

 今ダンジョン内でしたいことはこれで終わりになる。
 最終的に残ったポイントは4690ポイント。
 前に比べてだいぶポイントに余裕を持てるようになったなあ。
 まあ無理に使うこともないので、将来のためにとっておくとしよう。

 ダンジョン内での作業を終えた僕は、コピースライムの入った背嚢を背負ってグリフォンと共に外へ向かった。
 そうして外に出て空を見ると、かなり日が傾いてきていた。
 出来るだけ目撃されたくないため夜間に移動したいところではあるが、夜になるのを待てるほど時間に余裕があるわけではないので、さっさと出発することにする。

 僕はグリフォンの背中に乗って、振り落とされないようにしがみついた後、グリフォンに王都の方角へ向かって飛んで行くように指示を出した。
 すると、グリフォンは忠実に命令を守り‥‥‥凄まじいスピードで飛行を開始した。

 余裕があったら付与魔法をかけてやろうと思っていたのだが、余裕なんてものは今は全くない。
 しがみつくので精一杯だ。
 グリフォンは風属性の魔力を持っているので、もしかしたら魔法を使って風を発生させ、速度を出しているのかもしれない。

 こうして必死にしがみついて移動している間に日は暮れ、夜になり‥‥‥気が付くと、王都の上空に到着していた。
 正直くたくただが、ここが踏ん張りどころだ。
 夜は城門が閉まっているため、上空からバレないように王都に降りなければならないのである。

 まずは視力を強化し、なるべく明かりが少なくて、尚且つ人がいなさそうなところを探す。
 そして、良さそうな場所を見つけたら、その場所の上空に移動して徐々に高度を下げてもらう。
 最後にフル強化状態に移行して、着地してもダメージを受けない高さになったのを見計らい‥‥‥僕はグリフォンから飛び降りた。
 当然着地音がなるのでその場から素早く離脱し、裏路地に入り込む。

 ちなみにグリフォンにはダンジョンに帰るように指示を出しておいた。
 帰るときは思考で指示を飛ばして迎えに来てもらうつもりだ。
 距離が離れているため思考での指示が届くかどうか分からないが、今のところ距離制限は確認していないため届くものだと思いたい。

 取り敢えず王都には入ることが出来たので、続いて葵さんに合流するために王城に侵入していく。
 とは言っても前とやることは変わらない。
 城の壁を登ってバルコニーまで行き、そこから中に入るだけだ。
 鉄鎧を着ていない分、前よりも楽だった。

 今回は衛兵の恰好をしていないので、耳を澄ませて衛兵の足音を聞き、見つからないように気を付けながら彼女の部屋を目指して王城の中を進んでいく。

 ‥‥‥前より巡回が厳しくなっている。
 流石に王城内で虐殺事件が起きて犯人が捕まらないとなれば警戒されるか。

 厳しくなった巡回のせいでヒヤッとする場面もあったが、なんとか誰にも見つかることなく目的地にたどり着くことが出来た。
 大きな音を出して扉をノックするわけにもいかないので、鍵穴からアクアマリンスライムを部屋に送り込み、葵さんを起こしてもらう。
 以前このスライム従えていることは話しているので、多分僕だと気づいてもらえるはずだ。

 本当はこんな真似はしたくなかったが、命を懸けた作戦の準備を前にどうのこうのと言ってられない。
 遠慮をして、それが原因で失敗してしまってはそれこそ申し訳が立たないしね。

 待っていると、部屋の中から物音が聞こえてきた。
 その物音は段々扉の方に近づいてきて‥‥‥

「申し訳ありません。こんな夜遅くになってしまって」
「そんなこと気にしないでください。ほら、早く中に入らないと見つかっちゃいますよ?」
「‥‥‥やっぱり君には敵いませんね」

 いつものように事情をすっかり見透かされた僕は、苦笑いしながら部屋に入った。

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