転生したら愛がいっぱい?!(仮題)
目覚めた世界─メルキアス
私は二度目になる目覚めを感じた。
しかし、目の前にあるのは、森、木、草……緑のオンパレード。
私は何故か大自然のなかで目を覚ましていた。
「えっと…ここ、どこ?」
私は立って歩こうとしたが、不自然なバランス感覚に転んでしまった。
「うぅ……」
じわりと滲む目。痛みで涙が溢れてきた。転んだくらいで泣くなんて、こんな子供みたいな……あ、今子供だ。
とりあえず、現状を把握し、落ち着いた。
神様によって生き直す機会を与えられ、この世界にやって来たのだ。その際に与えられた『身体』は、五才くらいの子供の身体だった。
通りで、いつも通りに身体を動かそうとして転ぶわけだ。
とりあえず、しばらく身体を動かして、五才児の身体に慣れることに専念した。
「よし!だいじょーぶ!」
ようやく新しい身体に慣れた頃、現状を再び確認した。
「ここ……森だよね?なんで森?」
(解答、ここはオリーブス大陸の中央部にある大森林“ミスティカ”です。)
「うわっ?!なにこれ?!」
まるで地球にあったゲームのような画面が目の前に浮かんでいた。そこに、私の質問について答えが帰って来たのだ。
普通に驚く。
「あなた……だれ?」
(解答、私は人ではなくスキルです)
スキル?またゲームみたいだな……。
(申告、神より神言があります。聞きますか?)
「え?神言?って神様の言葉?」
(解答、その通りです)
「じゃ…じゃあ、お願い」
(解答、神言を再現します。
『アリスよ、目覚めただろうか?
お前さんが戻って来たこの世界はメルキアスという。お前さんの持つ知識で言うなれば、剣と魔法の、ゲームのような世界じゃ。もちろん魔物なども居る。
ここでは、己のスキルがあらゆることを補助してくれる。のんびりやってみるとよいであろう。
さて、現状に驚いているかもしれぬが、許してほしい。その森は今だ人の入ったことのない未開の大森林。そこであればしばらく身を隠せるであろう。
なぜ、隠さなければならないのかというと、それは先程言ったスキルに関係する。“ステータス”と唱えると、お前の持つ鑑定のスキルが自動的に可視化してくれるはずじゃ。自分のスキルを確認してほしい。それでワシの言った意味が分かるはずじゃ。
では、お節介はここまでじゃ。よき人生を送るのじゃぞ』
以上です)
色々ツッコミたいけど、とりあえず、神様の言うとおり言ってみた。
「ステータス!」
(解答、ステータスを鑑定しました。表示します。
名前:アリス・ロゴス
HP:測定不能
MP:測定不能
スキル:料理 Lv.MAX
                神託 Lv.MAX
                テイム Lv.MAX
                召喚 Lv.MAX
ユニークスキル:異次元収納倉庫
EXTスキル:鑑定(神)
称号:神々の愛し子
            愛される者
加護:神々の祝福
以上です)
「えぇ?!!!!」
自分のステータスを見た瞬間、驚かずには居られなかった。どう見ても、なんか凄そうなのが多々ある。
えっと、ホントにこれが私のステータス?
「か、鑑定さん!このスキルとか称号の詳細ってわかる?」
(解答、詳細を鑑定できます。問、鑑定しますか?)
「うん!」
(解答、詳細を鑑定しました。
スキル:料理Lv.MAX
料理について補正がききます。作るだけでなく、あらゆる食材の調理法がわかります。
スキル:神託Lv.MAX
神の声を神殿なのどの神聖な場所で聞くことが出来ます。スキルレベルがMAXなので、神殿がなくとも、祈りを捧げる場所を作り、祈り続ければ、そこを聖域に認定できます。
スキル:テイムLv.MAX
魔物を従えることのできるスキルです。スキルレベルがMAXなので、あらゆる魔物をテイムできます。
スキル:召喚Lv.MAX
魔物や精霊などを召喚することができます。スキルレベルがMAXなので、あらゆる魔物や精霊を任意に召喚出来ます。
ユニークスキル:異次元収納倉庫
あらゆる物を異次元の倉庫に収納できるスキルです。大きさや重さにかかわりません。ただし生き物は収納出来ません。
EXTスキル:鑑定(神)
あらゆる事象を鑑定、解析できます。スキルレベルが神なので、この世のことで知れぬことはありません。
称号:神々の愛し子
神々に愛される人間に贈られる称号です。副次的効果として、怪我や病気などの状態異常完全無効があります。
称号:愛される者
魂の資質、体質のことです。あらゆる生物に好かれやすくなります。
加護:神々の祝福
複数の神に加護を与えられた場合のみ特別につく加護です。副次的効果として、誰にも害されない完全防御があります。悪意をもって攻撃、魔法、呪いの類いがくると、自動的に1㍍ほどのところで弾き返します。
以上です)
ぎゃああああああああああ!!!
わぁ!ビックリ!を越えて、心のなかで奇声をあげるほどだよ!
ナニコレ?!恐ろしいな私のスキル!!
確かにこれは、おいそれと人前に出れない。
「知ってる……地球で、こういうの『ちーと』っていうんだよ……」
私は脱力した。
こうなったら、なんとでもなれ!
「まずはアリスのスキルを確認しよう!」
こうして私は、一人でサバイバルが始まった。
「がんばるぞ!」
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