廃課金ゲーマーの異世界ライフ〜何処へ行っても課金は追ってくる〜

こう7

買取お値段



決意を決めて添い寝を断念した日からもう2週間ほど経過した。
一度目に添い寝を拒んだのにあらゆる理由を持ち込んでは何度も挑んで来る。身体は少年でも中身はおっさんだ勘弁してくれ。

クロコは諦めるのが肝心ですぜしか言わないし。


この2週間はその夜の問題以外は比較的順調に過ごせていた。
なけなしのお金からポータルを一つ購入して迷宮にもちゃんと行けた。
残り所持金が100万zを切った。一見多く見えるけど解放の事を考えれば少な過ぎる。

早くコロックさんから知らせが来ないかな。

二人の実力確認も無事終わりました。
シルヴィアがスキルの挑発で集合させてリリーの範囲魔法で殲滅。こういう時はしっかり息が合っている。
確認と素材採取の為とはいえ、ドラゴンに対して悪逆非道の限りを尽くしてしまった。
少し可哀想に思う。


そして、現在。
今日も迷宮でスキルの確認でもしようかななんて思っていると部屋にマーロさんがやって来た。

「ちょっと良いかい?アンタにお客さんが来てるよ。」

「お客さん?」

「そうお客さん、下で待っているよ。」

誰だろお客さんって。
とりあえず待たせっぱなしも悪いから下に降りるとしよう。
両隣で控えていたリリー達も一緒に付いて来る。うちの配下は心配性ばかりだ。


下に降りて入口付近で俺を待っていたお客さんはなんと久しぶりのジンさんとアレクさん。
同じ街に居たのにすれ違いが続いてなかなか会えていなかった。

「ジンさんにアレクさん、お久しぶりです。お元気そうでなによりです。」

「おう坊主、お前も元気そうひぃっ!?」

俺への坊主発言にシルヴィアが殺気を放ってしまった。
慌てて止める。

「シルヴィア落ち着いて、どうどう。」

肩をトントン叩いて宥める。すると、シュンと殺気が収まる。

「え、えらい凄みのある嬢ちゃんだな。坊…ユウの仲間か?」

「はい、俺の仲間です。シルヴィアとこっちの子がリリーです。」

いきなり殺気を放たれたにも関わらずシルヴィアを嬢ちゃん呼びする。
なかなか胆力がある人だ。
流石に坊主呼びは一旦止めたようだけど。

前々から話には出ていたけど、シルヴィア達にもジンさん達の事を紹介する。

そこは省略して用件を聞こう。

「ところでジンさん達は何の用ですか?」

「おう、コロックの旦那が買取金を全部用意出来たってんで呼びに来たんだよ。お前すごいじゃねぇか、ドラゴン倒したんだってな!」

コロックさん、俺達がドラゴン倒した事ジンさんに教えたんだ。
別に特別内緒にしている訳じゃないから気にしない。けれど、少し照れる。

「やっぱりあの時から感じてたがかなり強いんだな。今度、時間あったら手合わせお願いしてもいいか?」

「あ、僕もいいかな?」

「はい、良いですよ。」

いつになるかはまだ不明、でもアレクさん達との手合わせが決定した。
対人戦はギルドでの一件のみだから丁度いい練習になりそう。

ジンさん達と約束したら、元々の本件である買取金の受け取りにランパード商会へ向かう。

商会に到着。
中へ入ったところでジンさん達はまた何処かへ行ってしまった。
以前、怪しむ様に見ていた受付のお姉さんがすこぶる笑顔で歓迎してくれた。あの日見た受付嬢の不審げな目を俺達は忘れない。

「ようこそいらっしゃいましたユウ様!19歳独身好きなタイプはお金持ちな年下こと私が懇切丁寧にご案内致します。ささ、どうぞこちらへ。」

揉み手に猫なで声。
これほどまでに下手に出る人を見た事があるだろうか。
ここまで思いっきりやられるといっそ清々しい。

以前と同様の客間に案内されて紅茶を受け取るまで彼女のへへっな媚び笑いと大袈裟なくらいの敬語は続いた。
可笑しくて逆に好感が持てる不思議。

部屋を出る際ウィンクを忘れずやって受付のお姉さんは出て行き、入れ代わりにコロックさんが入って来た。

「ユウ様、お久しぶりです。わざわざお越し頂き誠にありがとうございます。」

「いえこちらこそちゃんと売れたようで良かったです。

「えぇ、もうたんまりと各方々に買わせましたよ…ぐふふ。」

コロックさんにしては人が悪い顔でほくほく笑う。あと、様付けに変わっている。
いったい幾らで売れたんだろう。

「では、お金をご用意致しますね。冒険者でも商人でもギルドに入っていればお金を預けてカードから引き出せるんですが、ユウ様はそれが出来ませんので全て現金でお渡しします。我が商会で預かる事も出来ますがどういたしますか?」

「いえ収納出来ますんで全て受け取りますよ。」

「ユウ様アイテムボックス持ちでしたね。ならば問題無いでしょう。今、部下に持ってこさせているのでもう少々お待ち下さいませ。」

しばし紅茶を飲んだりコロックさんと他愛のない話で花を咲かせる。
すると、コンコンノックの後に扉が開かれた。

コロックさんの部下らしい人達がエコバッグサイズの袋をいくつも抱えてやって来た。
そして、目の前のテーブルに積み重ねていく。


「大金貨や更にその上の白金貨では使いづらいと思いましたので全部金貨にしました。合計金額1億8千万zです。」

1億8千万z?
………………こりゃ、すげぇ。


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