廃課金ゲーマーの異世界ライフ〜何処へ行っても課金は追ってくる〜
新たな配下2
新たにシルヴィアとリリーが加わり、クロコと二人だけでもかなり強固だった戦力が更に難攻不落へ近付いて行きました。
ひとまず二人がこの場に居るのは街への不法侵入扱いになってしまう。
「リリーは何か姿を消せる魔法を使える?」
基本的にセーフティアではスキルが主流、けれど種族や職業によっては魔法の概念もある。
但し、この世界と同じかどうかは分からない。
「ん、出来る。」
「だったら、リリーとシルヴィアはとりあえず姿を隠してもらって街の外まで行っててくれる?俺達もすぐに向かうから。」
「ん、分かった。主待ってる。シルヴィア、消すから近寄る。」
「だから、主君への態度というものが…。」
「うるさい。置いてく?」
「なっ!?この…。」
ぶつくさ言いながらもなんだかんだでリリーに近寄る。
シルヴィアとリリーの相性がここまで悪いとは…。
ゲームと違った新鮮さを感じるも解放の順番を間違ったかもと少しだけ後悔。
「じゃあ、外で待ってる。早く来てね。」
「…ったく、貴様は。主君、お待ちしております!」
それぞれ一言告げてリリーの魔法のステッキが輝く。
カラフルな小さなお星さまが彼女の周りを踊る。
演出凄い。
キュルピーンと謎の効果音が鳴ったかと思えば姿を消した。
姿は見えなくなったけど、消えた後に扉が勝手に開いたので移動しているのだろう。
気配すら感知できないくらい消すなんて流石魔法少女リリーだ。
「クロコ、俺達も行きますか。」
『へい!』
すぐには外へ向かわない。
まずはマーロさんにこの後街の外から二人連れが増える事を伝えて、もう一部屋借りなければならない。
その旨をマーロさんに伝えた。
「外から二人仲間がやって来る?」
「はい、さっきえーと手紙が届きましてもうすぐ着くそうなんです。それでもう一部屋お借りしようかと思ったんですが空いてますか?」
「二人部屋かい?」
「はい。」
「空いてるよ。連れて来てから宿代を頂くからね。」
「はい、分かりました!」
マーロさんに空室の確認も出来た事だし迎えに行きましょう。
宿屋を出て今日も門番をしているモルドさんに一礼して外へ出た。
門番ってモルドさん以外もいるよね?
迷宮へ続く道から逸れた森の中へ行く。
「リリー、シルヴィア出て来ていいよー。」
二人はガサガサの音を合図に俺の目の前に現れた。
「主、お迎えありがと。」
「主君、お呼び頂きありがとうございます。シルヴィアここに馳せ参じました!」
この挨拶の違い、どちらもそれぞれ好みな挨拶です。
「じゃあ、また街に戻ろうか。二人の実力確認はちょっと考えている事があるからその時にしよう。もう夕方になるしね、帰ろっか。」
「「「はい(うん)(へい)!!!」」」
シュトールへ向かおう。
シルヴィアは守護人と生真面目な性格から率先して前に立つ。
リリーは………あれ?
後ろを振り向くとその場から動かないリリー。
ジッと見つめる瞳と合う。
「リリーどうした?具合でも悪いのか?」
「主、リリーは魔法を頑張った。ご褒美を要求する。」
「ご褒美?」
「ん、お姫様な抱っこをして欲しい。」
「うーん、まぁ良「リリー貴様、主君に対してなんたる羨ま…不敬な要求か!!この場で斬ってやろう!!」シルヴィア落ち着いて。」
シルヴィアの堪忍袋の緒が食い気味にブチッと切れた。
背中に背負っていた長槍の切っ先をリリーに向ける。穏やかじゃない、二人の間に見えない電撃がバチバチ鳴っている。
どうしよう?
「どうしよう?」
『だ、旦那。落ち着かせる意味も込めてシルヴィアの頭をポンポンと撫でてあげてやってくだせい。』
『え、そんな事でおさまるの?』
『大丈夫っす!シルヴィアはそれで落ち着くはずっす!』
同僚であるクロコが言うんだ、間違いないだろう。
獣でもないのに赤髪を逆立てグルルと唸るシルヴィアの頭を軽くポンポンして撫でる。
「まぁまぁ落ち着いて、ね?大切な仲間同士が争うところなんて俺は見たくないよ。」
「……………ひゃい。」
おぉ、クロコが言った通り本当に大人しくなった。
肩をもじもじさせてしおらしい。
「む…。主、やり過ぎ。」
何をどうやり過ぎたのか不満げに頬を膨らますリリーはしがみつく様に腕を組んで来た。
妹に甘えられているみたいで悪い気はしない。
けれど、またシルヴィアから不穏なオーラを感じるからこのままはマズイと思う。
さて、どうしたもんか。
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