廃課金ゲーマーの異世界ライフ〜何処へ行っても課金は追ってくる〜

こう7

迷宮




現在、迷宮前。
本当は図書館があれば色々調べたかったけど、門番のモルドさんに聞いたらこの街には無い。王都まで行けばあるらしいけど、身分証を持たない俺では入れないと言われた。

この国の名前はオーランド王国ってコロックさんから教えて貰ったけど、この世界の名前は聞いていない。
流石に怪しまれそうだもん。

まぁ気長に調査していけばいいかな。

情報収集を諦めたので繰り上がって迷宮に挑むつもり。
マーロさんに迷宮行きを伝えたら3日分支払った宿代のうち2日分を返された。

「あんたみたいな子供が迷宮だなんて…。あたしにそれを止める権利は無いけど、無茶はするんじゃないよ。無事な姿でまた泊まりに来なよ。」

「はい、ちゃんと状況を見極めて行動しようと思います。そして、また泊まりに来ます。」

とても心配してくれるマーロさんに大きく手を振って迷宮へ向かう。


迷宮は街の中ではなく外にある。
ちゃんと迷宮までの道は整備されていて馬車でも通れるようになっている。
けれど、左右は森の為かそれでも魔物が飛び出てくる。
しかも出てきたのは異世界に相応しい魔物であるスライムやゴブリン。
ようやくお会いすることが出来ました。
なのに、姿が見れた次の瞬間にはクロコの影に消えていってしまった。

『この程度の雑兵、旦那の手を煩わせる訳にはいきやせんので…。』

またしてもクロコの忠誠心が立ち塞がる。
この主人想いの忠犬め、そのピコンピコンさせるお耳をふにふにしてくれるわ。



そんなこんなで和気あいあいに戯れつつ到着。
街で一番大きな収入源だけあって冒険者達が何組も訪れている。
そして、次々に先にある大きな洞穴へと向かっていく。
俺達も行くとしますか。

洞穴まで冒険者達の間をくぐり抜けて進む中でいくつもの訝しげな視線を浴びてしまった。
昨日の騒動を見た者がいるのかそれとも見た目少年寄りな俺を心配してくれているのか。

変に声を掛けられても面倒なので前だけ向いて早歩きする。


近付いて分かる洞穴の大きさ。
少しは整備されているのか照明代わりの松明が均一に設けられていた。
松明の灯りに従って行くと下へと続く大きな階段が。

ここを降りたらもう迷宮。

チートなステータスでもやっぱり怖いもんは怖い。
けれど、それを決して配下であるクロコに見せる訳にはいかない。
主がビビリなんて情けないもん。


心の中で覚悟を決めてゆっくりと降りていく。
迷宮の特性なのかそこそこ明るい。これで真っ暗だったら男らしい悲鳴を上げたと思う。
降りたはいいけど何処に続いているか分からない横穴が複数ある、どれを進もう。
悩む俺をよそに他の冒険者達は何やら地図のような物を取り出してそれを見ながら進んで行っている。

そんなものがあるんだね。
いいもんね、こっちは幾らでも時間がある虱潰しに次の層への階段を見つけてやる。



ひとまず先程冒険者が通って行った道を選ぶ。
でも、少し進んだらすぐ分岐点。
正面か右左、さてどちらだ?

そんな悩める主人に光明が。

『旦那、差し出がましいかもしれやせんが次は右っす。』

「えっ!?クロコ分かるの?」

驚きのあまり念話を忘れて声に出してしまった。
幸い周りに人が居なくて良かった。

『へい、影を周囲に放ちやしたので順路は把握しておりやす。問題無く進めるっす。』

クロコを最初に解放して正解だった。
あの時のヘタレた自分を褒めてやりたい。
クロコに感謝を告げて最短距離で次の階段を目指す。


そして、本当にあっという間に2層へ続く階段を発見した。
結果的にその後もクロコの案内によりどんどん降りていく。
気が付けばもう8層。

今日の攻略はこれにて一旦終了。
急ぐ旅でも無いから焦らない。

複数の冒険者パーティーが野営しているが関わらないように離れた所で腰を下ろす。
誰があの筋肉ダルマの息が掛かっているか分かったもんじゃないからね。


お金が心許ないので食料品は買っていない。
だから、本日も成長おにぎり。
これのお陰で俺はもうすぐ140レベルに到達する。
飽きは来るけどレベルも上がるし我慢我慢。


食事を終えればベッドを取り出して横になる。


横になって今日の迷宮を思い出す。
思い出してふと疑問が出る。
この8層までの間で魔物が出なかったこと。
どうしてだろう?

答えはすぐに側で尻尾を振るワンコが答えてくれました。

『どんな小さな脅威もあっしは見逃しやせん。ちゃんと全て呑み殺しておりやす。』

うちの配下はマジ優秀。
冒険感無いけど嬉しいよ。



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