第四十四話　ユーラシア島海域の戦闘

　ユーラシア島の海域でお互い見えるか見えないかの距離で、駆逐艦10隻ＶＳ駆逐艦24隻＆巡洋艦20隻で後方に駆逐艦2隻と巡洋艦3隻・空母1隻の状態がなり、空母から爆撃機が飛んでいき、鹵獲された駆逐艦10隻に向けて魚雷攻撃を開始した瞬間から戦闘が開始された。

　ダンジョンマスターの創造召喚で召喚された多くの魚人兵は駆逐艦と共に行動しておらず水中レーダーの探知範囲にいないので駆逐艦10隻で戦う事になるのだが、駆逐艦に乗員しているのは鎧騎士や鎧武者であるのだ。

　そのために恐怖は無く、集中して対空砲火をしながら回避行動をして爆撃機の攻撃を受けないようにする。

「鹵獲された駆逐のくせに大人しく撃沈されないのかよ！」

　爆撃機の搭乗員達は面倒な敵だと思いながら爆撃体勢をして、爆弾を大量投下する。

　駆逐艦10隻中狙われた2隻に一機に10個の爆弾が投下された事により、全回避できずに数発命中するが、被害は軽微である。

　理由は簡単で、魔法で防御力を高めており、簡単には沈まないようになっているのだ。

　そして、乗員している鎧騎士や鎧武者に被害はなく、対空砲火を続けて数機の爆撃機を撃ち落とす。

　そして、爆撃機と駆逐艦の戦闘がまだ続く中、鹵獲された駆逐艦を撃沈させるために動いた駆逐艦と巡洋艦がダンジョンマスター側の駆逐艦10隻に接近してきて両者のレーダー範囲内に入る位置まで来ており、視認する事になる。

　このまま両者が接近して砲雷撃戦になるかと思った時、ダンジョンマスター側の駆逐艦10隻はすぐに距離を取るために面舵一杯で回り、後退をしながら、爆撃機に対空砲火を続けて第一陣の爆撃機を撃退する。

「逃がすな！我々で奴らを沈めるぞ！」

　世界側の兵士達はダンジョンマスター側の駆逐艦10隻を追いかける事にすると同時に、空母から発艦された第二陣の戦闘機がやって来る。

　戦闘機の部隊は、ダンジョンマスター側の駆逐艦の機動力や航行能力を奪うためにミサイルや機銃で攻撃を開始するが、ダンジョンマスター側の対空能力が意外と高いのか戦闘機の部隊は苦戦をしていた。

　そして、鬼ごっこのように戦闘が行われて3時間後、一気に戦場状況が変わる。

　空母が新たに駆逐艦10隻を沈めるための雷撃機部隊を発艦して数分後、巡洋艦の水中レーダーに大量の反応が発生する。

　空母は急いで追いかけている駆逐艦24隻と巡洋艦20隻を呼び戻す指令を出すが、距離が大きく離れており時間がかかるのは明確であった。

「諸君、私の判断ミスだ、一度味方と合流して体勢を立て直し反撃するぞ」

　空母の艦長はそう言うと、味方がいる方向に向けて航行命令を出す。

　理由は簡単であった、味方のいる方向には敵が少ないからである。

　敵がどうやって包囲してきたか不明であった世界側の兵士達であったが、答えは簡単である、水中レーダーが届かない範囲にいて、ある程度空母と駆逐艦＆巡洋艦が離れた時に包囲するように動いたのである。

　空母艦隊と魚人部隊の戦闘が開始され、駆逐艦から機雷がが次々と投下巡洋艦は銃火器で応戦して、空母の護衛をする。

　魚人部隊はロープにフックを付けた道具を使って、駆逐艦や巡洋艦に集中して鹵獲しようとすると同時に、機雷装置に向かって海中から顔を出して銃で破壊しようとする行動もした。

　最初は空母部隊が優勢であったが、数の力に押されていき、ついに空母以外鹵獲される。

　空母の操作室にて艦長が艦内放送で。

「諸君、この空母は自爆させる、そのために転移装置を使いユーラシア島に撤退せよ」

　そう伝えると、自爆装置のボタンを押してカウントダウンが開始される。

　この時点で、救援要請をして空母の方に向かわせていた駆逐艦と巡洋艦には別の任務を与えて、別行動をしている。

　ある程度避難が完了した時に、空母の操作室に艦長と副艦長が言い合いをしていた。

「艦長、責任を持って死ぬ必要なんてありません！我々と共に逃げましょう！」

「だめだ、私は多くの兵を死なせてしまった責任がある」

「それは逃げているだけです！生きて逃げますよ」

　そう何回も言い合いをして、副艦長は仕方ないと考えたのか、急に艦長の腹にパンチして、すかさず艦内にたまたま没収していたスタンガンを使って、艦長の意識を奪い、近くに残っていた水兵と共に撤退をした。

　魚人部隊は空母を鹵獲しようとしたが、空母の様子がおかしく危険と判断して、すぐに距離を取る行動を開始していたため、空母内での戦闘は少なかったのである。

　こうして、ユーラシア島の海域の戦闘は、ダンジョンマスター側の勝利となった。

　ちなみに、ユーラシア島の兵士達は、駆逐艦と巡洋艦の44隻と残っていた船に乗り、撤退を開始、魚人兵と鎧武者・鎧騎士はユーラシア島を無傷で手に入れるために様子見したために、ユーラシア島の占領は被害なく占領する事に成功するのであった。