科学と魔法が発展した異世界VSダンジョンマスター

傭兵

第二十話 外で起きた悪夢と悪夢を阻止するゼロ

 仮拠点で待機していた傭兵が次々と慌てて梯子を上り港町に逃げていく仲間を見て、一人の傭兵を捕まえて何があったか聞くと。
「あの地下に化け物クラスがいるんだ!速くここから逃げたいからそこをどいてくれ!」
 錯乱したかのように早口で話す一人の傭兵に事情を詳しく知らない傭兵は何があったのか分からずに困惑する。
 しかし、その原因はすぐに分かる、梯子がある方から大きな悲鳴や叫び声が聞こえてくるからだ。
「何事だ!」
 原因を知るために地下に続く梯子がある場所まで行くと、逃げ遅れた仲間達が地面に倒れているのと全身血塗れの甲冑の存在がいた。
「貴様がこの状況を起こした原因か!」
 その言葉と同時にロケットランチャーを構えて撃つ傭兵、血塗れの甲冑は回避行動すると同時に左手に持っていたマシンガンを投げつける。
 マシンガンはロケットランチャーから放たれた弾に直撃してその場で爆発して煙で視界が悪くなる、外に残っていた傭兵達はそれぞれの銃で全身血塗れの甲冑を倒すためにいる場所を予測して射撃をする。
 弾丸の一部は全身血塗れの甲冑に向かうが剣で全て弾き、数発の弾丸が7人の傭兵に着弾して、3人が即死する。
 銃では被害が大きいと判断した傭兵は近接武器に変えて白兵戦しようとすると、爆発で起きた煙が晴れると同時に剣を横に構えて薙ぎ払いをする体勢をしている全身血塗れの甲冑がいた。
 たまたま新たに来た傭兵達は襲撃が行われていると気付き駆けつけ、危険を悟った傭兵は全力で盾に魔力を送りながら構えて近づく。
 全身血塗れの甲冑が剣を横に薙ぎ払うと、多くの傭兵が真っ二つに、盾を構えていた者と運よく盾持ちの者に助けられた者しか生き残らなかった。
 だが、まだサガナ島の地獄は始まったばかりである、助かった傭兵は我先にと逃げる者や多くを逃がすために立ち向かう傭兵がいたが全身血塗れの甲冑は気にせず近くにあった銃を拾い、剣をもう一度構えて薙ぎ払う。
 二度目の攻撃を耐えれなかった者は真っ二つになり、1人を残して壊滅状態になっていた。
「何故我々の武器で傷一つ付けられないんだ!魔法で弾丸を強化している弾は拳銃でも対策をしていない戦艦一隻は簡単に沈められるはずなのに!」
 大声で喚く傭兵に無慈悲に剣で胴体と頭を斬り飛ばす。
「逃げた奴らを追わないとな」
 全身血塗れの甲冑は港町がある方を見ると多くの船が停泊しておりいくつかは出航しようとしていた。
「逃がさん!」
 獲物は逃がさないと剣を大降りするために構えて、大量の魔力を剣に流してリーチをサガナ島の大きさまで伸ばす。
「全部沈め!」
 そう言うと同時に船に向けて大きく横降りをすると全ての船がバラバラになり沈んでいき、船が燃えて海を赤く染める。
「全員逃がさん!」
 全身血塗れの甲冑は大降りを終えるとすぐに縦振りで港町に向けて振り下ろす。
 ドーーーン、と大きな音を立てて港町を一撃で真っ二つにする。
 港町にいた住民はパニック状態になり悲鳴を上げる、何が起きたのかと。
「さて、後はあそこに逃げた奴らを殺すだけだ」
「これ以上殺すのは一回待ってもらえるかな」
 そう言いながら歩く全身血塗れの甲冑に止める言葉がくる。
「この場の全員殺したはずなのに、生き残りがいたか」
 全身血塗れの甲冑は振り向くとそこには全身黒い西洋の甲冑を纏った者がいた。
「さっきまでの傭兵とは違うみたいだね、何者だ」
「名はゼロだ、貴様がこの世の全ての乱れになる行動を止めに来た者と名乗ろう」
 全身血塗れの甲冑の問いに答えるゼロ、その後にお互い剣を両手で構えて睨みあう。
 睨みあって数分後、先に仕掛けたのは全身血塗れの甲冑であった。
「死ね!」
 その言葉と同時に魔力を込めた剣で接近して剣事斬ろうとするが。
「その程度か?」
 剣で攻撃を防御する構えをするゼロ、全身血塗れの甲冑が勢いを乗せて振るが軽々とゼロに塞がれる。
 その攻撃が戦いの合図となり、互いに神速の攻防戦を繰り返す互いに剣を振ると地面に斬撃が走り雲は真っ二つに割れて、被害が少しづつでかくなる。
 どれぐらいの時間が経ったか分からなくなるくらいの打ち合い、全身血塗れの甲冑が徐々に押されていく。
「私はここで負けるわけにはいかない!」
 全身血塗れの甲冑が少し後退して、魔力を多く込めて下から上に剣を振り上げると上昇気流が発生する。
「その程度で私は動かせないよ」
 ゼロは気にもせずに様子を見ていると全身血塗れの甲冑がそのまま上段切りに変えて振り下ろすのを見て剣で防ぐ、血塗れの甲冑が剣のリーチを伸ばして斬りにかかったのだ。
 ゼロはそのまま斜めに攻撃をそらして全身血塗れの甲冑を見ていると、上空から嫌な気配を感じて空を見ると、空から隕石がゼロの方にめがけて振ってくる。
「やりすぎだ!」
 ゼロは怒るような声を出しながら剣を隕石の方に向けて。
「消えろ」
 言葉を言い終えると隕石が消滅する。
 全身血塗れの甲冑は自身が負けたと悟ると一撃だけでも入れようと死の覚悟の突撃をする。
「私の仕事はこれで終わったからお前を相手にする必要はないが、その意思を認めて相手をしてやろう」
 ゼロは全身血塗れの甲冑の突撃を正面から迎撃する構えを取り、お互い強力な一撃で攻撃をする。
 互いの剣がすれ違うように相手の体に進み両者の攻撃が直撃する。
 ゼロは鎧に傷ができただけで終わり、全身血塗れの甲冑は胴体の甲冑を貫かれる。
 全身血塗れの甲冑は貫かれた剣を抜かれるとそのまま力なく地面に倒れる。
「どうして負けたかしばらく考えるがいい」
 ゼロは水魔法を使い全身血塗れの甲冑にぶっかけると、全身に付いていた血が落ちて白い甲冑になる。
「さて、本来の仕事に戻りますか」
 ゼロは白い甲冑を担いでそのまま梯子を使い、アポストル・ゴットに合うために向かうのであった。

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