科学と魔法が発展した異世界VSダンジョンマスター

傭兵

第十四話 救助隊の働き

 調査団が襲われた山頂に向かって飛ぶ3機の輸送ヘリと7機の攻撃ヘリ。動物の大襲撃の結果、武装を予算が許す限り武装をそろえており、熊が50頭以上群れて行動していると報告があり予定していた輸送ヘリ3機だけの出撃を攻撃ヘリ7機が再編成されたのである。
「こちらA1、全機で地上捜索が可能な者は捜索せよ」
 輸送ヘリに乗っている隊長の人物は無線連絡ができなくなった調査団の捜索をするように指示を出して山頂に向かいながら調査団の無事を祈りながら捜索する。
「隊長、9時の方向に血塗れの熊の群れを発見しました」
 捜索中に一人の隊員が隊長に報告しながら発見した血塗れの熊を観察する、調査団を襲った熊の可能性も考えて血塗れの熊の近くに調査団がいないかヘリに搭載しているカメラと熱探知機・隊員が持ってきた双眼鏡で確認するが、人影一つ見つからなかった。
 血塗れの熊はのんびり歩いており、体中に傷ができている個体もいるが目立つのは口や前足が真っ赤に染まっている熊が数頭いることである。それを目撃した隊員達は調査団が全滅したのではないかと思ってしまうが。
「全員諦めるな、まだ山頂で息をしている者がいるかもしれない」
 無線機で諦めるなと力強く言う隊長、その言葉に隊員達は無事に生きているようにと願うのであった。
 山頂に向かいずつ、地上の捜索をする隊員達だったが山頂付近に着くまで誰一人発見できなかった。
 山頂の上を飛行しようとした時に。
『こちらA2、調査団の部隊らしき姿を確認した、しかし生きている可能性は零に近い状態だ』
 無線から悲しい情報が来るが遺体回収だけでもできたらと考えて。
「こちらA1、了解した。これより降下部隊は降下するぞ。A4部隊は近くに危険な猛獣がいないか警戒しながら降下部隊の援護をせよ」
『こちらA2、了解』
『こちらA3、了解した』
『こちらA4、了解だ』
 降下ポイントの上を飛ぶヘリから降下部隊が次々と降下していく、攻撃ヘリのA4部隊は周囲を警戒しながら降下部隊が安全に降りられるように飛行する。
「全員、降下したな、A1は人工物と思われる場所の警戒、A2は小さな遺体回収と調査団の生存確認と回収、A3はA4と連携して外回りの警戒だ」
 隊長が指示を出して、隊員達は言われた仕事をこなすために行動する。
「A1、地下に続く場所を発見、人工物と思われる梯子を発見すると同時に複数の人と思われる足跡を発見しました」
「A2、調査団の遺体と思われる9名を確認と回収、小さな遺体の回収を完了しました」
「A3、A4と連携して周りを警戒しましたが近くに危険な猛獣は確認できませんでした」
「分かった、残りの3名の調査団は行方不明として、複数の人と思われる足跡だと?もしかしたら3名は連れていかれている可能性もあるのか」
 それぞれの報告を聞いた隊長はすぐに無線機を使い。
「こちらA部隊、本部応答願う」
『こちら本部、どうした?』
「調査団の遺体と思われる9名が確認されたのと、人工物と思われる場所に複数の人の足跡と思われる跡が発見された、できたら部隊を分けて続けて行方不明の3名を捜索したいが許可をしてくれるだろうか?」
『了解した。今、上司に確認してみよう』
 本部に更なる捜索活動の許可を貰おうと連絡した隊長、本部が上司に確認をしに行って1分後。
『こちら本部、A部隊、応答せよ』
「こちらA部隊、許可は出ただろうか?」
『捜索は許可された、遺体を乗せたヘリは先に帰還してくれ、早めの身元確認と未知の土地にいるよりも遺族までできるだけ早く送って伝えてやらねばならんという事らしい』
「了解だ、早く身元が分かって遺族の元まで送られることを祈るよ」
 本部から許可が出て、隊長は隊員達に新しい指示を出す。
「A1とA3の5名と1機の輸送ヘリはこのまま待機だ、残りは先に帰還して待機せよ」
 山頂から少し離れた場所に輸送ヘリを着陸させて、残りは全員帰還になった。
 残ったA1(隊長合わせて15名)とA3(5名)・輸送ヘリの操縦士2名で。
「操縦士はいつでも飛べるように待機、残ったA3は輸送ヘリの防衛と警戒だ、残りは俺についてこい」
 操縦士は輸送ヘリに乗った状態のまま待機して、A3の5名は周囲の警戒に努め、隊長率いる部隊は梯子を降りて地下に向かう。
 梯子を降り切った隊員達は周りを警戒しながら見渡す、地下洞窟なのに周りは少し明るいが明かりがないと見えにくくなっていたためにライトを使って周りを照らしながら警戒する。
「そこのお前ら5名はここの防衛を、残りは固まっ」
 隊長が指示を出している最中に、バン、バン、バン、と3発の銃声の音が響きわたり、15名全員が聞く。
「生存者がいるのか!お前ら5名はここの守備を、残りは2名でペアになって急いで捜索するぞ、もし何かあればすぐに撤退だ」
 隊長は早口で指示を出しながら動き、隊員達は急いで行動する、もし生き残りがおれば何があったのか詳しく聞けるからだ。
 5名の隊員は梯子を守り、10名は2名のペアに分かれて6つの道の5つの道を走る。
 捜索して数分後、銃声の音が響いてからは銃声がしなくなっており、隊長は間に合うかと考えた時に隊長と共に行動していた隊員が何かを発見して。
「隊長、あそこに誰かが倒れています」
 報告をすると隊員はゆっくりと倒れている人物に近づきながら確認をする、隊長は周りを警戒しながら近づいていつでも隊員をカバーできるように動く。
「こちらA1の5、ボロボロのドワーフの男性を発見した」
 隊員は無線機を使うが無線機からは、ザザザザ、と雑音が鳴るだけであった。
 無線機が使えないとすぐに気づいて、混乱せずにボロボロのドワーフの状態を確認する。ドワーフの状態は良くなく、脈と息はしているが体中の骨が折られたのか酷い状態で生命の灯が消えかけていることが分かった。
 2人掛かりで運ぼうとした時に周りから走ってくる音が聞こえてくる。隊長が明かりを向けると挟み撃ちで手で持てるぐらいの石のハンマーを持った20体の人型のゴーレムが走ってくる。
「チッ、新入り、その重症者を背負いで走れ、俺が道を切り開く」
 隊長はそう言ってマシンガンを構えて、来た道から来る10体の人型のゴーレムに向かって連射すると、ゴーレムの体が粉々になるが再生をすぐに開始する。
「新入り、急げ」
 新入りと言われた隊員は急いで重症者のドワーフを背負い、全力で走る。
 ドワーフの状態は安静して応急手当しないと危険であったが、緊急事態のために仕方がなく背負い走っているのであった。
 道を塞ぐ人型のゴーレムを突破して走る、新入りの隊員と隊長は重症者のドワーフを守りながら全力で梯子の方まで走る。
 走っている最中に銃声の音が洞窟内に響き渡る、ほかの場所も襲撃にあったのだろうと隊長は思うが今は目の前の重症者のドワーフの救助が先決だと考える。
 2人は重症者のドワーフを背負いながら走っていると梯子が見えてくるが、そこには人型のゴーレムが梯子を上らせんと封鎖しようとしていた。
 5名の隊員は封鎖されないように応戦していると2名の存在に気付いて援護をする。
 援護された2人はなんとか梯子のそばまで来れるが、まだ危機が去ったわけではなかった。
「新入りは重症者をロープで自身の体と縛り落ちないようにして登り先に重症者を乗せて輸送ヘリで帰還しろ、残りは30分間ほかの仲間が帰還してくれるのを待ちながら防衛だ」
 隊長はできるだけ多く生き残らせるために指示を出して、マシンガンで応戦する。
 新入りの隊員は急いでロープを使って重症者のドワーフと自身を縛ってから大丈夫なことを確認して登る。
「全員ここで死ぬんじゃないぞ!生きて帰るんだ!」
 隊長は激を飛ばして隊員達を元気づけながら戦うのであった。
 梯子を上り終えた新入りの隊員は急いで輸送ヘリに向かう、見張りをしていた隊員は新入りの隊員に気付くと同時に何故重症者を危険な運び方をするのだと怒ろうとした時に。
「緊急事態です、味方が人型のゴーレムに襲われており私はこの重症者を連れて先に帰還するようにと言われました」
 新入りの隊員は大きな声で息を切らしそうにないりながらもはっきりと言いながら、輸送ヘリに急いで乗り込み、輸送ヘリを飛ばさせる。
 5名の隊員はあの慌てようを見て緊急事態と判断して、梯子の方に向かい上ってきた仲間の援護をできるように待機する。
 輸送ヘリの中ですぐにナイフでロープを切りながら重症者のドワーフを横にして応急手当を開始する、操縦士の一人も応急手当を手伝いなんとか危機を乗り越えるが体中のあちこちの骨が折られているのと同時に醜い痣だらけになっていたのだ。
 なんとか無事に生きれるように願いながら、基地に到着するまで待っていた。
 そして、重症者にダメージが行かないように早くゆっくりと着陸して、重症者のドワーフは緊急搬送されるのであった。


 先に帰還して数分後、残りの隊員達も帰還してきたが11名の犠牲が出た、8名はバラバラになって捜索した隊員達で30分経っても帰還してこなかった事から死亡と判断、2名はジャムた隙に人型のゴーレムに引きづられて石のハンマーで体中を殴られて動かなくなったらしくその後も集中して殴られていたために生還は不可能と判断されて死亡、隊長は残りの3名を逃がすために最後まで戦い撤退しようとした時に捕まり、隊員が援護射撃するも人型のゴーレムの数が多く助けられなかったために死亡。
 死者が出たの事に悲しいに泣いていても何も始まらないと考えて報告書を書くのであった。
 報告書を見たこの島のリーダーがこの島にダンジョンがあるとして募兵する、周りの国や人に恩を作らないためにこの島の兵士だけでダンジョンを攻略してしまおうと考えて。

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