電気使いは今日もノリで生きる
一旦情報を整理しよう
神無月一週目風曜日
あの後、イナガと別れ僕たちはシバさんの館に帰ってきた。これでやっとクレアと色々と話をすることができる。いや、さすがに今日出かけただけでおかしなくらいの情報を与えられた気分だよ。
「どう思う?」
「イナガのこと?」
「あいつもそうだけど、闘蛇の話だよ」
「ああ…」
少し先走り過ぎてしまったな。一つ一つ丁寧に話し合っていったほうがいいんだろうな。だからまずは
「イフリートが人間だったなんてな」
「そうだな」
「そういえばこの世界での精霊の認識ってどんななんだ?」
「うーん、まああれだよ。人間の上位の存在…その程度かな」
「なるほどねぇ」
それが実は僕たちと同じ人間だったってなれば驚くしこの世界の常識を疑いたくなるよな。それはそうとイナガのことどうしよう…正直かなり疑っているんだよな。あいつのきたタイミングとかもそうだけど何より
「なんで『天災の獣』のことを知っていたのか」
「まあ有名といわれたら僕らにはどうしようもないんだけどね」
「でもタイミングが怪しくないか?なんでわざわざ見に来てたんだ?」
「まさかミライ…」
「うん、『水』の王かと思ってる」
「ありえなくもない…けど、どうなんだろ」
お互いに頭を悩ませる。でも証拠がない。黒といえばそうなるかもしれないがまだその確証がない。それに白である可能性もある。結局は何も判断のしようがない
「ま、気にしなくてもいいか」
「そうだな…それにどのみち闘蛇のやつを囮にしておけば向こうからやってくるだろ」
「あいつの言うことが正しければ…の話だけどね」
ま、ざっとこんなところかな。それでも僕たちの方針が変わることは決してないし問題ないかな。僕たちの目的はあくまで「シェミン先輩を探す」それだけだからな
『あ、話し合い終わった?』
「ああ、終わったよ」
わざわざ少しだけ席を外してくれていたイフリートが戻ってきた。それから闘蛇も。こいつら普通に壁をすり抜けてくるんだよな。
『だって私たちはこの世界の理からちょっと外れているしね』
「そんなもんなのか」
『それで?今後の方針は決まった?』
「とりあえずガイアの探知魔法待ちかな。水の王も気にはなるけどそれはまあ闘蛇を囮にすれば勝手に向こうから出てくるだろうって読んでる」
『自然に我を囮にするな』
いやだって。何も情報がないところから探すのってかなり大変だからね。向こうから来てくれるって言うのならこちら側としてもそこまで気張る必要性がないというかさ
『ま、そんなところかしら。それでいいわね…それで、二人とも今日はどうするの?』
「正直疲れたからもういいかなって」
『…』
「気になることでもあったの?」
『あの少年…』
「イナガがどうかしたの?」
何か思い当たることがあるのかすごく悩んでいる。そんなに気になるところがあるのかな?あ、でもそういえば精霊と魔王は知り合いっぽいからもしあいつが『水』の王なら見覚えがあるんじゃないのか?
『いいえ、初めて見る顔よ…でもなんだか初めて会った感じがしないのよね』
「じゃあ黒か」
「でもイフリートには一切反応していなかったよ?」
「うーん、敢えて見ないようにしていた可能性もあるな…クレアはどう思う?」
「どうって言われてもな」
まだなんとも言えない状況が続く。でもイフリートが初めて会った気がしないってことは僕としては黒でいいと思うんだけどね。いやもしかしたら放蕩している時にすれ違ったとか過去に似たような人と出会っていたとかそういう可能性もあるんだけどさ
「あーここで葉杜先輩がいたら万事解決だったのになー」
「いや知っているかわからないぞ?」
「その土地特有の風習とか?」
「それミライも巻き込まれるよ?」
そうだったー。葉杜先輩がいてあいつの真偽がわかったところで次に僕も何もできないから僕までもが嘘であるとバレてしまう。なんだよ結局本末転倒かよ
『あらかじめ聞いておけばいいものを』
「それもそうか」
『そんな簡単なことも回らないとはな』
「うるせぇ、黙ってろ」
「お前のために話し合っているんだろうが」
『…貴様らに格の違いとやらを一度見せたほうがよさそうだな』
『今のあなたなら勝ち目ないわよ?玄武状態ならともかく』
『むむむ…』
「「ほら、戦力外は黙っていろよ」」
綺麗に僕とクレアの声が揃う。まあ当たり前だけどこんな態度をとるのは相手が神獣だからっていうのが大きい。それに戦力が当てにならなくても知力とかコミュ力とかそういう点で貢献する人っていうのは多いし、そういった後方支援の人がいないと戦えないことも分かっているから普段はこんな風に言わないんだけどね
『はぁ、でも休んだほうがいいのは事実よ。二人ともずっと気を張っていたし…一日で休まるとは思えないわ』
だから今日はもう難しいとを考えるのはやめて休みましょう?そう提案されて僕もクレアもおとなしく従った。実をいえば昨日の夜は与えられた情報を自分の中で整理しようとしていたら思うように眠れなかったんだけどそれは今言うことじゃないよね
『だから寝なさいって言っているのよ』
「バレてた!?」
「わかったよ」
『それに夜襲とかそんなことを警戒しているのなら問題ないわよ、全部こいつに任せておきなさい』
イフリートが顔を向けた先、そこにいたのは闘蛇だった。あ、そっかこいつは不眠不休でも大丈夫そうだな。だって神獣だもんな
『確かに問題ないが…貴様らの考えは少しムカつくのだが。我らとて休むことはあるぞ』
『ほとんど休んでいるのに何を言っているのよ』
『この世界が危ない時はいつも出てきているではないか』
『あーはいはい、お勤めご苦労様…それにこいつの感知能力もなかなかよ?この状態でも近づいてくる輩がいればすぐにわかるわ。さらにガイアや私もいるし…もう少し心を落ち着けなさい』
そこまで言われてしまったら何も言い返せない。そのあと、ソニアさんが夕飯を呼びに来てくれたので僕たちは夕飯を楽しんだ。それから体を清めて…そういえば野宿で困ったのは風呂だな。水を温めたり洗濯物を乾かしてもらったりとクレアにかなり負担をかけてしまっていた。お互い男同士だったから気楽だったのは救いだけどさ…ん?あれ?そういえばイフリートが人間だったってことは女子の前で全裸になってしまったっていうこと?それはまずい。これが現代の日本だったら僕間違いなく捕まってしまっていたよ。この世界でよかったぁ
『明日は徹夜が確定しているわよ…もしかしたらこの近くにいる魔物たちが襲いかかってくる可能性もあるし…さすがに戦うわよね?』
「まあ…」
「そりゃあね」
こんなによくしてもらっているのに目的を果たしたらはい、さよならってさすがに人としてどうなんだろうって話ですよ。そこはちゃんと責任持って結界が貼られていない間の警護ぐらいはやってあげますよ
いろいろなことを考えてしまったけれどそれでも出来る限り休んだほうがいいと思って僕たちはしっかりと休んだ。さて、これでシェミン先輩の足取りをたどることができるな
あの後、イナガと別れ僕たちはシバさんの館に帰ってきた。これでやっとクレアと色々と話をすることができる。いや、さすがに今日出かけただけでおかしなくらいの情報を与えられた気分だよ。
「どう思う?」
「イナガのこと?」
「あいつもそうだけど、闘蛇の話だよ」
「ああ…」
少し先走り過ぎてしまったな。一つ一つ丁寧に話し合っていったほうがいいんだろうな。だからまずは
「イフリートが人間だったなんてな」
「そうだな」
「そういえばこの世界での精霊の認識ってどんななんだ?」
「うーん、まああれだよ。人間の上位の存在…その程度かな」
「なるほどねぇ」
それが実は僕たちと同じ人間だったってなれば驚くしこの世界の常識を疑いたくなるよな。それはそうとイナガのことどうしよう…正直かなり疑っているんだよな。あいつのきたタイミングとかもそうだけど何より
「なんで『天災の獣』のことを知っていたのか」
「まあ有名といわれたら僕らにはどうしようもないんだけどね」
「でもタイミングが怪しくないか?なんでわざわざ見に来てたんだ?」
「まさかミライ…」
「うん、『水』の王かと思ってる」
「ありえなくもない…けど、どうなんだろ」
お互いに頭を悩ませる。でも証拠がない。黒といえばそうなるかもしれないがまだその確証がない。それに白である可能性もある。結局は何も判断のしようがない
「ま、気にしなくてもいいか」
「そうだな…それにどのみち闘蛇のやつを囮にしておけば向こうからやってくるだろ」
「あいつの言うことが正しければ…の話だけどね」
ま、ざっとこんなところかな。それでも僕たちの方針が変わることは決してないし問題ないかな。僕たちの目的はあくまで「シェミン先輩を探す」それだけだからな
『あ、話し合い終わった?』
「ああ、終わったよ」
わざわざ少しだけ席を外してくれていたイフリートが戻ってきた。それから闘蛇も。こいつら普通に壁をすり抜けてくるんだよな。
『だって私たちはこの世界の理からちょっと外れているしね』
「そんなもんなのか」
『それで?今後の方針は決まった?』
「とりあえずガイアの探知魔法待ちかな。水の王も気にはなるけどそれはまあ闘蛇を囮にすれば勝手に向こうから出てくるだろうって読んでる」
『自然に我を囮にするな』
いやだって。何も情報がないところから探すのってかなり大変だからね。向こうから来てくれるって言うのならこちら側としてもそこまで気張る必要性がないというかさ
『ま、そんなところかしら。それでいいわね…それで、二人とも今日はどうするの?』
「正直疲れたからもういいかなって」
『…』
「気になることでもあったの?」
『あの少年…』
「イナガがどうかしたの?」
何か思い当たることがあるのかすごく悩んでいる。そんなに気になるところがあるのかな?あ、でもそういえば精霊と魔王は知り合いっぽいからもしあいつが『水』の王なら見覚えがあるんじゃないのか?
『いいえ、初めて見る顔よ…でもなんだか初めて会った感じがしないのよね』
「じゃあ黒か」
「でもイフリートには一切反応していなかったよ?」
「うーん、敢えて見ないようにしていた可能性もあるな…クレアはどう思う?」
「どうって言われてもな」
まだなんとも言えない状況が続く。でもイフリートが初めて会った気がしないってことは僕としては黒でいいと思うんだけどね。いやもしかしたら放蕩している時にすれ違ったとか過去に似たような人と出会っていたとかそういう可能性もあるんだけどさ
「あーここで葉杜先輩がいたら万事解決だったのになー」
「いや知っているかわからないぞ?」
「その土地特有の風習とか?」
「それミライも巻き込まれるよ?」
そうだったー。葉杜先輩がいてあいつの真偽がわかったところで次に僕も何もできないから僕までもが嘘であるとバレてしまう。なんだよ結局本末転倒かよ
『あらかじめ聞いておけばいいものを』
「それもそうか」
『そんな簡単なことも回らないとはな』
「うるせぇ、黙ってろ」
「お前のために話し合っているんだろうが」
『…貴様らに格の違いとやらを一度見せたほうがよさそうだな』
『今のあなたなら勝ち目ないわよ?玄武状態ならともかく』
『むむむ…』
「「ほら、戦力外は黙っていろよ」」
綺麗に僕とクレアの声が揃う。まあ当たり前だけどこんな態度をとるのは相手が神獣だからっていうのが大きい。それに戦力が当てにならなくても知力とかコミュ力とかそういう点で貢献する人っていうのは多いし、そういった後方支援の人がいないと戦えないことも分かっているから普段はこんな風に言わないんだけどね
『はぁ、でも休んだほうがいいのは事実よ。二人ともずっと気を張っていたし…一日で休まるとは思えないわ』
だから今日はもう難しいとを考えるのはやめて休みましょう?そう提案されて僕もクレアもおとなしく従った。実をいえば昨日の夜は与えられた情報を自分の中で整理しようとしていたら思うように眠れなかったんだけどそれは今言うことじゃないよね
『だから寝なさいって言っているのよ』
「バレてた!?」
「わかったよ」
『それに夜襲とかそんなことを警戒しているのなら問題ないわよ、全部こいつに任せておきなさい』
イフリートが顔を向けた先、そこにいたのは闘蛇だった。あ、そっかこいつは不眠不休でも大丈夫そうだな。だって神獣だもんな
『確かに問題ないが…貴様らの考えは少しムカつくのだが。我らとて休むことはあるぞ』
『ほとんど休んでいるのに何を言っているのよ』
『この世界が危ない時はいつも出てきているではないか』
『あーはいはい、お勤めご苦労様…それにこいつの感知能力もなかなかよ?この状態でも近づいてくる輩がいればすぐにわかるわ。さらにガイアや私もいるし…もう少し心を落ち着けなさい』
そこまで言われてしまったら何も言い返せない。そのあと、ソニアさんが夕飯を呼びに来てくれたので僕たちは夕飯を楽しんだ。それから体を清めて…そういえば野宿で困ったのは風呂だな。水を温めたり洗濯物を乾かしてもらったりとクレアにかなり負担をかけてしまっていた。お互い男同士だったから気楽だったのは救いだけどさ…ん?あれ?そういえばイフリートが人間だったってことは女子の前で全裸になってしまったっていうこと?それはまずい。これが現代の日本だったら僕間違いなく捕まってしまっていたよ。この世界でよかったぁ
『明日は徹夜が確定しているわよ…もしかしたらこの近くにいる魔物たちが襲いかかってくる可能性もあるし…さすがに戦うわよね?』
「まあ…」
「そりゃあね」
こんなによくしてもらっているのに目的を果たしたらはい、さよならってさすがに人としてどうなんだろうって話ですよ。そこはちゃんと責任持って結界が貼られていない間の警護ぐらいはやってあげますよ
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