電気使いは今日もノリで生きる
闘蛇が告げる現実
神無月一週目水曜日
「イリム…?」
この蛇もそうだけどいきなり闘蛇とか玄武とか言われてもよくわからないって…というかあれだろ?玄武って確か亀と蛇がセットになっているようなやつだろ?なんで別々に別れているんだよ
『こちらにも事情がある』
「うわ、なにその上からの物言い」
「さすがはあの朱雀と同列なだけはあるな」
『貴様ら我に対してよくそのような態度を取れるな』
「「神獣にはいい思い出がないのでね」」
僕は麒麟、クレアは朱雀にそれぞれちょっとした恨みがある。僕の場合はまあちょっと逆恨みというか八つ当たりな側面もあるけどクレアの場合は立派な恨みだ。って、それより
「イリムって誰だよ。ここにはそんな名前のやついないぞ?」
『む?貴様、イリムという名ではなかったか?』
『…それは昔の話よ、今の私はイフリート、炎の精霊よ、あんた俗世にまみれてボケてるんじゃないの?』
『貴様も我を愚弄するか』
『ならもっと神獣らしい態度をしておきなさい』
「ちょ、ちょっと待ってよ」
イフリートと闘蛇が口喧嘩を始めようとしたのをみてクレアがストップをかける。クレアが止めようとしなかったら僕が止めていたけど…二人だけで進めないでくれないかな
「イフリートってイリムって名前だったの?まるで人間みたい」
『人間だからな』
『その話はしなくてもいい話よ』
『そうか?我は必要だと思うがな…それにこやつは「世界」を発現しておる…いずれ知ることになる。それに…』
「僕が何か?」
『…いや、未来のことなどわからん』
こいつ、クレアの方を見て、なにを思ったんだよ。まあ予想は付けられるけどな。どうせこの先、クレアも『世界』を使えるようになるんだろうな。つーか
「質問の答えが中途半端なのになんで新しい疑問を出してくるんだよ」
イフリートが人間だったとかとんでもない事実が出てきたんだけど…いやそもそもこの話は本当なのか?でもイフリートは否定していないし多分本当なんだろうな。それでその時の名前がイリムだと。いや、なにが起きているんだ?そもそも、この世界の常識ってなんなんだ?
『その様子だと王たちと精霊の話はしていないみたいだな』
『まだその段階ではないもの…今は「姫」を探している』
『「姫」?…ああシンフィアの娘か…そうかついに人間にバレてしまったのか』
『そんなところよ…こいつらは「姫」を助けようとしてくれている。そして故郷であるこの近くの村に立ち寄ったの。そしたらなんであんたが暴れているのよ』
『昔の話だが…我を捉えた王がいての、玄天と離れ離れになってしまった。そんな折、あの蛇たちに喰われてしまってな』
『だから再生能力を持っていたのね』
「なあクレア、あいつらの話理解できるか?」
「いや、全く。シェミンさんの父親の名前がシンフィアということぐらいしかわからん」
だよな。でてくる情報量がおかしすぎるんだよ。こいつらはどうでもいい内容しか話していないと思っているんだけど側から聞いていたらなにを話しているのか全くわからないんだからね
『要はこいつがドジしてあの蛇たちに捕まっていたってこと』
「なるほど、よくわかった」
『その言い方には悪意しか感じられんのだがな』
僕らが理解できたからそれでいいの。それで?もう話し合いは終わりなのか?
『いや、まだある…我を捉えた王…「水」の王はまだ生きておる』
『そう…生き永らえていたのね』
今どれだけの王が生きているんですかねー。てか吸血鬼のあいつの例もあるし蘇ることもあるんだろうな。
『今存在しているのは全部で2人、水と蟲だな』
『王様は全部で8人いたわ…かつての話だけど』
「なるほどね…それで?わざわざ名前を出したってことはそいつを倒して欲しいのか?」
『まあ、そうだな…どちらかといえば玄天を救い出して欲しいという方が適切かの』
「見返りは?」
『…貴様ら神獣がどういう存在なのか理解しておるのか?神の獣ぞ』
「「憎い存在」」
『…麒麟も朱雀もちとやり過ぎだな、こりゃ』
『そこは気にする必要はないわよ…でもそうね、私としても見返りは欲しいわね…「姫」を探す手伝いをしてもらえるかしら?あなたの力なら一発でしょ?』
『玄武としての力が戻ればいけるだろう…よかろう。それでどうだ?「世界」の若人たちよ』
「まあ…それでいいか」
「ミライが問題ないのなら僕も構わないよ」
ちょっと言い方が気になったけどもまあ仕方がないか。僕とクレアはこの闘蛇?のお願いを聞くことにした。でも、聞くのはいいんだけど
「その『水』の王ってどこにいるんだ?…僕たちの目的はあくまでシェミン先輩、それを放ってまで探す気はないぞ」
『心配するな…この近くにいることは間違いない』
「それは本当なのか?」
『然り。だから我は貴様らにこの話をした…そこは弁えておる』
『信頼してもいいわ。ここでつまらない嘘をつくようなやつじゃないし』
「そうか」
イフリートがここまで言っているんだ。信用しよう。でも近くにいるって言われてもな
『奴も我が解き放たれるのを警戒しているに違いない。すぐに気がついて襲ってくるだろう。玄天のいない我など楽に捕まえることができようからな』
「そもそもなんでお前狙われているんだ?」
『いや…単に嫌がらせだろう』
『でしょうね…あんたたちに頼らなくたって私たちだけで大丈夫よ』
『そうだな…この若人たちに関しては我らがやり過ぎなのは認めよう。だが、我らがいなければ今の世の中はないのも事実』
『相変わらず傲慢なこと…こんなシステムを作っておいて今更何を言っているのよ』
「システム?なんの話だ?」
『…』
『あなたがこのまま進めば時期にわかるわ』
「今は知らなくてもいいことか」
「いろいろと知ってきたけど結局謎が増えてばっかりなんだよな」
この一つ謎が明らかになったら別の謎が出てくる現象はやめて欲しいんだけど。でも、ひとまずこれで話は終わったのかな。じゃあ魔獣を倒したことだし村に戻ってシバさんに報告しようか
『そうね…でもこいつが人に見つかるのは避けたほうがよさそうね』
『まあ…姿を消すことぐらいはできる…というか今してるはずなんだがな』
『「領域」を使える人には無意味なのよね…あとは契約者もだけど、シバは目が見えないみたいだし大丈夫でしょ』
それなら安心ということで僕たちは村へと戻っていく。ん?そういえばこれでシェミン先輩の行方を捜すことができるからわざわざこいつの言うことに従わなくたっていいんじゃないのか?
『ガイアの探知能力は優秀だけど時間制限があるわ…その点、こいつならいくらでも使っていいし保険にいいでしょ?』
「それもそうだな」
『イリム…お前図太くなったな』
『今はイフリート』
…大丈夫かな?こいつかなりボケているみたいなんだけど『聞こえてるぞ電気使い』『そりゃ間抜けにも捕まっているんだしこの程度よ』ああ、それなら納得出来る。
『でも気をつけてよね…クレアとミライ以外に私のかつての名前を知られないように』
『心得る』
不安しかない…それでもとりあえず僕らは村に戻った。シバさんの元へと帰って行った。さすがに疲れたし、今日はゆっくりさせてもらおうかな
「イリム…?」
この蛇もそうだけどいきなり闘蛇とか玄武とか言われてもよくわからないって…というかあれだろ?玄武って確か亀と蛇がセットになっているようなやつだろ?なんで別々に別れているんだよ
『こちらにも事情がある』
「うわ、なにその上からの物言い」
「さすがはあの朱雀と同列なだけはあるな」
『貴様ら我に対してよくそのような態度を取れるな』
「「神獣にはいい思い出がないのでね」」
僕は麒麟、クレアは朱雀にそれぞれちょっとした恨みがある。僕の場合はまあちょっと逆恨みというか八つ当たりな側面もあるけどクレアの場合は立派な恨みだ。って、それより
「イリムって誰だよ。ここにはそんな名前のやついないぞ?」
『む?貴様、イリムという名ではなかったか?』
『…それは昔の話よ、今の私はイフリート、炎の精霊よ、あんた俗世にまみれてボケてるんじゃないの?』
『貴様も我を愚弄するか』
『ならもっと神獣らしい態度をしておきなさい』
「ちょ、ちょっと待ってよ」
イフリートと闘蛇が口喧嘩を始めようとしたのをみてクレアがストップをかける。クレアが止めようとしなかったら僕が止めていたけど…二人だけで進めないでくれないかな
「イフリートってイリムって名前だったの?まるで人間みたい」
『人間だからな』
『その話はしなくてもいい話よ』
『そうか?我は必要だと思うがな…それにこやつは「世界」を発現しておる…いずれ知ることになる。それに…』
「僕が何か?」
『…いや、未来のことなどわからん』
こいつ、クレアの方を見て、なにを思ったんだよ。まあ予想は付けられるけどな。どうせこの先、クレアも『世界』を使えるようになるんだろうな。つーか
「質問の答えが中途半端なのになんで新しい疑問を出してくるんだよ」
イフリートが人間だったとかとんでもない事実が出てきたんだけど…いやそもそもこの話は本当なのか?でもイフリートは否定していないし多分本当なんだろうな。それでその時の名前がイリムだと。いや、なにが起きているんだ?そもそも、この世界の常識ってなんなんだ?
『その様子だと王たちと精霊の話はしていないみたいだな』
『まだその段階ではないもの…今は「姫」を探している』
『「姫」?…ああシンフィアの娘か…そうかついに人間にバレてしまったのか』
『そんなところよ…こいつらは「姫」を助けようとしてくれている。そして故郷であるこの近くの村に立ち寄ったの。そしたらなんであんたが暴れているのよ』
『昔の話だが…我を捉えた王がいての、玄天と離れ離れになってしまった。そんな折、あの蛇たちに喰われてしまってな』
『だから再生能力を持っていたのね』
「なあクレア、あいつらの話理解できるか?」
「いや、全く。シェミンさんの父親の名前がシンフィアということぐらいしかわからん」
だよな。でてくる情報量がおかしすぎるんだよ。こいつらはどうでもいい内容しか話していないと思っているんだけど側から聞いていたらなにを話しているのか全くわからないんだからね
『要はこいつがドジしてあの蛇たちに捕まっていたってこと』
「なるほど、よくわかった」
『その言い方には悪意しか感じられんのだがな』
僕らが理解できたからそれでいいの。それで?もう話し合いは終わりなのか?
『いや、まだある…我を捉えた王…「水」の王はまだ生きておる』
『そう…生き永らえていたのね』
今どれだけの王が生きているんですかねー。てか吸血鬼のあいつの例もあるし蘇ることもあるんだろうな。
『今存在しているのは全部で2人、水と蟲だな』
『王様は全部で8人いたわ…かつての話だけど』
「なるほどね…それで?わざわざ名前を出したってことはそいつを倒して欲しいのか?」
『まあ、そうだな…どちらかといえば玄天を救い出して欲しいという方が適切かの』
「見返りは?」
『…貴様ら神獣がどういう存在なのか理解しておるのか?神の獣ぞ』
「「憎い存在」」
『…麒麟も朱雀もちとやり過ぎだな、こりゃ』
『そこは気にする必要はないわよ…でもそうね、私としても見返りは欲しいわね…「姫」を探す手伝いをしてもらえるかしら?あなたの力なら一発でしょ?』
『玄武としての力が戻ればいけるだろう…よかろう。それでどうだ?「世界」の若人たちよ』
「まあ…それでいいか」
「ミライが問題ないのなら僕も構わないよ」
ちょっと言い方が気になったけどもまあ仕方がないか。僕とクレアはこの闘蛇?のお願いを聞くことにした。でも、聞くのはいいんだけど
「その『水』の王ってどこにいるんだ?…僕たちの目的はあくまでシェミン先輩、それを放ってまで探す気はないぞ」
『心配するな…この近くにいることは間違いない』
「それは本当なのか?」
『然り。だから我は貴様らにこの話をした…そこは弁えておる』
『信頼してもいいわ。ここでつまらない嘘をつくようなやつじゃないし』
「そうか」
イフリートがここまで言っているんだ。信用しよう。でも近くにいるって言われてもな
『奴も我が解き放たれるのを警戒しているに違いない。すぐに気がついて襲ってくるだろう。玄天のいない我など楽に捕まえることができようからな』
「そもそもなんでお前狙われているんだ?」
『いや…単に嫌がらせだろう』
『でしょうね…あんたたちに頼らなくたって私たちだけで大丈夫よ』
『そうだな…この若人たちに関しては我らがやり過ぎなのは認めよう。だが、我らがいなければ今の世の中はないのも事実』
『相変わらず傲慢なこと…こんなシステムを作っておいて今更何を言っているのよ』
「システム?なんの話だ?」
『…』
『あなたがこのまま進めば時期にわかるわ』
「今は知らなくてもいいことか」
「いろいろと知ってきたけど結局謎が増えてばっかりなんだよな」
この一つ謎が明らかになったら別の謎が出てくる現象はやめて欲しいんだけど。でも、ひとまずこれで話は終わったのかな。じゃあ魔獣を倒したことだし村に戻ってシバさんに報告しようか
『そうね…でもこいつが人に見つかるのは避けたほうがよさそうね』
『まあ…姿を消すことぐらいはできる…というか今してるはずなんだがな』
『「領域」を使える人には無意味なのよね…あとは契約者もだけど、シバは目が見えないみたいだし大丈夫でしょ』
それなら安心ということで僕たちは村へと戻っていく。ん?そういえばこれでシェミン先輩の行方を捜すことができるからわざわざこいつの言うことに従わなくたっていいんじゃないのか?
『ガイアの探知能力は優秀だけど時間制限があるわ…その点、こいつならいくらでも使っていいし保険にいいでしょ?』
「それもそうだな」
『イリム…お前図太くなったな』
『今はイフリート』
…大丈夫かな?こいつかなりボケているみたいなんだけど『聞こえてるぞ電気使い』『そりゃ間抜けにも捕まっているんだしこの程度よ』ああ、それなら納得出来る。
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