電気使いは今日もノリで生きる
一夜明けて
???
「う…」
「あ、目が覚めたか?」
「クレア…あ!シェミン先輩!」
「待て待て、落ち着けって」
目を開けるとそこにはクレアとイフリートがいた。でも…気を失う前の記憶はちゃんと覚えている。シェミン先輩を探さなくちゃ
『無駄よ』
「なんで…」
『外をみなさい』
言われて外を見てみる。もう大分明るくなっていた。…あ
「もう、ほとんどの国の人間がシェミン先輩を追っている…サリア先輩たちももう止めることはできない」
『そもそもサリアたちは頑張ったのよ。吸血鬼を追うのを止めさせるなんて普通ありえないからね』
「…くそっ」
どうしようもない現実に押しつぶされそうになる。ここまで自分が無力な存在だと思い知らされるとは思ってもみなかった。
「ミライ…」
「起きたか」
「セリア先輩…」
扉が開いてセリア先輩達が入ってくる。つい、シェミン先輩がいないか確認してしまうのはしょうがないよね。でも、入ってくる先輩達のなかにシェミン先輩はいない
「シェミン先輩は…」
「それぞれの国の人間がシェミンを追っている…ここまで騒ぎになったんだ。契約を守る国なんているわけない」
「契約?」
「ああ、そっかお前らは知らなかったな」
「セリア、どうしますか?」
「この際だ。ちゃんと話しておくとするか…それに話をしている間はミライは動かないだろうし」
「別に焦ることはしませんって」
『どの口が言っているのよ』
むしろこの機会を利用してシェミン先輩について色々と聞こうと思うだろうな。特にイフリートたち精霊が「姫」って呼んでいることについて。でも先輩たちのほうから教えてくれるっていうのならそれはそれでありがたく聞くとしようか
「それで、どんな契約なんですか?」
「まあ、簡単に言うとだな、この学校にいる間はどの国もシェミンに手を出さないという契約だ」
「さっそく破っていた国思い当たるんですけど」
どこだっけ?確か「光」の国がいちゃもんをつけてシェミン先輩を連れ去ろうとしていたんだけど。それって契約違反じゃないのか?
「別に殺したところで誰も文句は言わない…ほとんどの国が守っていたのは俺やサリアの存在が大きい」
「私たちがシェミンを守ることができる、どちらかといえばそういう契約の側面が大きいですね」
「サリア先輩…」
まあ今回のと同じような感じなのね。周りの人間が守るための契約。でも…それだと一つだけ疑問が残る。今回の時、ハジキさんが話した時に知らなかった人が大勢いた。でもサリア先輩は…いや、ハジキさんが知っている理由が思い当たらない。つまり
「先輩…過去に何があったんですか。シェミン先輩がどうしてバレたんですか?」
「…過去シェミンはあるギルドに所属していました。当然吸血鬼であることは隠していました。そして私たちと出会いました」
「だが、ある日…授業でサリアが大怪我を負った…普通に死ぬ怪我だ」
「そんな授業が…」
サリア先輩が大怪我をするってどんな授業だよ。どんなヤバいやつだよ
「なんでそこに驚かれるんですか」
「今は無くなったけど昔は普通にドラゴンを討伐してこいとか言われてたんだよねーあとはキングクラス」
「そんなのいましたね…」
ていうか当初やばいと思っていたドラゴンとかよりも果てしなくやばい存在が出すぎたせいで本当に記憶から無くなっていたよ。だって明らかに魔王とかのほうがやばそうじゃん
「それでシェミンは私を助けるために魔法を使いました…あの怪我から助けることができるのは、いや、その時にわかったのです」
「シェミンのスキルが『血』であることが」
『吸血鬼は特別なスキルを持っているのそれが「血」』
「まあそうか」
種族特有のスキルってやつか。人間にもありはしないのかな
『あるわよ』
「え?」
『続きを聞きなさい…必ず出てくるから』
「すみません、続きをお願いします」
「ああ、それでシェミンの存在がバレてしまい大騒ぎとなった…だから4年生は全員知っている」
「でも、先輩たちがそれを邪魔した」
「ええ、今回と同じように助けようとしました…その結果」
「サリアがフェンリルと契約し、そして俺が暴走した」
「セリア先輩…」
過去に暴走したことがあるんだっけ。そこに繋がるんだ。ああ、そっか、だから僕が最初に感知魔法や『電気鎧・第三形態』を暴走させた時に色々と落ち着いて対処してきたのか
「俺がその時まで持っていたスキルは『空間』」
「ユンさんと同じですね」
「ああ、うちの家系は『空間』スキルに優れているんだ…まあそれはいい」
「その時までっていうことは…」
「あっ」
そっか、その言い回しをするっていうことは、つまりは
「俺はその時にスキルの名前が変わった…俺の今のスキルは『暴食』。過去の文献を漁ってみたが何も手がかりがない、不思議な力だ」
「『七つの大罪』」
「え?」
『暴食』、それは聞いたことがあるスキルだ。いや、厳密なことをいえば『火』とかも全部当てはまるんだけど、それとは少しだけ意味合いが違う。どちらかといえば、特別なスキルだ。『暴食』『嫉妬』『色欲』『強欲』『傲慢』『怠惰』『憤怒』訳し方は異なっているけれども古より人間が持つとされている罪、大きな罪、それが七つの大罪
「ミライ…お前知っているのか」
「そんなスキルが、待ってくださいつまりはあと6個、セリアと同じ力があると」
『そういうこと…クレア、私を召喚して』
「え?あ、はい『精霊召喚・イフリート』」
『あなたの言葉は正しいわ。セリアのスキルを始めとする「七つの大罪」シリーズ、それは、人間だけがもつ、固有のスキルよ』
「!!」
それが人間が持っている特別なスキル。でも、今のセリア先輩の話を聞く限りそれってかなり特殊な条件下でしか得ることができないスキルなんじゃないのか?
『そうね…でもこれは少し寄り道してる…あとで話すからセリア、話の続きを』
「ああ、俺の暴走とサリアの契約、それによって俺たちはシェミンを殺そうとしていた奴らと互角に戦うことができた…だが、しばらくして、あまりに生徒たちが疲弊していくのを見てミラたち『星』が止めに入った…もともとこの学校はすべての国の中立機関だ」
「だからシェミン先輩に手を出せない契約を」
「そういうことです」
大体の話はわかった。過去に正体がばれた時は先輩たちの尽力でシェミン先輩のことはブラックボックスになったと。いや、どちらかっていえばアンタッチャブルか?誰もそのことについて話さない…話せばきっとかなり大きな戦いの火蓋が切って落とされることになるから
「だが、誰もシェミンと同じギルドに所属したい人はいなくてね…それで俺たちは」
「第32ギルドを作ったと」
「ああ、そうなる」
これは以前にも聞いた話だ。ここまで詳しい話は聞いていなかったけれどもまあありえる話だろうね…ん?でもそれだとどうして先輩たちはこのギルドにいないんだ?このまま同じギルドにいるものだと思うけど
「俺たちの罰だ」
「私たちは…人類の敵を守るために戦いました…それの罰です」
「俺たちが王家の人間が多かったのもマズかったんだよな」
「国を守るため、俺たちはこのギルドができたあとにここから去った…」
「そして彼女は一人、幽閉される予定だった…」
ここでみんなが一斉に僕の方に向いた。そこから先は言わなくてもわかる。本来誰も入れる予定のなかったギルド…一つ上にもいるのはこの際置いといて「ああ、彼女たちもなかなか特殊だからね〜ほぼいないし」ですよね。でも、僕はここにずっといた。ここにいて…シェミン先輩の後輩になった
「ま、それで表舞台に出てきてしまったわけで…そうなれば当然、こんなことがあり得るだろうな」
「ハジキも…どうしても勝ちたかったでしょうし」
「別にそれは否定しない…それに彼奴はまだましだ」
「そうですね…ハジキさんは真剣に戦っていました。僕を倒すために」
「ああ、シェミンのことを話してしまった以上、動かざるを得ない部分もあるが、それでもあいつは勝ちたかったのだろう」
問題があるとすれば…先輩たちが怒りを覚えているものがあるとすればただ盛り上がっていただけの観客たちだろうな…あんな風に悪ノリしなければ…
『まあおかげでミライは覚醒したし別にいいわ』
「ちょっと待って…僕のこの力、イフリートは知っていたの?」
『ええ、当然…あなたよりもかなり』
「…」
「俺の力についても教えてくれる、そう言ったよな」
『ええ、でも一度に教えるのは一つだけ…今回は「七つの大罪」について教えるわ』
「う…」
「あ、目が覚めたか?」
「クレア…あ!シェミン先輩!」
「待て待て、落ち着けって」
目を開けるとそこにはクレアとイフリートがいた。でも…気を失う前の記憶はちゃんと覚えている。シェミン先輩を探さなくちゃ
『無駄よ』
「なんで…」
『外をみなさい』
言われて外を見てみる。もう大分明るくなっていた。…あ
「もう、ほとんどの国の人間がシェミン先輩を追っている…サリア先輩たちももう止めることはできない」
『そもそもサリアたちは頑張ったのよ。吸血鬼を追うのを止めさせるなんて普通ありえないからね』
「…くそっ」
どうしようもない現実に押しつぶされそうになる。ここまで自分が無力な存在だと思い知らされるとは思ってもみなかった。
「ミライ…」
「起きたか」
「セリア先輩…」
扉が開いてセリア先輩達が入ってくる。つい、シェミン先輩がいないか確認してしまうのはしょうがないよね。でも、入ってくる先輩達のなかにシェミン先輩はいない
「シェミン先輩は…」
「それぞれの国の人間がシェミンを追っている…ここまで騒ぎになったんだ。契約を守る国なんているわけない」
「契約?」
「ああ、そっかお前らは知らなかったな」
「セリア、どうしますか?」
「この際だ。ちゃんと話しておくとするか…それに話をしている間はミライは動かないだろうし」
「別に焦ることはしませんって」
『どの口が言っているのよ』
むしろこの機会を利用してシェミン先輩について色々と聞こうと思うだろうな。特にイフリートたち精霊が「姫」って呼んでいることについて。でも先輩たちのほうから教えてくれるっていうのならそれはそれでありがたく聞くとしようか
「それで、どんな契約なんですか?」
「まあ、簡単に言うとだな、この学校にいる間はどの国もシェミンに手を出さないという契約だ」
「さっそく破っていた国思い当たるんですけど」
どこだっけ?確か「光」の国がいちゃもんをつけてシェミン先輩を連れ去ろうとしていたんだけど。それって契約違反じゃないのか?
「別に殺したところで誰も文句は言わない…ほとんどの国が守っていたのは俺やサリアの存在が大きい」
「私たちがシェミンを守ることができる、どちらかといえばそういう契約の側面が大きいですね」
「サリア先輩…」
まあ今回のと同じような感じなのね。周りの人間が守るための契約。でも…それだと一つだけ疑問が残る。今回の時、ハジキさんが話した時に知らなかった人が大勢いた。でもサリア先輩は…いや、ハジキさんが知っている理由が思い当たらない。つまり
「先輩…過去に何があったんですか。シェミン先輩がどうしてバレたんですか?」
「…過去シェミンはあるギルドに所属していました。当然吸血鬼であることは隠していました。そして私たちと出会いました」
「だが、ある日…授業でサリアが大怪我を負った…普通に死ぬ怪我だ」
「そんな授業が…」
サリア先輩が大怪我をするってどんな授業だよ。どんなヤバいやつだよ
「なんでそこに驚かれるんですか」
「今は無くなったけど昔は普通にドラゴンを討伐してこいとか言われてたんだよねーあとはキングクラス」
「そんなのいましたね…」
ていうか当初やばいと思っていたドラゴンとかよりも果てしなくやばい存在が出すぎたせいで本当に記憶から無くなっていたよ。だって明らかに魔王とかのほうがやばそうじゃん
「それでシェミンは私を助けるために魔法を使いました…あの怪我から助けることができるのは、いや、その時にわかったのです」
「シェミンのスキルが『血』であることが」
『吸血鬼は特別なスキルを持っているのそれが「血」』
「まあそうか」
種族特有のスキルってやつか。人間にもありはしないのかな
『あるわよ』
「え?」
『続きを聞きなさい…必ず出てくるから』
「すみません、続きをお願いします」
「ああ、それでシェミンの存在がバレてしまい大騒ぎとなった…だから4年生は全員知っている」
「でも、先輩たちがそれを邪魔した」
「ええ、今回と同じように助けようとしました…その結果」
「サリアがフェンリルと契約し、そして俺が暴走した」
「セリア先輩…」
過去に暴走したことがあるんだっけ。そこに繋がるんだ。ああ、そっか、だから僕が最初に感知魔法や『電気鎧・第三形態』を暴走させた時に色々と落ち着いて対処してきたのか
「俺がその時まで持っていたスキルは『空間』」
「ユンさんと同じですね」
「ああ、うちの家系は『空間』スキルに優れているんだ…まあそれはいい」
「その時までっていうことは…」
「あっ」
そっか、その言い回しをするっていうことは、つまりは
「俺はその時にスキルの名前が変わった…俺の今のスキルは『暴食』。過去の文献を漁ってみたが何も手がかりがない、不思議な力だ」
「『七つの大罪』」
「え?」
『暴食』、それは聞いたことがあるスキルだ。いや、厳密なことをいえば『火』とかも全部当てはまるんだけど、それとは少しだけ意味合いが違う。どちらかといえば、特別なスキルだ。『暴食』『嫉妬』『色欲』『強欲』『傲慢』『怠惰』『憤怒』訳し方は異なっているけれども古より人間が持つとされている罪、大きな罪、それが七つの大罪
「ミライ…お前知っているのか」
「そんなスキルが、待ってくださいつまりはあと6個、セリアと同じ力があると」
『そういうこと…クレア、私を召喚して』
「え?あ、はい『精霊召喚・イフリート』」
『あなたの言葉は正しいわ。セリアのスキルを始めとする「七つの大罪」シリーズ、それは、人間だけがもつ、固有のスキルよ』
「!!」
それが人間が持っている特別なスキル。でも、今のセリア先輩の話を聞く限りそれってかなり特殊な条件下でしか得ることができないスキルなんじゃないのか?
『そうね…でもこれは少し寄り道してる…あとで話すからセリア、話の続きを』
「ああ、俺の暴走とサリアの契約、それによって俺たちはシェミンを殺そうとしていた奴らと互角に戦うことができた…だが、しばらくして、あまりに生徒たちが疲弊していくのを見てミラたち『星』が止めに入った…もともとこの学校はすべての国の中立機関だ」
「だからシェミン先輩に手を出せない契約を」
「そういうことです」
大体の話はわかった。過去に正体がばれた時は先輩たちの尽力でシェミン先輩のことはブラックボックスになったと。いや、どちらかっていえばアンタッチャブルか?誰もそのことについて話さない…話せばきっとかなり大きな戦いの火蓋が切って落とされることになるから
「だが、誰もシェミンと同じギルドに所属したい人はいなくてね…それで俺たちは」
「第32ギルドを作ったと」
「ああ、そうなる」
これは以前にも聞いた話だ。ここまで詳しい話は聞いていなかったけれどもまあありえる話だろうね…ん?でもそれだとどうして先輩たちはこのギルドにいないんだ?このまま同じギルドにいるものだと思うけど
「俺たちの罰だ」
「私たちは…人類の敵を守るために戦いました…それの罰です」
「俺たちが王家の人間が多かったのもマズかったんだよな」
「国を守るため、俺たちはこのギルドができたあとにここから去った…」
「そして彼女は一人、幽閉される予定だった…」
ここでみんなが一斉に僕の方に向いた。そこから先は言わなくてもわかる。本来誰も入れる予定のなかったギルド…一つ上にもいるのはこの際置いといて「ああ、彼女たちもなかなか特殊だからね〜ほぼいないし」ですよね。でも、僕はここにずっといた。ここにいて…シェミン先輩の後輩になった
「ま、それで表舞台に出てきてしまったわけで…そうなれば当然、こんなことがあり得るだろうな」
「ハジキも…どうしても勝ちたかったでしょうし」
「別にそれは否定しない…それに彼奴はまだましだ」
「そうですね…ハジキさんは真剣に戦っていました。僕を倒すために」
「ああ、シェミンのことを話してしまった以上、動かざるを得ない部分もあるが、それでもあいつは勝ちたかったのだろう」
問題があるとすれば…先輩たちが怒りを覚えているものがあるとすればただ盛り上がっていただけの観客たちだろうな…あんな風に悪ノリしなければ…
『まあおかげでミライは覚醒したし別にいいわ』
「ちょっと待って…僕のこの力、イフリートは知っていたの?」
『ええ、当然…あなたよりもかなり』
「…」
「俺の力についても教えてくれる、そう言ったよな」
『ええ、でも一度に教えるのは一つだけ…今回は「七つの大罪」について教えるわ』
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