電気使いは今日もノリで生きる
『磁石』
葉月二週目火曜日
「遅れないでね!クレア」
僕は魔法『磁石』を発動させる。そして僕らはタイミングを合わせてジャンプする
「『浮遊』」
クレアが浮遊魔法を発動させる。これで全部準備が整った
「『何をしようと無駄だよ』」
「それはやってみなきゃわからないよな」
これから先、左手は使えなくなる。それでもやるしかない。僕はゆっくりと左手を閉じる。すると僕とクレアの距離が縮まって同じタイミングで蟲の王に接近する。
「くらえ!」
「ミライ」
「!」
「『ん?距離をとった?ああ、それから陛下、ここは私に任せて陛下はおさがりください』」
「では、まかせる」
クレアが警告を発してくれたので僕は慌てて手を開く。すると今度は僕らの距離は離れていく。あぶなかった。もし離れていなかったら蟲の王が振り向いて僕に攻撃をしてそれが当たっていただろう。でもすぐに閉じればまた接近する。また、王様はどこかに行くようだ。
「『面倒ね。二人の攻撃タイミングが全く同時だなんて』」
「それがこの魔法だからね」
「ミライ!一段階上げるよ『加速』」
クレアが手を横に向けて急加速する。するとどうなるだろうか。僕らは蟲の王を中心にしてぐるぐると回り始める。僕がお互いの距離を操りクレアが横方向の移動を操る。これによって規則的ではあるけれどどこか不規則な攻撃手段が完成する。
「『なるほどね。お互いを信頼しているからこその魔法か「鎌鼬」』」
「甘い!」
蟲の王が僕らに向かって風の刃を放ってくるが僕らの横方向の早さに追いついていない。まあ急に回る向きを変えただけなんだけどね。ちょっと気持ち悪い。急に方向を変えるとよくないよね。おまけに今は『電気鎧・第三形態』を使えないからね。気持ち悪いからといって無理やり我慢することができない。これは本当に辛い
「『なぜ急に方向を変えれる?いやそれに対応できるんだ?』」
「『放電』」
「『火の玉』」
「『ちっ、『繭網』』」
蟲の王の周りに糸の壁が展開される。でもさ、確かにそれで僕の攻撃は防ぐことはできるかもしれないけどさ、クレアの魔法は火魔法だよ。火の玉に触れたところから燃えていく。
「『ああ、そういえばあなた火魔法の使いだったね…それにそっか。イフリートが支持を出しているのか』」
『相変わらず勘が鋭いわね』
そう、イフリートがクレアが方向を変えようとしたり僕が引き寄せたり吹き飛ばしたりしようとしたときに伝えてくれている。蟲の王の方の先読みをすることは難しいけれど僕らが魔法を使うときの前触れを掴むことはたやすい、らしい。
「ネタがばれたとしても問題ない『放電』」
電撃を放ちそこらへんの壁を破壊する。破壊する理由は先ほどと同じ壁を壊すことで『創造』を使えるようにするためだ
「『創造』」
右手に砂鉄の剣を作り出す。そして糸を切り裂いていく。燃えなかった部分が僕の方に少しだけ残っていたからだ。強度自体はそこまで強くなかったらしく普通に切ることができた。
「『あら、そんな魔法も使えるのね』」
「器用だからね『解除』、クレア!」
「任せろ『発火』」
「『!』」
砂鉄が爆発して蟲の王を巻き込む。そのままかなり燃え上がるかと思ったら
「『あら、子供だからと甘組み過ぎていたようね』」
「火が消えた?」
「消されたんだよ…どんな手段を使ったのかわからないけど」
「『ふふ、しっかりと考えなさい』」
「考えるよりも先に倒さないといけないだろ『放電』」
考えなさいって言われてもこちらに近づいてくる兵士たちの気配を感じ取れるんだけどね。ここで足止めを食らっていたら色々とまずい。だからこいつを倒さないといけないんだよな。電撃を放つ、だが
「『「蟲の世界」』」
「頭が…」
超音波を受けてしまい魔法を展開することができなくなる。『電気鎧・第四形態』も切れたので僕らは床に落ちる。
『再び「合体魔法」を使うことは難しいわね。それぞれで戦いなさい』
「とりあえずまた空気を揺らめかせる『火』」
クレアがまた空気を揺らめかせたことでまた僕は立ち上がることができる。少しだけふらつきながら僕は蟲の王を見る。
「『あら、もうおしまい?もう少し楽しめると思ったのだけど』」
「それはこれからの僕らを見てくれよ『電気鎧・第三形態』」
そしてそのまま蟲の王に接近する。さっきと違い僕の反射神経は格段に上がっている。だからまた同じように振り向きながら僕に向かって攻撃をしてくることを把握することができる。そしてそのまま拳を避けて相手の懐に入り込む
「とりゃあああああ」
「『あら、今度は自力で気がつけるのね』」
しかし僕の攻撃した拳は相手にやすやす掴まれる。そしてそのまま持ち上げられてクレアの方向に放り投げられる。
「ぐわっ」
「ミライ、大丈夫か?」
「ああ、大丈夫」
「『二人とも、少し早すぎよ。ほら、陛下もいなくなってしまったし私以外誰もいないからここから逃げちゃいなさい』」
「見逃すのか?」
蟲の王からの提案に驚きを隠せない。こいつは今なんて言ったんだ?確かにいつの間にか王様はいなくなっているけどさ、それで誰も目撃者がいなくなっているだろうから見逃す?そんなことを提案するなんてなぜだ?
「『今回だけね。準備はしてきているのだけど時間ないからって焦っちゃったのね。それじゃあ私は倒せないわよ』」
「ならなぜ戦わない…それに」
「『私の方が圧倒的に強いわよ?自惚れるのもいい加減にしなさい?』」
あの吸血鬼の王様と同クラスだってことを考えればそれもそうなんだけどさ。ねえ、イフリート君はあいつがこういう行動をとっている理由を知ってる?
『ええ、予想はつくわ。あなたはそれでもいいの?』
「『むしろあなたが否定しないのが不思議ねイフリート。長らく人間を見てきたっていうのに』」
『見てきたからこそ彼らに託すわ』
「『ふうん、なるほどね。じゃあ引いてくれるかしら?』」
『そうね。助っ人もきたみたいだし』
「ん?」
さっきからこの二人の話し合いが全くわからない。なんのことを言っているんだ?でもクレアの方向を見たら同じような顔をしているからきっとクレアもわかっていないのだろう。
「イフリート、助っ人って」
「ここにいましたか。ミライ、クレア」
「…え?サリア先輩?」
壊れた…僕が壊した壁の向こうからひょっこりと顔を出したのはまさかのサリア先輩だった。そしてその横には「どうしたサリア?ああ、あいつらか」セリア先輩もいた。いや、サリア先輩はともかくどうしてセリア先輩もいるんですか。
「遅れないでね!クレア」
僕は魔法『磁石』を発動させる。そして僕らはタイミングを合わせてジャンプする
「『浮遊』」
クレアが浮遊魔法を発動させる。これで全部準備が整った
「『何をしようと無駄だよ』」
「それはやってみなきゃわからないよな」
これから先、左手は使えなくなる。それでもやるしかない。僕はゆっくりと左手を閉じる。すると僕とクレアの距離が縮まって同じタイミングで蟲の王に接近する。
「くらえ!」
「ミライ」
「!」
「『ん?距離をとった?ああ、それから陛下、ここは私に任せて陛下はおさがりください』」
「では、まかせる」
クレアが警告を発してくれたので僕は慌てて手を開く。すると今度は僕らの距離は離れていく。あぶなかった。もし離れていなかったら蟲の王が振り向いて僕に攻撃をしてそれが当たっていただろう。でもすぐに閉じればまた接近する。また、王様はどこかに行くようだ。
「『面倒ね。二人の攻撃タイミングが全く同時だなんて』」
「それがこの魔法だからね」
「ミライ!一段階上げるよ『加速』」
クレアが手を横に向けて急加速する。するとどうなるだろうか。僕らは蟲の王を中心にしてぐるぐると回り始める。僕がお互いの距離を操りクレアが横方向の移動を操る。これによって規則的ではあるけれどどこか不規則な攻撃手段が完成する。
「『なるほどね。お互いを信頼しているからこその魔法か「鎌鼬」』」
「甘い!」
蟲の王が僕らに向かって風の刃を放ってくるが僕らの横方向の早さに追いついていない。まあ急に回る向きを変えただけなんだけどね。ちょっと気持ち悪い。急に方向を変えるとよくないよね。おまけに今は『電気鎧・第三形態』を使えないからね。気持ち悪いからといって無理やり我慢することができない。これは本当に辛い
「『なぜ急に方向を変えれる?いやそれに対応できるんだ?』」
「『放電』」
「『火の玉』」
「『ちっ、『繭網』』」
蟲の王の周りに糸の壁が展開される。でもさ、確かにそれで僕の攻撃は防ぐことはできるかもしれないけどさ、クレアの魔法は火魔法だよ。火の玉に触れたところから燃えていく。
「『ああ、そういえばあなた火魔法の使いだったね…それにそっか。イフリートが支持を出しているのか』」
『相変わらず勘が鋭いわね』
そう、イフリートがクレアが方向を変えようとしたり僕が引き寄せたり吹き飛ばしたりしようとしたときに伝えてくれている。蟲の王の方の先読みをすることは難しいけれど僕らが魔法を使うときの前触れを掴むことはたやすい、らしい。
「ネタがばれたとしても問題ない『放電』」
電撃を放ちそこらへんの壁を破壊する。破壊する理由は先ほどと同じ壁を壊すことで『創造』を使えるようにするためだ
「『創造』」
右手に砂鉄の剣を作り出す。そして糸を切り裂いていく。燃えなかった部分が僕の方に少しだけ残っていたからだ。強度自体はそこまで強くなかったらしく普通に切ることができた。
「『あら、そんな魔法も使えるのね』」
「器用だからね『解除』、クレア!」
「任せろ『発火』」
「『!』」
砂鉄が爆発して蟲の王を巻き込む。そのままかなり燃え上がるかと思ったら
「『あら、子供だからと甘組み過ぎていたようね』」
「火が消えた?」
「消されたんだよ…どんな手段を使ったのかわからないけど」
「『ふふ、しっかりと考えなさい』」
「考えるよりも先に倒さないといけないだろ『放電』」
考えなさいって言われてもこちらに近づいてくる兵士たちの気配を感じ取れるんだけどね。ここで足止めを食らっていたら色々とまずい。だからこいつを倒さないといけないんだよな。電撃を放つ、だが
「『「蟲の世界」』」
「頭が…」
超音波を受けてしまい魔法を展開することができなくなる。『電気鎧・第四形態』も切れたので僕らは床に落ちる。
『再び「合体魔法」を使うことは難しいわね。それぞれで戦いなさい』
「とりあえずまた空気を揺らめかせる『火』」
クレアがまた空気を揺らめかせたことでまた僕は立ち上がることができる。少しだけふらつきながら僕は蟲の王を見る。
「『あら、もうおしまい?もう少し楽しめると思ったのだけど』」
「それはこれからの僕らを見てくれよ『電気鎧・第三形態』」
そしてそのまま蟲の王に接近する。さっきと違い僕の反射神経は格段に上がっている。だからまた同じように振り向きながら僕に向かって攻撃をしてくることを把握することができる。そしてそのまま拳を避けて相手の懐に入り込む
「とりゃあああああ」
「『あら、今度は自力で気がつけるのね』」
しかし僕の攻撃した拳は相手にやすやす掴まれる。そしてそのまま持ち上げられてクレアの方向に放り投げられる。
「ぐわっ」
「ミライ、大丈夫か?」
「ああ、大丈夫」
「『二人とも、少し早すぎよ。ほら、陛下もいなくなってしまったし私以外誰もいないからここから逃げちゃいなさい』」
「見逃すのか?」
蟲の王からの提案に驚きを隠せない。こいつは今なんて言ったんだ?確かにいつの間にか王様はいなくなっているけどさ、それで誰も目撃者がいなくなっているだろうから見逃す?そんなことを提案するなんてなぜだ?
「『今回だけね。準備はしてきているのだけど時間ないからって焦っちゃったのね。それじゃあ私は倒せないわよ』」
「ならなぜ戦わない…それに」
「『私の方が圧倒的に強いわよ?自惚れるのもいい加減にしなさい?』」
あの吸血鬼の王様と同クラスだってことを考えればそれもそうなんだけどさ。ねえ、イフリート君はあいつがこういう行動をとっている理由を知ってる?
『ええ、予想はつくわ。あなたはそれでもいいの?』
「『むしろあなたが否定しないのが不思議ねイフリート。長らく人間を見てきたっていうのに』」
『見てきたからこそ彼らに託すわ』
「『ふうん、なるほどね。じゃあ引いてくれるかしら?』」
『そうね。助っ人もきたみたいだし』
「ん?」
さっきからこの二人の話し合いが全くわからない。なんのことを言っているんだ?でもクレアの方向を見たら同じような顔をしているからきっとクレアもわかっていないのだろう。
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「…え?サリア先輩?」
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