電気使いは今日もノリで生きる
勉強は大事だね!
葉月一週目日曜日
『どう?なにか掴めた?』
「いやまったく」
考え事をしながら歩いているとイフリートが声をかけてくる。そう簡単に身につくことができるのならば苦労しないって。
『適当に補充でもできればいいんだけどねー』
「それって最初にあらかじめ電気を設置しておくってことか?」
設置っていうことは『地雷』を使えばいいのかな。それを前方に放っておく。そしてそのままあ走り出す。魔法が発動している場所に来たら少しだけど早くなった気がする。といってもそんなに実感できるほど早くなっていないし反発も感じられない
『それを連続で行うことはできるの?』
「あーやってみる」
今度は走りながら前方に『地雷』を継続的に発動させて反発を維持できるか試してみる。これは結構うまくいった。走りながら電撃を放つことになれれば多分いい感じにできるかな
『おーいい感じじゃない』
「まあ、これでもいいけど…」
『何か問題があるの?』
「かなり遅いな」
電撃と電撃の間隔によって僕の速度はかなり低下してしまう。そのせいであんまりスピードが出ない。これなら普通に走った方がマシかもしれない
『初期の速度を上げれないの?』
「無理。そもそも加速するために『地雷』を使っているわけで初速は同じだよ」
『じゃあ「第三形態」で一時的に加速してそこからシフトチェンジしたら?』
「それわざわざ魔法を変える必要性があるか?」
なら最初っから使い続ければいいだけだしね。初動をしっかり動くにはどうすればいいのだろうか
『要は初動をしっかりと溜めれればいいのよね?』
「まあそうなるね」
『なるほどね』
イフリートがなにか思いついたかのように考え込んでいる。あれ?なにか思いついた?
『うーん、ミライ、サイクロトロンって知ってる?』
「なにそれ?」
まったく聞いたことないんだけど、それってなに?自転車?『それはサイクリング』一つ目の巨人?『それはサイクロプスね』河豚の毒だっけ?『それはテトロドトキシン…って離れているわよ』だって本当に知らないんだからボケるしかないよね
『まあミライの語彙力のなさがわかったところで』
「いちいちからかわないで」
『説明するわよ』
「なんでそんなこと知っているんだ?」
『あーどこかの国がちょっと研究をしていてね…それをミライたちの世界の知識を合わせて伝えているだけ』
「どういうこと?」
僕の世界の知識って…ということは僕の世界の常識をこいつは持っているっていうことなのか?でもなんで?どうして?疑問が泡のように湧き出る
『理由はあなたたちが転移してきたからってことだけど…あ、これ言っちゃいけないことだっけ?』
「ならなんで僕に話すんだよ」
『それより、話すわよ?サイクロトロンは要は装置の一種でイオンを加速させるものなんだけど』
「その説明からわからないんだけど!?」
イオンを加速させるって意味がわからないんだけどもっと簡単に説明してもらえないかな?もしかしてあれ?イオンって化学でならった水素イオンとか?てかこの精霊自由すぎない?話しちゃダメってことを平気で話してきたんだけど
『んーっとね原子はわかる?』
「あーそういえば物理の最後に習う単元がそんなだった気がする」
『ということはミライはまったく習っていないのね』
「そうなるな」
もう突っ込む気力もわかないのでイフリートの話を聞く…まったく理解できないけど。僕がものすごくアクティブな性格をしているとか塾とかに通っていてすでに予習済みなら話が別だけど僕はそこまでやる気がある生徒ではなかったし塾にも通っていなかったからね。まったく予習なんてしていませんでしたよ。まあそれでも僕まだ二年生だし3年の最後に習う内容を知っているはずがないよな…
『じゃあものすごく簡単に話すわよ。フレミング左手の法則はわかる?』
「それはまあ」
磁場が発生している場所に置いて電流が流れたとき…いや電子が流れたとき?に力が発生するんだけどその向きを左手で簡単に見つけることができるってやつだっけ。確か電流の向きに中指を磁界の向きに人差し指を合わせると親指の向きが力の向きになるっていうやつだよな
『まあちゃんとした形があるんだけどそれはまあ知っているわよね』
「これだよね?」
『そうそう』
僕は左手で形を作ってそれをイフリートに見せる。これってどういう風に表現したらいいんだろうか。人差し指は開いた状態にして中指を90度ほど曲げて、親指は横に開いて三つの指がそれぞれ直角になるようにするんだよな…この説明であっているかな
『私が理解できているからいいわよ。大体教科書とかでも図での説明しかないでしょ?』
「そうだけど…あ、どこの国がこの研究を行っているんだ?」
『え?あーどこだったかしらね…どこかの国だってことは覚えているだけど…興味ないからね』
「じゃあなんで今思い出したんだよ」
『まあ精霊特権ってやつ?完全記憶能力みたいな?』
「もういいよ…」
無茶苦茶すぎる。もうこの件を掘り下げることはやめておこう。今はイフリートの説明をしっかりと聞こう…ってなんだか地球にいた時の授業を聞いているかのような感覚になってくる
「続きは?」
『要は磁場がある空間に電流を流すことで力を発生させてエネルギーを溜めるってことなんだけど、それを応用すれば初速をしっかりした状態で動けるようになるんじゃないかしら』
「あーそういう」
言いたいことはわかった。でもそれをどう表現すればいいんだよ。磁場がある空間はまあ『領域』を使えばいいんだろうけどそこを電流を流す…つまりまあ『電気鎧』を纏った状態で走り回ればいいんだけど走り続けることってできるのだろうか。それが一番問題だ
『ちなみにサイクロトロンでは円状で扱っているわね』
「つまり『領域』内をぐるぐる回っていればいいわけか」
『そういうことね』
「じゃあ試してみるよ…『電気の領域』」
まずは『領域』を展開する。そして左手でフレミングの法則を表現してどのように電流を発生させれば自分が進む方向に力の向きが来るのかを確認してみる。えっと…そもそも磁場の向きがどうなっているんだ?
『試しに適当に走ってみたら』
「それはいいよ」
近くに落ちている石を拾って電気をまとわせる。そして『領域』が貼られている場所に向かって直線で投げる。投げた石は徐々に右の方向にずれていった
『あーそれで確認したわけね』
「ああ、僕の『領域』の磁場は上の方向を向いているわけだ」
つまり直進していけば右の方向に力を受けるわけだけど…ああ、これは電流の向きを変えなくても自然と進んでいけば右方向にずれていくから円形になるな。だから遠慮することなく走ればいい
「『電気鎧』」
電気を身にまとってそしてそのままの勢いで『領域』を走る。そして…
「あれ?」
『あー体が耐えられないのね』
横にずれまくってしまった。綺麗な円形をキープしようとするためにはもう少し速度と力に耐えられるようにする必要があるみたいだ。それを解決するには
「『電気鎧・第三形態』」
結局この魔法を頼ることになるわけか。ま、そんなことはどうでもよくて準備はできたわけだ。そのまま僕は『領域』のところを走る。ただひたすら走る。抵抗を感じるけど適度にそれを受けてぐるぐる回るように心がける。しばらくはなにも感じなかったけどしばらくしたら自分が走っている速度が上がってきた気がする。もう少し、もう少し時間が経てば…
『おぉ、かなり早くなってきたわね』
イフリートがいい感じになってきたと言ってくれている。なら速度自体はこれでいいのだろう。ならあとは走り出せばいいわけだけど…
『ねえ、いつまで回っているの?』
どうやったらここから脱出することができるんだ?走りすぎて目も回ってきたんだけど
『一度ジャンプしたらいいんじゃない?すぐにエネルギーが0になることはないだろうし』
なるほど、それもそうだ。僕はその場でジャンプする。すると今までの反動か少しだけクラクラする。でも今まで走り回っていたエネルギーが自分の中に集まっていることがわかる。
『そのまま走り出せば!』
「そうだ…な」
クレアが向かった方向に向けて走り出す…厳密には走り出そうとした。僕が地面を蹴った瞬間溜まっていたエネルギーが全て解放されたのか僕の体は空高く飛んで行った。
『あら、私と同じね』
「これ聞いていないんだけどぉぉぉぉぉぉぉ」
叫びながら僕は空を飛んでクレアの元に向かった
『どう?なにか掴めた?』
「いやまったく」
考え事をしながら歩いているとイフリートが声をかけてくる。そう簡単に身につくことができるのならば苦労しないって。
『適当に補充でもできればいいんだけどねー』
「それって最初にあらかじめ電気を設置しておくってことか?」
設置っていうことは『地雷』を使えばいいのかな。それを前方に放っておく。そしてそのままあ走り出す。魔法が発動している場所に来たら少しだけど早くなった気がする。といってもそんなに実感できるほど早くなっていないし反発も感じられない
『それを連続で行うことはできるの?』
「あーやってみる」
今度は走りながら前方に『地雷』を継続的に発動させて反発を維持できるか試してみる。これは結構うまくいった。走りながら電撃を放つことになれれば多分いい感じにできるかな
『おーいい感じじゃない』
「まあ、これでもいいけど…」
『何か問題があるの?』
「かなり遅いな」
電撃と電撃の間隔によって僕の速度はかなり低下してしまう。そのせいであんまりスピードが出ない。これなら普通に走った方がマシかもしれない
『初期の速度を上げれないの?』
「無理。そもそも加速するために『地雷』を使っているわけで初速は同じだよ」
『じゃあ「第三形態」で一時的に加速してそこからシフトチェンジしたら?』
「それわざわざ魔法を変える必要性があるか?」
なら最初っから使い続ければいいだけだしね。初動をしっかり動くにはどうすればいいのだろうか
『要は初動をしっかりと溜めれればいいのよね?』
「まあそうなるね」
『なるほどね』
イフリートがなにか思いついたかのように考え込んでいる。あれ?なにか思いついた?
『うーん、ミライ、サイクロトロンって知ってる?』
「なにそれ?」
まったく聞いたことないんだけど、それってなに?自転車?『それはサイクリング』一つ目の巨人?『それはサイクロプスね』河豚の毒だっけ?『それはテトロドトキシン…って離れているわよ』だって本当に知らないんだからボケるしかないよね
『まあミライの語彙力のなさがわかったところで』
「いちいちからかわないで」
『説明するわよ』
「なんでそんなこと知っているんだ?」
『あーどこかの国がちょっと研究をしていてね…それをミライたちの世界の知識を合わせて伝えているだけ』
「どういうこと?」
僕の世界の知識って…ということは僕の世界の常識をこいつは持っているっていうことなのか?でもなんで?どうして?疑問が泡のように湧き出る
『理由はあなたたちが転移してきたからってことだけど…あ、これ言っちゃいけないことだっけ?』
「ならなんで僕に話すんだよ」
『それより、話すわよ?サイクロトロンは要は装置の一種でイオンを加速させるものなんだけど』
「その説明からわからないんだけど!?」
イオンを加速させるって意味がわからないんだけどもっと簡単に説明してもらえないかな?もしかしてあれ?イオンって化学でならった水素イオンとか?てかこの精霊自由すぎない?話しちゃダメってことを平気で話してきたんだけど
『んーっとね原子はわかる?』
「あーそういえば物理の最後に習う単元がそんなだった気がする」
『ということはミライはまったく習っていないのね』
「そうなるな」
もう突っ込む気力もわかないのでイフリートの話を聞く…まったく理解できないけど。僕がものすごくアクティブな性格をしているとか塾とかに通っていてすでに予習済みなら話が別だけど僕はそこまでやる気がある生徒ではなかったし塾にも通っていなかったからね。まったく予習なんてしていませんでしたよ。まあそれでも僕まだ二年生だし3年の最後に習う内容を知っているはずがないよな…
『じゃあものすごく簡単に話すわよ。フレミング左手の法則はわかる?』
「それはまあ」
磁場が発生している場所に置いて電流が流れたとき…いや電子が流れたとき?に力が発生するんだけどその向きを左手で簡単に見つけることができるってやつだっけ。確か電流の向きに中指を磁界の向きに人差し指を合わせると親指の向きが力の向きになるっていうやつだよな
『まあちゃんとした形があるんだけどそれはまあ知っているわよね』
「これだよね?」
『そうそう』
僕は左手で形を作ってそれをイフリートに見せる。これってどういう風に表現したらいいんだろうか。人差し指は開いた状態にして中指を90度ほど曲げて、親指は横に開いて三つの指がそれぞれ直角になるようにするんだよな…この説明であっているかな
『私が理解できているからいいわよ。大体教科書とかでも図での説明しかないでしょ?』
「そうだけど…あ、どこの国がこの研究を行っているんだ?」
『え?あーどこだったかしらね…どこかの国だってことは覚えているだけど…興味ないからね』
「じゃあなんで今思い出したんだよ」
『まあ精霊特権ってやつ?完全記憶能力みたいな?』
「もういいよ…」
無茶苦茶すぎる。もうこの件を掘り下げることはやめておこう。今はイフリートの説明をしっかりと聞こう…ってなんだか地球にいた時の授業を聞いているかのような感覚になってくる
「続きは?」
『要は磁場がある空間に電流を流すことで力を発生させてエネルギーを溜めるってことなんだけど、それを応用すれば初速をしっかりした状態で動けるようになるんじゃないかしら』
「あーそういう」
言いたいことはわかった。でもそれをどう表現すればいいんだよ。磁場がある空間はまあ『領域』を使えばいいんだろうけどそこを電流を流す…つまりまあ『電気鎧』を纏った状態で走り回ればいいんだけど走り続けることってできるのだろうか。それが一番問題だ
『ちなみにサイクロトロンでは円状で扱っているわね』
「つまり『領域』内をぐるぐる回っていればいいわけか」
『そういうことね』
「じゃあ試してみるよ…『電気の領域』」
まずは『領域』を展開する。そして左手でフレミングの法則を表現してどのように電流を発生させれば自分が進む方向に力の向きが来るのかを確認してみる。えっと…そもそも磁場の向きがどうなっているんだ?
『試しに適当に走ってみたら』
「それはいいよ」
近くに落ちている石を拾って電気をまとわせる。そして『領域』が貼られている場所に向かって直線で投げる。投げた石は徐々に右の方向にずれていった
『あーそれで確認したわけね』
「ああ、僕の『領域』の磁場は上の方向を向いているわけだ」
つまり直進していけば右の方向に力を受けるわけだけど…ああ、これは電流の向きを変えなくても自然と進んでいけば右方向にずれていくから円形になるな。だから遠慮することなく走ればいい
「『電気鎧』」
電気を身にまとってそしてそのままの勢いで『領域』を走る。そして…
「あれ?」
『あー体が耐えられないのね』
横にずれまくってしまった。綺麗な円形をキープしようとするためにはもう少し速度と力に耐えられるようにする必要があるみたいだ。それを解決するには
「『電気鎧・第三形態』」
結局この魔法を頼ることになるわけか。ま、そんなことはどうでもよくて準備はできたわけだ。そのまま僕は『領域』のところを走る。ただひたすら走る。抵抗を感じるけど適度にそれを受けてぐるぐる回るように心がける。しばらくはなにも感じなかったけどしばらくしたら自分が走っている速度が上がってきた気がする。もう少し、もう少し時間が経てば…
『おぉ、かなり早くなってきたわね』
イフリートがいい感じになってきたと言ってくれている。なら速度自体はこれでいいのだろう。ならあとは走り出せばいいわけだけど…
『ねえ、いつまで回っているの?』
どうやったらここから脱出することができるんだ?走りすぎて目も回ってきたんだけど
『一度ジャンプしたらいいんじゃない?すぐにエネルギーが0になることはないだろうし』
なるほど、それもそうだ。僕はその場でジャンプする。すると今までの反動か少しだけクラクラする。でも今まで走り回っていたエネルギーが自分の中に集まっていることがわかる。
『そのまま走り出せば!』
「そうだ…な」
クレアが向かった方向に向けて走り出す…厳密には走り出そうとした。僕が地面を蹴った瞬間溜まっていたエネルギーが全て解放されたのか僕の体は空高く飛んで行った。
『あら、私と同じね』
「これ聞いていないんだけどぉぉぉぉぉぉぉ」
叫びながら僕は空を飛んでクレアの元に向かった
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