電気使いは今日もノリで生きる
休憩は大事だよね
葉月一週目土曜日
「えっと、つまり今シオン先輩の父親が世界征服を狙っていて国の上層部がまとめて魔族と手を組んでシオン先輩はそいつらに捕まってしまったと」
『そういうことになるわね。ミライもわかったかしら』
「つまり先輩が結婚したいのはサリア先輩ではなくてシズク先輩であると」
『こいつの言うことはすべて無視していいわよ』
「さすがにひどくない?」
すべて無視してもいいとかさぁ。さすがの僕でも傷つくぞ。すべてっていうことは100%っていうことでしょ?
『そうよ…あなたもう少しまともな使い方をしなさいよ』
「そこまで言われるか」
『ミライってそんな性格なのね』
「もうこれ以上ないっていうぐらい引かれているな」
さすがにやりすぎたか。初対面のものと話す時って毎回距離の取り方をよく間違えるんだよな『そうね、まったくなっていないわ』ここぞとばかりに悪口を言わないでくれよ
「まあいいや。それで、僕らはどうすればいいんだ?助けたらいいのかな」
『そうね、そうしてくれると助かるわ』
「シオン先輩たちにはお世話になりっぱなしだから助けてあげたいな」
「そうだな」
どのみち事情を聴きに風の国に向かう予定だったんだ。ならばちゃんとした目的ができた分、ありがたい。大義名分があるとないとでは周りの人間の信頼というか視線が全く違うからね
『どっちにしたってあんたは不審者まっしぐらよ』
「そこまで怪しいか?」
「まあ黒目黒髪ってだけで目立っているからな」
『メイはあなたの出身よりも悩んでいることがあったから気にしていなかったけど結構目立つってことを意識しておいてね』
なるほどね。ということは…いや今はいっか。それよりも僕らは移動するけれど歩いて行くことになるんだけど…あ、もしかしてウィンディーネがみんなまとめて転移させてくれるとか?
『え?それは自分たちで歩きなさい?案内はしてあげるから』
「えぇ?」
いや案内をしていただけるのはありがたいのですがね…ここからでもかなり距離があるみたいなんですよ。その距離を進めって言われても着くまでにかなり消耗してしまう気がするんだけど
『無茶だけど…覚悟を決めましょ?』
「ミライ、どうする?」
「行くしかないよ」
この世界に来てから先輩たちには本当にお世話になった。その恩を返すことができるというのなら、それは、またとないことだろう。
「それじゃあ早速」
『あ、ちなみにだけど敵の情報とか何かある?』
『情報?そうねぇ』
行こうとしたらイフリートがタイミング悪く質問をした。いやタイミング悪すぎないか、さすがに。
『おそらくだけど王クラスね「世界」を使えたし…それにおそらくだけど蟲の王ね』
「蟲?」
「蟲ってことは…ベルゼブブ?」
『それは蝿の王よ』
そうだっけ?でも蝿も蟲だし同じようなものじゃないのかな。てか名前がわかったところで別になんの対策も行えるかって言われたら無理だしな
『でも蟲ならまだ救いはあるわね。ミライもクレアも有利だし』
「クレアはともかく僕も?」
『あんた爆発とかで擬似的な火魔法を扱えるじゃない』
確かに電気の電圧をかなり高めることで発火という現象を引き起こしているけど結構力使うんだよね。そう考えればシオン先輩の凄さがわかる。水をすべて氷に変換してからさらにあんな魔法を扱うだなんて考えられない。魔力がどんだけあるんだよ
『そのほかの情報は行きながら話すわ…ああ、言い忘れていたけどシオンとえっと…サリア?は来週に結婚するから』
「実質的なタイムリミットか」
『それに私もあんまりシオンの遠くに行くことができないし、契約上私は彼に従う…だから完全に洗脳されてしまったらおしまいよ』
『普通は精霊と契約した人間を洗脳とか無理だけど相手に王がいるのなら話は別ね』
「なるほどね」
ならばゆっくりしている時間はない、と。だからこれ以上の情報は移動中に話すことで時間短縮を狙うと。それならばさっさと転移してくれませんかね。その方がかなり時間短縮になる。
『無理よ。シオンがいないからまともに魔法も使えないし…それに逃げるのに結構魔力を消費しちゃったしね』
「そういうことかよ…」
…それにしたって頼るのがイフリートってどうなんだろ。それならサリア先輩とかを頼った方がいいんじゃないだろうか。間違いなく僕らよりも強いし。まあ確実に動けるのは僕らだろうけど
『それじゃあ、出発しましょ…って言いたいけど、ミライ今日はあんたの体を休めるって言ったからね。ウィンディもいいわよね?』
『あー確かにかなり傷ついている…だからさっき止めるように口を挟んだのね』
さっきのはたまたまなんかじゃなくてわざとだったのか。僕を休ませるために。
『それなら私が無駄に張り切ったみたいじゃない』
『気がついていなかったみたいね。あなたも焦っているわ。少し落ち着きなさい』
『はぁ、そうね』
あ、今日は結局移動しないのですね。ということはウィンディーネからたくさんの話を聞くことができるわけだ。具体的には相手の情報とかを。これはできれば知っておきたいな。特に相手がどんなスキルを持っていてどんな魔法を扱えるのか知っておけばかなり有利になる。さらに僕の魔法は相手に悟られにくいというか初見殺し性能がかなり高いのでより有利になる
『そうね、なら今日は落ち着いてあなたたちの能力も私に教えてもらおう…いやそれはいいわね』
『最悪の事態に備えてウィンディにはあんまり情報を渡さないでおきましょう』
「それはつまり…」
言いかけた言葉の先は、要はシオン先輩と戦うことだ。精霊たちがここまで警戒をするということはシオン先輩と戦う可能性が非常に高いことを意味している。ま、まあそれが外れることもあるんだけど
『と、言っても私が伝えられるのって敵の人数とあとはスキルぐらいかしらね…それも推測の域を出ないけど。私がしてたことって城の人間が魔族かどうかのチェックぐらいだし。それにしばらくは学校もあったしね』
「うっ」
「うぐっ」
『やーい不登校だ。問題児だ』
「「誰のせいだと思っているだよ」」
『あら、私に盾突く気?』
「「すみません」」
でも、僕らがいまこうなっている原因はイフリートにもあるってことは理解して欲しいんだけど。イフリートがクレアを拉致しなかったら今頃僕は安全にぬくぬくと学校生活を送れていたし、それに言いたくないけどシオン先輩たちがいまピンチなのも…ってん?
「もしかして、責任感じてる?」
『え、い、いや…』
あーこれ確実に感じているやつだ。なんだかんだいってこいつは僕らのことを気にかけてくれているんだよな。だからこんな風に言われても腹が立たないというか許せるというかさ
『ふふっ、あなたたち仲いいのね。契約なんて関係なしに人間と精霊が仲がいいなんて…いつぶりかしら』
「なかなかないのか?」
昔はあったけれど…そんな風にも聞こえるまるでどこか懐かしんでいるような口調だ。
『まあ「精霊」スキルを持つ人間が仲良しになることもあるんだけど…こうして高位の精霊と仲良くなるってことは普通の人間ではないわね』
『ミライは遠呂なしに燃やせるからね』
「少しは加減してくれよ」
『なら私への態度を考えてよね』
「えー」
『だからなんでそうなるのよ!』
僕とイフリートの言い合いを楽しそうに眺めているウィンディーネ。そしてクレアは時々僕とイフリートに加わる。そうしてイフリートが言ったように僕らを休めるために1日が過ぎていった。
「えっと、つまり今シオン先輩の父親が世界征服を狙っていて国の上層部がまとめて魔族と手を組んでシオン先輩はそいつらに捕まってしまったと」
『そういうことになるわね。ミライもわかったかしら』
「つまり先輩が結婚したいのはサリア先輩ではなくてシズク先輩であると」
『こいつの言うことはすべて無視していいわよ』
「さすがにひどくない?」
すべて無視してもいいとかさぁ。さすがの僕でも傷つくぞ。すべてっていうことは100%っていうことでしょ?
『そうよ…あなたもう少しまともな使い方をしなさいよ』
「そこまで言われるか」
『ミライってそんな性格なのね』
「もうこれ以上ないっていうぐらい引かれているな」
さすがにやりすぎたか。初対面のものと話す時って毎回距離の取り方をよく間違えるんだよな『そうね、まったくなっていないわ』ここぞとばかりに悪口を言わないでくれよ
「まあいいや。それで、僕らはどうすればいいんだ?助けたらいいのかな」
『そうね、そうしてくれると助かるわ』
「シオン先輩たちにはお世話になりっぱなしだから助けてあげたいな」
「そうだな」
どのみち事情を聴きに風の国に向かう予定だったんだ。ならばちゃんとした目的ができた分、ありがたい。大義名分があるとないとでは周りの人間の信頼というか視線が全く違うからね
『どっちにしたってあんたは不審者まっしぐらよ』
「そこまで怪しいか?」
「まあ黒目黒髪ってだけで目立っているからな」
『メイはあなたの出身よりも悩んでいることがあったから気にしていなかったけど結構目立つってことを意識しておいてね』
なるほどね。ということは…いや今はいっか。それよりも僕らは移動するけれど歩いて行くことになるんだけど…あ、もしかしてウィンディーネがみんなまとめて転移させてくれるとか?
『え?それは自分たちで歩きなさい?案内はしてあげるから』
「えぇ?」
いや案内をしていただけるのはありがたいのですがね…ここからでもかなり距離があるみたいなんですよ。その距離を進めって言われても着くまでにかなり消耗してしまう気がするんだけど
『無茶だけど…覚悟を決めましょ?』
「ミライ、どうする?」
「行くしかないよ」
この世界に来てから先輩たちには本当にお世話になった。その恩を返すことができるというのなら、それは、またとないことだろう。
「それじゃあ早速」
『あ、ちなみにだけど敵の情報とか何かある?』
『情報?そうねぇ』
行こうとしたらイフリートがタイミング悪く質問をした。いやタイミング悪すぎないか、さすがに。
『おそらくだけど王クラスね「世界」を使えたし…それにおそらくだけど蟲の王ね』
「蟲?」
「蟲ってことは…ベルゼブブ?」
『それは蝿の王よ』
そうだっけ?でも蝿も蟲だし同じようなものじゃないのかな。てか名前がわかったところで別になんの対策も行えるかって言われたら無理だしな
『でも蟲ならまだ救いはあるわね。ミライもクレアも有利だし』
「クレアはともかく僕も?」
『あんた爆発とかで擬似的な火魔法を扱えるじゃない』
確かに電気の電圧をかなり高めることで発火という現象を引き起こしているけど結構力使うんだよね。そう考えればシオン先輩の凄さがわかる。水をすべて氷に変換してからさらにあんな魔法を扱うだなんて考えられない。魔力がどんだけあるんだよ
『そのほかの情報は行きながら話すわ…ああ、言い忘れていたけどシオンとえっと…サリア?は来週に結婚するから』
「実質的なタイムリミットか」
『それに私もあんまりシオンの遠くに行くことができないし、契約上私は彼に従う…だから完全に洗脳されてしまったらおしまいよ』
『普通は精霊と契約した人間を洗脳とか無理だけど相手に王がいるのなら話は別ね』
「なるほどね」
ならばゆっくりしている時間はない、と。だからこれ以上の情報は移動中に話すことで時間短縮を狙うと。それならばさっさと転移してくれませんかね。その方がかなり時間短縮になる。
『無理よ。シオンがいないからまともに魔法も使えないし…それに逃げるのに結構魔力を消費しちゃったしね』
「そういうことかよ…」
…それにしたって頼るのがイフリートってどうなんだろ。それならサリア先輩とかを頼った方がいいんじゃないだろうか。間違いなく僕らよりも強いし。まあ確実に動けるのは僕らだろうけど
『それじゃあ、出発しましょ…って言いたいけど、ミライ今日はあんたの体を休めるって言ったからね。ウィンディもいいわよね?』
『あー確かにかなり傷ついている…だからさっき止めるように口を挟んだのね』
さっきのはたまたまなんかじゃなくてわざとだったのか。僕を休ませるために。
『それなら私が無駄に張り切ったみたいじゃない』
『気がついていなかったみたいね。あなたも焦っているわ。少し落ち着きなさい』
『はぁ、そうね』
あ、今日は結局移動しないのですね。ということはウィンディーネからたくさんの話を聞くことができるわけだ。具体的には相手の情報とかを。これはできれば知っておきたいな。特に相手がどんなスキルを持っていてどんな魔法を扱えるのか知っておけばかなり有利になる。さらに僕の魔法は相手に悟られにくいというか初見殺し性能がかなり高いのでより有利になる
『そうね、なら今日は落ち着いてあなたたちの能力も私に教えてもらおう…いやそれはいいわね』
『最悪の事態に備えてウィンディにはあんまり情報を渡さないでおきましょう』
「それはつまり…」
言いかけた言葉の先は、要はシオン先輩と戦うことだ。精霊たちがここまで警戒をするということはシオン先輩と戦う可能性が非常に高いことを意味している。ま、まあそれが外れることもあるんだけど
『と、言っても私が伝えられるのって敵の人数とあとはスキルぐらいかしらね…それも推測の域を出ないけど。私がしてたことって城の人間が魔族かどうかのチェックぐらいだし。それにしばらくは学校もあったしね』
「うっ」
「うぐっ」
『やーい不登校だ。問題児だ』
「「誰のせいだと思っているだよ」」
『あら、私に盾突く気?』
「「すみません」」
でも、僕らがいまこうなっている原因はイフリートにもあるってことは理解して欲しいんだけど。イフリートがクレアを拉致しなかったら今頃僕は安全にぬくぬくと学校生活を送れていたし、それに言いたくないけどシオン先輩たちがいまピンチなのも…ってん?
「もしかして、責任感じてる?」
『え、い、いや…』
あーこれ確実に感じているやつだ。なんだかんだいってこいつは僕らのことを気にかけてくれているんだよな。だからこんな風に言われても腹が立たないというか許せるというかさ
『ふふっ、あなたたち仲いいのね。契約なんて関係なしに人間と精霊が仲がいいなんて…いつぶりかしら』
「なかなかないのか?」
昔はあったけれど…そんな風にも聞こえるまるでどこか懐かしんでいるような口調だ。
『まあ「精霊」スキルを持つ人間が仲良しになることもあるんだけど…こうして高位の精霊と仲良くなるってことは普通の人間ではないわね』
『ミライは遠呂なしに燃やせるからね』
「少しは加減してくれよ」
『なら私への態度を考えてよね』
「えー」
『だからなんでそうなるのよ!』
僕とイフリートの言い合いを楽しそうに眺めているウィンディーネ。そしてクレアは時々僕とイフリートに加わる。そうしてイフリートが言ったように僕らを休めるために1日が過ぎていった。
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