電気使いは今日もノリで生きる

歩海

『電気鎧・第四形態』

葉月一週目水曜日


「『互いに、互いの魔力を受け渡しただと』」
「ふー」


息を吐く。自分の中に普段から感じている自分の魔力の他に異物なる魔力、まあ異物って言っているけどクレアの何だけどさ、を感じる。イヨさんと似たようなことをした時はちょっと印をつける感じだったからあんまり感じなかったけど今みたいにお互いにかなり交換しあったらちょっと気持ち悪いな


「気持ち悪い」
「クレアひどいぞ。僕の魔力をなんだって…うおぇ」
『どっちもどっちじゃないの。ほら、私がなんとかしてあげるから戦いなさい』


わかりましたよ。戦えばいいんでしょ。あいつの方を向く。さあ、ちょっと出だしが不安な立ち上がりとなってしまったけれど、反撃開始と行きますか


「『それで何の意味がある』」
「それじゃあいこうか」
「おっけー」


言葉を掛け合って走り出す。「『むっ、なるほど』」本来なら同時に走り出したならば僕の方が早いんだけど僕の魔力を与えられているおかげでクレアも同様に限界を超えた無理な動きができるようになったんだよ


互いに別方向から回り込む。こうすれば結果的にあいつを挟むことになるからね。で、こっからが本番。この力はどんなものがあるかわからないから実験が入ってしまう。さっきのはまあすぐに思いついたからいいんだけどね。これ冷静になって考えてみたらクレアの魔力をもらって何の意味があるんだろう


『それを今から試すんでしょうが』
「『我を前にして試運転か。よかろう。その前に潰す』」


え、まってくれないんですか?「『命を賭けた戦いにおいて待てが通ずると思うか?』」いえ、全く思いません。つまりは何も間違っていないわけですね


「『放電thunder』」
「『「魔力の壁」結局強化しようが』」
「『発火』」
「『なに!?』」


僕が放った電撃はいつもの壁に阻まれる直前に爆発した。これはクレアの魔法?ああ、ということはつまり


「『創造creat』、とりゃああああああ」
「『またしても』」


砂鉄剣をつくりだして振り下ろす。これもまたあいつに届くか届かないかってタイミングで爆発する。なるほどこれがクレアが僕に魔力を渡した意味か


「ねえ、僕ただの爆発要因になっているだけど」
「実際そうだろ」
「うるさい!『炎の剣』」
「!、はいはい『遠隔起動remote』」
『結局お互いにお互いの魔力で爆発させてるだけなの!?』


いやだって他に思いつかないし。それにこれだと一つの魔法だけで爆発にまで持っていくことができるからかなり楽なんだよね。しかもタイミングはもう片方がみて起動させるから爆発しないという選択肢もとることができる。これは相手にしたくないだろ


「『なるほどな。だが距離を詰めたらどうなるかな』」


あいつが僕の方向に向かってくる。あー確かに迫られたらどうすればいいのかな


『ミライ!拳を地面にぶつけなさい。クレアタイミングよく「加速ブースト」を』
「なるほど」
「そういうことか」


自分の拳で思いっきり地面を殴る。「『加速ブースト』」ナイスタイミング。拳の先が爆発して強大な推進力が発生する。そして僕は遠くに飛び退くことができた。これはいいや


「『放電thunder』」
「『炎の玉』」
「僕の電撃がわかれた!?」


ああ、つまりクレアが自分の魔力を使って火の玉を形成したように僕の電撃に干渉したと。それによって電撃の粒があいつに向かっていく。


「『くう、近寄れん』」
「いいね」
「そっちの魔法もかなり使いやすいね。移動がかなり楽だよ」


クレアも僕の方に近づいてくる。だろ?使った後の反動がかなりきついんだけどその分使っている間は楽だからね。まるでまや『それ以上はやめておきなさい。現実世界に戻った時に後悔するわよ』はい、そうですね。


「クレア!もう一発頼む『放電thunder』」
「『上空に…』」
「簡単に言ってくれんなよ『火の玉』」


狙いどうり。電気の雨をふらすことができた。これは以前にハルさんと合同で似たような魔法を使ってみたことがあるからイメージしやすかったな。


「『これは…』」


魔法無効バリアによって防いでいるものの雨みたく降り注いでいるからすぐに壊すことができるだろう。一撃しかない僕の魔法を分断して数多に振り注がせているからかなりの数がある。


『まあ魔力が山ほどあるからね。あんたら』
「そういうものなんだな『創造creat』」
「『火の玉』」


お互いが同時に魔法を放つ。そしてここは当然『ミライのみクレアは追撃』え、あ、はい


「『遠隔起動remote』」
「はっ」
「『ぐう、片方のみ爆発だと』」


確かに意表をつくことができたけど…あれ?今どうしてつくことができたんだ?『考えるのは後、「閃光flash」を使いなさい』それ使ったら色々とまずいんですけど『いいから!』


「わかったよ『閃光flash』」
「『眩しっ』」


僕じゃなくてなぜかクレアの方の電気の一部が爆発し、ひかる。近距離で目潰しをくらったみたいで怯む。


「『さっきから…なぜ貴様らはそんな連携をこなすことができる』」
「いやこなすっていわれてもな」


さっきからずっとイフリートが支持を出してきているし。こいつもしかしてイフリートの声が聞こえていないのか?ならどうして


『私がクレアとミライをつなぐパスになっているからよ』
「『なっ』」
「えっと…?」


いや急に『パスになっているから』って言われても何が何やらよくわからないんですけど


『え、わからないの?つまりあなたたちは最初ということもあってかなり不安定にお互いに魔力を与えていたの。だから私がそこのとこの調整を行ったの』


確かに言われてみれば最初に感じていた謎の気持ち悪さというか吐き気がほとんどなくなっているもんな。これイフリートがうまいこと調整しておいてくれたのか。それは本当に助かる


『ついでにパスがつながっていることをいいことにあなたたちの頭に直接語りかけてみたの。だからさっきの声はあいつには届いていないわ』
「脳内通話みたいなものか?」
「念話みたいな?」
『まあどちらも間違っていないわね』


これは非常に助けるな。つまり脳内で会話することであいつに悟らせることなく作戦を立てることができるっていうことだよな『んーまあ基本的に私を介して送るって感じね。直接は今は無理よ』それは今後に期待ということですね。了解です。


「『くっ、炎の精霊が』」
『私だってあんたらの敵なんだから当然でしょ?さあ、ミライにクレア!私がいるから魔力の送りすぎで相手が死ぬとかそんなことはないわ!遠慮なく戦いなさい』
「よっし!」
「おっけー」


ってちょっと待って。今しれっと流してしまいそうだったんだけど魔力を送りすぎたら死んじゃうの?『まあ当然でしょ?他人の何だから。行き過ぎた治療も毒になるでしょ?』それは言われたらそうなんだけどさ


『まーあなたたちは大丈夫だけど初めてってことで私がサポートしてあげるからさ』
「それは助かります」


でもこの魔法のおかげであいつに優位に戦うことができている。さて、一気に押しきろうか!

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