電気使いは今日もノリで生きる
足を突っ込む
葉月一週目月曜日
『ミライこっち!』
ああもう、なんでこんなにも1日で誰かが襲われる事件に遭遇するんだよ。この都市ってこんなにも治安が悪いのかよ。あ、でも日常的にはこんなものなのかな。今までは自分が知らなかっただけであちらこちらで事件が起きていたのかな。もう少し世間に広く目を見た方がいいのだろうか。いやだこんな事件に巻き込まれたくないよ。弱音を吐きたくて仕方がない。
「ここか!」
角を曲がればそこにはやっぱりナナさんとそれを襲っている男たちが3人・・・いやあのね。さっきのメイさんとほとんど同じ条件なんだけどこれなんてデジャビュ?さすがに男は違う人であるんだろうけど・・・襲われている人が同じだから同じように見えるだけか。
「おい!お前ら何してるんだ?・・・さすがに襲うのなら合意じゃないとダメだぞ?」
「へえ、俺たちがこいつを襲っているとでも思うのか?」
「まあそりゃ、女の子とむさい男どっちがって言われたらそりゃあね?自分の性別を恨めよ」
『それさっきのあなたなんだけど・・・ブーメラン刺さっているわよ』
自分が言われたからこそ言うことができるんだよ。諸刃の剣って要はそういうことだろ?人に悪口を言っていいのは悪口を言われてもいいやつだって『なんか微妙に違うのだけど!』
「へっへっへ、今回はその解釈であってるぜ。それで?お前はどうするんだ?」
「まあ。その子知り合いだし、助けるのが普通でしょ」
「へえ、この『幽霊少女』の知り合いねぇ」
『幽霊少女』・・・また変な名前が出てきたものだ。でもそれとナナさんになんの関係があるんだ。その言葉を聞いた瞬間ビクってしたし。・・・ナナさんであっているよね?実は別の人でしたとかないよね?もしそれだとしたらかなりおかしいんだけどどうして1日に同じ顔の人と三回も合うんだよ。いや確かに世界には同じ顔をした人間が3人いるっていうけどさ、近くに良すぎだろ。ドッペルゲンガーか。・・・なんか自分がうっすら考えていたことが現実味を帯びてきて辛いんだけど。
『それフラグよ・・・』
だからまあ別の人だったとしても驚かないからね!どのみち助けて見るまではわからないわけだし、もうどうにでもなれ、だ。・・・もし自分の考えている通りなら、取るべき行動が変わってくるし。
「こんな女の知り合いってことはお前も仲間か?」
「知らないけど良かったなぁ。お前の代わりにこいつが殺られてくれるってよ」
「だから今日は勘弁してや「『放電』」ぎゃあああああ」
「なっ!」
別にあいつらは話し終わるのを待つ必要なんてないよね。さっさと倒してしまおう。
「『電気鎧』」
体に電気をまとわせてから二人目の男に殴りかかる。ちっ、外したか。こいつら見かけによらずなかなかやるな。さっき電撃を当てた相手もすぐに立ち上がったし不意打ちとはいえ対処されてしまったのか。
「こいつ、気をつけろ」
「ああ、命を賭けた戦いを経験してやがる」
「ふう、『電気鎧・第三形態』」
油断はしない。だからこそ一気に全力を出す。ついでに『領域』を展開。これでこいつらの攻撃にある程度対処することができる。さあ、戦いを始めよう。僕のペースでだけど
「てめぇ、やりやがったな『火の玉』」
「なめんじゃねぇ」
なんだこの程度か。さっきの対応から結構やるのかと思ったんだけど火の玉の数も少ないし殴りかかってくる様子もかなりお粗末だ。
「『地雷』」
「ぐああああ」
だから走ってくる男の足元に電気の罠を放り投げる。綺麗に決まったな。それはさっきの電撃とは全く違うぞ。大型の生物でさえ一瞬痺れさすことができるからな。人間ならばひとたまりもないだろう。なのでその電撃に直接当たった男は痺れて倒れてしまった。残すは二人。向かってくる火の玉を避けながら残り一人の居場所を把握する。えっと・・・うわーまじかよ。ここまでするか普通。
「く、来るなぁ。少しでもこっちに来たらこの女を殺すぞ」
「よ、よくやった。さあまずはその体を覆っている電気を解除してもらおうか」
「・・・」
まあ、人質に取られているみたいだしこれは従うしかないのか・・どうすればいいかな。ナナさんであろう少女を見捨てれば遠慮なく殴ることができるけどそれをしてしまったら本末転倒だ。なんのためにわざわざ助けに来たのかって話だよな。
「よし、それじゃあ・・・俺たちの攻撃をまともに喰らえよ?『水柱』」
「くっ」
僕の体が水に包まれる。クレアの炎の舞みたいな感じだな。水中に入れられたみたいで呼吸ができない。これだと集中力が途切れてしまうんじゃないか・・・。
「魔法は使うなよ。使えばすぐにこの少女を殺すからな」
「あ?こいつは殺さない命令じゃなかったか」
「バカっ、こうでも言わなきゃこいつが攻撃してしまうだろうが」
なるほどねぇ。こいつらにはこの少女を殺すつもりがなかったと。それを聞いてしまえば安心だ。気持ちが落ち着くだけで気分が楽になる。よし、これなら・・・無事に魔法を発動できる。
「何をしようとしてももう水中なら呼吸なんてできま『串刺し』がっ」
「なっ」
「『電気の領域』」
「水の柱を壊しただと・・・」
ま、『領域』を使えばこんな魔法簡単に破ることができるからね。さて、
「『串刺し』」
もう一発。さっき僕は『電気鎧』は解除したけれど最初に展開していた『領域』は解除していなかった。そんな魔法があるなんて普通は知らないだろうし僕も遠慮なく利用させてもらった。さすがに一度に大量には無理だけど少しの量ならば『創造』をはさまなくても使用できるようになった。主に使用用途は不意打ちだけど発動するためには少しだけ集中する必要があるけどね。まあそういうわけで僕はここら辺にある砂鉄を使って少女を捕まえている男の足に突き刺した。そして痛くて手が緩んだところにもう一発。これで少女を取り戻すことができた。もう一人は僕の行動に呆気にとられていたのか何もしてこなかった。
「ちい、おいさすがに逃げるぞ。こいつはおそらく報告にあったやつだ」
「まじか。異常な電気使い・・・でも確かにな」
そしてこいつらはさっき電撃で痺れているもう一人の仲間を引きずるようにして何処かへと逃げていった。というか『報告にあった』ってどういう意味だ。こいつらメイさんを襲っていたやつと同じ仲間なのか?
『さあね、でもちょっと胡散臭いわね』
面倒なことには関わりたくないっていうのに。さてと、では助けた少女と話でもしますか・・・今度は嫌われないよね?
「あの、助けてくれてありがとうございます」
「いえいえ」
お、最初にお礼を言ってきたし礼儀正しい子なのかな。
「それで、どうして助けたんですか?」
「え?ああ、君と姿がよく似た子と知り合いでね」
「え?そうなんですか?もしかしたら親戚かもしれないですね。名前はなんていうんですか?」
「ん?ナナっていうっとうえい」
ちょっと、何いきなり攻撃してくるんだよ。急に目の前の少女は僕に電撃を放出してきた。
「危ないだろ!なんでそんなことをするんだ!」
「・・・実験の関係者じゃない?」
「実験?」
急に何を言いだしているんだ?僕には何がないやら全く分からないので説明して欲しいのですけど。『それ聞くと多分戻れないわよ?』もういいよ。なんか命狙われちゃったし。自分の命が狙われる理由ぐらいは知りたい。それに・・・僕は今、自分の中で仮説が確信に変わりつつあることを感じるから。
「・・・ああ、偶然出会ったと。了解、速やかに誤解を解き謝罪をしておく」
「誰と話しているんだ?」
急に虚空を見つめてブツブツと呟き始めているんだけど。何してんだこいつ。はたから見たら気持ち悪いぞ。『私と会話しているときの様子を客観的に見せてあげようか?』いえ、結構です。本当にすみませんでした。ちょっと調子に乗ってしまいました。お願いですのでやめてください
「えっと、ミライさん、ですね。先ほどは助けていただいてありがとうございます。それから急に襲ってしまいすみませんでした」
「いえ、まあ誰にでも間違いはあるので」
「ではこれで」
「ちょっと待って」
さっきイフリートが言っていたけどこれを聞いたら僕はもう戻れない。でもそれでも僕は尋ねる。
「できれば説明して欲しいんだけど。それから君の名前も」
『ミライこっち!』
ああもう、なんでこんなにも1日で誰かが襲われる事件に遭遇するんだよ。この都市ってこんなにも治安が悪いのかよ。あ、でも日常的にはこんなものなのかな。今までは自分が知らなかっただけであちらこちらで事件が起きていたのかな。もう少し世間に広く目を見た方がいいのだろうか。いやだこんな事件に巻き込まれたくないよ。弱音を吐きたくて仕方がない。
「ここか!」
角を曲がればそこにはやっぱりナナさんとそれを襲っている男たちが3人・・・いやあのね。さっきのメイさんとほとんど同じ条件なんだけどこれなんてデジャビュ?さすがに男は違う人であるんだろうけど・・・襲われている人が同じだから同じように見えるだけか。
「おい!お前ら何してるんだ?・・・さすがに襲うのなら合意じゃないとダメだぞ?」
「へえ、俺たちがこいつを襲っているとでも思うのか?」
「まあそりゃ、女の子とむさい男どっちがって言われたらそりゃあね?自分の性別を恨めよ」
『それさっきのあなたなんだけど・・・ブーメラン刺さっているわよ』
自分が言われたからこそ言うことができるんだよ。諸刃の剣って要はそういうことだろ?人に悪口を言っていいのは悪口を言われてもいいやつだって『なんか微妙に違うのだけど!』
「へっへっへ、今回はその解釈であってるぜ。それで?お前はどうするんだ?」
「まあ。その子知り合いだし、助けるのが普通でしょ」
「へえ、この『幽霊少女』の知り合いねぇ」
『幽霊少女』・・・また変な名前が出てきたものだ。でもそれとナナさんになんの関係があるんだ。その言葉を聞いた瞬間ビクってしたし。・・・ナナさんであっているよね?実は別の人でしたとかないよね?もしそれだとしたらかなりおかしいんだけどどうして1日に同じ顔の人と三回も合うんだよ。いや確かに世界には同じ顔をした人間が3人いるっていうけどさ、近くに良すぎだろ。ドッペルゲンガーか。・・・なんか自分がうっすら考えていたことが現実味を帯びてきて辛いんだけど。
『それフラグよ・・・』
だからまあ別の人だったとしても驚かないからね!どのみち助けて見るまではわからないわけだし、もうどうにでもなれ、だ。・・・もし自分の考えている通りなら、取るべき行動が変わってくるし。
「こんな女の知り合いってことはお前も仲間か?」
「知らないけど良かったなぁ。お前の代わりにこいつが殺られてくれるってよ」
「だから今日は勘弁してや「『放電』」ぎゃあああああ」
「なっ!」
別にあいつらは話し終わるのを待つ必要なんてないよね。さっさと倒してしまおう。
「『電気鎧』」
体に電気をまとわせてから二人目の男に殴りかかる。ちっ、外したか。こいつら見かけによらずなかなかやるな。さっき電撃を当てた相手もすぐに立ち上がったし不意打ちとはいえ対処されてしまったのか。
「こいつ、気をつけろ」
「ああ、命を賭けた戦いを経験してやがる」
「ふう、『電気鎧・第三形態』」
油断はしない。だからこそ一気に全力を出す。ついでに『領域』を展開。これでこいつらの攻撃にある程度対処することができる。さあ、戦いを始めよう。僕のペースでだけど
「てめぇ、やりやがったな『火の玉』」
「なめんじゃねぇ」
なんだこの程度か。さっきの対応から結構やるのかと思ったんだけど火の玉の数も少ないし殴りかかってくる様子もかなりお粗末だ。
「『地雷』」
「ぐああああ」
だから走ってくる男の足元に電気の罠を放り投げる。綺麗に決まったな。それはさっきの電撃とは全く違うぞ。大型の生物でさえ一瞬痺れさすことができるからな。人間ならばひとたまりもないだろう。なのでその電撃に直接当たった男は痺れて倒れてしまった。残すは二人。向かってくる火の玉を避けながら残り一人の居場所を把握する。えっと・・・うわーまじかよ。ここまでするか普通。
「く、来るなぁ。少しでもこっちに来たらこの女を殺すぞ」
「よ、よくやった。さあまずはその体を覆っている電気を解除してもらおうか」
「・・・」
まあ、人質に取られているみたいだしこれは従うしかないのか・・どうすればいいかな。ナナさんであろう少女を見捨てれば遠慮なく殴ることができるけどそれをしてしまったら本末転倒だ。なんのためにわざわざ助けに来たのかって話だよな。
「よし、それじゃあ・・・俺たちの攻撃をまともに喰らえよ?『水柱』」
「くっ」
僕の体が水に包まれる。クレアの炎の舞みたいな感じだな。水中に入れられたみたいで呼吸ができない。これだと集中力が途切れてしまうんじゃないか・・・。
「魔法は使うなよ。使えばすぐにこの少女を殺すからな」
「あ?こいつは殺さない命令じゃなかったか」
「バカっ、こうでも言わなきゃこいつが攻撃してしまうだろうが」
なるほどねぇ。こいつらにはこの少女を殺すつもりがなかったと。それを聞いてしまえば安心だ。気持ちが落ち着くだけで気分が楽になる。よし、これなら・・・無事に魔法を発動できる。
「何をしようとしてももう水中なら呼吸なんてできま『串刺し』がっ」
「なっ」
「『電気の領域』」
「水の柱を壊しただと・・・」
ま、『領域』を使えばこんな魔法簡単に破ることができるからね。さて、
「『串刺し』」
もう一発。さっき僕は『電気鎧』は解除したけれど最初に展開していた『領域』は解除していなかった。そんな魔法があるなんて普通は知らないだろうし僕も遠慮なく利用させてもらった。さすがに一度に大量には無理だけど少しの量ならば『創造』をはさまなくても使用できるようになった。主に使用用途は不意打ちだけど発動するためには少しだけ集中する必要があるけどね。まあそういうわけで僕はここら辺にある砂鉄を使って少女を捕まえている男の足に突き刺した。そして痛くて手が緩んだところにもう一発。これで少女を取り戻すことができた。もう一人は僕の行動に呆気にとられていたのか何もしてこなかった。
「ちい、おいさすがに逃げるぞ。こいつはおそらく報告にあったやつだ」
「まじか。異常な電気使い・・・でも確かにな」
そしてこいつらはさっき電撃で痺れているもう一人の仲間を引きずるようにして何処かへと逃げていった。というか『報告にあった』ってどういう意味だ。こいつらメイさんを襲っていたやつと同じ仲間なのか?
『さあね、でもちょっと胡散臭いわね』
面倒なことには関わりたくないっていうのに。さてと、では助けた少女と話でもしますか・・・今度は嫌われないよね?
「あの、助けてくれてありがとうございます」
「いえいえ」
お、最初にお礼を言ってきたし礼儀正しい子なのかな。
「それで、どうして助けたんですか?」
「え?ああ、君と姿がよく似た子と知り合いでね」
「え?そうなんですか?もしかしたら親戚かもしれないですね。名前はなんていうんですか?」
「ん?ナナっていうっとうえい」
ちょっと、何いきなり攻撃してくるんだよ。急に目の前の少女は僕に電撃を放出してきた。
「危ないだろ!なんでそんなことをするんだ!」
「・・・実験の関係者じゃない?」
「実験?」
急に何を言いだしているんだ?僕には何がないやら全く分からないので説明して欲しいのですけど。『それ聞くと多分戻れないわよ?』もういいよ。なんか命狙われちゃったし。自分の命が狙われる理由ぐらいは知りたい。それに・・・僕は今、自分の中で仮説が確信に変わりつつあることを感じるから。
「・・・ああ、偶然出会ったと。了解、速やかに誤解を解き謝罪をしておく」
「誰と話しているんだ?」
急に虚空を見つめてブツブツと呟き始めているんだけど。何してんだこいつ。はたから見たら気持ち悪いぞ。『私と会話しているときの様子を客観的に見せてあげようか?』いえ、結構です。本当にすみませんでした。ちょっと調子に乗ってしまいました。お願いですのでやめてください
「えっと、ミライさん、ですね。先ほどは助けていただいてありがとうございます。それから急に襲ってしまいすみませんでした」
「いえ、まあ誰にでも間違いはあるので」
「ではこれで」
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さっきイフリートが言っていたけどこれを聞いたら僕はもう戻れない。でもそれでも僕は尋ねる。
「できれば説明して欲しいんだけど。それから君の名前も」
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